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【完結】復讐の転生者  作者: ルーファス
第7章:帰還
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第55話:結婚初夜

アッー!!

 …とは言ったものの。


 「きょ、今日からここでサーシャと一緒に暮らす事になるのか…(汗)。」

 「そうですよ太一郎さん。今更何言ってるんですか(笑)。」


 かつてサーシャと2人きりで、お茶会を開いたサーシャの個室。

 あの頃に訪れた時と変わっていない、可愛らしい雑貨やぬいぐるみが沢山置かれた、いかにも年頃の女の子らしい部屋。

 そこに太一郎が使っていた個室に置かれていた、いくつかの太一郎の私物がダンボールに詰め込まれて、部屋の片隅に置かれている。

 今日はもう夜遅くなのでゆっくりと休んで、これらの荷物は明日にでも整理しようかと、そんな事を太一郎は考えていたのだが。


 サーシャと正式に結婚したという事で、太一郎は今日からここでサーシャと一緒に寝泊まりする事になった。

 だが年頃の女の子と同じ部屋で暮らすという事で、流石に太一郎も緊張しながら顔を赤らめてしまう。

 そんな太一郎のウブな姿に、思わずサーシャはクスクスと苦笑いしてしまったのだった。

 普段はあんなにも冷静沈着で聡明な人なのに…その普段の太一郎の頼もしい姿とのギャップが、何だか見ていてとても微笑ましい。

 

 「すぐに紅茶を淹れますから、適当に座って楽にしてて下さいね。」

 「うん。頼むよ。」


 サーシャに促されて、以前お茶会の時に座った椅子に腰を下ろし、ふーっと一息入れる太一郎。

 今日は本当に色々あって、物凄く疲れてしまった。


 サーシャの精霊魔法でエキドナの暗黒魔法を浄化して貰い、再び回復魔法が効くようになったので、クレアの精霊魔法で全身筋肉痛を癒して貰った。

 そして太一郎の体調が万全に戻ったという事で、太一郎は戦線に復帰。

 隼丸を失ったので取り敢えずロングソードを借りて、各地で暴れ回る魔物や盗賊たちを討伐する為、あっちに行ったりこっちに行ったりと引っ張りだこにされてしまった。


 そうして魔物や盗賊たちの討伐が一段落済んだ後、かねてより各国の記者たちから開催を強く要請されていた記者会見に同席し、記者たちに質問攻めにされてしまった。

 その記者会見が無事に終わった後、サーシャに庭園に連れられて、先代の転生者である戸田龍二に関する真実を聞かされた。

 そして太一郎はサーシャに誓ったのだ。もう二度とサーシャを離さないと。ずっとサーシャの傍にいると。


 「紅茶が出来ましたよ~。」

 「ありがとう、サーシャ。」


 サーシャが淹れてくれた紅茶を一口飲み、太一郎はホッ…と安らぎに満ちた溜め息をついた。

 渋みが全く感じられない優しい風味、そして仄かに香るマスカットフレーバーが、疲れ切った太一郎の心と身体を癒してくれる。

 サーシャは料理だけでなく、紅茶を淹れる腕前も見事な物だ。

 紅茶というのは、ただ淹れればいいという物では無いのだ。


 太一郎も毎日食後に飲んでいるが、店に出しても通用するんじゃないかと、サーシャの紅茶を飲む度に本気で考えてしまう。

 向こうの世界で太一郎がたまに飲んでいた、ペッドボトル入りの紅茶とは全く比べ物にならない。

 美味だ。


 「お風呂が沸きましたよ。先に入って下さいね。」

 「あ、うん。」

 「今日はお疲れだったでしょう?ゆっくり温まって下さいね。」

 

 紅茶を飲みながら2人で他愛の無い雑談をしていたのだが、そうこうしている間に湯船が満タンになった事を示すチャイムが鳴り響いたのだった。

 仕組みとしては非常に単純で、湯船に設置されたクリスタルに湯が触れた時点で、自動的に給湯が止まるようになっているのだ。

 サーシャに促されて浴室に入り、シャワーを浴びて湯船に浸かり、今日一日の疲れを存分に癒す太一郎。

 桜の香りの入浴剤の効能によって、太一郎の身体がポカポカと温められていく。


 …この湯船にサーシャが毎日浸かっている事、そしてサーシャの裸体を想像してしまった途端、思わず太一郎は顔を赤らめてしまい、ちんちんが『潜在能力解放【トランザム】』を発動してしまったのだった。

 いかんいかん。平常心平常心。

 

 「お風呂上がったよ~。」

 「あ、はーい。」


 それでも大人の男性としての余裕の態度をサーシャに見せつけつつ、サーシャが用意してくれたパジャマに着替えた太一郎が浴室から出てくる。

 太一郎がのんびりと風呂に入っている間に、サーシャがホットミルクを用意してくれていたようだ。

 太一郎と入れ替わりで、浴室へと入っていくサーシャ。

 ホットミルクを一口飲むと、微量のシナモンの香りが太一郎の心を癒してくれる。

 美味だ。


 「ふうっ、さっぱりしました。」


 そうこうしている内に浴室から出て来たサーシャが、無防備なパジャマ姿を全く何の躊躇ちゅうちょもせずに、目の前にいる太一郎に晒したのだった。

 鼻歌を交えながらドライヤーで髪を乾かしている、サーシャの身体から溢れるシャンプーとボディーソープの香り。そしてパジャマという薄着故に強調されるサーシャの豊満な胸。

 それを見た太一郎のちんちんが、思わず『潜在能力解放【トランザム】』を…。

 いかんいかん。平常心平常心。


 そもそも医師から『潜在能力解放【トランザム】』の発動は1日1回まで、連続発動時間は30秒までにしとけと言われているじゃあないか。

 

 その後もサーシャと他愛無い雑談をしながら、のんびりとカードゲームや、向こうの世界での将棋やチェスによく似たボードゲームなどを遊んだり、のんびりと本を読みながらくつろいだりと、サーシャとの穏やかな時間を楽しんでいた太一郎だったのだが。

 ふと時計を見ると、いつの間にか夜11時を既に回っていたのだった。

 こうして楽しい時を過ごしていると、本当に時間が経つのがあっという間だ。

 明日の朝も早い。睡眠をしっかりと取って、明日からの近衛騎士としての任務に備えないといけない。


 「さ、さてと、もうこんな時間だし、そろそろ寝ようか。」

 「はい、そうですね。」


 枕が2つ置かれた大きなベッドを見て、思わず顔を赤らめてしまう太一郎。

 サーシャとは夫婦になったのだから、今日から同じベッドで一緒に寝る事になるのは、当たり前の話ではあるのだが。

 それでも実際に年頃の女の子と一緒に寝るとなると、太一郎は思わずドキドキして生唾を飲み込んでしまう。

 幾ら英雄だの救世主だの言われている太一郎と言えども、所詮は年頃の男性だ。そりゃあ人並みの性欲くらいは、しっかりと持ち合わせているのだから。


 (と、取り敢えずサーシャとは一緒に寝るだけだから。うん。一緒に寝るだけ…。)


 それでも大人の男性としての余裕をサーシャに見せつける為に、鋼の自制心を持とうと心掛ける太一郎だったのだが。


 「じゃ、セックスしましょう(笑)。」


 そんな太一郎の努力を嘲笑うかのように、サーシャはいきなりパジャマを脱ぎ捨てたのだった。


 「ちょちょちょ、ちょちょちょちょちょちょちょ、ちょちょちょちょちょちょちょちょちょちょちょ(汗)!!」


 全く何の躊躇もせずに突然下着姿になったサーシャの美しい肢体に、思わず顔を赤らめて取り乱してしまう太一郎。

 

 「どうしたんですか?太一郎さん。」

 「ちょっと展開早過ぎなんじゃないかな(汗)!?」

 

 たわわに実ったサーシャの豊満な胸、そしてサーシャの身体から溢れるいい匂い。

 いくら英雄だの救世主だの言われていると言っても、太一郎とて年頃の男性だ。

 目の前でこんな物を見せつけられたのでは、そりゃあ理性が吹っ飛んで当たり前だ。

 というか、いきなり何の躊躇もせずに「セックスしよう」と言い出すとか、気が狂ってるとしか思えないのだが。


 幾ら互いに想い合っているカップルといえども、普通は


 『やだ…私、恥ずかしい…。』

 『大丈夫だよ…優しくしてあげるから…。』


 などという状況になるもんじゃないのか。

 まして太一郎とサーシャは、これが結婚初夜なのだから猶更だ。


 だがそんな太一郎の態度を見たサーシャが、「この人は一体何を言っているんだろう」と言いたげな、太一郎の言動が意味不明だと言わんばかりの、きょとんとした表情になってしまったのだった。

 

 「展開が早過ぎるって…普通は両想いになったら即座にセックスしますよね?」

 「本当にそうなの(汗)!?」

 「そりゃそうですよ。太一郎さん、いきなり何言ってるんですか。」


 この異世界に住む人々が、ちょっとだけ恐ろしくなってしまった太一郎なのであった…。

 そうこうしている内に、太一郎の目の前で全く何の躊躇もせずに、サーシャが下着も全て外して一糸纏わぬ姿となる。

 最早太一郎のちんちんの『潜在能力解放【トランザム】』が、制御不能な状態に陥ってしまっていた…。


 「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお(汗)!!」  

 「さ、そういう事ですから、太一郎さんもさっさと全裸になって下さい(笑)。」


 さらに畳みかけるように、太一郎のパジャマのボタンを手際良く外していくサーシャ。

 あっという間に太一郎はパジャマとシャツを脱がされ、トランクスだけの姿になってしまったのだった。

 

 「いやサーシャちょっとうわまてなにをするやめ」

 「おりゃあ(笑)!!」


 それでも煮え切らない態度の太一郎に業を煮やしたサーシャが、太一郎を無理矢理ベッドの上に押し倒し、太一郎の身体の上にしなだれかかる。

 そして何か言おうとした太一郎の口を、キスで無理矢理塞いで黙らせたのだった。

 太一郎とのキスを堪能しながら、巧みに太一郎のトランクスも脱がしたサーシャが、太一郎の物と混ざり合った唾液をツーッ…と舌から垂らしながら、太一郎から唇を離す。

 そしてサーシャとのキスで完全に気持ち良くなってしまった太一郎を、とてもにこやかな笑顔で見つめたのだった。

 

 「大丈夫ですよ太一郎さん。何も怖がらなくていいんですよ。」


 太一郎の右手を左手で優しく掴んだサーシャが、自らの豊満な左胸を太一郎に揉ませる。

 愛する人の感触をその身に刻み込んだサーシャは、とても嬉しそうに小さくあえいだ。


 「太一郎さんが天井のシミの数を数えている間に、終わりますから(笑)。」

 「サ、サーシャ…んっ…(泣)。」


 『潜在能力解放【トランザム】』を発動している太一郎のちんちんに、とても愛しそうに唇を重ねるサーシャ。

 そして。

 

 「ちょ、ちょっと待って、心の準備が」

 「いいから素直にされちゃって下さ~い(笑)!!」

 「アッー(泣)!!」


 この後、サーシャと滅茶苦茶セックスした。

次回、牢屋に入れられたシリウスの前に姿を現した、太一郎、サーシャ、ケイト、クレア…そしてレイナ。

転生者の中で唯一生き残った太一郎の姿に、シリウスは何を思うのか。

そんなシリウスにクレアが告げた事…それは…。

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