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【完結】復讐の転生者  作者: ルーファス
第2章:転生者たちの戦い
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第10話:王都襲撃

太一郎たち転生者が不在の隙を狙い、シリウスの捕縛の為に王都へと潜入する、エリクシル王国の特殊工作部隊の女性たち。

必死に奮戦するシリウス。太一郎と真由の救援は果たして間に合うのか…?

 太一郎と真由が大急ぎで王都へと帰還する最中、エリクシル王国国王アルベリッヒが送り込んだ特殊工作部隊によって、王都の至る所で火の手が上がっていた。

 逃げ惑う市民を避難させながら、兵士たちが消火活動に勤しんでいる。

 これも太一郎たち転生者を引き離したのと同じように、王都内を混乱させて兵士たちの戦力を分断し、そのどさくさに紛れてシリウスを捕縛する事を目的に行った工作だ。

 王都内に住む人々には、何の罪も無いのに…アルベリッヒの傲慢さによって沢山の市民が家を焼かれ、迫り来る死の恐怖に怯える事態になってしまっていた。


 エリクシル王国の特殊工作部隊…全員が美しい女性たちで構成されており、敵国に潜入しての情報収集や潜入工作、破壊活動、場合によっては房中術を駆使してのハニートラップや尋問も何の躊躇いもせずに行う、特殊工作任務のスペシャリストたちだ。

 彼女たちの洗練された房中術は男性だけでなく、同性の女性さえも容易く魅了してしまうとされている。

 それだけではなく全員が単独で魔物たちと戦えるだけの高い戦闘能力も有している。まさにエリクシル王国が誇る最強の女性集団なのだ。 


 「とにかく市民たちの避難と安全確保を最優先に。太一郎たちが戻るまで、私たちで何とか耐え凌ぐわよ。いいわね?」

 「「「「「はっ!!」」」」」


 そんな中でも城内でクレアが全く取り乱す事無く、迅速かつ的確な指揮を兵士たちに下していた。

 国の最高責任者の女王であるクレアがこんな所で取り乱してしまっては、兵士たちや国民たちの士気がダダ下がりになってしまう。

 だからこそクレアは皆が見ている前では、常に冷静沈着であり続けなければならないのだ。


 (太一郎。貴方なら例えこんな状況だろうと、決して取り乱さずに冷静沈着に、的確な判断を下せるのでしょうね。私もこの国の女王として、貴方の聡明さを見習わなければならないわ。)

 「報告致します!!賊の1人を取り押さえました!!」

 「ご苦労様。よくやってくれたわね、ロファール。」

 「はっ!!女王陛下の読み通り、やはりエリクシル王国の特殊工作部隊でした!!」


 ロファールによって縄で縛られた忍装束の女性が、クレアとサーシャの前に突き飛ばされ、無残に床に転げ落ちたのだった。

 苦虫を噛み締めたような表情で、彼女は床に這いつくばりながら、目の前のクレアとサーシャを睨みつけている。


 「無念だ…!!近衛騎士ロファール、私が太刀打ち出来る相手では無かったか…!!」

 「貴女たちの狙いは、やはり転生術…その技術を生み出したシリウスの捕縛なのかしら?」

 「は!!よくぞ見抜いたな!!だが今更もう遅い!!私1人を捕らえた位でアルベリッヒ様の計画を止められると思うな!!」

 「でしょうね。だけど貴女の方こそ、私たちの力を甘く見ないで貰えるかしら?」

 「じきにアルベリッヒ様が自らご出陣なさる!!そうなれば『閃光の救世主』が不在の貴様らなど、あっという間に蹂躙されるだろう!!そして転生術は我が国の物になるのだ!!ははははははは!!」


 高笑いをする女性だったが必死の抵抗も虚しく、クレアの命令で兵士たちに牢屋へと連行されていく。

 太一郎たちを王都から引き離した上で王都に特殊工作部隊を潜入させ、街に火の手を上げて多くの罪も無い市民たちを巻き込んでまで…そこまでして転生術を手に入れたいとでも言うのか。

 何故こんな酷い事をするのかと、サーシャはアルベリッヒの傲慢さに怒りを感じていたのだった。


 「こんな時、太一郎さんがいてくれたら…!!」

 「サーシャ。今は無い物ねだりをしていられる場合ではないわ。彼らが戻って来るまで私たちで何とかしなければ。」

 「…そうですね。この3週間もの間、私たちは太一郎さんに頼りっぱなしでしたから。」

 「ええ、たまには彼に私たちの活躍を見せつけてあげましょう?ね?」


 苦虫を噛み締めたような表情のサーシャを励ます為に、ぎゅっと優しく愛娘を抱き寄せるクレア。

 未だ街には火の手が次々と上がっており、兵士たちが消火活動に追われ、市民たちは恐怖に震えながら逃げ惑う。

 そして近衛騎士たちの陣頭指揮の元、兵士たちが特殊工作部隊の女性たちと必死に交戦していた。


 魔王カーミラが復活した今、人間同士で争っている場合では無いはずなのに。

 いや、魔王カーミラが復活したからこそ、転生術がどうしても必要になったと言うべきかもしれないが。

 いずれにしてもクレアもサーシャも、転生術の技術をエリクシル王国に渡すつもりは微塵も無かった。

 理由は明確だ。もし悪用でもされたら大変な事になりかねないからだ。

 そもそも、こんな過激な事を平気でやらかすような輩に、転生術の技術など到底渡せるはずが無いのだ。


 「シリウス。彼女たちの目的は間違い無く貴方の身柄確保よ。私たちは何としてでも貴方を彼女たちから守り抜かなければならないわ。」

 「はっ!!心得ております!!」

 「レイナとケイトはシリウスの護衛を。」

 「「はっ!!」」

 

 じきにアルベリッヒが自ら出陣すると、忍装束の女性がクレアに語っていたのだ。

 そうなればアルベリッヒとの交戦は避けられないだろう。だが並の使い手ではアルベリッヒには太刀打ち出来ない。少なくとも近衛騎士たちでは役不足だ。

 こんな時に太一郎がいてくれれば、アルベリッヒとの戦いを安心して任せられるのだろうが…今、彼はこの場にいないのだ。

 ならばクレアが頼れる戦力は、今この場に1人しかいない。


 「サーシャ。太一郎たちが間に合わなかった場合は、貴方にアルベリッヒと戦って貰う事になるわ。その備えだけはしっかりとしておいてね。」

 「分かりました。お母様。」

 

 愛娘を戦場の最前線に送り出すのは辛いが、それでも太一郎が不在の今となっては、アルベリッヒに対抗出来る戦力はクレア以外ではサーシャだけなのだ。

 サーシャならまず負ける事は無いとクレアは確信しているが、それでもアルベリッヒは油断がならない男だ。どんな卑劣な手段を使ってくるか分かった物では無い。


 「ク、クレア様!!どうかお助けを!!エリクシル王国の特殊工作部隊が、もう既に城内に!!近衛騎士のマチルダ様が交戦なさって下さっていますが…!!」


 そこへ給仕の若い女性が血相を変えて、クレアの元に報告にやって来た。

 もう既にアルベリッヒの魔の手が、じわじわとシリウスの元へと迫ってきているのだ。

 それを思い知った狙われている本人のシリウスが、とても厳しい表情で歯軋りする。


 「分かったわ。わざわざ報告ありがとう。」

 「は、はい!!」

 「…ところで貴女、最近エリクシル王国の特殊工作部隊に入りたての新人なのかしら?」

 「なっ…!?」

 「殺気を隠すのがまだまだ下手ね。それに演技もわざとらしいし、さっきから右手の意識が懐のナイフに向きっぱなしよ?それでは変装した意味が無いわよ?」


 何でバレたんだ…!?クレアの言葉で女性が、驚愕の表情を見せる。

 余裕の態度で呆れたように溜め息をつくクレア。呆気に取られた表情のシリウス。

 そして有無を言わせぬまま、サーシャがとても厳しい表情で、ソードレイピアの先端を女性の首筋に突き付けたのだった。


 「くっ、お、おのれ、死ね…っ!?」

 「光の矢よ!!敵を撃て!!」

 「ぐあああああああああああああっ!!」

 

 慌ててサーシャに襲い掛かる女性だったが、サーシャの精霊魔法によってソードレイピアから放たれた無数の光弾が、女性に直撃。

 女性は吹っ飛ばされて壁に叩きつけられてしまった。

 気を失ってしまった女性を駆けつけた兵士が縄で拘束し、牢屋へと連行していく。


 「ここも既に危ないわね。シリウスはレイナ、ケイトと共に地下室へ避難を。」

 「「「はっ!!」」」


 そう、太一郎たち転生者が召喚された、あの部屋だ。

 出入口が1つしか無い閉鎖空間ではあるが、それ故に仮に特殊工作部隊に居場所を特定されたとしても、敵は1人ずつしか部屋に入る事が出来ない。

 つまり例え大勢で押しかけられても、周囲から一斉に敵に襲われる心配は無い。押しかけた敵を順番に1人ずつ始末すればいいのだ。シリウスが避難するには絶好の場所だと言える。


 「私は城内の敵の鎮圧を担当するわ。サーシャは王都の兵士たちの指揮と負傷者の治療をお願い。」

 「分かりました。お母様。」

 「皆、大変でしょうけど、今ここが踏ん張り所よ。太一郎たちが戻るまで私たちで頑張りましょう。」


 クレアとサーシャが護衛の兵たちを伴って去っていく最中、シリウスもレイナ、ケイトを引き連れて、大急ぎで地下室へと向かっていく。

 かねてよりエリクシル王国が転生術の技術提供を強く求めて来てはいたのだが、まさか無関係の国民たちに被害を出す事さえもいとわない、このような愚劣な強硬手段に出てくるとは。

 シリウスはアルベリッヒの傲慢さに、戸惑いを隠せずにいた。

 

 「くそっ、何故こんな事に…!!」

 「シリウス殿、今はご自身の身の安全の確保を最優先にお考えを。私とレイナ殿が全力で貴方をお守りします。」

 「そうだな、済まないケイト。」


 既に城内では特殊工作部隊の女性たちと自軍の兵士たちが、必死に戦いを繰り広げていた。

 その激しい死闘故に、既に両軍共に負傷者が多数、死者も何人か出てしまっているようだ。その光景にシリウスは胸を痛めてしまっていた。

 だが今は、その感傷に浸る余裕はない。

 今シリウスがやるべき事は、自分の身を絶対に守り抜く事なのだ。

 エリクシル王国に転生術の技術を、絶対に渡す訳にはいかないのだから。


 そしてシリウスを発見した特殊工作部隊の女性たちが襲い掛かるものの、レイナとケイトによって呆気なく返り討ちにされてしまう。

 高い戦闘能力を誇る特殊工作部隊の女性たちだが、それでも皇族直属の精鋭部隊である、近衛騎士2人を同時に相手に出来るだけの実力は無いようだ。


 レイナとケイトに守られながら必死に城の地下室に向かおうとするシリウスだったが、シリウスの狙いを悟った特殊工作部隊の女性たちが、そうはさせまいと一斉にシリウスの退路を塞いできた。

 そしてレイナとケイトの強さを悟り、正面からぶつかり合っても勝てないと判断したのか、先程人質に取った給仕の少女を羽交い絞めにする。


 「くっ、人質を取るとは卑劣な!!」

 「宮廷魔術師シリウス!!大人しく投降し、我々と共にエリクシル王国へと同行せよ!!そうすればこの娘の身の安全は保証してやる!!」

 「シリウス様、どうか私などに構わず逃げ…ああああああああっ!!」


 特殊工作部隊の女性が妖艶な笑みを浮かべながら、仲間に拘束させている給仕の少女の顔に、火を付けたマッチを押し付けたのだった。

 とても苦しそうな表情でもがく給仕の少女だったが、巧みに身体を拘束されて身動きが出来ない。

 給仕の少女の可愛らしい顔に、くっきりと火傷の跡が残ってしまう。


 「何という残酷な真似を!!国と立場は違えど、貴様たちの使命は力無き人々を守る事では無いのかぁっ!?」

 「お前たちは甘いのだよ、近衛騎士レイナよ。戦いに必要なのは薄っぺらな騎士道精神などではない。目的を果たす為には如何なる手段も選ばぬ事だ。」

 「くっ…薄汚い売春婦共が!!」

 「まともに戦ってはお前たち3人には勝てない事は理解したからな。だから強硬策を取らせて貰った。この娘に恨みは無いが、精々利用させて貰うさ。」


 何という卑劣な連中なのか…いや、これが彼女たちが最強の特殊工作部隊と呼ばれている所以ゆえんなのだ。

 その高い戦闘能力だけではない。目的の為ならどんな手段を取る事さえもいとわず、洗練された房中術を駆使する為に自身の裸体を無差別に晒し、身体を汚す事さえも全く躊躇ためらわない。

 だからこそ彼女たちはエリクシル王国の精鋭部隊として、高い戦果を挙げる事が出来ているのだ。


 「レ、レイナ様!!私などに構わず、どうかその双剣でこの者たちを…っ!!あああああああああああああああっ!!」

 「お前、まだ自分の立場が分かっていないようだなぁ。人質は人質らしく大人しくしていろ。」

 「止めろ!!ミーナに手を出すなぁっ!!彼女には婚約者がいるんだぞぉっ!!」

 「何と他愛も無い。『閃光の救世主』がいなければ、所詮はお前たちもこの程度か。」


 『閃光の救世主』…もしここに太一郎がいてくれれば、こんな状況でさえも一瞬で打破してしまえるのだろうか。

 『異能【スキル】』という強大な力を与えてしまったばかりに、謀反される事を恐れ、シリウスは彼らに理不尽な『呪い』を掛けてしまった。

 それ故に太一郎たちは、自分の事を激しく憎んでいるに違いない。それはシリウスも充分に理解していた。


 その憎まれている相手に、こうして必死に助けを求めている…こんな皮肉な現状に、思わずシリウスは苦笑いするしか無かった。

 そのシリウスの予想外の笑みに、特殊工作部隊の女性が何とも不機嫌そうな表情を見せる。


 「お前、さっきから何を笑っているんだ?今の状況を理解しているのか?」

 「ああ、そうだな、これが笑わずにいられるか。私は彼に理不尽な仕打ちをしてしまったのだ。そんな彼にこうして心からの助けを求めてしまう事になるとはな。」

 「…お前はさっきから何を訳の分からない事を言っているのだ?」


 『呪い』の事を何も知らないケイトや特殊工作部隊の女性たちには、シリウスが言っている事の意味が全然理解出来なかったのだが。

 

 「頼む、渡辺太一郎、渡辺真由…!!私の事はいくら憎んでくれても構わない!!だからどうか!!どうか彼女を救ってくれえっ!!」


 シリウスが心からの叫びを上げた、次の瞬間。


 「ああ、任せろ!!」

 「な、何ぃ!?ぐあああああああああああああああああっ!!」

 

 特殊工作部隊の女性たちに向けて突如放たれた、無数の『閃光』。

 夢幻一刀流奥義・維綱いずな…太一郎の『気』がブレンドされた衝撃波が、情け容赦なく特殊工作部隊の女性たちに襲い掛かる。

 次々と吹っ飛ばされ、壁に叩きつけられる特殊工作部隊の女性たち。

 薄れゆく意識の中で特殊工作部隊の女性たちが目にしたのは、威風堂々と自分たちを見据える太一郎と真由の姿だった。

 間一髪の所で王都に帰還した太一郎と真由が、サーシャからの指示でシリウスの救援に駆けつけたのだ。


 「あ、あの役立たずの甘ちゃんの兵士共が…!!だから手段を選ぶなと…どれだけ村人に犠牲を出してでも、必ずこいつらを止めろと…私があれ程…っ!!」

 「ミーナ!!しっかりしろ!!ミーナぁっ!!」

 

 気絶した特殊工作部隊の女性たちから、ようやく解放された給仕の少女がレイナに抱きかかえられるが、顔にマッチの炎を直接浴びせられた事で、酷い火傷を負ってしまっていた。

 レイナの身体にしがみつき涙を流しながら、頬の火傷による激痛に耐える給仕の少女だったのだが。


 「真由、頼む。」

 「任せて。『治療【ヒーリング】』!!」


 それさえも真由の『異能【スキル】』によって、あっという間に治ってしまったのだった。

 傷1つ残らず完治してしまった給仕の少女の顔を見て、レイナが思わず涙を流してしまう。

 太一郎と真由が駆けつけてくれなければ、今頃どうなっていたか…レイナは心の底から2人に感謝したのだった。

 そんな2人の姿を見て、思わず安堵の表情を浮かべるシリウス。

 よくぞ…よくぞ間に合ってくれた。よくぞ彼女を助け出してくれた。


 「渡辺太一郎…渡辺真由…私は…!!」

 「積もる話は後だ。」


 言いかけたシリウスだったが、太一郎に止められる。

 そう、反省会は後にするべきだ。今はまだ感慨に浸っていられる場合では無いのだ。


 「城内にはまだ敵が残っている。彼女たちの目的は君なのだろう?僕と真由で片付けるから、君は早く安全な場所に避難しろ。」

 「済まない…!!ありがとう!!」


 レイナやケイトと共に地下室へと向かいながら、シリウスは心からの感謝の言葉を太一郎と真由に告げたのだった。

 復讐すべき相手を命懸けで助け、感謝されるという皮肉な状況。

 もし彼に何かあったら『呪い』が永遠に解けなくなる可能性があるという、複雑な事情があるのも事実なのだが。

 今はとにかくクレアたちを援護し、目の前の敵を全て片付ける事が先決だ。

 

 「さあ、まずは城内の敵を全て片付けるぞ。その後に王女殿下の援護だ。」

 「うん、任せて。お兄ちゃん。」


 その激しい死闘の最中、王都から少し離れた場所に陣地を敷き、腕組みをしながら椅子に腰かけるアルベリッヒの元に、傷ついた特殊工作部隊の女性が駆けつけ、戦況を報告したのだった。


 「ほ、報告致します!!王都に『閃光の救世主』が帰還!!未だシリウスの捕縛はならず、我が軍の特殊工作部隊は甚大な被害を…!!」

 「ええい、どこまでも情けない連中だ!!もうよいわ!!俺様が直接出向いて奴らを始末し、シリウスの首根っこを掴んで我が国に連行してくれる!!」

 「は!!面目次第も御座いません!!」

 

 とても申し訳なさそうな表情で、アルベリッヒに頭を下げる特殊工作部隊の女性。

 そんな彼女を全くねぎらおうともせず、アルベリッヒは威風堂々と椅子から立ち上がったのだった。

 その何気無い動作、威風堂々とした振る舞いだけでも、周囲の者たちは凄まじいまでの『圧力』を感じさせられてしまう。


 (終わりだな…!!幾ら『閃光の救世主』といえども、アルベリッヒ様には到底太刀打ち出来まい…!!)


 その『圧力』の前に特殊工作部隊の女性は、その場を一歩も動く事が出来ず、ただただ平伏する事しか出来ずにいたのだった…。  


 「槍を持てい!!」

 「ははっ!!」

 「『閃光の救世主』だか何だか知らんが、この俺様の暗黒流猛牛槍あんこくりゅうもうぎゅうそうの錆にしてくれるわぁっ!!ふははははははは!!」

次回はサーシャVSアルベリッヒの死闘。

サーシャがマジ切れしますw

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