第126話 レブン救出
「んじゃとりあえずは宇宙服運び込んで……」
その時、やまぐち書店の事務所にナインカが飛び込んで来る。
「文字さん!レブン助けて!」
「え?何?どうしたのよ?」
「レブンが攫われた……」
{落ち着け!まずは飲んだ水吐かせてからや!}
「お前が一番混乱しとるわ!伸び縮み、広域サーチ!」
「空港から……ダメ、日本に居ない。」
「CG!レブンちゃんの携帯探してくれ。
ナンバー090ー◯◯◯◯ーXXXX!」
“「ヒット!ヒースロー至近のロンドン郊外!」”
「シンバッド!アストロ勃起スタンバイ、場所はイギリスの……」
“待ちなさい妖輔くん、新生パレンケ完成したわ。
これで行って相手の度肝抜きなさい。
次元潜行も付いてるわよ。
転移装置は前のパレンケと同じよ!”
「5分で行きます!
グランハイツで話せば良かった。」
グランハイツ駐車場横の物置からパレンケメインキャビンに転移すると……
紫のドレスを纏ったウボ=サスラが待っていた。
「お義母さんそのドレス何です?」
「あ~!あたしミーメやりたかったのに~!」
“あなたは大人しく有紀螢でもしてなさい。”
「んじゃ僕ダイバーゼロで。」
「廃油、台場正は僕ちゃんにやらせてくれ!」
「伸び、台場正とダイバーゼロは違うよ?」
と呑気なショゴスと邪神を尻目に……
「CG、ナビゲーションをパレンケに転送してくれ。」
「あああ、レブンさん私たちが行くまで待っててね……」
「先輩、大丈夫だから。
航宙艦隊旗艦が出張るんだからね。」
「あの時の戦艦がもう動くんですねぇ……」
「ナインカ?あんた既に安心しきってない?
こいつついでに何するか解らないわよ?」
{やば……ここ人間関係めっちゃ面白い。}
「パレンケ始動!目標 キングストン市倉庫街!
テケリリ何やってんの?」
「あ!ごめん。
エンジン始動、縮退炉安定。
全回路にエネルギー循環……クリア!」
「フルステルス後次元潜行!」
「フルステルス完了、次元潜行開始します。」
「パレンケ発進!」
「パレンケ発進!音速に加速します。」
“ハッチ使わなかったわね……”
「真上に発進するな!
次元潜行だと障害物無視できるとか聞いてないわよ!」
「言ってないもの。
トレーナー!」
「信号直上に停止、どうするの?」
「次元潜行解除、エアロサイクロンで出る。」
「エアロサイクロンって掃除機か!」
「あざすさん、ご主人の実物見たら笑うよ?」
「もうすぐ仮面ゴキダーがホンダモンキー50で出動するから。」
「……もうちょっと大きなマシン使いなさい。
二人乗りできないでしょあれ……」
「レブンちゃんだけ乗せて帰すつもりじゃない?」
反重力ユニットを備えたモンキー50は甲板から軽い音を立てて飛び立つ。
「赤いマフラー靡かせて飛んでるのはそれなりにヒーローっぽいけどね……」
「あざすちゃん、諜報部はいつからあんな小さい飛行物体使ってるの?」
「先輩、あれ文字くんの私物です。
と言うかこの戦艦自体も……」
一方、飛び出した文字は……
「じゅん居るか?」
{おるけど怖いから話しかけんとって!
ってなんでわし必要なん?}
「イスの部隊にナコトが捕まったの説明せにゃならんからな。
初手は平和的に話す。」
{それで終わらんかったら?}
「なんでパレンケで来たと思う?」
{質悪う~。}
「気付くお前もな。
物理透過シールド展開!建物内部に強行着陸!」
「What ?」
“騒ぐな!誘拐犯共!少女を迎えに来ただけだ。”
“おっさん。こいつらナコトの部下や!”
“ナコト様?何故あなたがそこに?”
“ナコトは宇宙防衛機構に逮捕された。
このブラウンジェンキンはその証拠だ。”
“我々も逮捕するのか?”
“その気は無い!これが何か解るか?”
文字は時間通信機を掲げる。
“これは昔ハイ・ザーイ博士から頂いた物だ。
現在ハイ・ザーイ博士は地球の宇宙開発を手伝ってくれている。
信じられないなら空を見てみるがいい、200メートル級の宇宙船がフルステルスで浮いているのが判るはずだ。
ナコトの罪状はイス評議会の命令無視、少女が無事であれば指示に従っただけの諸君の罪を問うつもりは無い。”
“博士を保護してくれてるって……”
“ナコトの馬鹿は地球人の言葉を信じるなと……”
“でもあいつより目の前のコックローチマンの方が信用できるぞ?”
髭ダルマなイギリス親父3人が真剣に話してる。
“その携帯で話してみたらいいんじゃない?”
“ハイ・ザーイ博士は無事なんですね?”
“去年末に地球で保護したよ?会いに行く?
お~いテケリリ、3人程連れて間蔵島に帰りたいんだけど?”
“妖輔くん、ベルトポーチに簡易転移カードが10枚入ってるからみんなに渡すといいわよ。”
“あとレブンちゃんが起きて来ない。”
“それはいろいろ方法が有るからねぇ……
何なら僕ちゃんに任せてくれていいよ。”
“頼む。下部格納庫に連れて行くから。”
モンキーのシートにレブンを座らせて文字は荷台に座り後ろから抱き締める様にしてモンキーを操縦する。
「道交法違反だ!」
“飛んでるも~ん。”
「あざすちゃん!イギリスの道交法って50の二人乗りアウトだったっけ?」
「昭和先生、文字さんのあれ200cc超えてます。
ダンコンマンがあれには追われたく無いと言ってた唯一のバイクですから。」
「弾痕マン様が言うならそうなのですね。」
「マスター、この前イタリア行ったときに来てた飛行機が近付いてるよ?」
“パレンケフルステルス張ってるよな?”
「狙われてるのご主人だよ!早く入って。」
「テケリリちゃんハッチ開けて?」
「ナインカさんまだです。
3……2……1……ハッチ開放!モジ!」
“マスター帰艦!レブンちゃんこっちに……そこに寝かして?
治療室で詳しく診るから。”
「あれ?伸び縮みさん通信兵だったんじゃ?」
「あいつ精神波強いから通信班長してたけど精神の乱れ治したり昏睡状態から復帰させる方が得意なんだよ。
サイコドクター免許も持ってて今もDr不真寺手伝ってるとか。
だから大船に乗ったつもりで任せて大丈夫だよ。」
「文字くん居たら戦艦大和だのタイタニックだのと茶化すんだろうけど……」
“悪かったな!
あ、ナインカさん、レブンちゃん目覚めました。”
あっさりとレブンちゃん誘拐犯を懐に招き入れましたが……彼らの正体は廃材博士の旧知人です。
詳しくは後の展開で……
モンキーは125にしようかとも思いましたが実物見たらでかすぎてギャグにならんなと……
さて次回は ついでだしサーカス寄っとく?
第127話 裏切りのサーカス お楽しみに