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【完結】復讐の転生者  作者: ルーファス
最終章:光溢れる未来へ
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第104話:死闘の果てに

ラインハルトVSベルド。

太一郎VS神也。


両者の死闘が遂に決着です。

 美海の『希望の夜想曲【ワルキューレ】』の『異能【スキル】』によるバフの威力は、まさに圧倒的だった。

 これまでベルドに追い詰められていたラインハルトが、美海の加護を受けた事で逆にベルドを圧倒していく。

 ベルドが繰り出す無数の凄まじい斬撃を、これまでとは一転して涼しい表情で避けまくるラインハルト。

 そのラインハルトの余裕の態度に、流石のベルドも焦りの表情を隠せずにいたのだった。

 先程までラインハルトを追い詰めていたのに、どうしてこんな事になってしまったのか。


 「貴様のせいで…!!貴様のせいで!!俺の計画が台無しだぁっ!!」

 「観念するのだなベルド殿。私が歌姫の加護を得られた以上、最早貴方に勝ち目は無い。」

 

 ラインハルトの身体に力がみなぎってくる。聖杖セイファートの性能をフルに引き出したせいで、ベルドとの戦いで膨大な魔力を失ってしまったのだが、それさえも物凄い勢いで回復していく。

 しかも『潜在能力解放【トランザム】』の『異能【スキル】』と違い、ラインハルトの身体に一切負荷がかかっていないのだ。

 むしろ美海の優しさを体現するかのような、とても温かくて安心する力だ。

 

 「ふざけるなぁっ!!全部!!まとめて!!ぶっ殺してやる!!」

 「むん!!」

 「ぶえあああああああああああああああああっ!?」


 ラインハルトに思い切りカウンターで顔面をぶん殴られたベルドが、派手に吹っ飛ばされて地面に叩きつけられてしまう。

 岩をも砕くルミアの蹴りを容易く片手で受け止めたように、ラインハルトが格闘戦もある程度はこなせるとはいえ、それを差し引いたとしても、たかが魔術師に拳で殴られただけで、この威力。

 まさに美海という存在自体が、戦場のパワーバランスを引っくり返す程の影響力を秘めてしまっているという事を、明確に証明してしまっていると言えるだろう。

 美海を制する者は、この世界を制する…以前ベルドが言っていた事は、決して間違いでは無かったのだ。


 「み、美海の『希望の夜想曲【ワルキューレ】』の威力が、よもやこれ程の物だったとは…っ!!」

 「最期に何か言い残しておきたい事があるのなら、聞いておいてやるが?」

 「まだだ!!俺はまだ負けてなどおらぬわ!!我が最大奥義を食らうがいい!!」


 それでも何とか立ち上がったベルドが、凄まじいオーラを全身から爆発させる。

 並の使い手ならば、その凄まじいオーラだけで腰を抜かしてしまう程の威力…だがそれでもラインハルトは平然とした態度を崩さない。


 「刮目せい!!暗黒流鳳凰剣究極奥義!!鳳凰瞬王殺!!ほうおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおう!!」


 ベルドが繰り出したのは太一郎の朱雀天翔破顔負けの、凄まじい威力の連撃の嵐。

 それをラインハルトは太刀筋を即座に見切って避けるものの、全ては避け切れずに左腕に斬撃を食らってしまう。


 「む…!?」 


 ラインハルトの左腕からほとばしる鮮血。妖艶な笑顔でベルドはラインハルトを睨みつけている。


 「まだこれ程の奥の手を隠し持っていたとはな。」

 「帝王に敗北も後退も命乞いも有り得ぬ!!有るのはただ制圧前進あるのみ!!」


 ビキビキと、ベルドの全身が悲鳴を上げる。

 究極奥義というだけあって太一郎の朱雀天翔破同様、ベルドの身体に相当な負荷がかかる技なのだろう。

 だが逆に言えば、それだけの無理をしなければ倒せない相手だという事を、ベルドがラインハルトの事を…そして美海の事を認めざるを得なかったという事なのだ。


 「この身を穿うがて!!この身を削れ!!されど貴様にあるのは死あるのみ!!」


 自身の身体への負担をかえりみず、再び究極奥義を放とうとするベルド。

 だがラインハルトが美海の『希望の夜想曲【ワルキューレ】』の加護を受けている以上、最早ベルドに勝ち目は無かった。

 何故なら本来ならすぐに止血措置をしなければならない程の深手であるはずの、ベルドに斬られたラインハルトの左腕の傷が、もう既に何もしなくても出血が止まってしまっているのだから。

 美海の『希望の夜想曲【ワルキューレ】』の『異能【スキル】』は、対象の自然治癒能力を爆発的に高める効果さえも秘めているのだ。


 「相打ち覚悟か!!だが私のこの命、簡単にくれてやるわけにはいかないな!!」

 「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!ラインハルトぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」


 ラインハルトに再び突撃し、凄まじい連撃の嵐を浴びせるベルドだったが、6つのファンネルがラインハルトの前方に展開され、障壁を展開してラインハルトの身を守る。

 

 「な、何ぃっ!?」

 「せめて奥義で葬ろう!!ベルド殿!!」


 次の瞬間、爆発的に高められるラインハルトの魔力。

 聖杖セイファートから、そして6つのファンネルから、凄まじい威力の稲妻が放たれる。

 全身全霊の究極奥義である鳳凰瞬王殺を防がれ、膨大な隙をさらけ出してしまったベルドに、それを防ぐ手立ては最早残されてはいなかった。


 「究極雷魔法!!ダインスレイブ!!」


 ラインハルトの聖杖セイファートから、そして6つのファンネルから放たれたのは、同じく全身全霊の究極雷魔法。

 6つのファンネルがベルドの周囲を物凄い勢いで回転し、それによって生じた凄まじい威力の電撃の奔流が巨大な竜巻と化し、情け容赦なくベルドを飲み込んだのだった。


 「ぎぃあああああああああああああああああああああああああああ!!」


 雷撃の竜巻に飲み込まれたベルドは、上空に吹っ飛ばされた挙げ句に受け身も取れずに地面に派手に叩きつけられ、全身黒焦げになってビクンビクンと身体を震わせる。

 薄れゆく意識の中でベルドが見たのは、6つのファンネルを聖杖セイファートに収納し、威風堂々と自分を見据えるラインハルトの姿。

 

 「ば…馬鹿な…!?こ、この俺が…!!貴様のような若造如きに…っ!!」


 美海の力で、これまで何もかも上手くいっていたというのに。

 それなのにラインハルトの戦術のせいで美海をサザーランド王国騎士団に奪われた結果、美海の裏切りによって御覧の有様だ。


 ラインハルトの言うように、美海を虐待するのではなく客人として丁重に扱い、絶望の歌では無く希望の歌を歌わせれば、こんな事にはならなかったのだろうか。 

 自分の歌を戦争に利用する事を頑なに拒む美海に対し、力尽くで従わせるのではなく対話を重ねて説得していれば、こんな事にはならなかったのだろうか。

 ぐるぐる、ぐるぐると、薄れゆく意識の中で、ベルドの脳裏に様々な思惑が交錯する。

 もっと違う選択肢を選んでいれば、もしかしたら違う未来もあったのかもしれないと。


 「ラインハルト…貴様さえ…いなけれ…ば…っ!!」


 だがそれでも、美海のせいでベルドがラインハルトに敗北したという事実だけは、最早どう足掻いても覆しようが無いのだが。

 自身の計画を台無しにしてくれたラインハルトに対し、最期の瞬間まで恨み節を述べながら、ベルドは怒りの形相で絶命してしまったのだった。


 そして太一郎と神也の死闘も、決着の時が迫りつつあった。

 神也の凄まじい威力の無数の斬撃を、涼しい表情で鳳凰丸で受け流す太一郎。

 先程まで神也が太一郎を追い詰めていたというのに、美海が『希望の夜想曲【ワルキューレ】』の『異能【スキル】』を発動させた途端、一転して立場が逆転してしまっていた。

 その屈辱的な事実に、怒りと苛立ちの表情を見せる神也。


 「くそがぁっ!!だったらこれならどうだぁっ!?断空維綱ぁっ!!」


 一旦太一郎から間合いを離した神也が、神刀アマツカゼから断空維綱を放つものの。


 「はあああああああああああああっ!!」


 それを太一郎が片手で鳳凰丸の先端を断空維綱に突き刺した途端、瞬く間に断空維綱が分解されて消滅してしまったのだった。

 予想外の出来事に、神也は驚きを隠せない。


 「ば、馬鹿…な…っ!?」

 「確かに恐ろしい威力の技だが、要は維綱を沢山くっつけただけの代物なんだろう?あれだけ何度も見せられれば、対策くらい嫌でも思いつくさ。」 

 「て、てめええええええええええっ!!」


 神也の断空維綱をあっさりと破った太一郎が、今度は一転して攻勢に出る。

 神也に対して立て続けに浴びせられる『閃光』。あまりの威力と速度に防戦一方の神也。

 美海の『希望の夜想曲【ワルキューレ】』の『異能【スキル】』による加護を受けた事により、太一郎の太刀筋は先程よりも切れ味に鋭さが増していたのだった。


 瑠璃亜を傷つけた事に対する、お礼参りとは言わない。

 確かに瑠璃亜を傷つけてくれた神也に対して思う所はあるが、太一郎はそんな個人的な怒りの感情で鳳凰丸を振るっているのでは無いのだ。

 太一郎の夢幻一刀流は、決して鈴音のような殺人剣などではない。

 人を活かし、守る為の剣…活人剣なのだから。


 「てめぇのこんな夢幻一刀流のパチモンなんぞに、この俺がぁっ!!舐めんじゃねえぞコラぁっ!!」


 それでも何とか太一郎を吹っ飛ばして間合いを離した神也が、必殺の一撃を繰り出そうとしたのだが。


 「俺はどんな剣術でも真似出来る天才だって言ったよなぁ!?こいつを見て目ん玉飛び出して驚きやがれぇっ!!」


 次の瞬間、神也が繰り出したのは、『模倣【ラーニング】』の『異能【スキル】』でコピーした、凄まじい威力の斬撃の『暴風雨』。

 …だが。


 「てめぇの技でてめぇが死ねぇっ!!朱雀天翔破ぁっ!!」

 「はいよ。」

 「な、何だとぉっ!?」


 それを太一郎は鳳凰丸で、片手で容易く受け止めてしまったのだった。

 まさかの出来事に、神也は驚きを隠せない。


 「全く、パチモンなのはどっちなんだか…。一馬にも言ったが自分の技なんだから、太刀筋くらい百も承知なんだが?」

 「ク、クソが…!!クソが!!クソが!!クソが!!クソが!!クソがあああああああああああああああっ!!」


 一旦太一郎から間合いを離した神也が自暴自棄になって、馬鹿みたいに維綱を物凄い勢いで連発するものの、それを太一郎は神也に向かって威風堂々とゆっくりと歩きながら、次から次へと鳳凰丸で斬り捨てていく。

 先程までは神也の維綱を、防ぐだけで精一杯だったというのに。これが美海の『希望の夜想曲【ワルキューレ】』の『異能【スキル】』の威力だというのか。


 いや、鈴音は確かに言っていた。

 美海の加護など無くても、太一郎が神也に負けるとは思えないと。

 どれだけ腕が立とうとも一馬と同じように己の才能に溺れ、他人の技を真似する事で愉悦に浸るような愚物如きが、決して慢心せずに常に自己研鑽と実戦を積み重ね、今やこのフォルトニカ王国の英雄として名を馳せている太一郎を相手に、最初から勝てるはずが無かったのだ。

 

 「あああああああああああああああ!!クソがあああああああああああああ!!」

 「もう終わりかい?じゃあ今度はこちらから行くぞ。」


 神也を間合いに捉えた太一郎が、鳳凰丸を鞘に納める。

 だが太一郎の構えを見た神也が、一転して妖艶な笑顔を見せたのだった。

 今から太一郎が繰り出そうとする技…それは向こうの世界で見覚えがあったからだ。

 そう、あの徳山城での決戦の際に、鈴音に食らわされた夢幻一刀流の搦め手だ。

 鈴音は『娘が編み出した技を見様見真似で繰り出した』などと神也に語っていたが、この技は真美から子々孫々へと、そして沙也加から太一郎へと長い年月をかけて受け継がれ続てきたのだ。


 (こいつのこの構え、思い切り陽炎じゃねえかよ!!バレバレじゃねえかよおおおおおおおおおおお!!あはははははははははひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!)


 間違い無い。太一郎の左手の意識が、無意識の内に鞘に寄ってしまっている。

 並の使い手では気付かない程の些細ささいな癖だが、神也程の達人が相手では誤魔化せない。

 しかも一度陽炎を食らった経験がある神也だからこそ、今から鞘による二段抜刀術を繰り出すという事がバレバレになってしまっているのだ。


 ならば、対処は簡単だ。

 太一郎の鳳凰丸による一撃目を神刀アマツカゼで受け止めた上で、鞘による二撃目…さらにそこから繰り出されるであろう維綱を避けてしまえばいい。

 そうして膨大な隙をさらけ出してしまった太一郎に対し、カウンターで一撃を食らわせれば神也の勝ちだ。

 確かに美海の『希望の夜想曲【ワルキューレ】』の影響で、太一郎の太刀筋に鋭さが増してしまっているが、これが陽炎だと分かってさえいれば対処出来なくはない。


 「行くぞ!!」


 果たして太一郎が神也に繰り出したのは、まさしく神也の予測通りの、夢幻一刀流の二段抜刀術・陽炎。

 そんな中で太一郎は今になって、向こうの世界での沙也加とのやり取りを思い出していたのだった。

 あれは太一郎が高校に進学したばかりの頃に、習得したばかりの陽炎を沙也加に披露した時の事だ。


 『太一郎。今の君の陽炎なんだけどさ、君の左手の意識が無意識の内に鞘に寄ってしまっているよ。』


 まだ2歳になったばかりの娘の顔を、愛しそうに豊満な胸に抱き寄せながら、沙也加が穏やかな笑顔で太一郎に告げたのだが。


 『知ってましたよ。』

 『知ってたのかい!?』


 それを太一郎は、あっけらかんと返してしまったのだった。

 予想外の太一郎の言葉に、唖然とした表情を見せる沙也加。


 『別にいいんですよ。何も僕は沙也加さん1人だけと戦う訳じゃありませんから。それに下手に癖を直そうとして、逆にフォームを崩してしまったら本末転倒ですからね。僕は忠実の佐々木投手みたいになりたくないんですよ。』

 『それはまあ、そうなんだけどさ。』 


 忠実の佐々木…その名前を出された沙也加が、納得の表情で頷いたのだった。

 かつてプロ野球球団『忠実トラフォンズ』に、佐々木廉太郎という若手投手がいた。

 佐々木は二軍ではそこそこの成績を残すものの、一軍の試合では滅多打ちにされてしまい、入団3年目の7月には整理リストに…戦力外の候補に入ってしまっていた。

 だが佐々木が持つ素晴らしい資質を見抜いていたコーチの1人が、佐々木をアメリカのマイナーリーグに野球留学させる事を提案。

 それを快諾した球団幹部が、シーズン中に佐々木をアメリカに派遣したのである。


 そして佐々木はアメリカで一皮むけて成長し、派遣された2Aで6試合に先発登板して2勝2敗、防御率2.80という確かな実績を残して、シーズン終了が間近に迫った10月に日本に帰国。

 アメリカで得た確かな実績と経験、そして習得したスクリューを武器に佐々木は名古屋に帰ってきたのだが、いざブルペンで彼の投球を見た投手コーチの1人が、突然佐々木に対して怒鳴り散らしたのである。


 『お前、アメリカで今まで一体何やっとったんや!?フォームが少しおかしくなっとるやないか!!』


 その投手コーチが言うには佐々木がスクリューを投げる事を意識するあまりフォームが崩れてしまっているとの事で、投手コーチは佐々木にフォームの矯正を厳命した。

 ところが佐々木はそれが原因でフォームを矯正するどころか完全にフォームを見失ってしまい、最終的にはキャッチボールすら出来なくなる程の重度のイップスに陥ってしまい、シーズン終了後に戦力外通告を受けて引退を余儀なくされてしまう。


 この件に関しては地元のスポーツ紙で大々的に特集が組まれ、『教え方が下手糞だ』などと投手コーチが解説者に酷評される事態になってしまった。

 投手が一度身に着けたフォームを安易に矯正するというのは、相当危険を伴う行為…下手をすれば佐々木のように自分を見失う程の大惨事を引き起こす事になりかねないのだ。


 太一郎はこの事を沙也加に告げているのであり、『陽炎を撃つ際に左手に意識が寄っている』という癖を矯正しようとするあまり、佐々木のように自身が身に着けた夢幻一刀流の基本のフォームを見失ってしまい、最悪イップスに陥ってしまうような事は避けたいと言っているのである。

 

 『それに沙也加さんみたいに、僕の癖を見抜くような奴が相手だからこそ、通用する技もあるんですよ。これは僕が考案したオリジナルの技なんですけどね。』

 『へぇ、君なりに色々考えてるんだね。まぁ君はそういう奴なんだけどさ。』

 『よく見てて下さいよ。これが僕が編み出した陽炎の派生技です。』


 ならば身についてしまった癖を敢えてそのままにしておき、その癖を逆に活かす事を考えればいい。

 自身の陽炎の癖を見抜いてしまっている相手だからこそ、逆に引っ掛かってくれる技があるのだ。

 沙也加が見守る中で太一郎が繰り出した技…それは…。 


 「なっ…!?一撃目が鞘だとぉっ!?」


 太一郎が神也に繰り出した陽炎は、一撃目が刀ではなく鞘。

 相手の攻撃に合わせて鞘によるカウンターで相手の武器を弾き、さらに体勢を崩した相手に刀による二撃目を繰り出すという、太一郎が独自に考案した陽炎の派生技だ。

 そう…神也のように夢幻一刀流を知り尽くしており、なおかつ太一郎が陽炎を撃つ際の癖を見抜いてしまっている相手だからこそ、引っ掛かってくれる技なのだ。

 

 「夢幻一刀流奥義!!」


 神刀アマツカゼを鞘で弾かれ、体勢を崩した神也に向けて、太一郎の渾身の鳳凰丸による二撃目が迫る。

 予想外の一撃で体勢を崩した神也に、太一郎の渾身の一撃を防ぐ余裕など、最早残されてはいなかった。

 そして。


 「あ、やべえ、これ、俺死んだわ(笑)。」

 「陽炎・いかずち!!」

 「ぶぼべらぁっ(笑)!!」


 太一郎の鳳凰丸から放たれた維綱が遂に神也の顔面に直撃し、神也は派手に吹っ飛ばされて受け身も取れずに、地面に叩きつけられてしまったのだった。

次回、ラスボス登場。

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