第25回 台戸豚追い祭前夜
「うわ~!もう明日じゃないか~!」
「落ち着け豚。恨むなら阿藤を恨め。」
「博士~!タイムマシン作ってくれ~!」
「誰が逃走用メカなんか作るか!」
「でも文字ってダンコンマンやナインカと普通に交渉してたじゃねーか。」
「ギロチンは一気に落ちるからいいんであって秒速1ミリで落ちて来たら怖いわ!」
「1号2号をかぶり付きで見られるんだから我慢しろ。」
「俺の仲間は薄情です。ってか男根、ポスターに要らん事描くなよ!駄豚様の晴れ舞台って……」
「いや~、筆が乗る乗る。しっかり農民席から見といてやるからな。」
「せめて真面目に踊ってくれ。グッズ販売班、頑張ってくれよ?」
「駄豚バッジと駄豚ステッカースタンバイOK!」
「売れ残ったら文字が買い取り。」
「何でやねん!」
などとファンクラブが浮かれてた頃……
「明日の祭……オデがスターになるはずだったのに……」
“隙手間……聞こえるか?”
「神様!」
“明日の昼、レギオンをそちらに向かわせる。使うがいい。”
「ありがとうございます。必ず明日の祭を潰します。」
当然草が聞いてないはずは無く……
「ファンクラブ本部並びに字守中尉に緊急連絡!明日敵名称レギオン祭に出現!対処乞う!なおレギオンの詳細不明!」
「字守了解!ご苦労様。」
「本部了解!やったな!注意して帰投せよ。」
「ところでレギオンって何だろう?」
「ギャメラ2の敵じゃ。」
「それはそうだけど!あれが攻めて来るのか?」
と遊び半分のファンクラブに対し……
「レギオンか……」
「あれこの前のどっかに飛ばされた時に最初に来た奴だよ。海老の大将がそんな事言ってたぜ?」
「海老の大将とハ私ですカな?」
構えるダンコンマンを制してあざすさんが声をかける。
「ヌガー様、あいにくなのちゃんは祭の準備に出てますが?」
「いえ、跳ね返りの古の馬鹿共がこちらの祭を狙うト聞いたノデ警告に参りマシタ。レギオンはショゴスの簡易態デスが大きさは10メートルのも居ますノデ気をつけテ下さい。最悪我々と同色の彼を使うといいでショウ。」
「XOXOちゃんはちょっと……大っぴらには……」
「いや、逆に今回味方だと知らしめるのは良いかも知れねぇな。」
「あと物理攻撃に強ク、殴り倒すナラダンコンマンさん並の筋力が必要デス。えびさんの魔法やマイコニッダーのビームや音響兵器で叩いて下サイ。奴隷種族と言えど昔神に反逆した種族デス。」
「一つ質問、なんであんた味方してくれるんだ?」
「この知識を守る為ト、あなた方が気に入ったカラです。脳だけ宇宙旅行したくなっタラ言ってくだサイ。
特になのちゃんハいつも驚きに満ちてイマス。」
「何やったんだあの子?」
「同性愛漫画売り付けたみたいなのよ……」
「宇宙が愛で溢れル。素晴らしい事デス。最近はロボットの店員も入っテ。この店ハ愛の発信地デス。」
「恐ろしい気に入り方だな。」
「先輩……もしかしてえびちゃん先生のSOSやまぐち書店って事実ですか?」
「知ってしまうと戻れなくなるわよ?」
「まだそんな浅瀬だったのか。」
「肩まで浸かって100数え終わった奴に言ってない。」
「酷い言い方だよなヌガーさん。」
「あざすさんの言にハ私も賛成シマス。009サン、何も宇宙恐怖を見極める必要ハ有りまセン。」
「え?俺は?」
「一緒に宇宙の深淵を眺めマショウ。」
「楽しそうなお話してマスか?」
「やぁ、マイコニッダー。」
「穴堀りキノコ?どうしたんデス?」
「明日の祭にショゴスをけしかける馬鹿が居るみたいでその対策ナノだよ。君も手伝えマイコニッダー。」
「明日はなのちゃんとえびちゃんが踊るんでそっち見たいんデスけど。」
「それは私も見タイ、共同戦線を張ロウ!」
「最悪撮影班とCG班が仕上げて見せてくれるわよ?」
「あたしの絶叫は使えないかな?」
「ブブラちゃん!多分日中よ?」
「UV離をスーツ化してもらったから行けるわ。このままだとA-10ちゃんに出番取られそうだし。」
「発狂レベルで抑えられるナラ武器になりマス。人類に犠牲は出したくナイので。」
「吸血鬼の中でも即死は禁じ手なのよ。仲間の被害が増えるから。」
「警備員さん吸血鬼なんですかぁ?」
「フッフッフ……我は誇り高き真祖の末裔、リシリー・ケルブブラッドムーンよ!」
「「おお~!」」
ぱちぱちぱちぱちぱちぱち……
「あら?反応薄いのね?」
「ブブラちゃん、こちらはミ=ゴ族のヌガー・クトゥンさん、対人類コミュニケーション用のロボットで危機を伝えてくれたのよ。宇宙人です。」
「あ!ブブラと申します~……って無知村さんと同じ宇宙人?」
「利尻ちゃん!また一緒にアイス食べマショウね。」
「エリさ~ん!今度から昼間も一緒に遊べるよ~!」
「未成年の女の子がキャピキャピしてるのも良いものデスなぁ。」
「ヌガーさん、そう言う感性は大切にしたいよな。」
「そこのロリコン黙ってろ!」
あざすさんとナインカが害虫でも見るような目でダンコンマンとヌガー・クトゥンを見ていた。
「あの目付きもなかなかゾクゾクと来ますナ。」
「そっちに行っちゃダメだ!帰って来いヌガーさん!」
「あ……防衛軍に協力要請するの忘れてたわ……」
「CHILD7から報告は受けている。地上班一個中隊を貸しだそう。祭を邪魔しない人数ならそんなものだろう。」
「武器はテーザーと焼夷銃弾でお願いします、通常銃弾では傷つけられません。あとこちらの協力者達もブリーフィングに参加してもらいます。」
「で……新兵200名か……」
「充分充分、1000名来ても動き取れなくて殲滅させられるだけだぞ?」
「私達との戦闘経験が有るノハ009さん以外のこのメンバーだけですカラねぇ……なのちゃんえびちゃんは今回戦力に入れない方がいいデショう。」
「斉藤さんなら行けそうな気がシマスが?」
「あなた達には平和に生きて欲しいんだけどな……個別に狙われると対処できない可能性が有るから。」
「中途半端な元漫画家見張るはずがなんでこうなったんでしょう?」
「あいつに人の心が無いからじゃない?」
あざすさんの目がターゲットを見詰める時のそれに変わっていた。
思い付きだけで始めた豚追い祭ですが……何故か根底から掘り返す事になってしまいました……
1回だけのゲストの予定だったダンコンマンやヌガー・クトゥンが平気で顔だしてますしファンクラブがスパイに……おまけに肝心の書店ちゃん姉妹が出てこない……なんでこうなった?
次回は決着、そろそろ夏祭りも始まると言うことで 第26回 台戸豚追い祭当日の攻防
お楽しみに