第61話:運命の邂逅
無事にシルフィーゼの説得に成功したサーシャですが、そこへイリヤがアリスの仇を討つために、太一郎に強襲を仕掛けてきます。
死闘を繰り広げる太一郎とイリヤですが、そこへエキドナと魔王カーミラが乱入してきて…。
いよいよ運命の邂逅を遂げた太一郎と魔王カーミラ。
アリスを殺してしまった太一郎に対して、魔王カーミラが語る事とは…。
かくして無事にシルフィーゼの説得に成功したサーシャは、家の外で警戒任務にあたってくれている太一郎とケイトに、穏やかな笑顔で話しかけたのだが。
「太一郎さん、ケイト。お疲れ様です。その後何か異常はありましたか?」
「いや、念入りに『敵意感知【ホストセンサー】』も使ってみたけど、半径2km圏内に不審な気配は感じなかったよ。」
「私も高台から探りましたが、周辺に不審者などはいないようです。」
太一郎とケイトからの報告に、サーシャは安堵の笑顔を見せる。
いつまた先程のイゾルデ王国騎士団のように、シリウスを拉致しようと企む者たちが現れてもおかしくないと…そうサーシャは思っていたのだが、そうならなくて何よりだ。
いや、もしかしたら外で見回りをする太一郎とケイトの存在が抑止力になっていて、襲いたくても襲えずに撤退したのかもしれないが。
「そうですか。こちらもシルフィーゼさんの説得に無事に成功しました。今後は明日香さんの時と同様に、太一郎さんの付き人として働いて貰う事になります。」
「そうか。それは良かった。」
名指しされたシルフィーゼが穏やかな笑顔で、足元に魔法陣を展開したのだった。
「確かラムダ村に馬車を止めているんだったわよね?そこまで私が転移魔法で送ってあげるわ。ここから歩くとなると流石に大変でしょう?」
「感謝します。シルフィーゼさん。」
何しろラムダ村からここまで、徒歩で片道1時間掛かったのだ。
それだけの距離をシルフィーゼが転移魔法でショートカットしてくれるというのであれば、それはそれで有難い話だ。
「それじゃあ皆、私の周囲に集まって…。」
だがシルフィーゼが言いかけた、その時だ。
太一郎がとても厳しい表情で、突然上空を見上げたのだった。
「これは…!?」
真由から託された『敵意感知【ホストセンサー】』の『異能【スキル】』を、使うまでもなかった。
上空から太一郎に向けて放たれている、凄まじいまでの「敵意」と「殺意」。
「全員僕から離れろ!!来るぞ!!強烈な一撃が!!」
慌てて太一郎が鳳凰丸の柄に手を添えながら、サーシャたちに退避を促した、その瞬間。
「渡辺太一郎ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
上空の飛竜から物凄い勢いで飛び降りてきたイリヤが、聖剣ティルフィングを太一郎に向けて振り下ろしたのだった。
慌ててバックステップで、その凄まじい威力の斬撃を避ける太一郎。
イリヤにとって太一郎は、アリスを殺した相手。
そして太一郎にとってイリヤは、真由を殺した因縁の相手だ。
「イリヤ…!!」
「ようやく見つけたわ!!アンタをずっと探していたのよ!!アタシの手でアンタを八つ裂きにして殺してやる為にね!!」
決意に満ちた瞳で、聖剣ティルフィングを太一郎に突き付けるイリヤ。
かつて自らの『呪い』を解く為に太一郎が探し求めていた、そしてかつて明日香が使っていた、聖地レイテルで魔王軍に強奪されてしまった聖剣ティルフィング。
『呪い』をサーシャに浄化して貰った今の太一郎にとっては、最早必要が無くなった代物なのだが…流石にシルフィーゼは黙ってはいられなかった。
当然だろう。何しろ聖剣ティルフィングは、明日香の形見でもあるのだから。
「貴女、明日香の剣を!!よくも!!」
イリヤから聖剣ティルフィングを奪い返そうと、聖杖セイファートを構えるシルフィーゼだったのだが。
「この聖剣ティルフィングには、先代の転生者である須藤明日香の『異能【スキル】』が込められていたわ。それがどういう事か分かるかしら?賢者シルフィーゼ。」
「…まさか!!」
イリヤの言葉の意味を、シルフィーゼは即座に理解したのだった。
真由が死に際に太一郎に自らの『異能【スキル】』を託したように、転生者たちは自らの『異能【スキル】』を、何らかの形で他者に託す事が出来る。
真由が口移しで太一郎に託したのと同じように、明日香も龍二たちに殺される寸前、自らが手にしていた聖剣ティルフィングに、とっさに自らの『異能【スキル】』を込めていたのだろう。
後に自らの後を継ぐ事になるかもしれないフォルトニカ王国の次代の転生者たちに、自らの想いと力を託す為に。
「とくと味わうがいいわ…!!アンタの先代の転生者…!!伝説の女剣士・須藤明日香の『異能【スキル】』を!!」
だがまさかそんな自分の決死の想いによって、聖剣ティルフィングに託した自らの『異能【スキル】』の驚異が、よりにもよって向こうの世界で自分を助けようとしてくれた太一郎に向けられる事になるとは。
あの時の明日香も、こんな事になるとは流石に思いもしなかっただろうが…しかしこれは何という運命の皮肉なのだろうか。
妖艶な笑顔を見せながら、イリヤは明日香が使っていた『異能【スキル】』を発動したのだった。
「『潜在能力解放【トランザム】』!!」
その瞬間、イリヤの全身が凄まじい真紅の光に包まれる。
その見覚えのある…というか自分も使える『異能【スキル】』を見せつけられた太一郎は、流石に心の底から驚いてしまう。
「何!?イリヤの『潜在能力解放【トランザム】』だと!?」
「ぬあああああああああああああああああああああああっ!!」
物凄い勢いで太一郎に斬りかかったイリヤが、聖剣ティルフィングによる無数の斬撃を太一郎に浴びせる。
それを鳳凰丸で何とか受け止め続ける太一郎。
「太一郎さん!!」
「手出しは無用だ!!サーシャ!!」
隼丸を鞘から抜いて援護しようとしたサーシャを、太一郎はとっさに制したのだった。
これはイリヤの太一郎に対する敵討ちだ。だからこそイリヤとは太一郎が誠意を持って戦わなければならないのだから。
「アタシは絶対にアンタを許さない!!アリスを殺したアンタを、アタシが絶対にこの手で殺してやる!!」
「イリヤ…!!」
何度も何度も何度も何度も太一郎に無数の斬撃を浴びせるイリヤ。
あの時の聖地レイテルでの戦いでは、この聖剣ティルフィングのあまりの威力に隼丸が耐え切れず、真っ二つに折れて大破してしまっていた。
当然だろう。今現在サーシャが使っているオリハルコンで修復、強化された隼丸とは違い、あの戦いで太一郎が使っていた隼丸は、普通の材質で作られた、普通に店売りされていた、普通の性能の武器だったのだから。
だが今現在、太一郎が手にしている鳳凰丸は違う。
伝説の金属であるオリハルコンをふんだんに使用し、武器屋の店主が太一郎の戦闘データを参考に、太一郎の為だけに作り上げた、伝説の武器にも決して引けを取らない一品だ。
あの時の隼丸と違い、聖剣ティルフィングの凄まじい一撃を何度受けても、傷1つ付いていない。
「死ねええええええええええええええええ!!」
イリヤが振り下ろした聖剣ティルフィングをバックステップで避けた太一郎が、鳳凰丸を鞘に収める。
さらに間髪入れずに太一郎に追撃を仕掛けるイリヤだったが、決意に満ちた表情の太一郎がイリヤにカウンターを浴びせたのだった。
「『一秒間だけ潜在能力解放【トランザム・ワンセコンド】』!!」
物凄い勢いで太一郎に向けて振り下ろされた、イリヤの聖剣ティルフィング。
それを太一郎は一秒間だけ発動した『潜在能力解放【トランザム】』の『異能【スキル】』によって、一秒間だけ爆発的に増大した反射神経を駆使してギリギリのタイミングで回避。
「なっ…!?」
先日のイリヤとの戦いで太一郎がその身をもって味わったように、『潜在能力解放【トランザム】』の『異能【スキル】』は使用者の身体に甚大な負荷が掛かる。
だが太一郎はそれを「戦闘中の要所で、極めて短時間だけ」発動する事で、身体への負担を必要最小限に抑えたのだ。
所詮は聖剣ティルフィングに込められた明日香の『異能【スキル】』を借りているだけに過ぎないイリヤと違い、太一郎は『潜在能力解放【トランザム】』の『異能【スキル】』の特性を理解した上で、完璧に自らの物として使いこなしていた。
「夢幻一刀流奥義!!五月雨!!」
「くそがあああああああああああああっ!!」
『潜在能力解放【トランザム】』の『異能【スキル】』を解除した太一郎の鳳凰丸から放たれた、凄まじい威力の居合術による連撃を、何とか辛うじて聖剣ティルフィングで受け切ったイリヤ。
だが斬撃のあまりの威力に、イリヤは後方までふっ飛ばされてしまったのだった。
何とか体勢を立て直すイリヤだったが、太一郎が鞘に収めた鳳凰丸の圧倒的な性能に、驚きを隠せない。
「そ、そんな馬鹿な…!!前の戦いでは完全にアタシとアリスに押されていたのに!!一体何なのよ!?アンタのその新しい刀はぁっ!?」
自分をふっ飛ばした太一郎が手にする鳳凰丸を、驚愕の表情で睨みつけるイリヤ。
先日イリヤは魔王カーミラに、太一郎の実力がラインハルトと互角だと説明していた。
だがそれはあくまでも、太一郎が『強化前の隼丸を使っていた時』の話だ。
今の太一郎が使っているのは伝説の武器にも決して引けを取らない、強大な威力と性能を秘めた鳳凰丸なのだ。
互いの武器の性能が互角ならば、勝敗を決めるのは使用者自身の実力なのは明白だろう。
そう…鳳凰丸を手にした今の太一郎の戦闘能力は、イリヤを完全に凌駕しており、魔王カーミラにも充分に届き得る代物なのだ。
逆に言うと、仮に太一郎と同格の実力を持つラインハルトとサーシャが、自身の身の丈にあった伝説の武器を手にした場合、魔王カーミラが相手でも充分に対抗出来るという事なのだが。
「もう止めろイリヤ!!『潜在能力解放【トランザム】』を解除するんだ!!その『異能【スキル】』の危険性は君だって分かっているだろう!?」
「黙れぇっ!!アタシはまだ負けていない!!負けていないわよぉっ!!」
「イリヤ…!!」
アリスの仇を今この場で討たんと、鬼気迫る形相で聖剣ティルフィングを構え直すイリヤだったのだが、その時だ。
「お二方、そこまでです。」
突然2人の間に割って入るように、『テレポート【転移】』の『異能【スキル】』を発動したエキドナが姿を現したのだった。
イリヤを庇うように、鎌を手に太一郎の前に立ちはだかる。
「君は確か、あの時の…!!」
「何しに来たのよ!?邪魔しないでよエキドナ!!」
『潜在能力解放【トランザム】』の『異能【スキル】』を解除したイリヤが、突然割って入ったエキドナに文句を言ったのだが。
「イリヤ、勝手に聖剣ティルフィングを持ち出して姿を消したと思ったら、太一郎様に何という無礼な真似を…!!」
「うるさい!!アタシに指図するなぁっ!!」
「そういう訳には行かないわ。カーミラ様がフォルトニカ王国との戦争など望んでいない事は、貴女だって分かっているでしょう?」
だがそんなイリヤにエキドナが、今この場にいる誰もが思いもしなかった事を口にしたのだった。
「それにカーミラ様が、もうじきこの場にお見えになられるのだから。」
「な、何ですってぇっ!?」
魔王カーミラが、今この場に姿を現す。
まさかの予想もしなかった事態に、その場にいた誰もが戸惑いを隠せない。
太一郎も魔王カーミラとは、いずれ会わなければならないとは思っていた。
だがまさか今ここで、突然向こうから出向いてこようとは。
「魔王カーミラが、ここに…!?」
「太一郎様。先日はイリヤを救う為とは言え、貴方様に非礼な真似をしてしまい、本当に申し訳ありませんでした。ですが貴方様には今ここでカーミラ様に、何としてでもお会いして頂かなければならないのです。」
「何!?それは一体どういう事なんだ!?」
太一郎が、魔王カーミラに会わなければならないとは。
一体エキドナは何を言っているのか。全然意味が分からない太一郎だったのだが。
「皆様方、お手数をお掛け致しますが、どうかご傾注下さいませ。」
だが太一郎が必死に頭をフル回転させる暇も余裕も与えられないまま、遂に問答無用で「その時」がやってきたのだった。
「これよりカーミラ様が、皆様方の前にお見えになられます。」
エキドナがその場で跪くと、『テレポート【転移】』の『異能【スキル】』を発動して太一郎たちの目の前に現れたのは、仮面を身に着けたとても美しい女性…魔王カーミラ。
イリヤを庇うように、太一郎たちの前に立ちはだかっている。
「貴女が…魔王カーミラ…!!」
とても厳しい表情で、目の前の美しい女性を見据える太一郎。
魔王カーミラ。太一郎たちがシリウスの転生術によって、この異世界に呼び出された最大の理由。
シリウスは彼女を倒す為に、クレアからの命令を受けた上で、この異世界に太一郎たちを転生させた。
つまりは太一郎にとって魔王カーミラは、最大の討伐対象なのだ。
その彼女が、まさか自分から、今この場に突然太一郎たちの前に姿を現すとは。
だがエキドナは太一郎に対して、自分が魔王カーミラに会わなければならないと言っていた。
どういう理由でエキドナがそんな事を言いだしたのかは分からないが、それでも太一郎は魔王カーミラに対し、真っ先にしなければならない事がある。
「アリスを殺した僕に対しての、お礼参りのつもりなのか?」
そう、それは謝罪だ。
聖地レイテルにおいて一馬たちは、対話を持ち掛けてきたアリスとイリヤを騙し討ちにした。
そして戦場での正当防衛とはいえ、太一郎はアリスを殺してしまったのだ。
それに関しては太一郎は、素直に魔王カーミラに対して謝罪をしなければならない。
「確かに聖地レイテルでの一件に関しては、完全にこちら側に非がある。それは素直に認めるし否定はしないよ。一馬たちの暴走を止められなかった僕の責任だ。本当に済まなかった。」
魔王カーミラに頭を下げて、真摯に謝罪をした太一郎だったのだが。
「だがそれでも僕は、今ここで貴女に殺される訳にはいかないんだ。あれから色々あって、この異世界でサーシャと結婚した身なんでね。」
それでも頭を上げた太一郎が決意に満ちた表情で、鞘に収めた鳳凰丸の柄に手を添える。
一馬たちの暴走によって招いてしまった事、しかも戦場での正当防衛とはいえ、太一郎が対話を求めてきたアリスを殺してしまったのは紛れも無い事実だ。
しかも魔王カーミラにしてみれば、アリスはフォルトニカ王国の転生者たちによる騙し討ちによって殺されたのだ。
どのような経緯があったとはいえ、殺した張本人である太一郎に対し、魔王カーミラが報復行為に出るのは当然の話ではあるのだが。
それ位の事は太一郎とて理解はしていた。だからこそ太一郎は魔王カーミラに対し、真っ先に頭を下げて謝罪をしたのだ。
だがそれでも太一郎は、この異世界でサーシャと結婚した身だ。
そう…自分の事を好きだと言ってくれたサーシャの為にも、太一郎はこんな所で死ぬ訳にはいかないのだ。
自分の事はどれだけ侮蔑してくれても構わない。一馬の暴走がそもそもの原因とはいえ、それだけの事をしでかしてしまったのだから。
それでもサーシャの為にも、この命だけは絶対にくれてやるわけにはいかない。
その決意を胸に秘め、魔王カーミラをじっ…と見据える太一郎。
「貴女がどうしても、僕に対して報復をしようというのであれば、僕は…!!」
いつ魔王カーミラが攻撃してきても即座に対処出来るように、彼女の一挙手一投足に全神経を集中する太一郎だったのだが。
「…太一郎君。」
とても穏やかな笑顔で太一郎に呼びかけた、魔王カーミラの優しい声。
それを耳にした太一郎が、途端に驚愕の表情になったのだった。
「なっ…!?」
聞き覚えのある…いいや、聞き間違えるはずが無い。
太一郎にとって、とても懐かしい魔王カーミラの声。
「『閃光の救世主』の正体が太一郎君だとイリヤに聞かされて、私は心の底から驚いたわ。魔王軍の転生術でこの異世界に私1人で孤独に飛ばされてから、もう二度と太一郎君と真由ちゃんに会う事は叶わないと…そう思っていた…!!」
信じられない、有り得ない…そう言わんばかりの太一郎の表情に、サーシャが不安そうに太一郎に寄り添ったのだが。
「太一郎さん?どうなされたのですか?彼女とはお知り合いなのですか?」
「まさか…そんな馬鹿な…っ!!」
知り合いなんてレベルではない。
いや、シリウスの転生術でこの異世界に飛ばされてからという物、彼女とはもう二度と会う事は叶わないと思っていた。
それなのに…まさか魔王カーミラの正体が…。
「真由ちゃんの事は本当に残念だけど…それで太一郎君だけは無事でいてくれて、本当に良かった…!!」
太一郎たちの目の前で、静かに仮面を外した魔王カーミラ。
目を潤ませながら太一郎に対して穏やかな笑顔を見せる、彼女の有り得ない素顔を見て、太一郎は驚愕の表情になってしまう。
人間から魔族として転生した影響からなのか、外見上は20代前半にまで若返ってしまっているのだが…それでも太一郎が彼女の事を見間違える訳が無い。
以前、『呪い』がサーシャとセラフィムに浄化された時、彼女は散る間際にこう言っていた。
仮に太一郎が魔王カーミラより強かったとしても、太一郎では魔王カーミラには絶対に勝てないと。
あの時の太一郎は、『呪い』の警告の意味が全く分からなかったのだが。
「…成程な…!!そういう事かよ…!!」
太一郎は魔王カーミラの素顔を見せつけられた途端、その意味を即座に理解したのだった。
もしかしたら『呪い』は、魔王カーミラの正体を最初から知っていたのだろうか。
確かにこれでは、太一郎は魔王カーミラには絶対に勝てないだろう。
いいや、最早それ以前の問題で、太一郎が魔王カーミラに傷1つ付ける事が出来なくて当たり前だ。
何故なら今、太一郎の目の前にいる魔王カーミラ…今まで仮面に隠されていた彼女の素顔は…その正体は…。
今も信じられないと言わんばかりの驚愕の表情で、太一郎は魔王カーミラに対して、今この場にいるはずのない人物の名前を呟いたのだった。
「…母さん…!!」
ちょっと仕事が洒落にならない程忙しくなってきたので、もしかしたら来週の次話掲載は厳しいかもしれません。
なるべく早く掲載出来るよう尽力しますが、どうしても仕事が最優先なので…本当に御免なさい(泣)。
魔王カーミラの正体が瑠璃亜だと知った太一郎は流石に驚愕しますが、瑠璃亜はサーシャに対し、クレアと対話をさせて欲しいと要望します。
イリヤが真由を殺し、太一郎がアリスを殺した…こんな悲劇を二度と繰り返してはいけないと、サーシャに対して真摯に語る瑠璃亜ですが…。