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やまぐちブックストアダイアリー  作者: 着ぐるみ人形あき
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第24話 スパイ達の憂鬱

 「結構キツいなこれ……」

「これ12時間やるんだぞ……身体もつか?」

「文字なんか魂が抜けそうな顔してるぜ……」

「日本一フラフープの上手い女の子の苦労がわかった気がする……ところで博士、隙手間の野郎気付いたか?」

「ああ、ロボさん来た時にこっそり逃げてたな。手書きを2人付けたが良かったか?」

「どうも中尉が俺たちを引き抜いた理由があいつらしいからな。」

「MI6のナインカ嬢のターゲットもあいつっぽいしな。」

「最初本屋見張れって言われた時は反発してた癖に……」

「店員かわいいわよ?からやります!の流れは綺麗だったよな。」

「そりゃエリートが独立愚連隊訪ねて来たら警戒するだろ……」



「ごめんなさい、ここが第7諜報部でいいかしら?」

「その通りですが出世したいなら俺たちと関わらない方が良いですよ?字守令子少尉。」

「出世は要らないわ。貴方たち第7諜報部(アンラッキー セブン)の力を借りたいのよ。今度とある本屋に潜入する事になってね。」

「それこそ俺たちには荷が重過ぎますよ。お断りします。」

「別に本屋調べる訳じゃ無いわよ?貴方たちは常連として本屋の客になって欲しいの。当然身分は作成するし何やってても良いわよ?」

「何ですかその作戦は?」

「貴方たちの接触する本屋は無害、ただ普通とちょっと違う事が有ってね。護って欲しいのよ、その本屋を。店員は美少女が揃ってるわよ?」

「面白い!俺は行くぞ!」

「俺たちも行こう。」

「繋ぎは行かないのか?」

「リーダーとハッカー3人衆が行くなら俺たち兄弟も行くぜ?」

「草兄弟もか……んじゃ反対するだけ無駄だな。Cercle HIgh Level Dream7、通称CHILD7。少尉の指示に従います。」

「チャイルドセブンってあなた達……」

「そこは深く考えないで……」



「で、ファンクラブ立ち上げたらいつの間にか20人越えてたな。」

「後から入ったみんなもいろんな技術持ってるしな……俺が一番無能じゃないか……」

「落ち込むな「豚」。お前は連絡並びに広報だろうが。」

「おい、隙手間の家判ったぜ……文字何落ち込んでるんだ?」

「そうそう、なのちゃんなら「何おちんこ出るなの?」とか言ってくれるぜ。」

「お前達の才能が憎い……スレストしてやる!」

「そこまで豚になりきらんでも。で、どうだ?」

「台戸ミラクルハイム512号室、XOXOちゃんのパトロールルートに入ってる。」

「よし、報告だ!」

「明日にしたい……腰がおかしい。」

「却下だ!」



「あら?文字くんボロボロね?」

「サロンパスとバンテリンください……」

「うちは本屋です!」

「じゃぁバイカーズガイドと原付チャンプでいいや。」


あざすさんの目付きが変わる。


「お客様、ちょっと休憩室で休んで行きませんか?」


休憩室に入ると……MI6のナインカとCIAのダンコンマンが座っていた。


「はじめまして、ファンクラブの文字とお呼びください。」

「情報は?」

「隙手間 塗例素の潜伏先が判明しました。台戸ミラクルハイム512号室です。こちらXOXOちゃんのパトロールルートに入ってます。MINTとの繋がりは追って調査中です。」

「おいアザトース!情報は感謝するがなんで彼はふんどし姿でやつれてんだ?」

「彼はこちらの祭に潜入、ターゲットを祭の主役から蹴落として潜伏先を調査したのよ。」

「あら?良く居る人じゃないですか。先輩の代理人(エージェント)だったんですね。」

「009、アザトースのエージェントってことは元CHILD7だ。この国一の諜報メンバーだぞ?」

「いえ、今は仲間とこんなものを作って居ます。」


文字がジャンバーの内ポケットから出したのはレジお姉さんの怠惰な日々と大魔王アザトースのカードだった。


「きゃー!この絵かわいい!こんなのどこで売ってるの?」

「009、こっちのレジお姉さんも良く似てるぜ。裏は何人かで描いてるな。」

「このように祭なんかの時にグッズ作って販売してます。ナインカさんは缶バッジも有りますよ。」

「でもこの人ホモよ?」

「2次元限定です。なのちゃんとえびちゃんならまぁ……」

「解る!なのちゃんあれで男なんだよな……」

「うちにもその趣味の方居ますよ?マリネラ専属の……」

「ハイハイ、今日はそこじゃないからね?」

「失礼しました。隙手間 塗例素こと阿藤琢郎、偽名で谷河友弘名義も使っています。このマンションが谷河名義でした。わたしからは以上です。」

「ご苦労様。薬局でサロンパスとバンテリン買って帰るのよ?」


「恐ろしい情報収集能力だな……ただ殴られて多少変形してたのはまだ不明か……」

「A-10ちゃんの録画の件なら彼らには言ってないわよ?でも必要以上に有能でしょ?あんなの窓際に追いやるんだから防衛軍無能よね。」

「ってあんなのが守ってるってこの本屋ホワイトハウス以上のセキュリティーなんじゃ……」

「なんかの時に力貸してもらえますかねぇ?」

「彼らは町に溶け込んでからの情報収集なんで時間はかかるわよ?精度は見ての通りだけど。」

「ところで生体戦車がパトロールしてるって?」

「あれはただのお散歩よ。たまに裏のプロロちゃんとも出歩いてるわよ?」

「ここの本屋が一番謎じゃねーか!」


それは言わない約束である。



「さぁ今日も元気にのびのびと股を擦るの!」

「「「「「お~っ!」」」」」」

「なの……手段と目的入れ替わってる……」

「おはようじゃ皆の衆。今日は24時間踊れる呼吸方を教えるからのう。」

「お~っ!」

「おお綱木くん、昨日は腰が痛かったじゃろ?今日は動かなくていいからのう。」

「ありがとうございます!」

「先生!文字は昨日あのあとキャバクラに……」

「行けるかばかもの~!バンテリン塗ってサロンパス貼ってたわ!」

「普通1時間でそうなるんじゃ。あいつは10分で泣き言言い出したからのう。」

『皆さん今日も頑張ってくだサイね?』

『頑張ッテクダサイネ?』


書店ちゃんの差し入れの……今日はミルクティーだ!

A-10ちゃんと一緒に様子を見がてら差し入れに来たらしい。

陰鬱な諜報稼業がこんなに楽しくなるとは思わなかった。もし調べるのがやまぐち書店だったらどうだっただろう……

文字は頭を振ってその考えを追い出した。


今回もお読みいただきありがとうございます。

なんとなく裏方の話を書きたくて……気が付くとファンクラブ巻き込んでました。

さて次回は本番前日、第25回 台戸豚追い祭前夜

お楽しみに。

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