第128話 さっさと帰ろう
「なぁMr.コックローチ……この浮いてるの何だ?」
「357マグナムの9.1ミリホローポイント弾だな、部長嫌われてるねぇ。
まだ弾に触るなよ?怪我するぞ。」
「いやそうでなくて……何で浮いてんだ?」
「銃弾が歩かずに飛んできたからだな。」
「どう言えば解るんだ?」
「部長、コックローチガイはおちょくりモードに入ってると思いますが?」
回転が鈍った弾がポロリと落ちる。
「運動エネルギーが消費されたら落ちるんだ。
単なる物理法則だよ。
ほいまだ熱いぞ?」
「だから何で止まってたんだよ?」
「理力障壁だ。
胸のポケットにカードが入ってるだろう?それが弾を近付けないようにしていた。
分解してもいいが組み立てられなくても知らんぞ?
あと光学兵器は止まらんからな?飽くまで防弾チョッキ代わりだ。
王家用なら3枚程度なら融通するぞ?これでレーダー分チャラな?」
「いつの間に……それなら5枚くれ。」
「地球には未知のテクノロジーだろう?
3枚プラス設計図ではどうだ?」
「これ本当に地球の素材で作れるのか?」
「可能だがかなり太くなるしバッテリーも考えて付けろよ?
カードは地球にほぼ存在しないセラエナイトって鉱物を精製してバイオメタルにして作ってるからそれ以上作れないんだよ。」
「意地悪で言ってるのかと思ったぞ。」
「意地悪ならあんたのカードを陛下に渡せと言うぞ?」
「その方がメカニックゴーストらしいがな。
ところでナインカやレブンとはどういう関係だ?」
「友好宇宙人関係でお世話になってる。」
「ナインカが報告書代わりに送ってきた宇宙船強奪のジャパニーズコミックって……」
「ああそれ俺も参加してるし。
それ描いたのはともかく原作は友好宇宙人だぞ?」
「君は私の頭を破壊しに来たのかね?」
「わりと。
ではまたな部長、次は宇宙船並べて遊ぼうぜ。
パレンケ、回収してくれ。」
「文字くん英語喋れたんだ~。」
「あざすさん喋らなかったのは英語喋れないからか?」
「むっちーと一緒にすんな!少しは喋れるわい!」
「あざすちゃん、今度中等部のコメント蘭先生紹介してあげる。」
「先輩、それ男?」
「男だったら昭和先生が『俺と結婚しろニャロメ』とか言ってるはず。」
「文字さん……誰がニャロメですか?」
「おやびん、ケムンパスでやんす。」
「だから握手するなそこ!ってかゴキブリ解除なさい。」
「誰だよゴキブリって言い出したのは。
おかげでサーカスじゃ昆虫王者コックローチじゃないか。」
「ご主人、ゴキブリも昆虫なの?サナギにならないけど。」
「ああそれは不完全変態と言ってだな……」
“あ~!忘れてた!なのちゃんとえびちゃんにヒーロースーツ作ってあげるんだった!”
「非常事態だ!男根、暇なら漁協に来てくれ。」
「いいよ~、お前今どこ?」
「レブンちゃん奪還して来た。
今ロシア上空をフルステルス飛行中。」
「思ったより楽しそうな事やってた!内容は?」
「なのえびヒーロースーツ制作!」
「漁協1号会議室で待つ!」
「……テケリリ、ぼくご主人が真面目に連絡してるの初めて見た……」
「落ち着きなさい廃油、それはただの悪夢よ!」
「お前らマスターに向かって……そう言えば僕ちゃんも初めてだな。」
「お前らの評価はよく解った。」
「え?それだけ?なんかペナルティーは?」
「今ペナルティー与えると……」
「ぷよぷよ虐めちゃダメ~!」
「と1日特別長官から言われていまして。」
「あんた子供には弱いわねぇ……」
「親方は今ここにいる人達には弱いですよ?反面仲間でも味方でも無い奴には……」
「あれ?シンバッド着いたの?」
「へぇ、んでハッチから入るか次元潜行で入るか……」
「普通にハッチからお願い、次元潜行は飽くまでも緊急時のみで……」
「キャッチャービーコン作動!ガントリーロック帰投位置へ!ドック内注水開始。」
「なんとなくマイティジャック思い出すなぁ。」
「マイティ号とパレンケの大きさが似たようなものだからって先生が作ったんですよ。」
「マイティ号は235メートルでは?」
「このフネ250メートルですよ?」
「何故か25%延長されてるし。」
「いけませんでしたか?」
「いやまぁこれはこれで。」
「あの辺適当なのよね。」
「あざすちゃん、メカニックゴーストって何?」
「絡繰り人形を使う掃除人軍団しろがねの頭領?」
「あ!廃油からくりサーカス読んだな?
読み終わったら7巻早く戻してくれ。仲町サーカスどうなるか知りたい。」
「ふっふっふ、その後外国編でしばらく鳴海の話になるんだよ。」
「レブンちゃん、ネタバレしちゃいけません。
って文字さん読んで無かったの?」
“文字~!いつまでアルカディア号に乗ってんだ!先生もう来てるぞ?”
「え?先生なんで?」
“バットマンならグラップネルランチャーとかバットラングとか要るだろう?”
「そこまで本格的なもん要るか?なのちゃんのごっこ遊びだろう?」
“よくわかりませんがナイアーラトテップ様と九谷様が応援してますので。”
「逃げたくなってきたんですが?」
“ついてはダイハツコペン改造してバットマンカー作れと。”
「モービルじゃなくてカー?
1966年の?あんなコロコロした車をバリバリのアメ車にしろってか?」
「あざすちゃん、スパイってああいう知識必須なの?」
「先生、あれはおじさんが話し相手の心に忍び込む為の武器だと思うの。」
「あ!それとレブンちゃん、メカニックゴーストって聞いことない?」
「ああ昔の装備研究員だった人だね?
日本人だったって説も有るんだよ。」
「ねぇナインカ、文字くんがそのメカニックゴーストだったって事は……」
「あざすさん、それは無いよ。
メカニックゴーストって日本で万博やってる頃におじさんだったんだよ?今頃はお亡くなりになってると思うよ?
お爺ちゃんが笑いながら言ってたんだけど……
太陽の塔に登ったテロリストに殺人レーザー光線当てに行くって言い出して装備班総出で止めたって。」
「殺人レーザー光線?」
「なんか人間が緑色の泡になって消えるんだって。」
「「「ほぼ間違いなく文字だ……」」」
ここのところ色々とキャラクターの原案を博士たちが上げてくれるので助かってますが……帰国子女のコメント蘭先生をどうやって絡ませるか……最悪むっちーに英語教える辺りの役割を……
それじゃつまらんダンコンマンの妹に……
いやいっそCIA上級エージェントなどと妄想が捗ります。
さて次回は えびちゃんのスーツコンパチブルに?
第129話 それなんてエロマンガ? お楽しみに