第105話 作り直し
「あんまり格好良くしたらデザインパクられるのでパレンケ改は基本的に今のデザインを踏襲したいと……」
「「「却下ァ!」」」
まさか廃材だけでなく廃油やテケリリまで反対するとは思わなかった文字だった。
「シンプルでいいデザインだと思うけど……?」
「どうせならブルーノアデザインでシイラの代わりに轟沈を装備できる様にしましょう。全長は360メートルほどです。」
「はぁ……廃油は?」
「初代アルカディア号と言うかデスシャドゥ号と言うかアルカディア2号艦と言うか……420メートルだったと思うけど。
ぼくヤッタランやりたい。」
「なんで更に大きくなっとるのだえ?
……テケリリは?」
「エメラルダス号!大きさは480メートルと言いたいけど少し控え目338メートル!
上部に電飾で間蔵島漁業協同組合とか冥土喫茶煮華とか……ほらグッドイヤーのみたいに。」
「あれ宇宙船じゃなく飛行船だからな?
まずブルーノアはルクソール改を使用する、更に強硬偵察艦エメラルダスを内蔵、エメラルダスは100メートル程になるが構わないか?
で、パレンケ改は今まで通り南極行ったりしなきゃならないんで200メートルとする。
これでいいかな?」
「鉱物資源どうするの?」
「パレンケ火星までどれくらいかかる?」
「文字くん!木星の三重水素も欲しいです!」
あざすさんが聞いたら胃に穴が開きそうな秘密会議だった……とその時
ジリリリリン ジリリリリン。
「ハイこちら間蔵島漁協。」
『文字サン、木星行くナラ四重水素も取って来て欲しいデス。』
「え?今話してたところなのに?」
“ごめんなさい、ヨグソトースの報告聞いてたら書房が暴走しちゃった。
私はセラエナイトを1トン程……”
「地球人の知らない鉱物挙げないでください。」
「文字くん、わたしが欲しいのもそれなんですよ。
わたしが見分けます。」
“あ!ミ=ゴに言っちゃダメよ?
根刮ぎ取っちゃうから。”
「判りました。んじゃ行ってきます。」
「本当はミ=ゴに採掘頼もうかと思ってたんだけどね……」
「採掘マシンが必要ですか?」
「あまり乗組員たちに肉体労働させたく無いと言うか……」
「格納庫にロボットドカッティ1号2号と運搬機ドカッティモンスターM900を載せてますが?」
「イタリアのバイクみたいな名前だね。」
「はっはっは……違いますよね?」
「はっはっは……L型ツインエンジンのネイキッドバイクなど……」
格納庫に鎮座していた。
「先生、モジ……それ廃油……」
「俺、赤より黄色の方が好きなんだよな。」
「時代はアイスバーグ・ホワイトですぞ?」
「二人ともなんで嬉々としてスプレーラッカー持ってるのさ?」
「「いたずら廃油にお仕置きを……」」
「ご主人あのダンプがモンスターM900だよかっこいいな~。」
「別に必死で誤魔化さんでいいのに。」
「重水素プラントも有りますな。」
「留守番九谷さんにお願いするか……」
「はい行ってらっしゃい。電話番位しかできませんけど。」
「いえ電話は放置でいいです。
ナイアルラトホテップさんは?」
「お化け屋敷が気に入ったみたいで見に行ってますよ。
邪神の心に何か訴えるんですかね?」
「見に行ったショゴス達の話だとザリガニ釣って遊んでるみたいですが?」
「え?……まぁ深く考えないでおきましょう……」
「完全迷彩作動!ドック内注水!」
「わんだばだばだばわんだばだばだば……」
「廃油、遊ばない!
フルステルス作動完了!フォースゲートオープン!ドック注水80%!」
「ガントリーロック解除!パレンケ発進!」
「パレンケ発進、フォースゲート抜けたら30ノットに加速します。」
「げっちゅあもーたーらんにん
へらうたはいうぇい♪」
「テケリリ、やかましい。
アップトリム0.3!海上に出ます!」
「進路オールクリア!パレンケテイクオフ!」
「パレンケテイクオフ!第二宇宙速度まで加速します!
普通に飛んだら静かだねぇこの艦。」
「今までが緊急発進ばっかりだったからな。
先に木星回ってから火星に頼む。」
「は~い。」
「廃油、そういうときはラジャー!もしくは了解!よ。」
「10-4。」
「こいついつの間にテンコードを……
ところで先生、本部の方見に行かなくて良いんですか?」
「ナサの技術者とか言うのが偉そうにしてたんで好きにしろと言って停滞キューブだけ抜いて帰って来たんですよ。
あれは地球で扱えるのは君か私しか居ませんからね。」
「権威主義者ばかりだったんですねぇ。
さっさとアルカディア作ってあいつらに見せびらかしに行きますか。」
「テケリリ、あの二人本当に「漢の船」作ろうとしてる……」
「今更何言ってるのよ?
あの船にしようって言ったのあんたでしょ?」
「そこまで原作に忠実にするとは思わなかった。
そのうち書店ちゃん載せて宇宙に……」
「敵性宇宙人なの~んとか?」
「廃油、テケリリ、馬鹿言ってないで多重水素回収プラント木星に落としてくれ。」
「モジ、なんか居るよ?」
「最大望遠で確認!」
「あれやまぐち書店のハイエースじゃない?」
「テケリリ正解、ボディーに「あなたの街のやまぐち書店」って書いてあるよ。」
「全チャンネルで呼びかけるんだ。
こちら文字、そちらやまぐち書店の車輌で間違いないですか?」
“『文字サン?こちらダイショデス。四重水素の採集に来まシタ。』”
「ダイショちゃん?
なんでやまぐち書店のハイエースで?
まぁちょっと着艦しなよ。」
『ア!艦長。文字サンに挨拶に来マシタ。』
「ダイショちゃん、文字って俺の事だからね?」
『もう轟沈ハ乗らないんデスか?』
「あれはダイショテンと同じで最後の切り札だからね……なんでこんなとこにハイエースで?」
『ダイショテンの燃料が少なくなってマス。
戦闘機ハプラント積めないノデ。』
「書房さんの注文の四重水素ってダイショテンの燃料だったのか。
俺たちこれから火星で採掘するけどダイショちゃんどうする?」
『アタシも付き合っていいデスか?』
「付き合っちゃダメ~!」
「落ち着けテケリリそういう意味じゃないから。」
きょとんとショゴス達の漫才を見るダイショだった。
年末からの宴会やプロレスに出そうとしてことごとく失敗しているロリ書店ことダイショちゃん久しぶりの出番です。
何回か入れようとしたのですが捻じ込む訳にも行かなかった書店サブメンバーですが……見えないところでお使いやってたと思っていただければ……
さて次回は イスの天敵登場
第106話 盲目のもの
お楽しみに。




