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やまぐちブックストアダイアリー  作者: 着ぐるみ人形あき
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第7話 漫画家?えびちゃんのネタ探し

 開店業務が終わると少し暇ができる。この時間をえびちゃんは自分の漫画を描く時間に充てている。

店舗を閉めた後は先輩漫画家(コニー)お手伝い(アシスタント)したり馬鹿(なのちゃん)の奇行を止めたりあざすさんに奢ってもらったりとなかなか忙しいのである。


「でも漫画ってなに書きゃいいんだろう?コニーはXOXOっていいモデルが居るからなぁ。」


1度XOXOに公園のアヒルの脳を吸わせてみたのだが…どうも脳味噌を吸うんではなく記憶を吸っているようだ。一緒に行ったあざすさんが舌打ちしていた。吸われたアヒルは一見元気に走り回っていたが……数日後野良猫に食われたらしい。


「あざすさんもなぁ……」


アヒル殲滅を目的として防衛軍に入ったミステリアスなコンビニ経営者の娘……本人は結構お茶目な悪戯が好きな美女……ただし何故かアヒルに憎悪を向けている。最近は風呂アヒルの玩具をエアガンで撃って遊んでるらしい。


「ネタにするにはちょっと薄いかな……」


どこがやねん!一人一本ずつ短編書けるほど濃ゆいメンバーばかりだというのに。


「俺なんか本当に一般人だしな……」


……たぶん我々とは感覚が違うのだろうこの両性具有(ふたなり)エルフは……


「なのは……ありゃ成年漫画になるからなぁ……」


おっ?考えていた相手が接客している。


「ウォルターデニーズの雪の女王のアナ2の官能小説が出ると聞いたんですが……」

「はぁ、今のところ当店にその情報は入っておりませんなの、当店ではなくウォルターデニーズにお問い合わせ下さいなの。」

「やっぱりデマだったのかな?ウォルターデニーズってエロ系統厳しそうだし。」

「お客様、雪リンゴ姫アダルトアニメ事件をご存知ですかなの?」

「何ですかそれは?」

「ウォルターデニーズが1937年に公開したあの雪リンゴ姫なの、当時のアニメスタッフはバレないようにあっちに1枚こっちに1枚と原画を紛れ込ませて雪リンゴ姫の短編アダルトアニメを作ったって伝説が有るの。」

「でもそれはただの伝説なんじゃ……」

「お客様、火の無い所に煙は立たないと申しますなの。そしてそんな小説が出た場合必ずこのなのが仕入れてごらんに入れますなの。排水量72809トン全長267,8メートル153553馬力位の大船に乗ったつもりで居て欲しいの。」

「おお……言葉の意味は良く判らんが凄い自信だ!ではお姉さん、出る様なら宜しくお願いしますね。」

「毎度ありがとうございましたなの!」

「おい、おいなの!排水量7万2千トン15万馬力の船って何だよ?」

「ん?戦艦大和なの。」


沈没確定だった。


「沈むの見越して言ってたのかよ?」

「そう思うのが素人なの。やがて滅亡の淵に有る超科学惑星アレキサンダーの力を借りて宇宙に飛び立つなの。」


アニメ混ぜてやがるこいつ……


「んで、その本はどうするつもりだよ?」

「一応5冊は注文してあるの。」

「何処に?どうやって注文した?」

「中央コンピューターのマルチバース接続納入システムで日本語翻訳版を注文したなの。実物は3日後配送予定だからお客様に言えなかったなの。出版元はアメリカの弱小出版社って事にしておくなの。」

「いいのかそれは?」

「最悪ファンが作った豪華同人誌だと思われるなの。」


えびちゃんは目の前の人物が恐ろしく感じた。


「銭の花は白い、でもその根は人の血の様に赤いんや!なの。」

「お前……なんでそこまでして……」

「となりのエイリアンの売れ行きが悪いの。このままじゃ書店ちゃんの胸部強化装甲が買えないなの。」


確かに書店ちゃんは大型胸部装甲を欲しがって居たが……


「……電動リールの新型が出るらしいな?」

「シ〇ノの41モンスターマスター5000なの。ドラグ力45㎏の文字通りモンスター……はっ?」

「あっさり自白してんじゃねぇ!」

「あんたたちまた漫才してるの?」


あざすさんのご出勤だ、彼女とヤマナメは自宅からの通勤であり、彼女は家業のコンビニも手伝っているためパートタイマーでもある。


「あざすさん今日は早いね。」

「伝票整理も有るからね。あ、やっぱりとなりのエイリアン売れて無いのか……」

「あの表紙じゃ物語が想像できないの。早く返本した方がいいと思うなの。」

「あと2週間置いてみましょう。位置が取りにくかったのかも知れないし。」

「作者がつぶやいたーで嫌われてるんじゃね?」

「それも無いと思うんだけどな~。」


伝票整理に奥に行くあざすさん……何か引っ掛かる事が有るような気もする……何だっけ?

あ……あざすさんが伝票持って走ってきた。


「な・の・ちゃ~ん、あたしが何言いたいか解るよね~。」


あ!ウォルターデニーズの官能小説だ。


「お客さまからの注文が有ったなの……」

「あああざすさん、それは間違いねぇよ。さっき対応してたから……っていつの間に発注したんだ?」

「発注が1週間前なんだけど?あとこの世界に無い書籍ホイホイ発注するんじゃありません!始末書かおやつのシュークリーム抜きか選びなさい。」

「今回は始末書でお願いしますなの……」


やっぱりネタにするには気に入らない様だ……と、ふと手近な本の表紙が目に入る。惑星からの使者X、江戸城炎上、そして絵本のレンコンマン……


「これだ!深淵からの襲撃!SOSやまぐち書店!迎え撃つダンコンマンに獣人ナーノ、女スパイアッザース、砲撃手コニーデ、それに長身女魔導師エビータ!」

「えびちゃんどうしたの?」

「コニー、やっと粗筋が見えて来たんだよ!」

「おめでとう!原稿はあたしも手伝うからね。」

「ああ、一緒に冗談社のフレッシュコミック応募しようぜ。」


次回作、コニーは佳作狙い、えびちゃんは新人賞狙いでは有るのだが……


「その前に始末書手伝って欲しいなの~。」

「あ。コニーちゃん、円盤はどうなったの。」

「今土星軌道上を通過中、1発撃っとく?」

「その辺は防衛軍に任せましょう。彼らのお給料のうちよ。」

「そういえばXOXOって名前に由来は有るのか?」

「ゾウリムシクソ……冗談だよ?本当は(10式)Organic (オーガニック)tank(タンク) eXtreme(エクストリーム) Operation(オペレーション)、局地運用生体戦車10(ヒトマル)式、略してXOXO。」

「もちろんXOXOの出番も有るからな~。」

XOXOは意味が判らず首を傾げていた。


今回はスレ内の内輪ネタ増量でお送りしております。それ故にスレの皆様方にはご迷惑をいつも以上にお掛け致しました。

ダンコンマンまで登場するとは思いませんでしたが……

SOSやまぐち書店については追々文章化してお届けできると思います……何故そこまで必死になる?俺……

さて次回はお待ちかね、高名な吸血鬼の姪が来店します

第8話 吸血鬼すぐ……? お楽しみに

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