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やまぐちブックストアダイアリー  作者: 着ぐるみ人形あき
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第14話 SOSやまぐち書店

「うおおおおぉぉ!」


吼えるダンコンマン、股間が隆起していく……


「これが真・ダンコンマンよ。追い詰められた状態で男に触れられると頭に撃ち込まれた銃弾が運動神経を刺激して筋力が数倍になるわ。」

「いや……男色家(ゲイ)にしか見えねーよ?」

「あ……でもえびちゃんより立派な男根なの。」

「てめーはいつ見た?」


とか言いつつ体力増強と筋力増加をかけるえびちゃん、解き放たれたダンコンマンは怪物達を薙ぎ倒して行く……


「でもいくらちんちんマンさんでもあれは無理っぽいの。」

「ダンコンマンね!まああれは……」


身長10メートル位のヘドロの様な怪物が立っていた。


「XOXO!ブライシンクロン!」

「コニー、昨日無理してたみたいだけど大丈夫か?」

「ごめん今まで寝ちゃってた。あとはベタとトーンだから手伝ってね?フェードイン!」


約30メートルの生体戦車の相手になろうはずもなく怪物はヘドロに戻る。


「お客様とみんなは陸上のをお願いします。あたしは大きいのと空中のを落とします。」

「空中は手伝うわ!くし郎、スクランダークロス!」


ブブラが蝙蝠を羽根にして舞い上がる。それに対抗軌道を取る怪物。


「あぶねぇ!火炎弾(ファイアボール)!」

「今宵のフライパンは血に餓えておるわなの。」

「あんたたちあまり前に出ない!」


ライアットガンを構えて的確に怪物を減らして行くあざすさん。


『あざすさん、銃刀法違反デスよ?』


バスターから普段より強い光線を放つ書店ちゃん。


「あああたしのこれゴム弾だから、ってかあたし軍人だし。」

「謎の女字守令子、女盗賊か女スパイかこのなのにもわからないおこらせるとコワ~い……」

諜報部員(スパイ)だと言ってるでしょう!」

「♪ラリホーラリホーラリルレロン なの。」


なのちゃんに向かってゴム弾を放つあざすさん、なのちゃんに近付いていた怪物を仕留める。


「これ当たったら怪我じゃ済まないと思うなの……」

「なら当たらない様に気を付けなさい。」

「更年期障害でイライラしてるなの?」

「狙い撃つわよ?」

『もっと真面目に出来ないんデスか?えびちゃんなんて軽口もたたいてまセンよ?』


{地球人の分際でよく我らに歯向かえたな、誉めてやろう。}


頭の中に声が響く、テレパシーだ。

無数の1メートル半程の蝙蝠っぽい羽根の生えたピンクのザリガニが書店メンバーを囲っていた。


「ザリガニがしゃべってるなの!」

「ありゃ多分ミ=ゴだと思うぜ。」

「あれ?えびちゃんなんでミ=ゴ知ってるの?」

「本当に居るのねぇ……」

「おいアザトース、あのでっかいオマール海老食えるのか?」

「ダンコン、あんたアレで食欲湧くの?」

「蝙蝠っぽい羽根と脳味噌丸出しの頭取ったら食えそうじゃない?」

「お客様、ありゃ食わねぇ方がいいよ、ああ見えてキノコだぜ?」

「おまけに人の脳味噌食べるのよ。」

「XOXOと一緒なの。」

「記憶だけでなく脳味噌自体を食うんだよ!」

{そんなもん食うか!脳摘出はただの趣味だ!気に入った人間の脳は缶詰にしてコレクションするのだ。}


その時、見慣れた円盤が次元跳躍してくる、聞き慣れた声と共に。


「書店ちゃ~ん!何してんだよ~?」

「お隣に書店が無くって二人で探しに来マシた……ってユゴスの穴掘りキノコと遊んでるんデスか~?」

「ヤマナメちゃん!エリちゃん!危ないわよ!」

「あざすさん無事デスか?サトルで光と音出しマス。耳押さえてくだサイ。」

「♪ドレミファドレミファ噴水パレス~。」

「あざすさんそれは関西在住で一定年齢以上でないとわかんねーなの。」


ズン!小型円盤(シャトル)からの音の奔流は地球人の可聴領域を外れ、光は周波数が電波に近いほどの超遠赤外線なのだが音圧が書店メンバー達を押さえつける。

だがミ=ゴ達はそれどころではない、明らかにもがき苦しんでいる。やがて倒れ、消滅する個体も出るに至ってようやくミ=ゴが敗北を認めたのである。


{マイコノイドを味方に付けるとは……我らはただ叡知を求めただけなのに……}

「ならこんなことせずに買いに来るの。普通に買いに来れば歓迎するなの。ただルルイエ異本と屍食教典儀、あとセラエノ断章は売り切れて注文中なの。2週間待って欲しいの。」

{売ってくれると言うのか?}

「代価は金か銀でいいなの。」

{わかった……では書店を元の次元に戻そう。}



「はぁ……絵は悪くないと思うんですが……」


冗談社の新人編集者、ナインカ・ロスハートは新人漫画家コニース・Kの原稿を取りに来た所をえびちゃんに捕まったのだ。


「まず店員さんたちが無敵過ぎます。今回は新人賞用の漫画なんで目を瞑るとしても、書店ではなく図書館にした方が……あ、でもそれじゃ宇宙人が助けに来ないか……」


ナインカは不良漫画家、隙手間(すきてま)塗例素(とれいす)の担当予定だったのだが原稿も描かずにカラオケしてたとの情報が入り、とうとう打ち切られる事と相成った。


「あとこのキャラクターこのお店の人ですよね?あまり実在の人そのまま描くのは好ましく無いです。」

「名前だけ変えましょうか?」

「人の心とか無いんか?そうでなくて下手したらこの漫画読んだ人がやまぐち書店(ここ)に殺到する恐れが有るんですよ。だから名前だけでなく見た目も変えて下さい。髪をショートにするとか服を変えるとかで十分ですから。これだけ描ければすぐ隙手間(すきてま)先生の後釜には入れます。コニース先生と同じようにね。」

「コニーはXOXO生活の連載決まったんですか?」

「まずXOXOと言う生物が不知なのでまだ連載ではなく代原で……って本当に居るんですか?」


XOXOがふらふら入って来る。広報マスコットとして仕事をしていたようだ。


「こんな感じで歩き回ってますが?」

「余計にXOXOの外観描き直して下さい。この子を生体戦車にするとか天が許しても私が許しません!」


かくしてナインカ・ロスハートはコニー、えびちゃん担当としてちょくちょくやまぐち書店に顔を出す事になる。XOXOが気に入ったんだろう。


「こんにちは~、書店ちゃんおやつの差し入れ~。」

「まざすさん、いつもありがとうございマス。」

「令子は?」

「裏でお客様の車の改造手伝ってマスよ。」


{こんニチワ。}

「あ、ヌガー・クトゥンさん、いらっしゃいませなの。ルルイエ異本入荷してますなの。」

{それト、週間真潮とテレビジョンガイドも下さイ。}

「お待たせしましたなの。ヌガーさん手術したなの?」

{ははハ、これロボットですヨ。}


そして、何故かえびちゃんの漫画に出てきた連中もそこそこ顔を見せている……

はたしてあれはえびちゃんの創作の中だけの話であったのだろうか……



特別編に近いこの2話、如何だったでしょうか?

意外とブブラが活躍しませんが、ひとえに筆者の力不足でございます

対してXOXOは……これもう戦闘はあいつだけでいいんじゃないかと

出したかったナインカちゃんが出せたんでまぁヨシとしてくださいお願いします。あとヌガー・クトゥンはミ=ゴのリーダー格で唯一クトゥルー神話で名前の出るミ=ゴでもあります

次回こそ日常回、第15回 夜の桜となのちゃんと お楽しみに

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