表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
せいねーたのせなたにのう  作者: とぽけっと
8/10

お昼寝したい・・・

 音がする方に振り向いて、思い出した。


 あ・・・、リーネちゃん忘れてた・・・

 リリカちゃん泣き止んで匂い嗅いでるだけだし、もう大丈夫だよね

「リリカちゃん、お姉ちゃんの事なにか思い出したら教えてね」

 頭を2回撫でて手を離して、抱きついてるリリカちゃんの指を一本ずつ離す。ほら服をかまないで〜

「セイちゃん慣れすぎ」

「そうかな? フララちゃん達はどうしてるの?」

 背中に引っ付いたリリカちゃんを引きずって、リーネちゃんの所に戻る。リリカちゃん今日は甘えん坊だな〜

「リーネちゃんごめんね」

「ううん、だいじょうぶ」

「続きするね」

「うん」

 うわ、リーネちゃん冷たくなってる、どうしよう、からだ冷たいと風邪ひいちゃう・・・。頭はもう洗ってるから、体拭いて温めてあげた方がいいのかな・・・、どうしよう・・・

 う・・・うん・・・。うん、うん、出来るんだ、それお願い

「リーネちゃん、本当にごめんね」

 リーネちゃんの脇から手を入れて持ち上げ、お湯から出す、そのまま椅子に座って、リーネちゃんを包むように抱きつく。温かくなって、リーネちゃん風邪ひかないで

「セイちゃんどうしたの? 何があったの? 服濡れてない? 着替え持ってこようか?」

 フララちゃんが、いろいろ聞いてくる、リリカちゃんは首の匂いを嗅いでる・・・

「リーネちゃん、冷たくなってて風邪ひいちゃうかも、着替えは大丈夫、濡れてないから」

「濡れてないって・・・、ほんとだ、セイちゃんも、リーネちゃんも濡れてない・・・」

 服より、リーネちゃんを心配してあげて、冷たいのが体に入ってくるみたい

「セイくん、手伝うね」

 リリカちゃんはそう言うと、リーネちゃんの向こうに回って、わたしの膝の上に座ってリーネを後ろから温めようとしてくれる、重いのを我慢してリリカちゃんの背中に手を回して一緒に抱っこする、リリカちゃんもわたしの背中に手を回して抱っこする。

「リーネちゃん温かい?」

「たのしい」

 そっかー、楽しいんだ、よかった。冷たいの無くなってきたから、大丈夫かな?

 うーん、なんだろうこれ・・・、温かくて、前にも何かあったような・・・、守って・・・お姉ちゃん・・・、

「あーーーーーー!!」

「きゃ!」

「思い出した!!」

 リリカちゃん達を抱っこしたまま立ち上がって、リリカちゃんを床に下ろしてリーネちゃんを抱っこしてもらう

 そうだ! そうだった! なんで忘れてたんだろう!

「お姉ちゃーん! もういいよ! ありがと〜! 戻ってきて!」

 出来るだけ大きな声で、お姉ちゃんに届いて欲しい大きな声で、お姉ちゃんを呼んだ

「どうしたのセイちゃん、大きな声出して驚いたじゃない」

「ごめんね、でも、どうしても早く会いたくて」

 リリカちゃんに抱っこされてる、リーネちゃんの頭を撫でる。ごめんね、驚かせて


『もういいの? って、もう魔物もいないか』


「お姉ちゃん!」

 後ろを振り向いて抱きつく、体に抱きついたと思ったけど、・・・これは頭かな?

「ちっちゃい! あれ、お姉ちゃんって大きかったような?」

『2歳のセイは本当にちっちゃかったからね、私の身長抜かれちゃったわね』

 お姉ちゃんあれから、身長伸びなかったんだ・・・。あー、でもお姉ちゃんだー

『セイより、小さいとお姉ちゃんって感じしないから、これぐらいかな?』

 目の前のお姉ちゃんが大きくなった気がした、・・・大きい

「お姉ちゃんこれ何?」

 目の前をツンツンする、やわらかたい?

『そこお腹よ』

 おなか!? え・・・、大き過ぎない?

『冗談よ、このぐらいでしょ』

 頭を抱っこされた、お父さんよりちょっと低いぐらいか、リンさんよりは大きい

『セイ、私の事忘れてたでしょ』

 いたたたた、頭が・・・、締め付けないで、怒ってる!

「ごめんなさい、ごめんなさい。忘れてました、ごめんなさい」

『いいわ、素直に謝ったから。4年間忘れてた事を許してあげるわ』

 締め付けるのをやめてくれて、締め付けてたところを撫でてくれる。優しいく撫でてくれる手が好き

『許してあげる代わりに、私の事を姉様って呼んで』

 ねえさま? ・・・ねえさま、お姉様。ああ! 姉様だ〜

「姉様、お帰りなさい、とっても会いたかったよ、会いたかったんだよ」

 姉様にギュッと抱きつくと、姉様も抱きつき返してくる

『ただいまセイ、これからは、セイが忘れない限り一緒にいましょう」

 ぐえぇ、締まってる締まってる。やっぱり怒ってる、苦しいけどやっぱり嬉しいが大きい

「セイちゃん何してるの? そこに『お姉ちゃん』いるの?」

「セイくんが見えない何かと喋ってる〜、絶対『お姉ちゃん』だ〜、もういや〜」

 あらら、リリカちゃんが泣き始めた。もういやってなに?

「リリカちゃん泣かないで・・・」


 ドンドンドン!

「セイちゃん何かあったの? 大きな声が聞こえたけど、フララはいるの?」


 リリカちゃんに泣き止んでもらうため近寄ろうとしたら、家の扉を叩く音と、焦ってるフランお母様の声に止まる。驚いて、リリカちゃんも泣き止んだ

「お母さん! 大丈夫だよ、今開けるから」

 フララちゃんが家の扉の棒を外しに行く、今! リリカちゃんのスキをみて、リーネちゃんを奪い、姉様に渡す

「着替えさせてあげて」

『ええ、分かったわ。リーネちゃん服着替えようね』

 これでよし、あとはリリカちゃんの背中をさすってあげるだけ

「今日は、リリカちゃんいっぱい泣いてるね」

 背中さすさす

「セイくんのせいでしょ!」

 また目に涙が・・・。さすさす

「みんな大丈夫? リリカちゃん泣いてるけど、どうしたの?」

 フララお母様が入ってきた。ちょっと息をはぁはぁして、手に棒を持ってる

「セイくんのお姉ちゃん帰ってきて、もう私の事要らないって・・・」

「言ってないよ」

 急に何を言ってるのリリカちゃんは、一言も言ってないじゃない

「言ってないけど〜、セイくんのバカ〜」

 胸に頭突きしてくるリリカちゃんを受け止めて、頭を撫でてあげる。今日、2回目

「言ってはないのね、で、そのお姉ちゃんはどこ?」

「姉様は今、リーネちゃんの着替えさせてますよ」

「「「え?」」」

 みんながリーネちゃんの方を見る、そこにはすごい速さでキョロキョロしてるリーネちゃんがいた。服はもう着てるね

「姉様、何やってるの?」

『見てよ、すごくキョロキョロしてて、すごく可愛くない?』

「可愛いけど、ツンツンやめてあげて」

 うふふふ、って続けてる。そっちは反対だよリーネちゃん

「見えないけど、・・・そこに居るの?」

 見えないんだ。そっか・・・

「うーん、セイちゃんは嘘言わないから、本当にいるのね・・・」

「わたしも見えないんだけど、居るところは分かります」

「え? セイくんも見えないだ!?」

「でも、お話もできてたよね・・・。居るんだ、どんな人なんだろう?」

 うーん、どんな人かー

『超可愛いおねえさんだよ〜』

「超可愛いお姉さんだそうです」

「超可愛いお姉さんなんだ・・・」

「本人申告なのね・・・」

 しんこく? 言うって事かな?

「セイくん私、お姉さんに挨拶したい」

「えっと、・・・どうぞ?」

 わたしに言わなくても良いのに、変なリリカちゃん、ふふっ

「セイくん、その顔やめて。見えないから挨拶出来ないの!」

「そっか、今はリリカちゃんの目の前に居るよ」

「そうなの? えいっ!!」

 リリカちゃんが姉様に飛びかかった。あれ、受け止めるの重いんだよね

『ちょっと、危ないじゃない。悪い子はこうしてやる』

「うわ、何かいる、柔らかくてあたたぁははははは、あははは」

 あー、お腹の横はくすぐったいよね、よくやられてたなー、おっさん達に! 大きくなってからは、やられなくなった、なんでだろうね?

「あはははは〜あははぁ〜。・・・うん、お姉ちゃん、このくすぐり方はお姉ちゃんだ」

 くすぐり方で分かるんだ、今度やってみようかな?

「本当にいたのね・・・。ごめんねセイちゃん、あの時信じて探してあげればよかったね、ごめんなさいね」

 頭をなでなでされて、あやまられる、そう言えば・・・

「フランお母様、どうしてお父さんは姉様を探すのをとめたの?」

「アベルが姉様を探すのを止めた?」

 フランお母様は首を横に倒して考えてる。思い出せ〜

「ああ、そうだわ、アベルに探さなくて良いって言われたんだったわ」

 頭をうんうんしてる、こうなったらもう大丈夫。

 フララちゃん達は、姉様を触ろうとして遊んでる。あっちも面白そう

「えっとね、あの日ね、空飛ぶ魔物が急に村に来たのよ、みんな近くの家の中に入って隠れてて、魔物が・・・あの魔物はなんて言ったかしら?」

 何だったかしら? って考え始めた・・・、気になる、思い出して!

『ゴブリンバードよ』

 触られそうになったら、ペチペチ手を叩いてる姉様が教えてくれる。なんで知ってるのか後で教えてもらおう

「ゴブリンバードって言うみたいですよ」

「そう、ゴブリンバードね、あー、スッキリした。で、なんだっけ?」

「みんな家の中に隠れた、まで聞きました」

「ああー、でね、ゴブリンバードが諦めて帰って、村の広場にみんな集まって無事を確認してる時にセイちゃん居ないってリリカちゃんが泣き出して、みんな慌てて探したら、この家で泣いてるセイちゃんが居たの、安心させようと思ってみんなの居る広場に連れてっても泣き止まなかったのよ、そしたら怖くて泣いてるんじゃなくて、お姉ちゃんが居なくなって泣いてるって分かってね、探しに行かないとって、みんなが慌て始めた時にアベル達が帰ってきて、アベルがセイちゃん抱っこすると泣き止んだのよ、アベル凄いわよね」

 うんうん、お父さんは凄い、全然覚えてないけど泣き止むんだろうね。うんうん

 ・・・・・・・・・

 ・・・・・・

 ・・・

「お母さん、それで?」

「それでって? ・・・ああ!」

 そうだった、何で止めたのかを聞いてたんだ。フランお母様はオッチョコチョイ、・・・でいいんだよね?

「アベルにお姉さんを探しに行く事を言ったら、『お前ら、見えないモノをどうやって探すんだ? たぶん、セイが混乱して何か言って居なくなったんだと思う、そうでもないとセイの近くに居るはずだ」って言ってね、みんな探しに行くのを止めるか考えて、でもセイちゃんの為に探しに行こうってなり始めてた時にアベルが、『セイ、お姉ちゃん探すのを諦めたら、オレが一緒に居てやるぞ、どうする?』って聞いたら、『お父さんがいい』って言って、探しに行くのを辞めたのよ」

 そうなんだ〜、セイはお父さんを選んだんだね、よっぽどお父さんが好きなんだね、うふふふ・・・あ、捕まった

『セイはお父さん大好きだもんね、仕方ないよね〜』

「ね〜・・・」

 姉様、ほっぺたウリウリしないで・・・

「それから」

 続きがあった、ほら姉様、つづきだよつづき

「有言実行で5・6日狩りに行かないで、ずっと村にいたのよアベル優しいわよね。アベルがいる時にすっかりお姉ちゃんの事を忘れたセイちゃんが、また寂しくならないようにって、カリーヌが家事を教え始めたのよ」

カリーヌさんが家事を教えてくれた理由はこれだったんだ。でも・・・

「そうだったんですね。フランお母様、どうして嘘ついたのです?」

 全部嘘じゃないんだけど、嘘付いてる気がする。

「あー! お母さん私に嘘はダメって言うのに・・・」

「はいはい、ごめんなさいね。えっとね、うーん・・・、まあいいかしら?」

 ううん、嘘はダメだと思う!

「えっとね、あのね、ゴブリンバードはね、一度襲ったところにもう一度行って、油断してるところを襲う習性があってね、猟師達は村に残って警戒してたのよ」

「そうなんですね、でも何で嘘になったんだろう?」

「アベルさんが、優しくて残ったんじゃなくて、ゴブリンバードを倒す為に残ったからじゃない?」

 ・・・え!? そんな・・・、そんなことは・・・

「セイちゃん、お母さんとリリカちゃんが言った事を足したら良いんだよ」

「たすの?」

「アベルさんはセイちゃんと居たいけど、働かなくちゃいけないから、ゴブリンバードを倒す為って言って、セイちゃんと一緒に居たんだよ、きっとね」

 そうだよね、お父さんがわたしを心配しないわけないよね。ふー、あせった

「セイちゃんは顔に全部出るわね、分かりやすくていいわね」

「お父さんも褒めてくれるんです、えへへ」

 姉様を忘れてた事を思い出せて良かったし、お父さんも優しくて大好き


「みんな、そろそろ解体小屋に行きましょうか」

「もうそんな刻なの? セイちゃん行こうか」

「ううん、後から行くから、先行ってて、お片付けしなきゃ」

「そうだね、手伝うね」

「大丈夫だよ、すぐ終わるから。あっ、リーネちゃん連れてって貰っていい?」

「そう? 分かった、リーネちゃん行こっか」

「セイちゃん鍋持ってくるのよ」

「はい、リンさんちの鍋の方が良いですか?」

「夜はリンの家だからリンの家の鍋で良いわよ、運べる?」

「大丈夫です、運べます」

「・・・・、うーん、やっぱり会議しなきゃ」

「会議?」

「いいのいいの、じゃあ先行くわね。リリカちゃんも早く帰らないと置いてかれるわよ」

「はーい、じゃあね、セイくんまたね」

「また後でね」

「セイちゃん転ばないように気をつけて来るのよ」

「はい、気をつけます」

「セイちゃん、後で〜」

「せいちゃん、ばいばい」

「ばいばーい」

 みんな出て行くと、ちょっと家が寒くなった。

『ばいばいって何?』

「さよならって事だよ、町ではみんな言ってるんだって」

『そうなのね、この家の周りで言ってる人が居なかったから、知らなかったわ』

 そうだね、お父さんには「いってらっしゃい」って言ってたもんね

「姉様は、家を守ってくれてるときは声とか聞こえてたの?」

『そうよ、聞こえてるし、見えてもいたわよ』

「そっか・・・、ごめんなさい」

『寂しくなんてなかったわよ、気にしないで』

 嘘ついてる、やっぱり寂しかったよね。ごめんね

「これから、いっぱい甘えてもいい?」

『もちろんいいわよ、姉様にどんどん甘えなさい』

「うん!」

 甘えて貰えるのは嬉しい事だから、いっぱい甘えて、一緒にいたいを伝えたいな〜

「じゃあ、お片付けしちゃうね」

 早く、解体小屋行きたいからね、急ごう!

 まずは・・・。なんだろう、見られてる・・・

「姉様、タライのお湯を少し捨てて、布洗ってくれる?」

『ええ分かったわ、やっておくわね!』

 ほっぺたウリウリしてからタライの所に行く姉様。頼って良いってなんだかうれしいな

 え? うん、うん、そうなの? ありがとう、よろしくね。 あ、ねえ、何て呼んだらいいかな? わかった、みっちゃんだね これからよろしくね。

「姉様、みっちゃんが手伝ってくれるって」

『大丈夫、私も聞こえてるから、私もみっちゃんって呼んで良い?』

 えええええ、ダメなの? みっさま? なーんだ、冗談か〜、驚かさないでよ

『良い子みたいね』

『みんな良い子だよ』

『みたいね』

『口から出さなくても、お話しできるんだね」

『そうよ、セイはすごい子だから』

 わたしはすごいのかな? 姉様の方が凄いと思うんだけど、良く分からないや

『セイ、掃除掃除。じゃあ、みっちゃんと行ってくるね』

「はーい、行ってらっしゃい」

 姉様達がタライを持って外に出ていく、わたしはかまどの周りをキレイにしよう

 ねえ酒さん、今日は色々あるね、ひっさまとみっちゃんと仲良くなって、姉様が帰ってきたんだ。

 うんうん、旅立ちの準備? アニキ兄さんじゃなくて? わたしが? ないない、だってわたし、この家好きだもん、わたしはこの家からでませーん、ふふふ、変な酒さん

 そうだ酒さん! 薬作るの手伝ってよ、酒さんに言われた材料集めたから、そう、手をキレイにする薬、きっと喜んでくれるから、いいと思う、喜んでくれるし、お願い! 分かった直ぐに掃除終わらすから


『ただいま〜』

「おわった! おかえりなさい」

 姉様がタライだけ持って帰ってきた

「布は?」

『干してきたわよ』

「ありがとう、わたしも終わったから、手洗ってくるね」

 灰を袋に入れて、かまど拭いただけで手が粉っぽい、洗いたい

『手伝ってあげる』

「ありがとう、いこ」

 姉様がタライを置くのを待って、家から出る。

 畑の横にある壺の所に行くと姉様が蓋をとって水を汲んで手に掛けてくれる

「ありがとう」

『どう致しまして。みっちゃん、ちょっと手伝って』

 みっちゃんを呼んだ姉様が壺に手を入れてぐるぐる混ぜて、黒い何かを取り出して遠くに投げる。手を洗う前にキレイにして欲しかったなぁ

『セイ、蓋閉めてくれる?』

「はーい」

 蓋を閉めて、家に帰る。姉様なんで、水持ってるんだろ?

 家に入ると姉様は机を水で洗い・・・拭いてる? すごくキレイになってる・・・

「すごくキレイになるね、ありがとう」

 じゃあ、わたしは薬を作ろうっと。お母様の手をスベスベにするために!

 酒さんどうしたらいい? 火傷の薬は貰った、牛乳は一回沸かしたよ、ウユの実いるの? 出来るだけ小さく刻むんだ、出来るかな、やったことないよ、わかったやってみる。 それだけでいいの? わかったウユの実刻むね。

 朝採ったウユの実残ってるから、その実を使う

『セイ、机使って良いわよ』

「ありがとう、板とナイフ持ってくるね」

 お父さんは板使わないど、子供は板を使わないと危ない。いつか、板なしで料理するのが目標、リリカちゃんの驚いた顔がみえ・・みえ・・・、あれ?何でだろう、お腹叩かれてるのが見える・・・

 カマドの横に掛けてある板を机に置いて、物置部屋からナイフを持ってくる

『私、やろうか?』

「出来るの?」

『もちろん、お姉ちゃんだよ?』

 お姉ちゃんなら出来るんだ。じゃあ、わたしもお姉ちゃん

「出来るだけ小さくお願いね」

 姉様はウユの実を板の上に置いて、ナイフでトントン始める。なんだか楽しそう

 わたしは、酒さんを机に運んで、薬を・・・あれ? どこだっけ? 牛乳をカマドのから机に置く、薬は・・・?

「ちょっと、リンさんの家に行ってくるね」

 持ってきてなかったよ、えへへ

『はーい、気をつけてね』

「えへへ」

 家を出て走ってリンさん家に行く。扉を開けて、机の上の瓶を取って家に走る。


「ただいま」

 だーれも居なかった、みんな解体小屋に行ってるみたい。早く行かないと・・・

『おかえり、もうちょっと待ってね』

 姉様、すごく楽しそう。

 取ってきた薬を机に置いて蓋をとる。さて、薬を作るよ〜、何かを作るのは楽しいよね

 酒さん、薬の瓶の方に牛乳入れるよ、わかった、止めねて、少しずつ少しずつ・・・、はい! 次は?

『酒さん、これぐらいでいい? どれぐらい? これぐらいね、セイこっち側ね』

 すごく細かくなったウユの実を薬の瓶に入れる。後は・・・

 酒さん入れるよ、止めてね、少しずつすこはい! 少なくない? そっか、さすが酒さん

 酒さんは凄い酒だから少量でいいんだって。少量は知ってる、料理の時に教えてもらった。

 それで、この薬どうしたいいの? わかった、物置小屋に置いとくね。

『混ぜなくていいの?』

 そういえば混ぜてない、料理でも何かを入れたら混ぜるよね。

 うん、そっか、お願いします。それじゃあ終わったし、酒さん、ごはんにしようか、何がいい? 分かった、畑に行こうか

『それじゃあ、薬を物置部屋に置いておくわね。うわ〜、本当に中で混ぜられてる』

 姉様分かるんだ〜。わたし達は畑に行こうか

 酒さんを持って家を出て畑に行く。

 ウユの実はさっきのでいい? え?あれ、お花だよ、根っこも!?そっか、みっちゃんいるもんね。 え〜、イチゴも〜、うう、リーネちゃんとのおやつが・・・、いいよ、わたしの分を食べて食べて、リーネちゃんの分は残すからね。 キュウリはないよ、え?でもあれ茶色いよ?気にしないんだ・・・ 麦はあるよ、わかった。

 酒さんに入れるものが決まったら、収穫して刻んで入れるだけ。家に戻って酒さんを机に置いてカゴとナイフを持って、畑に戻る。カゴは姉様に持って貰う、イチゴは生ってるを全部取る、茶色いキュウリは一個しか無いから一個採る。お花は、キレイなのを2本、根っこから抜く。花を入れて欲しいなんて、初めて言われた。

 採った野菜(花)を畑の横の壺で洗う、キュウリとイチゴは土が付いてないから簡単に、花は根っこが土だらけだからみっちゃんに手伝って貰う。根っこって白いんだね〜

 家に戻ってカゴを椅子の上に置いて、机の上に置いてる酒さんの蓋を外す。

 待って貰ってごめんね、今から入れてくからね。最初はウユの実を刻んだやつ、板が使えないからね、次は麦?

 取って・・・、姉様ありがとう、入れるね、イチゴの草とる?1・2・3・4・5っと、後はリーネちゃんのだからね、酒さんは果物好きだよね、キュウリは大きいから小さくするね、ほどほどの大きさって? 最後に花、何て花なんだろうね、で、根っこも入れるの?キレイだからいいのかな?

 全部入れた、後は酒さんが居たい場所に置くだけ、蓋もしないとね

 酒さんどこが良い? わかった、布を掛ける? わかった

 酒さんを持って、寝る部屋のベットの上に置いて布をかける

 おやすみ酒さん、美味しいお酒にしてね。 はーい、おやすみなさい

 壺をなでなでして、寝る部屋から出る。

『よし、じゃあ行こっか』

 姉様が、板とナイフをキレイにしてくれてた。片付けは後で良いかな、・・・ナイフは片付けておこうかな

「ナイフ片付けてくるね」

『持ってたら良いじゃない、邪魔になったら私持つし』

 うーん・・・、まあ、姉様が持ってくれるからいっか

「それじゃあ、いこっか」

『ええ〜、いきなりナイフ渡されるんだ〜』

「持ってくれるって言ったよ」

『うん、言ったけど・・・。まあいいわ、行こっか』


 机に置いてた、水をもって家を出て、畑の果物の木にまく。明日はなんの実がなるのかな〜

『姉様、明日はなんの果物出来るかな?』

 リンさん家に歩きながら姉様に聞いてみる。イチゴはよく生ってる

『そうね〜、なにが生るんだろうね〜? セイは何が好きなの?』

『ブドウが好きだよ、緑のやつ、みんなで食べられるし』

 酒さんに全部取られないし・・・

『ブドウは甘くて美味しいわよね。私はレモンが好きかな、最初は酸っぱいけど、後から甘くなる、あの甘さが好きだな〜』

 レモン・・・、カリーヌさんにあげるやつだ。あれは果物ありません

『・・・っ! 昼ごはん、姉様の分も用意しなきゃ』

『私が持つよ。セイ、私ご飯食べないから大丈夫』

『ありがとう姉様、んっしょっと。でも、姉様さっきレモンが好きって』

 それって食べてるからなんじゃないの?

『セイが食べた味が、私にも分かるのよ、だから食べなくても大丈夫。そもそも口ないしね』

『そうなんだ〜、不思議だね!』

 よくわかんな事は、不思議だね〜で解決! よくわかんない物は、考えてもよくわかんない!

『口ないんだね、見えないから分からなかった」

 じゃあ、どこから声を出してるんだろう・・・、そうだ、声出してなかった!

『解体小屋に行こう』

 リンさんの家の鍋を持って解体小屋の方に歩るく。・・・・・・、はぁ〜、歩きたいんだけど

「ねえソイちゃん、解体小屋に行きたいんだけど、行ってもいい?」

「イヤ」

 んっしょっと、背中のソイちゃん背おい直す。リンさんの家に行く途中で背中に乗られた。「イヤ」って言われたけど、解体小屋の方に歩く

「ソイちゃん、いっぱい泣いたでしょ」

 背中のグリグリがすごい、「ううー」も言ってる

「泣いたけど・・・」

 けど、なんだろう?

「ソイちゃん、フララちゃんの事キライ?」

「キライ」

 キライなんだ・・・、嘘言ってない!? えー、本当にキライないんだー

「なんで!?」

「ソイの事を子牛とか言うもん」

「子牛はダメなの?」

「ソイ、牛じゃないし、牛は臭いし・・・」

 ちょっと泣きそうになってるソイちゃんを、姉様が撫でてあげてる。やさしい

『まんまる、ぷくぷく、まんまる、ぷくぷく』

 やさしいのかな? 聞こえない事をいい事に悪口言ってない?

「モーって言いながら、走ってきたから、子牛って言ったんじゃない?」

「いつも言ってくる、すぐ持ち上げてくるし」

 ごまかせなかった。いつも言ってるし、まるくてプクプクしてるの好きだし、たぶんだけど、暴れてるのを楽しんでる気がするし、フララちゃんも悪いね

「そうだね、フララちゃんも悪いよね」

「もってなに? ソイ悪くないもん」

「そんな事ないよ、フララちゃん牛臭いって言われて泣いてたんだから」

「ソイも泣いたけど、セイちゃんに置いてかれた!」

「あの時泣いて無かったよね?」

「そうだけど! 来てくれなかった!」

「ソフィお母様じゃダメなの?」

「セイちゃんが良かったの! 頭叩かれたし・・・」

 あれは、ソイちゃんが変なこと言うからだよね

「じゃあ、今は一緒だから良いよね」

「ソイが来たの! セイちゃんに来てほしかったの!」

「またまた〜」

「何がまたまたなの!」

『ソイリスは面白いわね』

『でしょ、でも小さ子から怖がられてるの、すぐ怒るから・・・』

 姉様がソイちゃんの頭を撫でている。小さい子には優しくしてあげて欲しいな

「ソイちゃんは、いい子いい子」

「いい子だよ、だからなに? セイちゃんどうやって頭なでてるの!」

 わたしじゃなくて、姉様なんだけどね、いつ気づくか楽しみだから言わないよ

「ソイちゃんは、いい子いい子」

「何? さっきから何?」

「ソイちゃんは、いい子いい子」

「だからなんなの・・・」

「ソイちゃんは、いい子いい子・・・、いい子・・・、いい子、、、」

「グ〜・・・」

 よし寝た! これで暴れられない。さーて、解体小屋に急ごっと

『可愛くない寝息ね』

『そう? 可愛いと思うけど、グーだよ、グー』

『セイは変な子ね〜』

『え!? 姉様はソイちゃんの可愛く無い寝息知らないからだよ、これは可愛い方なの!』

 まったくもう! わたしが変な子な訳ないじゃん、変なのはソイちゃんと姉様の方だよ

『私、セイの寝顔しか見た事ないし・・・、あっ、後はアベルさんも見てるか』

『なんでアベルさんなの? お父さんじゃないの?』

『違うわよ、私に親は居ないわ』

『そうなんだ〜』

 姉様はどうやって生まれたんだろう? 今度、酒さんの親も聞いてみようっと


「おはようございます、遅くなりました」

「せいちゃんだ〜」

「せいちゃ〜ん」

 小さい子達が元気良く走ってくる。元気いっぱいの笑顔っていいね

「「「セイちゃーん!!」」」

 あれ? 今日は、お母様達も走って来る、笑顔じゃないし、何か怖い・・・

 前走ってる子供が消えた、抱えられてる、近い近い・・・

「フララのアレはなに!!」

「リーネちゃんがすごい事になってるんだけど、何したの!?」

 えっ!? なになにどーしたの!? リーネちゃんがすごい事?

「リーネちゃんがどうかしたのですか!? また、火傷をしたり」

「うっさい!! ・・・グ〜〜」

 ・・・・・・・・・

「リーネちゃん何処ですか?」

「その子、その辺に転がしときなさい」

「それはちょっと・・・」

 可哀想だからやらないよ

「セイちゃんこっちきて」

「ソフィおばちゃーん、ちょっとー」

 おば!? おーこられる、おこられるー

「カーシカ、死刑」

 あー、死刑だー、今日はどんな死刑だろう

「そ、ソフィさんごめんなさいごめんなさい、つい」

 でた、ついだ! とっさにって事だよね、覚えた

 小屋からこっちに近づいて来る、ソフィお母様はすっごい笑顔で、本当に真っ直ぐ、揺れる事なく歩いてくる。キレイでとても怖い

『セイ見て、すごく静かに歩いてるわ、揺れてないわよ』

『すごいよね、わたしも頑張っておぼえたいな〜』

 憧れるな〜、メイドさんってみんな、あんな歩き方できるのかな〜

「ご、ごめんなさい」

「執行」

 首を振って「しっこう」を言う。しっこう、やるとかそんな意味だと思う、たぶん

 ソフィお母様はカーシカさんの服を上に上げて、服の下から手を入れて、凄い勢いで手を引き抜いた。

「あーーーーーーっ!」

 痛そうな気持ちが伝わる・・・。あいたた・・・、周りの子供も、あいたたって顔してる

 ソフィお母様は指をふっ、ってする。毛? 服の中から毛?

『姉様、毛』

『毛・・・ね』

 毛? 何だろう、聞いてはいけない気がする・・・

「ソフィお母様、ソイちゃん来ました」

「あら、ソイ来たのね、家でふて寝してると思ってたわ」

 痛がってるカーリカさんを、ちっさい子達が撫でてるから置いといて、ソイちゃんを渡したい、重い・・・

「はい」

 後ろを向いてソイチャンを渡す。ちょっと背中がスースーする

「あらら、セイちゃん御免なさいね。どうして、この子は口開きっぱなしなのかしら・・・」

 また、ヨダレだらけなんだ・・・。うう・・・、お父さん・・・

「大丈夫です、いつもの事だから」

「本当にごめんなさいね」

「おしっこしなくなったのを、褒めてあげてください」

「本当に御免なさいね」

 本当に良いのに・・・

『そういえば、何回も泣いて帰ってきてたけど、ヨダレが嫌で漏らしてたのね」

「違う! ソイちゃんが!」

「ソイがどうしたの? 何か言ったの?」

 あっ、口に出してた!

『違います、姉様とお話ししてて』

『セイ、口に出さないと」

 しまった、うっかり

「違います、姉様とお話ししてて」

「「「姉様?」」」

 あー・・・、うーん・・・、あー・・・、ちょっとめんど臭くなってきたな〜

『ヨダレでセイのやる気が・・・』

 頑張るー、でもこの背中じゃリーネちゃんをおんぶできな・・・。悲しくなってきた・・・ちょっ冷たい!

『みっちゃんがヨダレ取ってくれたから、頑張って私を紹介してね。はい、頑張って頑張って』

『本当だ、スースーしない、ありがとう姉様、みっちゃん』

『ヨダレいる?』

『いらない・・・』

 姉様はも〜・・・、ふふふ、元気出た!

「前に居なくなった姉様が帰って来たんです、今も一緒に居てくれてます」

「そう・・・、本当に見えないのね」

「リリカが言ってたの本当だったのね、今どこに居るの?」

「今は、わたしの隣で頭下げてますよ」

『おはようございます、セイの姉の、姉様です』

 お母様がキョロキョロしてる、見えないよね、わたしも見えないし

『なんで。お腹の横つついてるの?』

『・・・もう、私が言ったことをセイが代わりに言ってよ』

『あー、ごめんね』

 姉様がもう一度背を伸ばして頭を下げる。

「おはようございます、セイの姉の、姉様です」

「どうしたの急に、『お姉ちゃん』が言ってるの?」

 お母様達や、足にしがみ付いてる小さい子達がこっちを見てくる。ポカンとしてて、みんな可愛い

「はい、姉様が伝えて欲しいと言ってまして」

『ソフィさん、さっきの毛はなんですか?』

『それは聞きません・・・』

「また、何か言ってるの?」

「イイエ、イッテマセン」

「顔と声に出てるわよ、何て言ってるの?」

『さっきの毛は何ですか?』

『本当に言うの?』

『ほら、言って言って』

 はぁ〜、やだな〜

『ソフィお母様、さっきの毛は何ですか?』

『私に言ってどうするの』

「そういえばリーネちゃん、どうしたのですか?」

「「『ごまかした』」」

 だって、やだし。嫌な予感するし・・・

「そう! それ!」

「誤魔化されたことは、まあ良いけど、あの子達の髪の毛サラサラとフワッフワなんだけど!」

 思い出して、すっごく・・・なんだろう、目が輝いてる?

「え!? リーネちゃん、ふわっふわなんですか!?」

 ふわっふわなリーネちゃん!!

『姉様行くよ、足の子三人お願い!』

『ええ良いわよ。よいしょっと、いくわよ、それ〜』

 姉様は3人抱えて走って行く、私は残った小さな男の子~。ソイちゃんの後だからとっても軽い!

「え? なに? 浮いてる? 飛んでる?」

「と・・ん・でる?」

「ゆ・・ゆうれい・・・」

 お母様達が驚いてる、抱えられてる子供達からはキャーって声が聞こえる。ユウレイってなんだろう?


 小屋に着いたら、姉様に下ろして貰った子供がしがみ付いてくる。楽しかったでしょ

「ぜいじゃ~ん、あぶぶぶ」

「こばっ、こばがっだー」

 泣いてた・・・、わたしは楽しかったけどなー、今度やってもらおっと

「もう、大丈夫だよ~、姉様は優しいから、次は優しくしてくれるよ~」

『ごめんね~、久しぶりだから加減間違えちゃったね、ごめんね~』

 姉様と一緒に子供達の頭を撫でる、姉様の優しさが伝わったのか泣き止んでくれる。ごめんねー

「今のなになに?」

「どうしたの? 鳴き声聞こえたわよ!」

「子供泣かすなんて、お姉ちゃん失格ね!」

「せいちゃんだー」

 皆んな集まってくる、姉様目立ってる~。うへへ、ちょっと嬉しいな

 そんな事より・・・、リーネちゃん発見! うわー、本当にサラサラふわっふわになってる! ふわふわだー

「え? セイちゃん消えた・・・」

「あれ? あれ? あれ?」

「あ! いた!」

 リーネちゃんを抱っこして、髪のサワサワくんくんしてると後ろからの視線が気になり振り返る、みんなこっち見てる、匂いを嗅ぐのはやり過ぎだったかな? えへへ

「せいちゃんだー、おどろいたー」

 リーネちゃんが本当に驚いた顔してる、あ、その笑顔可愛い! へぐっ

『姉様なに?』

『私に預けてった、男の子を返すね』

『あ、ごめんね、ありがとう』

 背中も前も温かい、幸せー

「りーね、ふわふわ」

「ねー、サラサラふわふわねー」

 なでなで、なでなで、えへへへ

「えへへ、りーねくさくない?」

「もう臭くないね、お花の匂いもするね」

 すごい可愛い笑顔、ほっぺたも真っ赤っか、えへへ、幸せだなー

「セイくん、ニヤニヤしすぎ!」

「セイちゃん、フララから聞いたわ、ありがとうね」

「セイちゃんセイちゃん、髪どうやるの? うちの子と私もやってくれないかしら?」

「せいちゃん! うくのもっかい! もっかいやって!」

「セイちゃんみて! 髪の毛全部真っ直ぐだよ! サラサラだよ!

『セイ! ・・・ごめん、呼んでみただけ』

「セイ~、フララにしたの、私にもしてよー」

 一気に言われても答えられないよ・・・。それにしても、リーネちゃんの驚いた顔かわいいな〜

「そう言えば、スープはどうなりました? 無くなりました?」

 無くなってたら、リンさんに謝らないとだから気になる! 嘘、美味しいって聞いたから気になる!

「あ〜・・、忘れてたわね」

「そうね、お昼までにやらないとだね」

「あ! そうだわ! 私達は掃除と、スープをするから、セイちゃんは子供達の髪の毛洗ってあげてね」

「良いわねそれ! そうしましょう!」

 みんなの髪の毛洗ってあげるのは、洗ってあげたいんだど・・・

 みっちゃん、うん、そうだよね、冷たいよね、小さい子が風邪ひいたら大変だもんね

『風邪ひかないように温かくすれば良いんだよね、私スープ作ってる所から温かいの貰ってくるね』

『温かいのあれば風邪ひかないよね、姉様お願いするね』

 みっちゃん、姉様が・・・、聞こえてたんだ、うんうん、ありがとう、頑張ろうね

「セイちゃん、嫌だった? いやな・・・」

「はい、大丈夫だそうです。髪の毛洗うのやります」

「そ、そう? ありがとうね、お姉ちゃんに確認してたの?」

「いいえ、みっちゃんです」

「「「みっちゃん・・・?」」」

 みんな不思議そうな顔してる。そっか、みっちゃんは今日お友達になったから知らないよね。

「あなた達いい加減にしなさい! 早くやって帰るわよ!」

 スープ作ってるお母様が大きな声を出して、ちょっと怒ってる。わたしもやろっと

「髪の毛洗うのに水使うので、川の近くで洗いますね。桶とタライ借ります」

「ええいいわよ。でも、子供達だけで川の近くに行かすのは危ないわね」

「それなら、私とリリカちゃんもついてって、ちゃんと見とくから大丈夫だよ」

「そう、フララ、リリカちゃんもお願いね」

「フララちゃん、リリカちゃん、ありがとう」

 小さい子相手なら、この二人で大丈夫。わたしなら一人でもいけるけどね!

「セイくん、その顔やめて。 ほらみんな行くわよ、お姉ちゃんについて来て〜」

 リリカちゃんの行くわよ〜、でみんなが動き出した。

 お母様達はスープ、小屋の掃除にむかう。ソイちゃんをどうしようか、考えてるお母様もいる。

 姉様はスープの方に温かいのを取りに、わたしは桶とタライを取りに行く。

 ・・・・・・

 ・・・

「みんなどうしたの? リリカちゃん達あっちだよ?」

 小さい子達が付いてくる。何かあったのかな?

「おねえちゃんについてこい、っていったでしょ」

 あー、言ってたね、だからわたしの所にきたんだ。えへへ、お姉ちゃんだって、ちょっとうれしい

「誰よりも『お姉ちゃん』は、セイちゃんだったのね」

「「「「『あははははは』」」」」

 リリカちゃん以外みんな笑ってる、お母様達と姉様笑って、フララちゃんは負けたわね〜って顔で笑って、大人が笑ってるから小さい子も笑って、それを見てわたしも笑う。やっぱり、みんな笑顔が一番嬉しくなる。

 リリカちゃんが走って来るのを受け止めて、持ち上げる。お父さんがいつもやってくれるやつ

「かぶー」

「がぶーじゃないよ、噛まないで」

「あー面白かった、タライは私が取って来るから、セイちゃん達は先行っていいよ」

「わかった〜、おねが〜い」

 フララちゃんは手を振って小屋に取りに行ってくれる

「じゃあみんな、川に行こっか〜」

「「「はーい」」」

 みんな大きい声で答えてくれる。こら、がぶー、叩かないで!

 川の方に歩き始めるとみんな着いてくる。仲のいい子、兄弟で手を繋いでる。

 リーネちゃん入れて七人、3歳と4歳の言う事をちゃんと聞ける子達。言う事の聞けない子は、おんぶ紐を使って親におんぶされる、だから大きな子で言うこと聞かないと、お父さんの背中におんぶさせれて、畑に行くことになるだって、その一回でみんな言う事聞くようになるから、わたし見たことないんだよね。

 一度お父さんに、「ボク言う事聞かないから、おんぶして森に連れてって」って言うと、「森は危ないから、アトーレの背中になるぞ」って言われた。悪い事しちゃいけない、絶対

 今日何回目になるか忘れたけど、がぶーの背中をさする。

「がぶー、・・・じゃなかった。リリカちゃん、わたし一人ずつしか髪の毛洗えなくて、順番も決められないから、小さい子を見ててくれるの助かるんだ。来てくれてありがとう、がぶー」

「がぶーじゃない! もう、セイくんバカー」

 顔を見せてくれたリリカちゃんは、ちょっと怒ってるけど、ちょっとお姉ちゃんな、いつものリリカちゃんなってる。かわいいかわいい、なでなで


 リリカちゃんとお話ししてたら川に着いた。

「・・・で、お母さんのおへその方が臭いって分かったの」

「お父さんより臭かったんだ〜、着いたよ」

 手をゆっくり離すと、素直に降りてくれた。お父さん帰ってきたら、おへその匂い嗅がせてもらおうっと

「あっ」

 あっじゃないよ、しまったー降りてしまったー、みたいな顔してないで小さい子をちゃんと見てあげて!

「はい、セイちゃん持ってきたよ」

 フララちゃんが桶とタライを渡してくれる。・・・渡して! 手を離して!

「後で、おへその匂いかがしてね」

「フララちゃんが、かがしてくれるならいいよ」

 手を離して、桶とタライをもらう。

「じゃあ、約束よ! ほらみんな集まって〜、小さい順番だよー」

 約束してしまった、リーネちゃんのもかがしてもらおっと。リンさんにもお願いしようかな?

 フララちゃんとリリカちゃんが、小さい子を並ばせてくれてるうちに、桶で水を汲んでタライに移す

 みっちゃん、水をキレイにするのを手伝ってね、ありがとう。

 タライに手を突っ込んでぐるぐるして、汚れを集める、キレイな水なのに白い汚れが取れた。何だろうこれ・・・、水を飲んじゃダメ言われてるのはこれが理由かな?

『セイ、温かいのを持ってきたよ』

『ありがとう、水を温かくしもらえる?』

『分かったは、入れるわね』

 姉様がタライの水に温かいを入れて混ぜると水が温かくなった。ちょうど温かい、さすが姉様

「せいちゃん準備できた? そういえば布持って来てないけど取ってこようか?」

 あー、そう言えば忘れてた。濡れるもんね

 みっちゃん? そうだよね、出来てたよね、ごめんね

「大丈夫みたい、みっちゃんが要らないって、気にしすぎって怒られちゃった」

「そうなんだ、セイちゃんがそう言うのならそうなのね」

「私はよくわからないけどね! はい、サーちゃん、セイくんところに行って」

「はーい」

 サーちゃんが、勢いよく飛びついて来たのを受け止める。笑顔いっぱいでかわいいね

「サーちゃん、髪の毛洗ってもいい?」

「うん! せいちゃんおねがいね」

 お願いされちゃった〜、えへへ、やるぞ〜

「ちょっと、頭離してね」

 胸から頭を離して、座ってもらう。目は大丈夫かな? 聞いたら次は手伝って貰えないかも、信じるねみっちゃん

 タライから水を持ち上げて、サーちゃんの頭に押し付ける。サーちゃんの後ろに並んでる子達が、何あれってざわざわしてる。

「サーちゃん、熱くない? 大丈夫?」

「あたたかいよ、だいじょうぶ」

 大丈夫みたいだから続きをする、って言っても水を押し付けるだけなんだけどね。最初に全体濡らして〜、も要らないんだ・・・

「きゃははは、くすぐったいよ」

「姉様、おさえて」

『はいはい、じっとしましょうね〜』

 姉様がすぐにおさえてくれる。全体を抑えてるから水がかかっても大丈夫そう。

 一回手の水を変えて、もう半分

「きゃははは、くすぐったーい、からだうごかなーい、きゃははは」

 すっごく楽しそう、ずっと笑ってる。サーちゃんはいっつもニコニコしてるか。

 もう半分が終わったら水を換えて、全体をもう一度ゆっくり撫でる

「はーい、終わりましたよー」

「えー、もうちょっとしてほしいなー」

「かわいい顔しても、今日はダメだよ。ほら、みんな待ってるからね」

 並んでる子達がじっと、こっちを見てる。ポカーンかな?

「セイちゃんが今日は断ってる。珍しい・・・」

「セイくん、また大人ぶってる」

 えへへ、今日はお姉さんなんだ〜

「サーちゃん、いい子いい子」

「せいちゃん、ありがとう、またやってね」

「いいよ、また髪の毛洗わせてね」

 手をにぎにぎしてお別れをする。みんないい子だよね〜

「一番前の子は、セイちゃんの所に行ってくださーい」

 ・・・・・・・・・

 ・・・・・・

 ・・・

「はい、終わりました〜、みんなと遊んできてね」

「えー、もう後ろ居ないからもうちょっと居てもいいでしょ」

 リリカちゃん・・・、お姉ちゃんはどうしたの! 仕方ないね、リリカちゃんをもたれ掛からせて頭を撫でる。

「ふふふ」

 ニッコニコのリリカちゃん、小さい子達は姉様とフララちゃんが遊んであげてる。ちょっとお休みしよう

 あ〜、お腹すいたな〜、みんなの楽しそうな声が気持ち良いいな〜、リリカちゃんの髪の毛サラサラだ〜、ぽかぽかで〜ねむく〜

 な〜でな〜で

「く〜、す〜」

 リリカちゃん寝た。わたしも寝よう・・・

「セイちゃん、終わったの? もどろっか」

「えー、うーん・・・、もどる〜」

 ねむい・・・、けど、がんばるー

『おんぶしようか?』

「ううん、リリカちゃんはちゃんと抱っこしてくね」

『セイの事だったんだけど、分かったわ、小さい子達は任せて!』

「ありがと〜、んしょ」

 リリカちゃんを抱っこしたまま立ち上がる。リリカちゃんはちっちゃくて軽いな〜

「せいちゃん、かえろー」

 リーネちゃんが誘いに来てくれた。そうだ、昼から一緒にお昼寝だ〜

「リーネちゃん、お昼のパン食べたらお昼寝しよっか」

「うん! きふぃちゃんもいっしょにおひるねねっ」

「三人でお昼寝しようね〜、姉様も居るから四人だね」

 え? うん いっしょにね〜

「みっちゃんも入れて五人でしようね」

「みっちゃんって、だーれ?」

「みっちゃんは、お水さんだよ〜・・・」

 ねむむー・・・

「おみずさん?」

 リーネちゃんに合わせてゆっくり歩いてると、とっても眠たくなる。がんばれー

 姉様とフララちゃんと一緒に帰ってる子達がすごくたのしそうな大きな声を出してる。

 小屋までもう少し〜


「「「お母さ〜ん」」」

 小屋の近くまで行くと、みんながお母さんに向かって走っていく、転んだ子は姉様が地面に着く前に助けてる。

 お母様達が走ってくる子を受け止めて頭を撫でてる、その手を匂ってる・・・。臭くはなさそう

『姉様、リリカちゃんお願い』

『え? あーうん、ちょうだい』

 姉様にリリカちゃんを渡して、リーネちゃんを抱っこする。

「リーネちゃん寂しい?」

「ちょっとだけさみしいな、でも、せいちゃんいるからちょっとだけさみしくないよ」

「ありがとう。わたしもお父さん居なくて寂しいけど、リーネちゃん居るから大丈夫」

「いっしょね」

 寂しそうに笑ってるリーネちゃんの背中をさする。寂しいよね

「リーネちゃんスープ貰って、家でパン食べよっか」

「うん!」

 笑顔になった、食べ物すごい!

 スープ作ってるリカチお母さんの所にいく。なんだろう、キョロキョロしてる

「リカチお母さん、スープちょうだーい」

「セイちゃん、さっきの見てたわよ〜、もうすっかりお姉さんね」

「わたし男だよ、お兄ちゃんだよ、も〜」

「そんな事ないわよ〜、お姉ちゃんよ〜」

「ええ〜〜」

 え? わたし男だからお兄ちゃん・・・、でもリカチお母さんが言うんだから、お姉ちゃんなのかな・・・?

「りーねも、せいちゃんはおねえちゃんだとおもう」

「えー・・・」

 そっか・・・、わたしお姉ちゃんだったんだー

「冗談よ、セイちゃんは男の子だからお兄ちゃんよ」

「なんだ〜、冗談か〜、お姉ちゃんなのかと思っちゃった」

「何で信じるのよ・・・」

 だって、リカチお母さんが言うんだもん・・・

「りーね、おねえちゃんだとおもう」

 えー、・・・まあ、リーネちゃんまだ子供だからね仕方ない仕方ない

「「「『あははははは』」」」

 またみんな笑ってる! もう、みんな何で笑うの! でも、リーネちゃんも笑顔になって良かったよ。でも・・・

「リーネちゃん、ちょっと降りてね」

 リーネちゃんを地面に下ろして、ポケットから紐を出して後ろで髪を括る、それを服の中に入れて

「どう? これでボク、お兄さんでしょ」

「え? ううん、おねえちゃんだとおもう」

「「「『あはははは』」」」

 えー! ・・・そうだね、もうちょっと後になったら、お兄ちゃんって思えるのかも、お父さんが目の前で女の人になっても、お母さんって言わないと思うし・・・

「あははは、あ〜面白かった。で、なんだっけ?」

「スープください」

「あー、そうだったわ・・・ね・・・」

 ???

「セイちゃん、リリカ知らない? 全然帰ってこないのよ、一緒に行ってたわよね?」

「うん、リリカちゃん手伝ってくれて、髪を洗ってあげて、今・・・、あ!」

「どうしたの! リリカ大丈夫なの?」

 リカチお母さん慌ててる、さっきのキョロキョロはリリカちゃん探してたんだね・・・

『姉様、リリカちゃん頂戴』

『おんぶと抱っこ、どっちがいい?』

『抱っこでお願い。姉様さっき笑ってたでしょ』

 よいしょっと、リリカちゃんを受け取る

『笑ってないわよ、お姉ちゃん』

『笑ってだじゃん! も〜』

「はい、リリカちゃんです」

 リリカちゃんを、リカチお母さんに差し出す。

「え? え?」

 全然受け取ってくれない、みんな静かだから、リリカちゃんの寝息がよく聞こえる。ソイちゃんのイビキもよく聞こえる

「リカチお母さん、リリカちゃんどうしよう?」

「あ、ああ・・・、ありがとうね。い、生きてる・・・」

 やっと受け取ってくれた、軽いけど重いからちょっと疲れた。生きてるって何だろう?

『セイちょっと、ガブーって言ってくれない?』

『う? いいよ』

 リリカちゃん起きるかで、遊びたいのかな?

「ガブー」

 ガブーって、リリカちゃんがリカチお母さんの服に噛み付いた!

「ちょっと! リリカ何してるの!」

 リカチお母さんが恥ずかしそうに慌ててる。うん、リリカちゃん寝てるね

「せ、い、くん、ちょっと臭いよー、ちゃんと洗わないとー」

 もぐもぐ服の食べながら、ねごと言ってる・・・

 ・・・・・・

 べしっ! 

「ふぁ! なにー・・・?」

「何でもなよー、寝てて寝てて」

 よしよし、頭なでなで

「えへへ・・・、くーくー」

「どうして起こすんですか?」

「つい・・・ね。リリカごめんね」

 まったくもう、ついじゃないでしょ! 

『ガブーってもう一回言ってみてよ』

『絶対いや! 起きたら嫌な事になりそうだからいや!』

『そっか〜、あ〜本当だね、ごめんね。私ちょっと調子に乗ってたね、はいお鍋どうぞ』

『ううん、ボクこそごめんね。ありがとう姉様』

 そうだよね、姉様は今、色んな事ができて嬉しいよね。でも、イタズラは良くないよ

「スープください」

「え? また・・・」

 リカチお母さんが驚いてる。あれ? さっき貰ったんだったかな・・・、でも、入ってないし?

「リーネちゃん、スープ貰ってくれた?」

 ボクをじっと見てるリーネちゃんに聞いてみる

「ううん、りーねもらってないよ」

 だよね、ボクが鍋持ってるからね。うーん?

「あー、違うわ違うわよ! セイちゃんが、何も無い所でリリカや鍋を出すから、みんなびっくりしてるの」

「みんな?」

 本当だ、みんな驚いた様にこっちを見てる。リーネちゃんと同じ顔だ・・・

『姉様、何か言おうか? イタズラできるよ』

 みんな驚くよ〜

『そうね〜、リーネちゃん消えまーす。で、お願い』

「リーネちゃん消えまーす」

 え!? リーネちゃん消えるの? リーネちゃん消えた! そういえば、お鍋も消えてた!

『ちょっと、フララに預けてくるね』

『うん、後で返してもらってね』

『はーい』

 姉様動くの早い、もうあんな所に、・・・リーネちゃんきっと驚いた顔してるんだろうな〜、可愛いんだろうな〜

「え、わっ! なに!? リーネちゃん?」

 フララちゃんがリーネちゃんを抱っこして慌ててる。リーネちゃんは笑ってる、ざんねん驚いてなかった〜

「リーネちゃんが一瞬でフララのところに・・・」

「リーネちゃん・・・」

 みんなも驚いてる。イッシュンって何だろう?

「え? あ・・・」

 リーネちゃんがフララちゃんから離れたと思ったら消えて、ボクの足元に出てくる

「せいちゃん、りーね、ぴゅーんってなった! ぴゅーんって!」

 足にしがみついて、すごく楽しかったって教えてくれる。ナデナデ

「楽しかった? また遊んでもらおうね」

「うん!」


「お〜い、何かあったのか〜、お腹すいたんだが〜」


 村の方からアトーレ村長が歩いてくる、エマちゃんを抱っこしてる。あ、カリーヌさんもいる。

『アトーレさんとカリーヌさんだから、あれがエマちゃん?』

 見たら分かるのに何で聞いてくるんだろう? あ、エマちゃんうちに来たことないっけ

『そうだよエマちゃん、抱っこしようとすると凄く暴れるんだ』

『そうなの? セイが? うーん、まあいいわ、それにしても本当に可愛いね〜、抱っこしたいな〜』

『わかった、聞いてみるね』

 あれ? そういえば、アトーレ村長に何かあったような?

「アトーレ、ちょっと早くないかい?」

「そうか? でも、腹減ったし」

「この子のは本当に・・・」

 リカチお母さんが呆れてる。カリーヌさん、口抑えて笑ってる。

「は〜、そうね急いであげるわ、だから何があったかは教えてあげない」

「おい、何かあったのか?」

「「「「おい?」」」」

 うわー、お母様みんなに睨まれてるー、こわーい・・・

「す、すみません、謝ります」

「いいわ、次はナニカするから、気をつけなさい」

 うわー

『セイ、ナニカて何されるの? ちょっとワクワクするわね!』

『え、しないけど』

 なんで、ワクワクしてるの! 痛いのみるの痛いもん

「エマちゃん」

 エマちゃんに近づいて名前を呼ぶ、あ、目があった

「あっ! あ、あ、ああ、あー、あー!」

 エマちゃんがアトーレ村長の腕の中で暴れ始めた、こっちに手を伸ばしたり、アトーレ村長叩いたり、体捻ったり、凄く暴れてる。パシッてカリーヌさんがアトーレ村長頭叩いたら、アトーレ村長がエマちゃんを抱っこさせてくれる。

「エマちゃん、今日も元気ねー」

「ちゃちゃ〜、あーい」

 すっごい笑顔で話しかけてくれる。わかんないよ〜、えへへ

『ね、抱っこするとき暴れるでしょ』

『そう言う意味だったの?』

『そう言う意味? まあいいや、はいどうぞ」

『うんありがとう。あれ?聞くって言ってなかった?』

 あっ、聞くの忘れてた・・・。もう、渡しちゃったしいっか! えへっ

「セイちゃん! うちのエマが浮いてるんだけど! 浮いてるんだけど!?」

「セイ! うちのエマが笑いながら浮いてるんだが! 凄く笑ってるんだが!」

「か〜た〜を〜ゆ〜ら〜さ〜な〜い〜で〜」

 頭がガクンガクンする。聞いてから渡せばよかった・・・

「しかしだな〜」

「しかしだなじゃない! 離してあげなさい! カリーヌも!」

 フランお母様の声がした〜・・・。頭がクラクラする〜

『セイも大変ね〜』

「くびがー、あたまがー」

「せいちゃん、だいじょうぶ?」

 リーネちゃんが足を撫でてくれる。そこは痛くないんだよ〜

「ありがとうね、もう大丈夫だから」

 自分の首とリーネちゃんの頭を撫でる。あー、ふわふわに癒される〜

 ん? ふわふわ? ・・・・・・・

「あーーー!!」

「なに? どうしたの?」

 思い出した! アトーレ村長め!

「セイちゃん? うちのエマに何かあるの!?」

『姉様、そろそろ返してあげて、そしてリーネちゃんをお願い』

『リーネちゃんを守れば良いのね、分かったわ。はい、カリーヌさん抱っこさせてくれてありがとう』

「う? ん? あれ? うん、ありがと・・・う?」

 カリーヌさんは、空中に浮いてたエマちゃんが戻ってきて安心してる。それはアトーレ村長も一緒だ・・・

「えーい!」

「セイどうした? かわいい声出して」

「えいえいえい、えーい!」

「ん? 俺の足を蹴ってるのか?」

「そうだけど何で聞いてくるの?」

「どうして、かわいい声出して変な踊りを踊ってるのかと思ってな、新しい遊びかと思ったぞ」

「痛いですか?」

「痛くは無かったぞ、だから何してるか分からなかったんだ」

 わははははって笑いながら頭撫でてくる。・・・え?

「本当に痛く無かったですか?」

「ああ、全然」

「蹴り殺せて無いですか?」

「え? けり、なんて?」

 全然効いて無かった・・・。

 そんな・・・、力一杯蹴ったのに・・・、ひつじの事謝ってほしかったのに・・・、うう・・ごめんね

「うわーん、ごめんね、ごめんね、ううう」

「痛くなかったんだから、謝らなくてもいいんだぞ、俺はだいじょうぶだからな」

「うわーん、あああうううう」

 悔しいよ〜、ごめんねひつじ、ごめんね

「セイちゃんを何泣かせてるの!」

「こらアトーレ! 何したんだい!」

「どうしたの? 何でセイちゃん泣いてるの?」

「いやまて、俺は何かされた方だ、大丈夫だって言っても泣き止んでくれないんだ」

「ぼんぼうびょう、ぜいじゃんが・・・」

「はいはい、分からないからエマちゃん連れてあっちで泣いてなさい」

「セイちゃん大丈夫?」

 フララちゃんが抱きしめてくれる。温かくてちょっと落ちつく

「ふららちゃん、ひつじが、あやまってもらお・・・、けった・・・んだけど」

「うんうん、分かった、分かったわ」

 分かったわ、って言いながら頭を撫でてくれるフララちゃん、・・・の手がカサカサで涙が止まる

「泣き止んだわね。で、フララ、セイちゃんどうしたの?」

「えっとね、ひつじの事謝ってほしくて蹴ったんだけど、全然痛くないみたいだから、悔しくて泣いたみたい」

 何だろう、そう言うふうに聞くと泣いてたのが恥ずかしくなってきた。

「ひつじ? 村じゃ羊なんて飼ってなかったわよね、あやまる?」

「飼おうかって話は出てるんだが、何で俺が謝るんだ?」

 覚えてないだって・・・、くっそ〜、村長め〜

『私が蹴ろうか?』

『お願い!』

 姉様は、リーネちゃんをボクの背中に乗せるとアトーレ村長の方に歩いていく。あれ? 嫌な感じがする

『姉様、怪我がないようにお願い』

『・・・は〜、分かったわ、へし折らない様に蹴る事にするわ』

 足をヘシオラナイ? おらない・・・、折る? 足を折るって何だろう?

 バシッとって音が聞こえた。リンさんと一緒の音だ。お父さんほどの音ではないね、ふふん

「たあああああーーー!!」

「おかあさん?」

 リーネちゃんがキョロキョロしてる。リンさん探してるのかな?

「ったあー! 何だ急に、誰だ蹴ったの!」

「多分、姐さんね」

「ねえさん?」

「ねえさんってだれ?」

 あ、カリーヌさんが戻ってきた。目が赤い、ボクも目が赤いのかな?

「えっとですね」

 フララちゃんが姉様の事を説明してくれてる。んー、泣いたからもっとお腹空いてきちゃったな、でも居ないといけないし

『姉様、リーネちゃんとスープ貰ってきて』

『いいけど、大丈夫なの?』

『リーネちゃんは賢いから大丈夫』

「リーネちゃん、ボクの代わりにスープ貰ってきてもらってもいい?」

「うん、せいちゃんはこないの?」

「ここに居ないとだから、お願いね、リカチお母さんに頼んでね、鍋は姉様が持ってるから」

 エマちゃんを抱っこする前に渡してたから大丈夫、背中からリーネちゃんを下ろして頭を撫でる。

「いってきまーす」

「お願いね」

 リカチお母さんの方に走ってくリーネちゃんを見て安心する。

「で、誰も蹴って無いから、蹴ったのは姐さんだったてことだよ」

 ふ〜、って説明終わったフララちゃんが息を吐く。ありがとう

「そうか、『お姉ちゃん』帰ってきたのか」

「『お姉ちゃん』ってどんなの? 私も触ってみたいわ!」

「そういば、私も触ってないわ、どんな感じかしら?」

「温かくて、柔らかくて、で、で、なにかこう・・・なにか?」

「やわらかくて、ふわふわだった」

「頭たたかれたときはかたかってね、痛かった・・・」

「すべすべしてて、つるつるしてたー」

 小さい子も集まって姉様がどういう人か話してる。スベスベで柔らかくて温かいんだ〜

「セイ、『お姉ちゃん』居るのか?」

「居ないよ」

「え?居ないの?」

「うん、居ない」

 だって、リーネちゃんとスープ取り入ってるし、居ないよ

「おいおい、俺らをからかってただけかよ、誰なんだ俺を蹴ったのは」

 アトーレ村長が笑いながら周りをみてる。怒ってはなさそう

「セイちゃん、姐さんいたじゃない、何で嘘言うの?」

「え!? 嘘言ってないよ、姉様居ないよ」

「ん? 何だ? どう言う事だ?」

 みんなが分からないって顔してる、きっとボクもしてると思う

『セイ〜、ココにはって言わないと、私が存在してないみたいになってるわよ〜』

 え? あ、そう言うことか〜。あははは、みんな勘違いしてる〜

「えっと、わかりました。姉様はココには居ません、今リーネちゃんとスープ貰ってます」

「えっと・・・、あー! ココには居ないって事だったのね」

 フララちゃんが凄く驚いてる。そうだよね、勘違いしてたらこうなるよね、しかたないしかたない

「スープ・・・。あー、そうだったそうだった、スープ貰いに来たんだった」

「そう、今日はみんな早めに切り上げて戻ってるの、だから私たちは早めに来たのよ」

 アトーレ村長もカリーヌさんも忘れるなんて、おっちょこちょいだな〜

「エマが浮いた衝撃で忘れてたのよ。だからセイちゃん、おっちょこちょいじゃ無いわよ」

 また、心を読まれた! うーん、みんな凄いな〜

「考えてる事が読めるんじゃなくて、顔に出てるのよ」

 そっかー、読めないんだー、ざんねん

「バカトーレ、そう言うことは早く言いなさい。さあ皆んな、さっさと帰るわよ〜」

「何が、お腹空いたんだが〜よ、アホトーレ」

「あほとーれ」

「こーら、そんな事言わない、覚えない!」

 カリーヌさんがちょっと怒ってる。エマちゃんは寝てる。

「あははは、ごめんねー」

「も〜」

 みんな仲良い、楽しくなってくるよね。


「せいちゃん、もらってきたよー」

 カリーヌさん達をみてるとリーネちゃん達が帰ってくる。鍋がないから、姉様が持ってるのかな?

「おかえり、ありがとうね」

 頭なでなで、ほっぺスリスリ

『ただいま〜、セイ動かないでね』

『うん、なー、ってリリカちゃん』

 何かあるの?って聞こうしたら、背中に寝てるリリカちゃんが、あー驚いた

『先に連れて帰ってだって、リカチさん慣れるの早すぎない?』

『いいけど・・・」

「よいしょっと、リーネちゃん帰ろっか」

「うん!」

 く・・・、リリカちゃん居るからリーネちゃんと手繋げない・・・

「姉様と手を繋いでね」

「はーい!」

「スープありがとうございます、帰ります」

「はーい、髪ありがとねー、またねー」

「リーネちゃんバイバイ」

「ばいばーい」

 手を振って村の方に歩く

『ひつじの事どうなったの?』

『お腹空いたから、また後で』

 今度は走ってから蹴る。くそー

「せいちゃん、おこってるの?」

「うん、ちょっとだけね、ひつじの事謝らせられなかったから」

「せいちゃんのひつじ、みたかったな」

「そうだね、また会いたいな」

 リーネちゃん笑顔にほっこりする。

「次温かくなったら、家に来るといいね」

「わたぼこり、くるといいね」

『次は逃さないでね』

『ボクじゃない!』

 もう、姉様は・・・

「おなかすいたー」

「ねー、早く帰ってパン食べようね」

 本当にお腹すいたよ、眠いし・・・

「リーネちゃん、私の代わりに手を振ってもらえる?」

「はーい」

 リーネちゃんが森の見張り台に手を振る。私は頭下げるだけ。

「お腹空いたなー」

「うーん」

 見張り台のおじさんが手を振ってくれる。交代来るまで食べられないから頑張って

『セイ、あそこ登って来てもいい?』

『いいよ、子供はダメなんだけ、姉様なら大丈夫だと思う。邪魔しちゃダメだからね』

『分かってるわよ、高い所で遊んだらダメだからねセイ』

『わかってるよ〜。降りたらリーネちゃんのお家で一緒に待っててね』

『了解、行ってくるね〜』

「あ」

 リーネちゃんの手を離して見張り台の方に姉様が遊びに行った。

「せいちゃん」

「姉様、ちょっと遊びに行ったから、リーネちゃん一人で歩ける?」

「うん、あるける」

 リーネちゃんが転ばないように少しゆっくり歩く、リーネちゃんの家は近いからすぐ着いた。


「リーネちゃん家の中で待っててね」

「うん」

「姉様直ぐに帰って来るからね」

「うん。せいちゃんばいばい」

「ばいばい、行ってくるね」

 扉を閉めて、リリカちゃんの家の方に歩く。リリカちゃん全然起きな、お昼ご飯出し起こした方がいいのかな? うーん、おじさんが起こすかな?

 リーネちゃん家の横の川を越えて、右の3つ目の家がリリカちゃんの家。あ、誰か出てきた。

「おー、おかえり〜、セイー」

 凄い頭撫でてくる。カサカサしてる!

「も〜、やめてよ!」

「父さん、セイが帰ってきた〜」

「リリカちゃんでしょ! 何でボクなの、ボク早く帰らないとダメなんだから」

「ボクって何だよ男みたいに、ほら髪を出して」

 服から髪を出されて

「紐を取って」

 紐を取られた。

「勝手にわたしの髪を触らないでよ!」

「おー、オレのかわいい妹〜」

 頭を抱きしめられる、汗臭い!

「おじさん助けて!」

 つい、大きな声を出す

「いてててて」

 アーカの手が離れる、何を痛がってるのか見ると後ろから手が出てた。リリカちゃんがアーカの耳をひっぱてる

「セイくん嫌がってるでしょ!」

「イテテ、止めろ! クソリリカ!」

「クソって言うな!」

 おじさんに頭叩かれるアーカ、それでも耳を離さないリリカちゃん。・・・今だ!

 リリカちゃんを下ろして、後ろに飛んで頭を下げて

「かえりますね〜、またねリリカちゃん」

 よし、逃げろ〜! よし逃げ切った〜

「ただいまー」

 誰も居ない家に入るパンとイチゴとトマト持って、家を出る。酒さんは寝てるみたい

 リーネちゃんの家に行く時は歩く、食べ物持った時は走るなってお父さんに言われてる

 途中で会った人に手を振りながらリーネちゃんの家に着いた。


「入るねー、パン持ってきたよー」

「せいちゃん、おかえりー」

『おかえりー、セイ走るの速いわね』

「リーネちゃん机拭いてくれてるんだ、ありがとう」

『うん、足が早いのが自慢なんだ〜』

「えへへへ」

 リーネちゃんが、嬉しそうに笑ってる。いい子いい子したい!

『どうせ、アベルさんみたいに速く走りたいって練習して速くなったけど、あぶないから本気で走るなって言われてるでしょ』

「えらいねー。リーネちゃん食器借りるね」

『凄い! 姉様何でわかるの?』

 カマドの横に持って来たものを置いて食器を選ぶ

『だって、家で話してたからね、聞いてるわよ』

『そうだよね、姉様は家に居たよね』

 パン用のお皿〜、トマトは夜食べる〜、スープのお皿3枚〜、姉様食べないから2枚〜、リーネちゃんのイチゴ用に1枚〜

『スープよそおっか?』

『ありがとう、姉様。夜も食べるから少な目にお願い』

『はいはい、少な目ね〜』

 皿を2枚とスプーンを渡す、スプーンでよそうと洗い物が減るって、お父さんのチエ

 ねえさまが鼻歌をフンフンしてるの聞きながら、わたしはイチゴを皿に、朝の残りのパンを半分にちぎってさら乗せる。

「はいリーネちゃん、パンだよ〜。ごめんね、ちょっと硬くなってる」

「わーい、せいちゃんのぱんだー」

 どうして、パンは硬くなるんだろう? 布をかければ少しは大丈夫って聞いてるけど、・・・なんとか出来たらお父さん喜ぶんだろうな〜。お願いしてみようかな?

『スープどーぞ』

『姉様ありがとう』

 あ、リーネちゃんのスプーン忘れてた。

「はい、リーネちゃんスプーンどーぞ」

「ありがとう! もうたべていい?」

「リーネちゃん手拭いた?」

「ううん、拭いてない」

 うーん、手を洗わずにパンとかイチゴ触っといて言うのもおかしな事だけど、洗った方がいいよね。でもお腹空いたし・・・

『セイ手を出して』

『うん』

 姉様の手に水がある、それで手を洗ってくれる。

『ありがとう、姉様、みっちゃん』

「リーネちゃん手あげて」

「こう?」

 リーネちゃんは手を頭の上に上げる。ふふ、かわいい

「つめたい! くすぐったい!」

「姉様とみっちゃんが洗ってくれたんだよ、ありがとう言ってあげて」

「ねえさま、みっちゃん? ありがとう」

 ちゃんとありがとう言えるいい子の頭を、姉様が撫でる

「もうたべていい?」

「ちょっと待って、お祈りしようね」

「おなかすいたなー」

「だよねー、やめよっか。じゃあ、食べましょう」

「うん」

 リーネちゃんはパンを掴んで柔らかいところを探してる。外側がちょっとだけ硬くなってる・・・

「ここやわらーい」

「ちぎったところ柔らかいでしょ、硬いところ私が食べるから柔らかいところ食べていいよ」

「いい、すーぷにつけるから」

「そう? わかった」

 リーネちゃんが楽しそうに食べてるのを見て、わたしも食べる。うう、硬くなってるところが、ザラザラになっててちょっと微妙

『硬くなったところ、微妙だよね」

『やっぱりそう? どうして硬くなるんだろうね?』

 姉様も微妙だったみたい、どうせなら美味しいままがいいよね

『私が守ろうか?』

『ううん、姉様居なくなるなら、硬くなったほうがいいよ』

『私が持ってればいいじゃん』

『そっか〜、明日試してみる?』

『ちょっと、楽しみになってきたわ』

 姉様楽しみにしてる、どうしたら成功するか考えるの楽しいもんね

「あ、スープおいしい」

「あ、すーぷわすれてた」

 パンをモリモリ食べてて忘れてたみたい。よかった美味しいの笑顔で

『本当にスープ美味しいわね、ちょっとそこの骨の肉食べてみなさいよ』

『えー、楽しみにとってるのに〜』

『いつ食べても味は一緒よ』

『そうだけど〜』

 まあいっか、骨にかぶりつかないで、スプーンで肉をスープに落として、手を拭いてから食べる。手を拭くのが先、スープのお皿持てないからね!

『そういうのいいから、はやくはやく!』

「せいちゃん、りーねうまくとれない」

「取ってあげよっか?」

「うん!」

『私が取ってあげるから、セイは肉を食べなさい!』

「姉様が取ってくれるって」

「ねえさま、ありがとう」

「どういたしましてだって」

『まだ言ってないわよ』

 リーネちゃんのスープの骨とスプーンが浮いて肉を落としてる

『じゃがいもとタマネギも美味しい』

 スープが染み込んで柔らかくなった、じゃがいもとタマネギが口で溶けてゆく感じが美味しい、パンパン、パンを口の中の美味しいと一緒に食べると美味しい

『怒るよ』

『はい、お肉食べます』

 怖い声で言われた、これ以上は怒られる・・・

 スープからお肉をすくって食べる、口の中に入れたお肉が直ぐにほどけてバラバラなる、それを噛むと『お肉』がいっぱい出てきて、すごくお肉を食べた感じがする。お肉を食べてるんだけどね

『ああ、口に入れた時に解ける肉が口の中で旨味を広げ、咀嚼する事で肉に詰まっていた肉汁が、一緒に煮込まれた野菜の素朴さと塩加減、匂いを豊かにしてくれる薬草が纏まって、強烈にスープの美味しさは肉にあると・・・』

「よくわかんないね〜」

「??? ね〜?」

 リーネちゃんは、首を横に倒しながら「ね〜」をしてくれる。

 少ない昼食を二人でゆっくり食べる。


「パン美味しいかった?」

 全部食べた後にリーネちゃんに聞いてみることにした。

「やわらかかったー!」

 そっかー、柔らかかっただけかー・・・。次がんばろ!

「リーネちゃん、ちょっと座っててね」

「うん」

 椅子から立って、イチゴを取ってくる。

「はいどーぞ、これ食べてね」

 イチゴの入った皿をリーネちゃん前に置く

「これなーに?」

「これはね、イチゴだよ。イチゴ五個あるからね」

 イチゴが五個! 面白いよね! あれ〜、笑わない・・・

「どうやってたべるの?」

「えっとね、そのまま食べられるよ、カブっていっても大丈夫だよ」

『葉っぱは、食べられないけどね』

「葉っぱは、食べないでね」

『姉様ありがとう』

 そうだよね、食べられないよね

 リーネちゃんが先っぽを少しだけ噛んでる。そっか、お手本で一個食べればよかったんだね

 あ、目を大きく開けた、足をバタバタさせてる、大きく噛んだ、こっちみて幸せいっぱいの笑顔してる。立って頭をなでなで

「おいしい〜!」

「そっか、よっかった〜。リーネちゃん残りゆっくり食べててね、食器片付けちゃうから」

「うん!」

 今日一番の「うん」が出た。本当に美味しそうでよかった

『じゃあ私、リーネちゃんみてるね〜』

 姉様はわたしが座ってた椅子に座って、幸せいっぱいのリーネちゃんを見てる

『はーい、ゆっくりしてて』

 食器をカマドの横の台に集めて、水瓶から水をすくってタライの上でスープの皿に掛ける、手で優しく擦ってヨゴレを落としたらタライに入れて、もう一回水を入れて綺麗にして次の皿にその水を入れる、お皿を拭いて1枚次の皿も同じ事をして、スプーンは片手で水を掛けながらヨゴレを落として布で拭く。パンの皿は布で拭くだけで十分。

「水捨ててくるね」

「『はーい』」

 タライの水を捨てた後、もう一回洗うための水をすくっ・・・

 はい? うん、あそっかみっちゃん居るもんね。ごめんね、手伝ってくれる? ありがとう

『ああ、どうして、みっちゃんにお願いしないのかなって思ってたら、忘れてたんだ』

『いつものやってるようにやっちゃった』

 じゃあみっちゃん、行こっか

 みっちゃんと一緒に家の外に出て畑の方に行く。

 みっちゃんてお父さんいるの? 居ないんだ、兄妹は? 居ないんだ〜 わたしにはお父さん居るんだよ 超かっこよくて、超優しいんだ〜 うん、大好き みっちゃん好きな人とか居ないの? わたしと姉様なんだ、酒さんは? そうなんだ、あんまり喋ってないんだね、仲良くなれるといいね。 水を上に飛ばすの? わかったやってみるね

 タライはみっちゃんが綺麗にしてくれて、汚いのを便所に捨てた後、残った水を上に飛ばしてって欲しいんだって言われた。

 とりあえず畑の方に向かってでいいかな、えいっ!

 大きな塊のまま飛んでった水は、高いところで『ぼっ』って消えた。消えてなさそう? 小さな水になってる?

「小さな水になってるんだね〜、すごくキラキラしてる〜! なにあれ、色んな色のなんだろう、触れない」

 みっちゃん、あれ何? そっか、分からないんだ。 夜は見えないんだね〜 7色もあるの? 6色しかわからないや、うんキレイだったよ、ありがとね、みっちゃん

「ただいま〜」

 あー、キレイだった

「おかえりなさい」

『おかえり、なんか楽しそうじゃない』

『みっちゃんが、キレイなもの見せてくれたの』

『7色がどうの、6色がって言ってたわね』

『そうそう、宙にね浮いててね、触れないし、でもキレイでね』

「せいちゃん?」

「あ、ごめんね、姉様とお話ししてたんだ」

 リーネちゃんが不思議そうな顔をしてる。あれ? 葉っぱが4個しかない、あー、優しいねリーネちゃん

「ねえリーネちゃん、粉になてない麦が何処にあるかわかる?」

タライをタライの場所に置きながら聞いてみる。人の家のことはわからない

「ううん、わからない」

「そっかー、探していい?」

「うん、いいよ」

リーネちゃんに聞いてから、物置部屋に入る。部屋の場所は知ってる。

リンさん家の物置部屋は物がうちより多いけどちゃんとキレイに置かれていた。ラトイルさん並べるのうまそう

『セイ、ここにあるわよ』

『え? 早くない?』

『さっき見せてもらってたからね』

姉様・・・、まあいいや、けど

『イタズラしてないよね』

『し、してないわよ』

『イタズラは、家だけでしてよ』

『はいはい、後で直しとくね』

「ちなみに、何したの?』

洗ってきたスープの皿に麦を入れて水を入れて布をかける。晩御飯の準備

『ちょっと寝る部屋行って』

『うん』

「せいちゃん?」

リーネちゃんがこっちをみてる。不思議そうな顔してる

「ちょっと寝る部屋行くね」

「うん、りーねもいく」

お昼寝すると思ったのかな? リーネちゃんと手を繋いで一緒ね寝る部屋に行く、扉を開けると白い何かが落ちてくる

「「きゃっ!」」

リーネちゃんを庇うように抱っこして、落ちてきた物を見る。あれ、白い布かな?

「リーネちゃん白い布だよ」

「ぬの?」

リーネちゃんが落ちてる布に近づいて持ち上げて、バサバサしてる。

・・・もしかして

『姉様これ?』

『それ』

『もう、こんなイタズラして』

・・・眠いし、もう良いかな・・・

「リーネちゃんおしっこしにに行こっか、食べ終わったイチゴの葉っぱは畑に捨てようね」

「はーい」

 布をベッドのところに畳んで置いて、お皿から葉っぱを取って、リーネちゃんと手を繋いでから外に出る。

「トイレ終わったら、キフィちゃん誘ってお昼寝行こっか」

「うん!」

 うーん、眠い・・・、日向ぼっこ用の布は家だ〜・・・

『リーネちゃんのおしっこ拭く布は?』

『無いのかな〜、家にとりに・・・』

『私が行ってくるから、セイは口ゆすいで便所に先行きなさい!』

『わー、姉様ありがとー・・・、あー、日向ぼっこ用の布も取ってきて』

『はいはい、じゃあ行ってくるね』

 ねーさまいっちゃったー・・、なんだっけ口ゆすぐんだっけ・・・

 なーに? 畑用の水? 本当だ、まあいっか口ゆすぐだけだし そっかー・・・、みっちゃんありがとう

 畑用の水をすくって口に入れてクチュクチュする

「せいちゃん、そんなことしていいの?」

「ゔぃー・・・」

 クチュクチュ、ぺっ! ツボから離れるところに、ぺっする

「本当はダメだけど、今日はみっちゃん居るから大丈夫なんだよ」

「そうなの?」

「今日だけだからね、リーネちゃんもしよっか」

「うん」

 水ダルの中に手を突っ込んでキレイな水を掴んで持ち上げる

「あーんして」

「あーん」

 小さく水をちぎってリーネちゃんの口に入れる

「くちゅくちゅ」

 かわいい、くちゅくちゅ言ってる

「ここに、ぺっして」

 さっきわたしが

「ぺっ」

 うん、いいや・・・。ぺっした所に残った水を撒く

「リーネちゃん、わたし先に便所行ってくるね」

「うん」

「水でイタズラしちゃ、ダメだからね」

「・・・はーい」

 やっぱりするつもりだった。まあ、イタズラしてても良いんだけれどね

 便所に入ってズボン下ろして、チンチン出して、おしっこする。ねむい・・・

 ズボンを上げてから、外に出る

『ありがとう、ねーさま』

『本当に眠そね、リーネちゃんは私がしようか?』

『ちゃんと出来るから〜』

 何かしないと寝てしまいそう・・・

 手を洗って、服で拭いて・・・ふくでふくー

「リーネちゃん、ズボン脱ごうね」

「うん!」

 元気いっぱいの返事で、もう足くびまで下ろしてる。おしっこしたかったのかな?

『セイ、リーネちゃん持ち上げて』

『うん』

「リーネちゃん、持ち上げるね」

「はーい」

 両手を上げてくれる、脇のしたに手を入れて持ち上げる。浮いたリーネの足から、姉様がズボンとパンツを一緒に取る。

「わっ! なに?」

「キレイに脱げたね〜」

『姉様、女の子はちゃんとしてあげて」

『ダメの?』

『多分・・・、履かせる時はお願い』

『脱がすのはダメで、履かせる時はいいんだ?』

 男の子は何しても笑ってるから、何しても問題ない。女の子は泣く子もいるからダメ

「「おしっこしーしー」」

 おしっこ終わったら、リーネちゃんのちんちんのところ拭いて、外に出る。布を地面に置いたらリーネちゃんのパンツとズボンを履かせる。

『セイ早く持ち上げて! 早く!』

『あー・・・、んー・・・』

「えい!」

「せいちゃん? わ、わわわ・・・」

 リーネちゃんを持ち上げ、浮いた足に姉様がパンツとズボンを通して一気に上げる。

『はい終わり〜、早かったでしょ』

『早かったけど、リーネちゃん嫌そうだよ』

 リーネちゃんが笑顔じゃない・・・

「りーね、せいちゃんにやってほしかったな〜」

「次は、わたしがするからね、ごめんね」

「やくそく」

「はーい」

 頭なでなで、あっ、笑顔になった。かわいい

『なんか、悔しい・・・』

『お姉ちゃんでごめんね!』

「イッタ!」

 姉様に足を蹴られた。ちょっと目が覚めた、でも眠い〜

「おしっこしよっか」

「もう、おわったよ?」

「あー、そうでしたそうでした。えへへ、ごめんね」

 姉様が蹴ったせい、という事にしておこっと

「ちょっと待っててね」

 おしっこ拭いた・・・あれ?

『洗っといたわよ』

『はやい! ありがとう姉様』

「キフィちゃんところ行こっか」

「? うん」

 手を出して、手を握ってキフィちゃんの家に歩く、橋を渡って2個目の右の家がキフィちゃんの家。

 橋を渡ったら、カジくんのお父さんが出てきた。橋渡って左の一個目の家

「おー、セイ、とリーネ? ライカ姉兄はどうした?」

「ライカちゃんは森に、ライキは街に行ってるよ」

「あーあー、今日からか、で二人は今からどっか行くのか?」

「きふぃちゃんさそって、おひるねするの」

 リーネちゃん楽しみなのか、珍しく自分で喋ってる

「おー、いいな。オレも着いて行こうかな?」

「いやかな〜」

「ぐはっ、リーネがキウカと一緒の事を・・・、セイはオレの事嫌いじゃないよな?」

 落ち込んでる・・・、キウカちゃんはカジくんのお姉ちゃんで5歳、ソイちゃんと同じ歳

「嫌いとか好きとか思った事ないよ」

「おおう・・・」

 戸惑ってる。良かった落ち込んでない、悲しい顔は良くない良くない。

「そっかー・・・」

 あれ!? なんだろう、さっきより落ち込んでる! なんで!?

「キウカちゃんのお父さんどうしたの?」

「きふぃちゃんとおひるねいくんだ〜!」

「セイに、名前を覚えて貰えてない・・・」

「名前は、おぼえ・・・」

「きふぃちゃんとおひるねいくの」

 ・・・リーネちゃんちょっと怒ってる? 服をすっごく引っ張られる・・・

「覚えてるの? てないの? どっち!」

『姉様イタズラしていいよ、おっさんにだよ』

『分かったわ! ここは私に任せて先に行って!』

『何それ、かっこいい!』

 姉様任せた! わたしとリーネちゃんは先に行く!

「あははははは、だれ、だれだぁ〜?」

 姉様が、おっさんをくすぐってる。

「リーネちゃん行くよ!」

 リーネちゃんを後ろから抱っこしてキフィちゃんの家に走る。後ろの方から「え? 本当に誰!?」って声は無視して走る。


 キフィちゃんの家の扉をコンコンする。勝手に開けちゃダメなんだよ、だからライカちゃんは怒られたんだよ。

「「き〜ふぃ〜ちゃ〜ん」」

「揃ったね」

「いっしょね」

 えへへへって笑いあってると、扉が開いてキフィちゃんがお母さんに抱っこされて出てきた。キフィちゃん、キヌーラさんの服で顔をゴシゴシしてる

「こ〜ら、止めなさい! もっと痒くなるよ」

「かゆいの〜」

 ちょっと泣いてる・・・、村長じいちゃんの所に行っても治らなかったんだ・・・

「セイちゃんにリーネちゃん、ごめんなさいね。キフィずっとこんな感じで」

「きふぃちゃん、だいじょうぶ?」

「かゆいの!」

 怒った感じで振り返ったキフィちゃんの顔は、朝よりブツブツが多くなってた。痒いんだろうね〜

「セイちゃん、キフィ大丈夫からしら?」

「大丈夫? うーん、痒そう」

「そ、そう? 痒そうだけ?」

「はい、痒そうだけです」

「良かったわ〜」

「キフィちゃん、良かったって」

「よくない! かゆいの!」

 ホッとするキヌーラお母様、痒そうなキフィちゃん。良くはないよね!

「それで、何しにきたの?」

「きひぃちゃん、おひるねしよ」

「お昼寝のお誘いに来ました」

 でも痒そうだし、キヌーラお母様心配だから無理かな

「セイちゃんも一緒にお昼寝するの?」

「はい、一緒にお昼寝しようと思ったのですが、ダメでしたか?」

 そっかー、ちっちゃい子ドウシがいいよねー

「ううん! 逆よ逆! ありがとうね、キフィをよろしくね。ちなみに何処でお昼寝するの?」

「洗濯場のところです」

「そう、分かったわ! そこから動かないでね、もし何処か行く時はセイちゃんの家に行くのよ」

 ??? 起きたらって事で良いのかな?

「分かりました、起きたら家に戻ります」

「ええ、お願いね」

「きふぃちゃん、いこ」

「うんいこ・・・」

 キフィちゃん泣きそう、頭撫でてあげよ。痒いの治れー

「行ってらっしゃい」

「「「いってきまーす」」」

 キフィちゃんの家から川に向かって、手を繋いで歩く、・・・やっぱり抱っこしよ、抱っこするとキフィちゃんが服をギュッとしてくる。痒いの我慢してるんだね、かわいそう・・・

「きふいちゃんみて、へんなおどりしてるよ」

 リーネちゃんが、抱っこされてるキフィちゃんのズボンを引っ張って指をさす、指さした方でキウカちゃんのお父さんが踊っていた。変な踊り踊ってる、姉様どうやってるんだろう?

 足の先から頭までをくねくねしながら変な踊りをしてるおいちゃん、それをキウカちゃん達が見て笑ってる、おいちゃんちょっと嬉しそう

「おいちゃん、なんでおどってるのかな?」

 キフィちゃんが聞いてくる、リーネちゃんはちょっと安心した顔になった。心配だったんだね

「あれはね・・・、うーん、後で聞いてみよっか。先にお昼寝しよう!」

「おひるねー」

「うん!」

 おいちゃん、お昼寝に負ける。

『姉様、行かないの〜』

『もうちょっと、だいぶ慣れてきて楽しくなってきたから〜』

『分かった〜、無理しすぎて怪我無いようにね』

『心配してくれてありがとう〜、私は怪我しないから安心して昼寝してて』

『あー、うん、ソダネー』

 キウカちゃんのお父さんの事だったんだけど・・・、いっか〜、どっちも楽しそうだし。


 橋を渡って洗濯場についた。すごく眠たかったのか、キフィちゃんは腕の中で寝てる。

「着きました〜、リーネちゃん何処で寝よっか?」

「おひるねしたところ」

 リーネちゃんが指差した所は、朝寝をしてた所だ。気持ちよく寝られそうだね

「あ! 布がない・・・」

 姉様だ・・・。布が無いとチクチクするし、姉様楽しそうだったから呼ぶの可哀想だし・・・

「りーね、くさのうえでもいいよ」

 すごく眠いんだね〜、わたしもだけど・・・、なんとなくだけど、キフィちゃんを草の上で寝かしたく無いんだよね・・・、リーネちゃんは大丈夫そうだけど・・・

「うーん、草の上はやめようか、キフィちゃんに良くなさそうだから」

「ぶつぶつ?」

「たぶん、それだと思う」

『はぁはぁ、・・・ごめん、布忘れてた』

 姉様が慌てた感じで来てくれた。姉様、息切れしないと思うんだけど・・・

『ありがとう姉様、もどるの?』

「ううん、一緒お昼寝しようって言ってたじゃない』

『忘れて、遊んでなかった?』

『ふふふ、布広げてあげるね。リーネちゃんに手伝って言って』

 姉様は本当に楽しそう

「リーネちゃん、布広げるの手伝ってくれる?」

「うん」

「布の端っこを持って、うん、そこそこ」

「うん、持ったよ」

「じゃあ、広げまーす、ぶわー」

「ぶわー」

『ぶわ〜』ってならなくて、『ぐちゃぐちゃ』ってなった。うん、リーネちゃん笑ってる

「リーネちゃん手を離して、姉様が直すから・・・」

『ぶわー』

 リーネちゃんが布から手を離したら、姉様が一人でぶわ〜する、キレイに草の上にしけたけど、リーネちゃんがポカーンってしてる。子供の楽しみを取らないであげて・・・

『姉様・・・』

『ゴメン、笑ってくれると思ったから・・・』

 うーん・・・

「わたしいちばー・・・」

 ゆっくり布の上に寝転がろうとすると、リーネちゃんがそれに気づいて慌てて布の上に寝転がる

「りーね、いっちばーん」

「あー、負けちゃった〜、わたし、にばーん」

 リーネちゃんと一緒に『えへへへ』をする。笑顔になった

 体を横に倒してリーネちゃんとの間に、キフィちゃんを寝かす。顔をかかないようにしなきゃダメなんだっけ?

 キフィちゃんの腕が動かないように抱きしめる

「りーねも、りーねも!」

 リーネちゃんもキフィちゃんに抱きつく

「キフィちゃん、温かいね」

「きふぃちゃん、ぽかぽかね」

 2人ともふわふわポカポカでとっても気持ちいい。少ししたらリーネちゃんの顔が眠るの顔になった。

「おやすみ、リーネちゃん」

「おやすにー・・・」

 にー? あっ寝た

『3人ともおやすみ』

 姉様に包み込まれる感じがした後、頭を撫でられた。優しくて温かくて、でもお父さんの手じゃない手

 お腹の辺りに冷たいのが乗っかる。みっちゃんかな?

 あー・・・、もう・・・

『リーネちゃん、キフィちゃん、姉様、みっちゃん、おや・・・すぅ・・・ 』



 う?なに?鐘の音?

『セイ、鐘が鳴ってるわよ、何があったのかしらね?』

 姉様の声も聞こえる・・・、くぅ〜・・・

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ