第58話:精霊の森での死闘
かつて明日香とツーマンセルを組んでいたシルフィーゼの力を借りる為、彼女が住むとされている精霊の森へと訪れた太一郎、サーシャ、ケイト、シリウス、レイナの5人。
そんな彼らにイゾルデ王国の特殊工作部隊が襲い掛かるのですが…。
シルフィーゼが住んでいるとされている精霊の森は、聖地レイテルとは反対方向の、かつて太一郎と真由が転生直後にバルゾムから救ったラムダ村から、さらに遠く離れた辺境にある。
別に日帰りで行けない距離ではないのだが、それでも何らかの非常事態があった時に備え、ラムダ村を中継地点として利用させて貰う事にした。
既にフォルトニカ王国全土に太一郎の生存、そして近衛騎士への昇格、サーシャとの結婚が報じられているのだが、実際に太一郎が無事な姿を見せつけられた村人たちは、誰もが心の底から喜びの笑顔をみせたのだった。
少し早めの昼食をラムダ村でご馳走になった後、ここから先は馬や馬車だと先に進めない森の奥深くだという理由から、伝令役や支援役として同行させていた数名の兵士を、馬や馬車の維持管理の為にラムダ村に待機させ、徒歩で精霊の森へと向かう太一郎たち。
あまり大勢で押しかけるとシルフィーゼの迷惑になるという事で、太一郎、サーシャ、ケイト、シリウス、レイナの5名だけで精霊の森へと向かう事になった。
そして徒歩で1時間程歩いた末に、ようやく太一郎たちは精霊の森へと辿り着いた。
聖地レイテル同様、人の手がほとんど付けられていない、とても美しい光景だ。
こんなラムダ村から遠く離れた辺境の森の奥深くに、シルフィーゼは1人で暮らしているというのか。
まあ太一郎がパッと見た感じだと、様々な動物や果物や穀物、そして綺麗な透き通った水などといった森の恵みが豊富にあり、1人で自給自足をして生活する分には困らないのだろうが。
「…サーシャ。気付いてるかい?」
「はい。周囲を完全に囲まれていますね。」
だが人間というのは、どこまで欲深い生き物なのか。
周囲からの無数の気配を察した太一郎たちが足を止め、シリウスを守る為に取り囲む陣形を取ったのだった。
わざわざこんな辺鄙な場所までご苦労な事だと、呆れたように深く溜め息をつきながら、太一郎が鳳凰丸の鞘に手を掛ける。
どこから嗅ぎ付けたのかは知らないが…まあ恐らく諜報部隊をフォルトニカ王国に送り込んでいるのだろうが…シリウスが王都から外に出た今が最大の好機だと、シリウスを拉致する為に何者かが刺客を送り込んできたのだろう。
フォルトニカ王国が独自運用している転生術…それを編み出したシリウスを拉致し、転生術を自分たちの物にする為に。
「レイナ。君はシリウスの護衛に集中していてくれ。」
「はっ!!お任せを!!太一郎殿!!」
「さてと…ざっくり気配を調べた限りだと、大体100人ちょいと言った所かな?」
太一郎たち5人に一斉に浴びせられる、凄まじいまでの『殺気』。
シリウス以外は別に殺しても構わないと…そういう命令を受けているのだろう。
だが、相手が悪過ぎた…そう、あまりにも相手が悪過ぎたのだ。
放たれた矢を、鳳凰丸で容易く斬り捨てる太一郎。
それを合図に黒装束を着た大勢の刺客たちが、一斉に太一郎たちに襲い掛かって来たのだった。
「皆さん。つまらない相手ばかりですが、油断だけは禁物ですよ?いいですね?」
「「「「了解!!」」」」
「では、迎撃開始!!」
サーシャの号令で、散開する太一郎、サーシャ、ケイト。
そして太一郎の鳳凰丸が、サーシャの隼丸が、ケイトのロングソードが、次々と刺客たちを叩きのめしていく。
「ぐあっ!!」
「ごえっ!!」
「がはっ!!」
太一郎は峰打ちで気絶させる程度で済ませているようだが、サーシャとケイトは全く情け容赦をせず、次々と刺客たちを斬り捨てていったのだった。
2人共太一郎のように器用では無いし、何よりも自分たちに向けて猛烈な殺気を放つ者たちを生かしておく程、優しくは無いのだから。
戦場というのは残酷な場所だ。身分も出自も関係無く、どんな者も等しく平等に一戦闘単位としてしか扱われず、互いに命のやり取りをする以上、殺しても殺されても文句を言われる筋合いなど無い。殺人罪など当然適用されるはずも無い。
彼らがサーシャやケイトに殺されるのは、彼らが2人よりも遥かに劣る戦闘能力しか無いにも関わらず、無謀にも己の実力も弁えずに戦場で2人を殺そうとしたからだ。
それ以上でも、それ以下でも無いのだ。
それを分かっているからこそ、峰打ちで済ませている太一郎も、2人を責めるような真似は全くしなかった。
いや、というかこの状況で峰打ちで済ませている太一郎の方が逆におかしいのであって、太一郎もそれは頭の中で理解してはいるのだが。
「シリウス様には指一品触れさせん!!」
3人が仕留め切れなかった黒装束の男たちが、一斉にシリウスに襲い掛かるものの、そんな彼らをレイナが両手の双剣で次々と斬り捨てていく。
「私とて、ただ守られるだけの惰弱な男ではない!!烈風の刃よ!!敵を薙ぎ払え!!」
「「「「「ぎぃあああああああああああああああああああああああ!!」」」」」
そしてシリウスの風魔法によって放たれた風の刃が、背後からレイナを襲った黒装束の男たちを、次々と虐殺していったのだった。
「『雷神』の異名を持つラインハルト殿には遠く及ばぬが、私とて王室直属の宮廷魔術師の端くれだ。甘く見るなよ。」
あっという間に太一郎たちの周囲に、無数の死体の山が出来上がってしまった。
どれだけ奇襲をかけようとも、どれだけ数の暴力で蹂躙しようとも、太一郎たちは涼しい顔で、物凄く簡単そうに対処してしまう。
「わ、僅か1分で、80人近くもの兵士たちを…!!有り得ん!!相手はたったの5人なのだぞ!?」
まさかの有り得ない事態に、刺客のリーダーの男が驚愕の表情になってしまったのだが。
「そこまでです。」
「なあっ!?」
そんな彼の背後から、サーシャが情け容赦なく隼丸の先端を、彼のうなじに突き付けたのだった。
「貴方のその胸元の紋章…イゾルデ王国所属の特殊工作部隊ですね?」
「サ…サーシャ王女…!!」
「やはり目的はシリウスの身柄確保…転生術の奪取なのですか?」
一体いつの間に自分の背後に回り込んだのか。
サーシャの圧倒的な実力を肌で感じながらも、それでも男は一歩も引かない。
いや、無事に任務を達成する為にも、彼はここで引く訳にはいかないのだ。
「大人しく投降すれば、命だけは助けますが?」
「俺を舐めるなよサーシャ王女!!俺は国王陛下に絶対の忠誠を誓った身!!こんな金で雇われただけの傭兵共と一緒にするな!!例えこの身が滅びようとも、貴様に屈するような真似だけは絶対にせぬわ!!」
「そうですか。ならば仕方がありませんね。」
「我が名はイゾルデ王国騎士団・特殊工作部隊隊長!!暗黒流竜爪拳のジュストだ!!冥土の鬼に教えてやれぇっ!!」
咄嗟にサーシャに振り向いたジュストが、両腕に仕込んでいた鉤爪を展開させ、サーシャに殴りかかる。
「はいはいはいはいはいはいはい!!はいーーーっ!!はいーーーーーーーっ!!はいーーーーーーーーーーーっ!!」
凄まじいまでの鉤爪による徒手空拳の連打、連打、連打。
それをサーシャは隼丸で巧みに受け続けるものの、徐々に後ろへと後退していく。
「サーシャ!!」
「問題ありませんよ。太一郎さん。」
「レイピアから刀に武器を持ち換えたか!!だがそんな大振りな刀で、俺の高速連撃に対応出来る物かよ!!」
やがてサーシャは、背後にあった大木まで追い詰められてしまったのだが。
しかしこれこそが、サーシャが巧みに仕込んだ罠。
「貰った…なっ!?」
涼しい顔でサーシャがジュストの正拳突きを避け、鉤爪が展開されたジュストの右腕にそっ…と振れた途端。
突然空中で一回転したジュストの身体が、背中から大木に叩きつけられてしまったのだった。
一馬との模擬戦闘訓練で存分に見せつけた、サーシャの合気の極意だ。
「がはあっ!?」
あまりの衝撃に、ジュストの背中に激痛が走る。
今、一体何をされたのだ…!?突然サーシャに投げ飛ばされ、訳が分からないといった表情でうずくまるジュストだったのだが。
「くっ、お、おのれっ…!!」
何とか立ち上がったジュストは、咄嗟にサーシャから間合いを離して体勢を立て直すものの、サーシャとの実力差を肌で感じ取っていたのだった。
「どうします?まだやりますか?」
「これがフォルトニカの王族の力…!!だが、これならばどうだ!!」
だがそれでもなお、ジュストは一歩も引かない。
全身から凄まじいまでの闘気を放ち、一撃必殺の構えを取る。
「来る…!!強烈な一撃が…!!」
「食らえ!!暗黒流竜爪拳奥義…っ!?」
隼丸を構え直したサーシャに、ジュストが全身全霊の一撃を放とうとした、次の瞬間。
突然ジュストの側面から強烈な冷気の嵐が襲い掛かり、情け容赦なくジュストを吹っ飛ばしたのだった。
「え!?」
「ながあっ!?」
目の前のサーシャに集中し、全身全霊の奥義を放とうとしていたせいで、ジュストは突然の奇襲に全く反応出来なかった。
「…あ…暗黒流…竜爪拳…奥義…っ(泣)!!」
再び大木に叩きつけられ、その場で力無くうずくまって気絶してしまう。
「安心しなさい。手加減はしたから死にはしないでしょう。さっさと彼を連れて即刻この森から立ち去りなさい。」
いきなりの出来事に驚くサーシャたちだったのだが、突然現れた1人の若く美しい女性が、とても厳しい表情で刺客たちを睨みつける。
パッと見た感じでは、太一郎やシリウスと同じ位の歳だろうか。
そして彼女から放たれたのは、凄まじいまでの「殺気」。
これ以上この場にウダウダと居続けるのであれば、さっさと殺す…そう刺客たちに告げているかのようだ。
「た、隊長がやられた!!引け!!退却だぁーーーーーーーーーー!!」
その殺気を敏感に感じ取ったのか、生き残った20人程の刺客たちが怯えながら、気絶したジュストと、太一郎が峰打ちで気絶させた12人を抱きかかえて退散してしまったのだった。
溜め息をついて、目の前の無数の死体たちを見つめる女性。
そんな彼女に、シリウスがとても穏やかな笑顔で語りかけたのだが。
「君のお陰で助かったよ。久しぶりだな、シルフィーゼ。」
シルフィーゼ。確かにシリウスは彼女の事を、そう呼んだ。
先代の転生者・明日香とツーマンセルを組み、明日香と共に沢山の命を救ってきた、『賢者』の異名を持つ魔術師の女性。
明日香の死後、理由は分からないが、彼女は王都から姿を消してしまっていたのだが。
太一郎たちは彼女に再び助力を求める為に、この精霊の森へと足を運んだのだ。
目の前にいる太一郎たちの姿を、じっ…と見据えるシルフィーゼ。
「何の騒ぎかと思って来てみれば、これはまた随分と懐かしい顔ぶれが揃っているわね…って、あら。」
そんな中、太一郎に視線を移した途端、シルフィーゼはとても興味深そうな表情になったのだが。
「…ふうん…。」
「?」
「…ちょいちょい。」
突然シルフィーゼが穏やかな笑顔で、太一郎に自分の近くに来るよう右手で促したのだった。
「え?僕?」
「ええ、貴方よ。『閃光の救世主』さん。」
「?」
いきなりシルフィーゼに名指しされた太一郎が、シルフィーゼに促されて前に進み出たのだが。
その瞬間、太一郎の背後に、突然氷の壁が出現したのだった。
「何!?」
いきなりサーシャたちと隔離され、驚きを隠せない太一郎に、シルフィーゼが無数の光の矢を放つ。
それを鳳凰丸で全て弾き返す太一郎だったのだが、まさかの出来事にサーシャたちは戸惑いを隠せずにいたのだった。
無理も無いだろう。いきなり太一郎と隔離されたと思ったら、その太一郎がシルフィーゼから攻撃を受けているのだから。
「これは一体どういうつもりなのだ!?シルフィーゼ!!」
シルフィーゼに抗議をするシリウスだったのだが、そんなシリウスの抗議に聞く耳持たず、シルフィーゼは太一郎に無数の氷の刃を浴びせ続ける。
だがシルフィーゼが手にする杖を見て、シリウスは驚愕の表情になったのだった。
間違い無い。どこで手に入れたのかは知らないが、彼女が手にしている杖…それは…。
「太一郎!!気を付けろ!!彼女が手にしている杖は聖杖セイファート!!各国が血眼になって探し求めている、伝説の武器の1つだ!!」
「また伝説の武器かよ!?」
放たれた氷の刃を避けながら、太一郎が呆れたような叫び声を上げる。
聖杖セイファート。イリヤが使う魔剣ヴァジュラや、かつてアリスが使っていた聖剣ティルフィングと同じく、この異世界の各地に点在している、強力な力を秘めた伝説の武器の1つだ。
太一郎も王都の図書館に寄贈されていた文献から、名前だけは知っていた(第33話参照)のだが。
そのあまりの強大な力故に、この杖に限らず伝説の武器というのは、今も多くの国々が競い合うように、血眼になって探し求めている代物なのだ。
「全く、次から次へと…!!まるで伝説の武器のバーゲンセールだな…!!」
放たれた氷の刃を全て避け切った太一郎が、縮地法で一瞬で間合いを詰め、シルフィーゼに斬りかかる。
「なっ!?一瞬で間合いを!?」
放たれた鳳凰丸を、辛うじて聖杖セイファートで受け止めたシルフィーゼ。
以前、隼丸でアリスの聖剣ティルフィングを受け止めた時、あまりの武器の質の違いから隼丸にガタが来てしまっていたのだが、この鳳凰丸は聖杖セイファートとぶつかり合っても全くびくともしなかった。
「…いける!!」
手応えだけで太一郎には分かる。武器屋の店主がドヤ顔で語っていた通り、この鳳凰丸は伝説の武器である聖杖セイファートが相手でも、決して引けを取っていない。
魔法金属のオリハルコンを使って作られているというのもあるが、何よりも武器屋の店主の腕が優れている事の証だと言えるだろう。
立て続けに浴びせられる太一郎の斬撃を、辛うじて聖杖セイファートで受け続けるシルフィーゼだったのだが。
「何て凄まじい居合術なの…!?これが『閃光の救世主』の力…っ!?」
「終わりだぁっ!!」
「なっ…!?」
やがて受け切れずに体勢を崩したシルフィーゼの首筋に、太一郎が鳳凰丸の先端を突き付けたのだった。
もし太一郎が、初めから殺すつもりで自分と戦っていたら…それを想像したシルフィーゼが心の底からゾッとしながら、思わず苦笑いしてしまったのだった。
まあシルフィーゼ自身も、最初から本気で殺すつもりで戦ってはいなかったのだが。
「…まいったわ。私の負けよ。」
観念したように、シルフィーゼは苦笑いしながら両手を上げた。
それは戦闘意思がこれ以上無いという事を、太一郎に示す為の物だ。
太一郎も目の前のシルフィーゼに敵意が無い事を確認し、鳳凰丸を鞘に収める。
「中々やるじゃない。『閃光の救世主』さん。」
「一体どういうつもりで僕に襲い掛かったりしたんだ?」
「貴方の力を試すような真似をして本当に御免なさいね。どうしても私の目で直接見極めたかったのよ。シリウスが召喚した次代の転生者の実力をね。」
だが、まさかこれ程の物だったとは…シルフィーゼは心の底から驚いているようだった。
太一郎の戦闘能力は、彼女が以前ツーマンセルを組んでいた明日香を明らかに凌駕している。
それに太一郎が手にしている鳳凰丸の性能自体も、伝説の武器にも決して引けを取っていないのだ。
もし…もし9か月前にこの異世界に転生させられ、半年前に先代の魔王カーミラと戦っていたのが、明日香ではなく太一郎だったのなら…今頃どうなっていただろうか。
流石に無傷でとはいかないだろうが、太一郎は先代の魔王カーミラを相手に見事に勝利し…そして明日香のような非業の最期を遂げる事無く、無事に王都に帰還していただろう。
シルフィーゼは先代の魔王カーミラと戦った経験がある者として、それを即座に分析してみせたのだった。
「『閃光の救世主』か…確かにその異名に恥じない、閃光の如き太刀筋だったわ。」
とってもニヤニヤしながら、太一郎をじっ…と見つめるシルフィーゼ。
救世主などと呼ばれているからには、どれ程の物かと思ったが…噂に違わぬ凄腕の剣士で、しかも中々のイケメンではないか。
「私、貴方の事がとても気に入ったわ。確かシリウスが太一郎って呼んでたわよね?」
次の瞬間シルフィーゼは、いきなり太一郎をぎゅーーーーーーーっと両腕で抱き締めたのだった。
予想外のシルフィーゼの行動に、太一郎は戸惑いを隠せない。
「ねえ太一郎…騎士団を辞めて私と一緒にここで暮らさない?見ての通り何も無い所だけれど…不自由はさせないわよ(笑)?」
「ちょ(泣)!?」
太一郎の胸に自らの豊満な胸を押し付けながら、戸惑う太一郎の表情を面白おかしく見つめているシルフィーゼだったのだが。
「セラフィム・インストール(激怒)!!」
「ちょ、姫様(泣)!?」
「か~ら~の~!!彗星剣(激怒)!!」
物凄い笑顔で氷の壁を粉々に破壊したサーシャに、隣にいたケイトが思わずビクッとなってしまったのだった。
「えええええええええええええええええええええええ(泣)!?」
「わお(笑)。」
なんかもう泣きそうな表情になってしまっている太一郎を抱き寄せながら、自分が作り出した氷の壁を隼丸であっさりと破壊してしまったサーシャに、思わず感嘆の声を上げるシルフィーゼ。
オリハルコンが加えられる事によって、この隼丸は太一郎は使っていた頃よりも、威力も耐久力もケタ違いに改善されているのだ。
「お久しぶりですシルフィーゼさん。今貴女が愛しそうに抱き締めている渡辺太一郎さんは、私の夫です(笑)。」
「あの(泣)。」
「旦那です(笑)。」
「その(泣)。」
「亭主です(笑)。」
「えっと(泣)。」
「家内です(笑)。」
太一郎が何か言う暇も無く、太一郎が自分の夫であるという事を、シルフィーゼに何度でも何度でも何度でも な ん ど で も 説明するサーシャ。
「大事な事なので4回言いました。アンダスタン(笑)?」
そして隼丸を鞘に収めたサーシャが、物凄い笑顔をシルフィーゼに見せながら、なんかもう物凄い漆黒のオーラを放っていたのだった…。
シルフィーゼに宮廷魔術師として復帰して欲しいと懇願するサーシャですが、そんなサーシャにシルフィーゼは、半年前の明日香の死の真相を語ります。
魔王カーミラと相討ちになり、戦死した…そう思っていた、そう報告を受けていたサーシャだったのですが…。
12月3日(金)にFF14のパッチ6.0のアーリーアクセスが開始される事に伴い、しばらくの間FF14のプレイに集中したいので、申し訳ありませんがしばらくの間、執筆作業を一時中断させて頂きます。
期間は「パッチ6.0のメインクエスト終了まで」。
何とか年内には執筆作業を開始出来ればと思っていますが、こればかりは仕事の都合もあるので確約は出来ません。本当に御免なさい(泣)。
いつも僕の作品を楽しみにして下さっている皆さんには本当に申し訳なく思っておりますが、どうかご理解頂きたく存じます。