第112話 海産物の宇宙戦艦
“クトゥルー、よく来ました。”
「ウボ=サスラ様におかれましては御壮健そうで何よりでございます。」
「ダゴン?何言うてんの?」
「ダゴンの兄貴、空耳だっか?」
「あんたらはウボ=サスラ様の神託も聞こえんのんか?」
「「うん。」」
「ウボ=サスラ様、誠に申し訳ございまへん。」
“いいのよいいのよ、アザトースが私達を感じ取れない神官ってクトゥルー選んだんだから。”
「ダゴンさんには聞こえるし見えるんですねぇ。」
“せめて副官には感じられる人入れとかないと破綻しそうだし……ってテケリリたち今はテレパシーで交信して無いのね。”
「せめてテレパシー交信できる人を親方にしとくれやす!」
九鶴も川津もぼけっとしているところを見ると聞こえて無いんだろう。
「でも九谷さんさっきから笑ってる所見ると聞こえてますよね?」
「文字さんに最初に言ったよね?
クトゥルーのテレパシーは強力で指向性が有るって。
つまり声が大きすぎて耳が悪くなってる状態なんですよ。」
「納得しました。
そうなるとダゴンさんかわいそうですね。」
「彼は水棲人のトップですからクトゥルーの神官と言うより深きものどもの代表なんですよ。
だから言わば通訳だと思えばいいかと。」
「そう言えばテケリリは最初から日本語で話し掛けてくれましたよ。
凄いのが廃油であらゆる言語を自在に操ってます。
うちのショゴスたちはみんな俺より優秀ですよ。
ところでウボ=サスラ様、セラエナイト取り敢えず2トンお持ちしました。
今、辰五郎と松五郎が降ろしてます。」
“あらあら倍もありがとうね。
ところでこの艦はどうするの?”
「ご近所なんでクトゥルーさんに使ってもらおうかと。
ショゴスたちの艦は格好良いのを3隻廃材先生が作ってますよ。
2番艦ルクソールと3番艦は合体ギミック付けるみたいです。
デザインの選択はテケリリと廃油と廃材に任せました。」
“エメラルダス号希望!”
「やっぱりテケリリのお母さんですね。
テケリリの希望で3番艦はあのデザインです。」
“で、横にあなたの書棚にセラエノ書房と……”
「テケリリと繋がってます?」
“あ、却下した後だったのか。”
「形は似てますが史上最大の飛行船ヒンデンブルク号より45メートルほど短いですからね?
あとゴンドラ部分は独立した光子帆船であり収納・分離を可能にする予定です。」
“なんかイスの子かわいそうになってきたわ……
結構な無茶振りしてるのね。”
「結構ノリノリで設計してましたよ?
それらに取り付ける次元潜行装置が欲しいとか。」
“それは乗ってきてくれたらその時に。”
「ルクソールたぶん宇宙空母になりますけど構いませんか?」
“妖輔くん……是非乗っていらっしゃい!”
「え……」
“まさかギャラクティカタイプじゃないわよね?
と言うことはガミラス三段空母か戦闘空母に……”
「あの……盛り上がってるところ悪いんですがブルーノアです。」
“ブルーノアで合体……そうか!シイラの代わりに3番艦合体収納するのね!”
「なんてジャパニメーションに理解が深い……」
“で、戦闘ヘリバイソンどうするの?”
「あれ戦闘ヘリって言うより分離式砲台ですからねぇ……
まぁシイラとバイソンは宇宙に飛び出す時にオミットされてましたが。」
“分離式砲台でも移動式トーチカでもいいから付けて!”
「何故そこまでのこだわりを?」
“30年程前にバンダイと野村トーイからブルーノアのプラモデルが出てたのよ。
当時1000円の野村トーイ版に対しバンダイ版は800円。
大きさは同じくらいで両方シイラは外れた……でもね。
野村トーイ版はバイソンが分離できないのよ!
あの口惜しさ!モデラーなら解ってくれるわよね?”
「解りますともウボ=サスラ様!」
「ねぇテケリリ、ぼくら何見せられてるんだろう?」
「見たく無いなら轟沈にクアドリウム運べば?」
「いや30トンは運べない。」
「ん?ダイショちゃんが轟沈からホース繋いで吸い出してるから手伝わなくていいぞ?
だいたい書房組が手伝ってるから。」
「つくづくいろんな種族が集まってるわね……」
「少数派の地球人類です。」
「なんでやねん!
本来地球人が最多数のはずやろうに?」
「この場で最多数はぼくらショゴス約120名だよ?
その次がディープワンズ2名。
同率でクトゥルークタニド兄弟2名。
アンドロイド姉妹101名は忙しそうに働いてたので員数外です。」
「……暇だったんだな廃油……」
「それよりどうすんのネメシスオブバロック……
水棲人の艦だとしてどこかに海の環境作らないと。」
「宇宙服の中に水入れてな……」
「うる星やつらのだっぴゃか!
ってそれは日常的に服着てないと難しいと思うけど?」
「その辺はユーザーに悩んでもらおう。
巨大プール作るにも重力が無いとどうなるか……」
「ご主人、邪悪な笑顔だね。」
「失礼な!
どんな解決策を我々に提示してくれるかが楽しみなんだよ。」
「本当かな~?」
「だから1番簡単なのは宇宙服だと言っただろう。
あるいは快適性向上するため突拍子も無い新機軸出してくれるかも知れないしな。」
「廃油、モジは新しいアイディアが見たいのよ。
そのアイディアを分析し更に進化させるのよ。」
「ご主人をポケモンか宇宙怪獣かなんかと思ってるな?」
「精神的奇形だったでしょ?」
「先生は精神的異能者って言ってなかったっけ?」
「まだモジ泣いてないから大丈夫。
泣いたらあたしが慰めるから一石二鳥。」
「そこまで精神的に傷付いたら何するかわからない怖さは有るけど嬉々としてボロクソ言ってる奴の所には行かないと思う。」
「あたしの作戦は……なのちゃんと立てた作戦は……」
「まずなんでなのちゃんに相談した?
夜叉丸やあざすさんの方がまともなアドバイスくれるだろうに。」
「それじゃつまらない。」
「あざすさんでも恋愛は(たぶん)真面目にしてるぞ?
まずなんで宇宙人が恋愛に勝てると思ってんだ!」
この話を書き上げたのは心臓の検査入院中でした。
味のしない食事や気分転換のおやつを食べられないのはやけに辛かったです。
さて次回は いろんな意味で母艦になるんだよな
第113話 ルクソール お楽しみに




