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やまぐちブックストアダイアリー  作者: 着ぐるみ人形あき
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第27話 祭は終わって……

 「テッケリテケリケテッテケテ~♪」

「おおテケリリちゃん、ご機嫌ですね?」

「班長おはよ。生物研究室からの出向寂しくない?」

「ここ去年から謎の部署だったんだけどね…凄く楽しい所だね。」

「テケリリ達とも仲良くしてね?班長。」


ヌガー・クトゥンの見立てではテケリリは数ヵ月でショゴスロードに進化するだろうと言われている。更にショゴス達は一括して防衛軍預かりとなり、あちこちに貸し出される形で決着した……ここファンクラブのテケリリと廃油以外は。

テケリリは隠密行動可能でファンクラブのシークレットサービスとして行動を共にし、廃油は本部の害虫・害獣駆除でファンクラブになくてはならないパートナーとして存在を誇示していた。

「にしても最悪1日ハンバーガー1個で活動できるって凄いな。」

「文字が甘やかして飴やらポテチやら与えとるけどな。」

「この前廃油とカップラーメン食ってたぞあいつ。」

「え?廃油ってネズミやゴキとってくれてるんじゃ……?」

「ショゴスの王の降臨だよ。」

「博士?」

「その者、液体生物と心を繋ぎ、青きジーンズを纏いて若草の野原に降り立つべし……と……」

「何かに書いてあるのか?」

「小学生の時にナウシカ見て黒歴史ノートに落書きした。」

「真面目に聞いて損したぞこの野郎!」

“文字から本部、緊急連絡、撮影機材持って書店に来られたし!ああっ……始まる……”


何事かと資料班が駆けつけるとXOXOが横たわっていた。


「間に合ったか……今からXOXOちゃんの進化が始まるそうだ。んで撮影して欲しかったんだよ。」

「まぁ博士の与太話よりマシか……」

「素晴らしいじゃないか!なんで俺は研究室なんかに……」

「班長落ち着け!研究室辞めてファンクラブの廃油の世話したい奇特な人はあんただけだ!」


XOXOはその口から糸を吐き始める、1分かけて長軸30センチの繭が出来上がった。


「今繭の中でXOXOは完全に溶けてるんだよ。そして遺伝子を組み換えて進化するんだ。」

「この前のショゴスみたいな感じかな?」

「うん。元々ショゴスを改造した物だからね。更にこの前新しいショゴス細胞を吸って進化機能が動き出したんだと思うけど……」

「じゃぁ今までのXOXOちゃんはもう見れないのか……」

「いやいやあれは基本態だから。たぶんXOXOnyやXOXOniaに変身できるはずなんだけど……」

『皆さん、何してるんデスか?』

「書店ちゃん!XOXOが進化しそうだって言ったらみんな心配して来てくれたんだ。」

「テケリ……リリ。」

「廃油も来てくれたのか。よしよし。」

「モジ、XOXOの進化がイレギュラー性が有ると廃油が言ってる。」

「テケリリも来てくれたんだ……ってイレギュラー?」

「テケリケテケリリテケテケリリリリリリ。」

「XOXOが吸ったショゴスの中に飛行因子を持つのがいたらしいと廃油が言ってる。」

「飛行因子ならXOXOちゃんももってたんじゃ?」

「XOXOのは正確にはジャンプ因子だったからね……」


バカッ!繭がひび割れXOXOがニュッと顔を出す。


「XOXOぉ~、苦しくなかった?」


XOXOはニコニコとコニーに撫でられに行っている。


「じゃぁXOXO、チェンジXOXOny!」


XOXOが青く発光し……コアラになった?

いやシルエットはXOXOとかわりないのだが色が青く尻尾が丸く小さくなり、顔はコアラのそれに酷似していた。


「中日ドラゴンズ応援用XOXO?」

「陸上スピード特化XOXOnew yare、新しく機敏なXOXO。略してXOXOny!」


XOXOnyは原付並のスピードでその辺りを走り回っている。


「そしてチェンジXOXOnia!」


今度は緑に発光し……緑の蛇のようなシルエットに変わる。

顔は丸い目はそのままで顔の両端に耳のようにヒレが付き、申し訳程度のマズルから細長い舌を出し入れしている。


「深海特化のXOXOnimbur in abyss 奈落のスピード狂XOXOnia!」

「へぇ……これもかわいいなぁ。」

「あともう1パターンが良く判らないんだけど……チェンジ!XOXOdori!」


金色の光の中、薄いピンクのふわふわの羽根を持つ鳥に変化していた。


「発光色と体色は関係無いんですねぇ。」

「う~ん、このパターンまでXOXO進化させた人居なかったからねぇ……」

「リリテケリリリリテケリリリ。」

「XOXOdrift of rainbow inferno(虹色の地獄を漂流する者)と言うことらしいです。廃油がXOXOの精神を読みました。」

「んじゃちょっと飛んで見て……」


ドン!窓から飛び出したXOXOdoriが町内を一周して戻って来るのに2秒であった……


「V3さん……いやコニー先生、これ凄いよ!XOXOちゃん無敵だよ!」

「ありがとう。データは廃油ちゃんにもフィードバックできるから廃油ちゃんもテケリリちゃんも強くなるよ!」

「あ~、文字、相談が有るんだがテケリリちゃん飛べるようになったら是非虎縞ビキニを……」

「博士?テケリリ既に飛んでないか?」

「そう言えばそうだったぁ~!」

「リーダーがアホだと廃油ちゃん達反乱起こさないかね?」

「ショゴス担当は文字と班長だからなぁ……」

「心配じゃ……」

「生物研究室から優秀な班長が来てくれとるのに……廃油、いっぱいお目眼!」


文字の言葉に反応して廃油が悪魔くんの百目の様な姿に……


「止めろアホ!と言うかテケリリちゃん鳥乙女ナスカで……」

「テケリリをオタクにするんじゃない!と言うかXOXO生活にXOXOdoriも出るんですか?」

「うん、外観が判らなかったから書かなかっただけだよ。」

「これXOXOちゃんに分身してもらったらいつでもXOXOnyちゃんやXOXOniaちゃんと居られるんでは?」

「天才かCG!」


『XOXOコーナー作ってみんなそこで飼育しマスかねぇ……』

「プロロちゃんや廃油ちゃんも遊べるコーナーがいいな。」


やまぐち書店変な動物ふれあいコーナーができるのはまた別のお話。そしてあざす中尉が今回の功績で二階級特進とそれに伴う事務仕事に忙殺されているのもまた別の……


「チャイルドセブン~!助けに来てよ~!」

「ほとんどXOXOちゃんの進化見守りに行ってますが?」

「まぁ必要以上に働き者……でなくってこの書類よ!」

「博士と文字にやらせますか?」

「お願い、あたしを解放してぇ~!」


(グッズ販売リーダー)が持ち帰った2/3の書類は博士と文字とCG3人組により2時間で終わった。


「あ!新しいグラフィックボード欲しい!」

「書き足しとけ書き足しとけ。俺も高級松阪牛を……」

「文字、さすがにそれはバレるぞ?オージービーフにしとけ。」

「博士、スペクトル分析装置はバレないか?」


業務上横領も少しは有ったようである……


今回は新しいXOXOを出したかっただけの話でした。

実際モデルとなったこにすけ先生のゾクソ生活ではゾクソ達が魅力的に活躍してます(スピード特化や深海特化は筆者が勝手に言ってるだけですのでお間違え無いように)。

なお、突然出て来たファンクラブショゴス班長(通称班長)ですが、実物はテケリリの名付け親です。

設定は防衛軍新生物研究室副室長、偉く真面目な科学者ですがファンクラブに交じると…… 

あと、横領未遂は監査室の手によって潰されました。

さて次回はお待ちかね水着回 第28話、間蔵島再び

お楽しみに

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