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やまぐちブックストアダイアリー  作者: 着ぐるみ人形あき
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第11話 こんにちはエイリアン

「こ……これは……」


触手の先が黒く変色して腐っている……


「おそらく黒腐れ病なの。犯人はシュードモナスって言うバクテリアなの。おじさんが耐えられる程度にまで湿気を抑えるの。」

「普段の行動が行動だけに信じられないんデスが……」

「ん~まぁキノコ(男根)の専門家と言えなくもないか。よし、どうする?」

「基本的に乾燥させて消毒なの、青カビやモズクカビ、ダニを媒介とするトリコデルマで無くて良かったの。あっちじゃ切除しか無かったの。」

「え……なのちゃんってやる時にはやるんだ……」

「コニーちゃん……コニーちゃんも初めて見たんだ?」

「優しいけどおバカな獣人だと思ってたのは間違いだったんだ……」

「ブブラッドちゃん、違いマスよ?あれもなのちゃん、普段のおバカなのもなのちゃんデス。」

「えびちゃん、この症状に治癒(ヒール)は逆効果なの、解毒(キュアポイズン)で頼むなの。」

「消毒薬の代わりに解毒魔法使わせる奴は初めてだ。」

「言わば命に関わる水虫なの。進行度合いによってはこれも切除が必要になるなの。」

「しかしそれなら不思議だな、命に関わるなら治療薬の一つや二つ常備してる物だが……」

ぐちゅ~

「なの!変な声出すな!」

「なのじゃないなの!」

ぐちゅちゅ

「ん?地竜かな?」

「ああっ!¬。}〇!ダメですヨ。」

「「「なんて?」」」

「この子は¬。}〇と言う生物デス。マイコニッダーの湿地帯に生息するおとなしい生物なんデスが、天変地異の時に群れからはぐれたみたいで連れて来まシタ。」

「発音できないとどうしようもないの」

「外見は地球のトリケラトプスに似てイマすね、羽根が生えていマスが。」

「じゃぁトリケラトレスとかどうよ?で、名前はコダテ。」

「ブブラちゃん、北海道縛り止めなさい。」

「字で書くとどうなるの?」


彼女は¬。}〇と書いた。プろロと読めたのである。


「「「「「「プロロ!」」」」」」

「ぐちゅぐちゅちゅ。」


トリケラトレスは嬉しそうに走り回って居る。


「ではトリケラトレスのプロロと呼びマ……」

「ストップ!たぶんそいつがバクテリアの宿主だ!毒素探査(サーチポイズン)!」

「ぐちゅ?」


プロロの爪が光っている、どうやらバクテリアは爪で繁殖しているようだ。


「よし、バクテリア無くしても体弱ったりしなさそうだな……解毒(キュアポイズン)!」

「こっちに治療(ヒール)かけて欲しいなの、この傷さえ癒えれば後は体力だけなの。」


ここで終わっていればなのちゃんの評価も上がったかも知れない……が……いつの間にか穿いていた短パンを脱ぎ捨て……


「プロロちゃ~ん♪お姉ちゃんなの~♪」


と言って尻を捲って正座をした……ご丁寧に尻の山に目まで書き込んで有る。

……プロロは怯えている。えびちゃんの蹴りとあざすさんの手刀が同時に入り、なのちゃんは昏倒する。


「なのちゃん、情操教育に悪いから止めてクダサイね?」


お仕置きバスターの銃口が発光し、慌てて土下座するなのちゃんだった。


「珍しく良いところ見せたと思ったら……」

「見直そうとした眼鏡を自ら破壊するスタイルねぇ……」

「それまでは格好良かったのに。」

「書店ちゃん、やっぱりこの人訳わかんない。」

「ブブラッドちゃん、それこそがなのちゃんでそれがなのちゃんの全てなのデス。」


「いや本当にありがとうございました。」


映画俳優の様な中年男性がベッドに座っていた。


「私はマツと申します、そちらは娘のエリ、家内のシイが現在宇宙船内を消毒しています。」

「あ……これはご丁寧に。私は字守と申します、こちらはやまぐち書店メンバーでそれぞれ地球人以上の能力を持つ私の友人です。それで名字は如何しますか?」

「故郷では(無限の知識の集落)と言う意味の名字を使っていました。」

「終智町とか言う感じですか……」

与知町(よいちちょう)とか?」

「ブブラの北海道押しは何なんだろうな?」

「無知村じゃダメなの?」

「なのちゃんそれ逆の意味に取れマスよ?」

「それはそれでいい感じです。それに我々は新参なので知識を持たない。これを名字に使わせていただきたいです。」

「は……はぁそれでよろしければ……」

後は地球への進入や日本の位置、台戸市の位置等を伝える。

「ステルスは切って進入してください。こことここは戦闘機がスクランブルするかも知れませんがマッハ3以上出せば撒けます……」

「あざすさん!お店の裏の土地が買い占められまシタ。無知村さんご家族はお隣さんになる可能性大デス!」

「書店ちゃん、一度コンビニに転送してもらえる?あたし地上でお迎えだったの忘れてたわ……。」


ヤマナメ、ブブラ、あざすの3名が書店食堂に転送、月面からの転送はハイエースに繋がった書店中央コンピューターの力で何とか可能である。


「結構いい子だったなあの娘。」

「あ、ヤマナメちゃんもそう思う?どんな味の血してんのかなぁ……」

「ブブラちゃん、あたしの血以外吸ったら書店ちゃんに言い付けるわよ?」

「あっ、フードメーカーがちゃんと作ってくれてるんで大丈夫です。」

「そう?じゃヤマナメちゃん家まで送るわ。ブブラちゃん後お願いね。」

「は~い、二人共気を付けてね~。」


「あれ?ヤマナメとあざすさん、書店終わったんですか?」

「あら尚子ちゃん。ええ、必要な本が有るならブブラちゃんが居るけど?」

「ああ利明さんが言ってたブラックちゃんですか。」

「斎藤、その渾名は利明さん発か?」

「いや……戦闘員さんだって聞いたわよ?ほら普段から変身ベルト付けて歩いてる背の高くない……」

「ああ大仏っぽい顔した人ね。」


思ったよりマニアだった。


「尚子ちゃんかヤマナメちゃんの学校に宇宙人が転校してくると思うから来たら仲良くしてあげてね?あたしは防衛軍でその事務処理してくるわ。じゃあね。」

「ヤマナメ!何が有った?詳しく教えろ!」

「あざすさんが通信機で宇宙人と話したんだよ。防衛軍はもう知ってるってさ……おい入ってる!チョークチョーク!」


着衣のままで体型変化できるようになった斎藤さんだった。


防衛軍司令官室ではいつものおっさんがあざすさんを待っていた。


「とりあえず半径2キロの円盤は月のクレーターに隠してシャトルで来るそうです。」

「ご苦労……って字守くん、どうやったんだ?」

「インターネットによるパソコン通信です。その際彼らマイコニッダー星人の父親がバクテリアによる体調不良で瀕死状態でしたのでこれの治療方法を伝授、今は快方に向かっております。外見は60年台のタコ型火星人を単眼にし、口を無くしたものをご想像ください。」


明らかに諜報部の報告より詳細だった……




直接宇宙人が地球にたどり着いて云々って話は結構目にしますが来ると判った地上の話はあまり無い気がします。

で、その辺書こうとするとそもそもコミュニケーションできないんじゃ無いかと……未知との遭遇では音階によるコミュニケーションを描いてましたが、手元に宇宙人が居れば簡単でした。

実際には難しいんだろうなとしか……

さて、やまぐち書店裏に引っ越しが決まった無知村家ですが、結構なトラブルを引き込んで来るようで……

次回、第12話 お隣さんはエイリアン お楽しみに

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