第108話 原因発覚
「プラントに帰還指示出して?」
「了解!「早よ帰ってこいアホンダラ」送信。」
「え?テケリリ、プラントに誰か乗ってるの?」
「そんなはず無いんだけどな……」
「あああれ廃油君が緊急帰還指令をああ変えたんですよ。」
「先生……手伝いましたね?」
「プラントから返信!“今忙しい“。」
「え?やっぱり乗ってるんじゃ……」
「AIからの送信ですな。
廃油君の趣味に合わせてああ言う返信になってます。」
「状況を報告せよ!」
”荷電粒子の嵐に遭遇、落雷によりバーニア破損。“
「なによ廃油、普通に言えばまともに答えるじゃない。」
「おかしいな?「救援は必要か?」」
”要るかボケ。“
「ご主人、このAI廃棄しよう!」
「廃油落ち着け、トリチウムとクアドリウムどうする気だ。
「君と地球に帰りたい。救援機を出すので位置を教えて欲しい。」」
“その場より北極方向に2度、西経で5度の表面下推定2万キロ
眼下に液体金属層を確認、現在気温約980度。”
「パレンケで行こう。各員レスキュー装備!」
「待ちたまえ文字くん、こんなことも有ろうかと荷電粒子防御シールドを開発しておいたのだよ。」
「おんじ、先生がサナダさん役やってる!」
「マスター!波動砲であの浮遊大陸を撃て!」
「おんじまで……モジ、これは?」
「みんな適当にふざけてるだけ……でもなさそうだ。
廃油!」
「それは木星の向こう側からやって来た。」
「お前はふざけてるだけで平気なんだろ?」
「ご主人、なんで解った?」
「みんなヤマトやってる中で一人ナデシコやってたら解るわい。
ってみんな精神のっとられてんなこれ。」
「何故に平気なのだ?」
「俺らウボ=サスラ様直属だし。
あ、この子ウボ=サスラ様の後継者だから要らない事したら知らんよ?」
「ウボ=サスラ様?……ではあなたは地球人のショゴスマスターか?」
「うんまぁそう呼ばれてるけど俺はショゴスと仲良くなりたいだけでテケリリ達が凄いんだよ。」
「ではこちらのショゴスは……」
「この廃油がアザトース様に祈ったからアザトース様の加護が貰えたんだ。」
「あれモジが他人に白痴とか言ってはいけませんとか言うから……」
「あ、それぼく知らない。」
「アザトース様にまでお言葉を貰っておられるのか!」
「ああ!あんた達精神寄生体か?」
「何故そう思われた?」
「イスの先生操ってる時点でイスじゃない。
とするとシャンか旅するものか精神寄生体。
木星の2万度の熱に耐えられるのは太陽に住んでた精神寄生体しか居ないって推理だけど。」
「見事だ……だが木星の何を採りに来られたのか?」
「トリチウムとクアドリウムをボンベ2本ずつ。
あとAIに入れるならもっと地球に来てくれていいのに。」
「我々の食料を知っておられるのか?」
「うんまぁ実際地球にも何人か居るようだしルール守れない奴の隔離施設内なら少々食っても構わないと思うが?」
「同族だろうに。」
「その同族をつまらない理由で傷付けたりしたのなら自我食っても構わないと言ってますが?
もちろん善良な同族なら助けようとするけど。」
「その考え方は旧神の考え方ですね。」
「ああヴォルヴァドスさんの考えってそうなんだ。」
「あの原始惑星にそんな考えの人が居るとは……」
「俺も善良じゃ無いんで。地球のシステム壊さないなら歓迎しますよ。」
「このイス人が全面的に信頼してるのが心の底から理解できました。
我ら精神寄生体もあなたの下に付きたいと思います。」
「下じゃダメだよ?友として一緒に歩んでくれないと。」
「あ~、モジの人たらしが発動してる。」
「んでもお姉ちゃんは全くたらせない。」
「ご主人の顔はたぶん男受けするんだよ。
そしてめくるめく男同士の愛に魂を焦がす事に……」
「廃油はなのちゃんに洗脳されとるのか?」
「モジにあたし以外の異生物は近付けない!
たとえむっちーや不真寺ちゃんであっても……」
「テケリリもちょっと冷静になろうか?」
『コレが修羅場と言う物なんデスね。』
「ダイショちゃん……」
「ふむ……精神寄生とはこんな感じでしたか。」
「先生、荷電粒子防御シールドって本当に完成してます?」
「してますけど荷電粒子の流れには押し流されるかと。」
「パレンケ沈降開始、プラントに通信「こちらが確認できたら合図してくれ」。」
“通常なら私を廃棄するんですけど?”
「ふっふっふ、そんなに簡単に休ませてやらん。
全力噴射の用意して待ってなさい。」
“変わってますね?”
「良く言われるけどそうかな?」
「必要以上に変わってると思うよ。」
「ちょっと目を離すと精神寄生体とも仲良くなるし。」
「普通他種族や邪神と友達付き合いはしませんぞ。」
「主、マスターには何言っても無駄かと。」
『あたし達はセラエノで朽ち果てるト思ってマシタ。』
「何故か地球人類以外の方々から肯定の嵐が……」
「元々地球人類モジしか居ないでしょ。」
「ああそうか!地球人居ないから俺が変わって見えるんだ!」
「「「「『ダウト!』」」」」
“レーダーでパレンケを確認!”
「こちらも確認した。
電磁ネット展開。さぁ飛び込んで来い!」
“距離31キロメートル、全バーニア全力噴射。
3……2……1……到着!”
「このまま木星表面まで浮上、のちプラントを収納する。
そう言えばダイショちゃんのプラントは?」
『木星衛星軌道でランデブー待機中デス。』
「ダイショちゃんのプラントの方が性能良かったのか……」
“なんだと廃油この野郎!”
「え?お前なんで電源オフのはずなのに?」
“荷電粒子の嵐の中でAIに自我が生まれた。”
「我がしばらく留まっていた所為かも知れませんね。」
「文字くん!なんか声が聞こえますが?」
「精神寄生体です。
実体はありませんが文字さんが仲良くしてくれると……」
「ああ私たちイス人も似たような物なのでよろしくお願いします。」
「テケリリ、俺要らないんじゃない?」
「地球人で既に宇宙艦3隻所持してるんだから堂々としてなさいな。」
「ぼくAIと喧嘩してる危ない奴みたいなんだけど……」
もう2月ですね……4月頃までは本当に1日が早く感じられます。
今月の書店ちゃん誕生日回はチャイルドセブンが全く出ない完全日常メタ話になると思いますのでよろしくお願いします。
さて次回は 地下でセラエナイト精製
第109話 月刊男の船を造ろう お楽しみに。




