第78話:反乱
第9章完結です。
敵国の外交官だったルミアさえも魔王軍に迎え入れた瑠璃亜に対し、とうとう堪忍袋の緒が切れたドノヴァン。
抗戦派の魔族たちを扇動し大規模な反乱を引き起こすのですが、瑠璃亜たちが必死にそれを抑え込もうとする中でドノヴァンが下した決断とは…。
転生術を目当てに繰り広げられた、シャーロット王国によるフォルトニカ王国侵攻作戦は、国王であるヴァースがサーシャとの壮絶な一騎打ちに敗れた末に自刃した事で、フォルトニカ王国の勝利に終わった。
さらに『ラビアンローズ』の力をもってしても、太一郎を討ち取るには至らなかった。
これらの一連のニュースは記者たちを通じて異世界全土に知れ渡る事となり、今だ転生術を目当てにフォルトニカ王国を侵略しようと企てている各国を牽制する事になるのである。
当然これらの報道は、同盟国であるパンデモニウムにも伝わっているのだが…今の瑠璃亜は太一郎たちの無事を喜んでいられる場合では無かった。
何故なら今の瑠璃亜は、ドノヴァンが引き起こした大規模な反乱を鎮圧するのに忙しくて、それどころでは無いのだから。
「ああもう、何で味方同士で戦わなきゃならないのよ!?行きなさい、ヴァジュラ!!」
「「「「「ぎぃあああああああああああああああああ!!」」」」」
飛竜に乗ったイリヤの魔剣ヴァジュラから放たれた無数の小さな刃が、魔族の兵士たちに対してオールレンジ攻撃を仕掛ける。
1人、また1人と、倒れ伏してしまう魔族の兵士たち。
出来るだけ殺さないようにと瑠璃亜に命じられているので、一生懸命手加減しながら戦ってはいるのだが。
そんなイリヤの威風堂々とした姿、そして圧倒的な戦闘能力を見せつけられ、反乱を起こした魔族の兵士たちがすっかり怖気づいてしまう。
そもそもの話、何故こんな事になってしまったのか。
事の発端は瑠璃亜にスカウトされたルミアが魔王軍に電撃移籍したばかりか、その高い戦闘能力を買われて、戦死したアリスの代わりに3魔将の座を与えられた事に起因する。
先日、自分たちに対して理不尽な侵略行為を行い、多くの犠牲者を出した憎き敵国であるバルガノン王国。
その戦いで捕虜にした兵士たちを処刑せずに無傷で故郷に返したというだけでも大問題だというのに、さらに外交官だったルミアを有能だからという理由だけで何の躊躇も無く迎え入れ、しかもよりにもよって3魔将などという重役の地位を与えたのだ。
これによって遂に堪忍袋の緒が切れたドノヴァンが激怒し、
「あの女は魔王カーミラとして相応しくない!!」
「このままでは我ら魔族は、薄汚い人間たちに隷属させられる事になりかねん!!」
「我ら魔族による薄汚い人間たちの支配!!それこそが我ら魔族が救済される唯一の道なのだぁっ!!」
などと、抗戦派の魔族たちを集めて反乱を扇動。
バルガノン王国の侵略行為によって多くの同胞を殺されたばかりだという事もあって、元々瑠璃亜が掲げた『専守防衛』の信念を気に入らないと思っていた、多くの抗戦派の魔族たちがドノヴァンの意見に賛同し、瑠璃亜に対して大規模な反乱を起こしたのである。
城下町のあちこちで火の手が上がり、暴動が起き、それらを鎮めようと飛竜に乗ったイリヤが、あっちに行ったりこっちに行ったりと忙しく飛び回っていたのだが。
「…私が魔王軍に加入などしなければ、こんな事にはならなかったのでは…。」
城のベランダからその光景を見つめながら、自分がそもそもの原因だという事もあって、苦虫を噛み締めたような表情になってしまうルミア。
だがそんなルミアの右手を、瑠璃亜がとても穏やかな笑顔で優しく両手で包み込んだのだった。
「何を言っているのルミア。そもそも貴女を魔王軍に誘ったのは私なのよ?貴女はそれに応じてくれただけ…貴女が気にする事では無いわよ。」
「瑠璃亜様…。」
だが、まさかルミアを魔王軍にスカウトした事が、このような事態を招いてしまうとは…流石の瑠璃亜も想定外だったようだ。
人間だろうが魔族だろうが何だろうが、有能な人材だと判断すれば即座に味方に勧誘する。
まさに瑠璃亜の懐の深さを表しているのだが、結果的にそれがドノヴァンを筆頭とした多くの魔族たちの反感を買ってしまったのだ。
元々瑠璃亜が掲げる『専守防衛』の理念に真っ向から反論し、自分たちを迫害する人間たちを殲滅するべきだと主張する、ドノヴァンを筆頭とする抗戦派の魔族たちが未だに多く存在しているのも事実ではあるのだが。
「瑠璃亜様。東地区の反乱は無事に鎮圧致しました。瑠璃亜様のご指示通り全員生かして捕らえております。」
「ご苦労様、エキドナ。」
そこへ『転移【テレポート】』の『異能【スキル】』で瑠璃亜の下に瞬間移動してきたエキドナが、礼儀正しく瑠璃亜に一礼したのだった。
「ドノヴァンの所在はまだ分からないのかしら?」
「は、申し訳御座いません。総力を挙げて捜索させてはいるのですが、今だ発見には至っておりません。」
「そう…全くあの子ったら、どこに行ってしまったのかしらね。」
こんな時に『ラビアンローズ』のイリーナみたいに、探知魔法が使える者がいてくれたら便利なのだが。
探知魔法というのは転移魔法と同じように特殊な技術を必要とする魔法であり、魔術師の誰もがポンポンポンポン使えるような代物では無いのだ。
魔王軍にも使い手が何人かいるのだが、その全員がドノヴァンが引き起こしてくれた反乱に扇動されてしまっていたりする。
全く困った物ね、と言わんばかりに、呆れたように深く溜め息をつく瑠璃亜に対し、エキドナが物騒かつ至極当然な事を進言したのだった。
「瑠璃亜様。かくなる上は今回の反乱の首謀者であるドノヴァンを、見つけ次第処刑すべきだと私は進言させて頂きます。」
何しろ魔王カーミラたる瑠璃亜に対して、ここまで大規模な反乱の扇動を行っただけでなく、伝説の武器である神刀アマツカゼの持ち逃げまでやらかしたのだ。
確かに他の国なら国家反逆罪に問われ、即座に極刑にされても文句は言えない程の重罪だろうし、フォルトニカ王国やサザーランド王国のような『緩い』国であったとしても、少なくとも営倉入りは免れないだろうが。
「エキドナ。貴女の言い分も理解出来るわ。だけど私に逆らう者たちを全て皆殺しにしていては、それこそ私の先代のカーミラと何も変わりはしないわよ。」
それでも瑠璃亜はエキドナの進言に理解を示しつつも、その提案を真っ向から否定したのだった。
ただ反乱を起こしたドノヴァンを処刑するだけでは、先代の魔王カーミラと何も変わらないのだから。
まずはドノヴァンの言い分にしっかりと耳を貸して、ドノヴァンの気持ちを理解する事。
ただ瑠璃亜の意見を一方的に押しつけるのではなく、瑠璃亜の意見を提示した上で、妥協案を話し合う。
これは向こうの世界において、保険会社の営業の仕事をしていた時でも同じ事だ。
「今、私がしなければならないのは、今回の反乱の首謀者であるドノヴァンとの対話よ。その為にもまずはドノヴァンの居場所を…。」
「見つけたぞ!!瑠璃亜だ!!総員俺に続けぇっ!!」
だがそんな暇さえも与えてくれないまま、反乱を起こした魔族の兵士たちが、一斉に瑠璃亜の下に殺到したのだった。
聖剣ティルフィングを構えるエキドナを、瑠璃亜が穏やかな笑顔で右手で制する。
「我ら魔族の真なる未来を掴み取る為に!!死ね!!瑠璃亜ぁっ!!」
そんな余裕の態度を見せつける瑠璃亜に対し、魔族の兵士たちが決意に満ちた表情で一斉に斬りかかったのだが。
「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」」」」
「めっ。」
「「「「「ぐあああああああああああああああああああ!!」」」」」
魔王カーミラたる瑠璃亜の前では、あまりにも無駄な抵抗に過ぎなかった。
全員が瑠璃亜の『異能【スキル】』によって呆気なく指1本で吹っ飛ばされ、背中から壁に叩きつけられてしまう。
激痛でうずくまり、その場で崩れ落ちている魔族の男性の1人の元に、瑠璃亜がゆっくりと歩み寄ってその場にしゃがみ込む。
「くっ、殺せ!!」
「殺しはしないわよ。大切な同胞である貴方達を、どうして殺さなければならないの?」
とても穏やかな笑顔で、魔族の右手を両手で優しく包み込む瑠璃亜。
瑠璃亜にとっては鼻クソをほじりながらでも楽勝で対処出来る相手だとはいえ、仮にも自分の命を奪おうとした者に対してさえも、この慈愛に満ちた瑠璃亜の態度。
そんな瑠璃亜の姿に、エキドナもルミアも思わず感嘆してしまったのだった。
「貴方たちが死んでしまったら、貴方たちの家族や友人、恋人たちが悲しむでしょう?」
「それは…!!」
「太一郎君…『閃光の救世主』がね、向こうの世界で私に言っていたの。貴方の大切な人の為にも、死ぬ覚悟ではなく生きる覚悟で戦えと、そう師匠から告げられたんだって。」
この魔族の男性も魔王カーミラという強大な存在を相手に反乱を起こす以上、死や処刑さえも覚悟した上で瑠璃亜に剣を向けたのかもしれない。
だがそれを瑠璃亜は前述の太一郎の言葉を借りた上で、真っ向から否定したのだ。
貴方が死んだら、貴方の大切な人たちが悲しむから、と。
太一郎は向こうの世界で、警察官という危険を伴う仕事に就いていた。
それは任務の内容によっては力無き人々を守る為、凶器や拳銃を持った凶悪犯罪者が相手でも敵前逃亡が決して許されないという、ある意味では理不尽な職場だ。
仮にそんな事をしようものなら職務放棄で懲戒免職になってしまうという、極めて理不尽で危険な仕事なのだ。
太一郎が言うには、それに嫌気が差して辞めてしまう警察官も本当に多いらしいのだが…それでも太一郎は師匠である沙也加の下に、警察学校を卒業して警察官として働く事になったと報告をしに行った際、沙也加からこんな言葉を掛けられたのだという。
死ぬ覚悟ではなく、生きる覚悟で戦いなさい、と。
その沙也加の言葉を太一郎から聞かされた瑠璃亜は、思わず感嘆の声を上げてしまったのだが。
今、目の前で死を覚悟している…まして自分に対して「くっ、殺せ」などという馬鹿げた事を言い出した魔族に対して、瑠璃亜は前述の沙也加の言葉を借りて、命を粗末にするなと諭したのである。
「だから貴方の大切な人たちの為にも、命を粗末に扱うのは止めなさい。死ぬ覚悟で戦うだなんて、めっ、よ?」
「…ううっ…瑠璃亜様…!!申し訳ありませんでした…っ!!」
瑠璃亜たちが抗戦派の魔族たちをなだめている最中、神刀アマツカゼを手にしたドノヴァンが部下の魔術師の男性を引き連れ、城の地下室へと向かっていた。
そこはかつて、瑠璃亜、イリヤ、アリス、エキドナが、魔王軍の転生術によって転生させられた場所だ。
「しかしドノヴァン殿、一体どうなさるおつもりで?瑠璃亜様は我々全員が束になった所で、とても敵う相手ではありませんが…。」
ドノヴァンの思想に賛同し、瑠璃亜への反乱に加担する事を決意した魔術師の男性ではあるが…それでも今になって無謀だったのではないかと不安になってしまっていた。
何しろ相手は魔王カーミラだ。真正面から反乱など起こした所で、鼻クソをほじられながら叩き潰されるのがオチだろう。
ドノヴァンが『切り札を用意している』などと豪語する物だから、ついここまでホイホイと付いてきてしまったのだが。
「それに関しては、俺に考えがある。」
「そ、それは…?」
だがそんな魔術師の男性に対してドノヴァンは、何の迷いも無い力強い瞳で、とんでもない事を宣言したのだった。
「転生術を発動し、新たなる魔王カーミラを召喚する!!」
「ええええええええええええええええええええええ(泣)!?」
いきなり無茶苦茶な事を言い出したドノヴァンに、魔術師の男性は戸惑いを隠せない。
ドノヴァンは転生術で新たに召喚した転生者を新たなる魔王カーミラに仕立て上げ、瑠璃亜と戦わせて始末するつもりなのだ。
自分たちでは到底敵わないのであれば、新たに召喚した魔王カーミラに瑠璃亜と戦わせればいいだけだと。
確かにイリヤ、アリス、エキドナが転生術で召喚されてから既に3ヶ月が経過しており、転生術の発動に必要な魔力や触媒は充分に用意出来てはいるのだが。
「し、しかし…!!そんな事をすれば、『今の』カーミラ様である瑠璃亜様は一体どうなるのか…!!」
「あんな腑抜けた女がどうなろうが知った事か!!このまま奴に魔王を任せていては、いずれ我ら魔族は人間たちに隷属させられる事になりかねんわ!!」
そうこうしている間にドノヴァンと魔術師の男性は、転生術発動の儀式を行う為の地下室に辿り着いたのだった。
ドノヴァンが扉を開けると果たしてそこにあったのは、瑠璃亜たちをこの異世界へと転生させた大きな魔法陣だ。
複数のベッドの下の床に書かれた六芒星の先端部分に、魔力の源たるクリスタルを設置するドノヴァンだったのだが。
「で、ですが、仮に新たなるカーミラ様を異世界より召喚したとして、もし先代のカーミラ様のような悪行でも起こされよう物なら…。」
転生術の発動準備を手伝いながら、魔術師の男性は不安そうな表情を見せたのだった。
かつて瑠璃亜の前に召喚された先代の魔王カーミラの悪行…ドノヴァンも魔術師の男性も、今も苦い記憶として脳裏に焼き付いているのだ。
魔族たちを人間たちからの理不尽な迫害から救済するどころか、その魔族たちに対して
『俺専用のレズハーレムを作る!!』
などと豪語し、自分たち魔族を奴隷として扱い、人間たちに対して身勝手な侵略を繰り返し、人間、魔族問わず多くの女性たちにレズセックスや自分との夜伽の相手を強要するような、まさに愚物中の愚物だった。
その先代の魔王カーミラは多くの人々を理不尽に苦しめた末に、太一郎たちの先代の転生者である明日香と相討ちになり、戦死してしまったのだが。
仮に瑠璃亜に対抗する為に、新たな魔王カーミラを転生術で召喚したとして、召喚された者が魔王カーミラとしての強大な能力に溺れ、逆に自分たちを迫害でもされてしまったら…それを魔術士の男性は危惧しているのだ。
そう…まさに先代の魔王カーミラと同じように。
だがそんな魔術師の男性の不安を払拭する為に、ドノヴァンがさらにとんでもない事を告げたのだった。
「かのフォルトニカ王国の宮廷魔術師シリウスは、転生者たちに反乱を起こさせぬ為に、奴らに『呪い』を掛けたと聞く!!ならば我らも同じことをすれば済むだけの話だ!!」
「えええええええええええ!?し、しかしそれは人道的に問題があるのでは!?」
そう…自分たちに従わないというのであれば、『呪い』によって無理矢理従わせればいいと…そうドノヴァンは考えているのだ。
国を想うが故とはいえ、かつて太一郎たちに『呪い』を掛け、3カ月も理不尽に苦しめ続けた…苦しめ続けてしまったシリウスと同じように。
だが結果的に太一郎に掛けられた『呪い』はサーシャによって解除され、シリウスの悪行は記者たちを通じて異世界全土に知れ渡ってしまい、シリウスは今も世界中からの批判に晒され続けてしまっているのだ。
当然その一連の出来事はパンデモニウムにも伝わっており、ドノヴァンや魔術師の男性の耳にも入ってはいるのだが。
「今はそのような悠長な事を言っていられる場合では無い!!あの腑抜けた女を魔王カーミラの座から引きずり下ろし、新たなる魔王カーミラによる人間たちの支配を実現する!!それこそが我ら魔族たちが未来をつかみ取る為の唯一の道なのだ!!」
それでもドノヴァンの意思は変わらなかった。
いや、ここまで多くの同胞たちを巻き込んでまで大規模な反乱を扇動してしまった以上、今更ここで引く訳にはいかないのだ。
ドノヴァンは専守防衛を掲げるばかりか、人間たちとの和平を推し進めようとする瑠璃亜に失望し、今回の反乱を起こしたのだ。
ならばその責任は、他でも無い首謀者のドノヴァン自身が最後まで負わなければならない。
「その為ならば俺は手段を選ばぬ!!仮にこの手を血に染めようとも、俺は魔族たちの未来を掴み取らねばならぬのだからな!!」
「わ、我々をバルガノン王国の侵攻から助けてくれた、サザーランド王国と敵対してもですか!?」
ドノヴァンの脳裏に、かつてチェスターを倒す為に共闘した戦友である、セレーネの笑顔が浮かんだのだが。
「…っ!!構わん!!」
その脳裏に浮かんだセレーネの笑顔を、ドノヴァンは必死に振り払ったのだった。
やがてドノヴァンと魔術師の男性が転生術の発動準備を終えると、床に描かれた魔法陣がうっすらと淡い光を放ったのだが。
「ド、ドノヴァン殿!!瑠璃亜様によって反乱が完全に鎮圧されました!!」
「馬鹿な、あまりにも早過ぎる!!あれだけの人数を、こんな短時間でだと!?」
慌てて駆けつけてきた兵士の男性の報告に、ドノヴァンは焦りを隠せなかったのだった。
もう時間が無い。最早一刻の猶予も無い。
何しろ瑠璃亜とエキドナは『転移【テレポート】』の『異能【スキル】』を有しているのだ。自分がここにいるのがバレたら駆けつけるのは一瞬だろう。
そうなる前に、一刻も早く新たなる魔王カーミラを、転生術によって召喚しなければ。
「とにかく始めるぞ!!これより新たなる魔王カーミラを異世界より召喚すべく、転生の儀式を開始する!!」
「はっ!!」
「召喚に成功したら、すぐに『呪い』の発動準備だ!!最早一刻の猶予も無い!!急ぐぞ!!」
決意に満ちた表情のドノヴァンの指示の下、魔術師の男性が遂に転生術を発動した。
だがそれによって引き起こされる事になる悲劇を…この異世界全土を巻き込む事になる惨劇を…今のドノヴァンたちは知る由も無かったのだった…。
次回から何故か幕末が舞台です。