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やまぐちブックストアダイアリー  作者: 着ぐるみ人形あき
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第103話 年末神行

本年中は当小説もどきをご愛読下さり誠にありがとうございました。

来年もよろしくお願い致します。


 台戸市は年末セール一色だった。


も~い~くつ寝ると~♪

「普通はこっちの歌なんだよな……」

「ちんころべ~ちんころべ~

竿が~立つ~♪」

「問題は1週間前の替え歌を歌ってるケモミミが居ることだ……

あ、えびちゃんに蹴られた。」

「むっちーやレブンちゃんが覚えたらどうする気だ!」

「なののエンカの魅力の虜にするの。」

「どう聞いても演歌じゃねーよ!」

「えびちゃん、もしかしたらなのちゃんは艶歌って言いたいんじゃ無いかな?」

「文字さん、どう違うんだ?」

「演説代わりの歌じゃなく艶話……猥談代わりの歌だよ。

良く聞いてみて?」

「に~げえたあぁ~♪」

「廃油、ややこしい所で歌うな。」

「立てろ竿を 塔のように

パンツの中 高く強く

溜めたシッコ 雪に撒けば

お巡り怒って飛んでくるよ ヘイ

ちんころべ~ちんころべ~

竿が立つ

今日も楽しくパンツ脱いで~イェイ

ちんころべ~ちんころべ~

尻もなる

今夜楽しい露出祭」

「とんでもねぇ歌じゃねーか!」

「ごめん、ここまで酷いと思わなかった。」

「なのだからなぁ……で、今日はなんだい?」

「注文してた迷宮メシ最終巻とブルゴーニュ花婿奇譚の3巻を貰いに。」

「OK、あざすさん、文字さんがご注文の本取りに来た!」


いつものレジに居る上司……


「大丈夫?顔色悪いわよ?」

「九鶴と河津(10番)が台戸に来たいと言うから撒いてきた。

多分九谷さんが上手くやってくれてるとは思う……」

「じゃぁ何でよ?」

「あそこに河津そっくりなのが……」


緑に捕獲されて連行されて行った……


「本物じゃないのかあの河津?」

「え?文字さんあのお客さん知ってんの?三日程前からふらふらしてるけど……」

「あざすさん電話貸して?

漁協直通のやつ。

……もしもし九谷さん?そっちに河津居ますか?」

“「1匹で良ければ居ますが……どうしました?」”

「台戸で河津そっくりなのが緑に連行されてたんで……もうちょい調べます。」



「……ってなんでみんなで来るかなぁ……」

「文字はん……ワイらトモダチやないか!」

「……できれば否定したいな~。」

「わては?」

「今回お前そっくりなのがここで3日も目撃されてんだが?」

「わて昨日までウボ=サスラ様への貢ぎ物纏めてたやおまへんか!」

「サボって来てたとか?」

「わて九鶴の兄ィと違うて仕事は真面目だっせ?」

「あの……文字さん、この辺にエログロ好きな人居ません?」

「ご主人以外に?」

「廃油、どういう意味かな?」

「見た目一つ目お化けのテケリリ好きになるとか……」

「なるとか何?

あたし続き聞きたいな~?」

「ヘイご主人ヘルプミープリーズ。」

「廃油くん、私は人間の話をしてるんですけど?」

「ご主人さらっと人外判定されてる。」

「え~っと九谷さん、大変態なら表掃除してますよ?」

「いけない!

上官さんすぐその人を室内に移動させてください!

たぶんイゴーロナクです!」

「イゴーロナクって誰?」


初めて聞く名前に戸惑うあざすさんにナイアルラトホテップが答える。


「背徳と倒錯の神性です。

とんでもない性嗜好を持つ人の思考を感じ取って現れるとか何とか……」

「ナイアーラにも良くわからないのか……」

「神性と言っても雑魚ですから調べる気にもなりません。

イス達と一緒で精神寄生する様ですが。」

「でもイゴーロナクに寄生されると体もイゴーロナクになるんだよね。

頭の無い河津体型で手に口のある……」

「廃油、変身しなくて良いから。

なのちゃん呼んでくる。」




「なんか知らないうちにファンクラブが増えてるの。」

「別にファンクラブでは無いんだが……」

「かわいいオタサーの姫まで居るの。」

「でもモジの奥さんはあたし!」

「で、正室がぼく。」

「あ~、そこ喧嘩しないの。

怪我でもしたらどうするんだ?

とりあえずなのちゃん、君は狙われているっぽい。

グラーキの黙示録12巻を読ませようと……」

「来年14巻が出るの。」

「「「「「え?」」」」」

「エログロとしては家畜人ヤプー並だったの。

12巻ってやたらにイゴーロナクの神を讃えててちょっと期待外れだったの。」

「父っつぁん!読破してますよこの子!」

「なのちゃん、どこで読んだ?」

「どこでって……文字さんも読むなの?

豪華愛読版ならセラエノ書房から出てるなの。」


文字は膝から崩れ落ちた。


「と……灯台下暗し……」

「大山鳴動して鼠一匹。」

「好きこそものの上手なれ!」

「いや諺大会じゃなくて……そうかなのちゃんが喚んでたのか……」

「なんなの?」

「なのちゃん、君を大神官にしたいと言ってこの河津みたいな男が来ると思う。」

「もう来てるの。

大チンかんとか言うから男根大きくなるかと思ったらそうでもないから断ったの。」

「ちょっと!あいつ断ったら人間食べるんですよ?」

「それは性的な意味なの?」

「なの!わくわくするんじゃねぇ!」

「食べませんよ!

やっと趣味を語りあかせる人ができたのに!

……え?クトゥルー様にナイアルラトホテップ様?」

「食って死体に乗り移るってのは?」

「グラーキがゾンビにした人だけです。」

「文字さん、嘘言ってませんよこれ。」

「急に走らないで……あ、マスターお帰りなさい。」

「緑お疲れ様、どうも彼はただのエロ本集め神性みたいだよ。」

「伸び縮みが邪神の精神波読み取ったんでショゴスみんなでパトロールしてたんですが……そうだったんですか。」

「待ってください!地球のショゴスマスターですかこの人。」

「彼の場合スキルが人間離れしてるんでなぁ……」

「あ……旧神に見捨てられた。」

「今度は廃油がお留守番か……」

「ショゴスと冗談言い合ってますけど?」

「え?普段からこんなもんだぜ?」

「イゴロさん、この世界には人智の及ばない変態が存在するの。」

「全裸で接客するなのちゃんに言われると悲しくなるな……」

イゴーロナクはクトゥルフで結構マイナーな神性です。

当小説ではオミットして居ますが、悪意を持つ存在に憑依して乗っ取ります。

まぁこの辺は、なのちゃんはスケベではあるが悪意を持たないと解釈していただいても結構です。

本当はイゴーロナクも仲間に入れるつもりでゴニョゴニョ……

さて次回は 邪神達のお正月

第104話 新年パーティー お楽しみに。

1月6日発表予定です。

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