さくらおにの
夢の続き。けん玉、竹馬、けんけんぱ。
子供たちがお伽のお話をしているよ、桃太郎。
鬼が可哀そうだと、なにかのはずみで云った子が
仲間外れにされて、トイレの中で首を括って死んでしまった。
それからというもの、その地方に吹く風には、
その子の唄声が混ざる、という。
郵便ポストに真っ赤な紙に、
死んでほしい人の名前を書いて五回投函すると、
相手が死んでしまうという噂。
黒電話の横に貼ってあった謎の番号に電話をかけると、
「過去へ旅をせよ」と命令された。
障子にぺたぺたついた手の跡について、
なにも語ってはいけないよ、
壁に耳あり障子に目あり。
鬼がでるからね。
淡い、淡い、夢の中で、泡沫の人魚が泳いでいたんだ。
さくらおにがそれを喰らおうと牙を立てていたから、
持っていた棒きれで追い払った。
君の横顔、とても綺麗だ、
そう云おうとして目が覚めた。
やけに緑色の目が、印象的だった。
窓の外から、女の人が覗いている。
大きな口に真っ赤な口紅、口裂け女だ。
それにしても、綺麗な人だなあ。
玄関に廻って後をつけると、
墓場のほうへ消えていった。
ざっと雨が降ってきて、夕立。
晴れた跡に、紫陽花が綺羅綺羅と光っていて、
子供たちの叫び声が通り道に木霊していた。
宿場町の夢。戸棚に髑髏が入っているよ。
びっくりして、親にこれは何かと聞いたら、
おばあちゃんの骨よ、と大根を切りながら背中だけで母親が言った。
あきらかにおかしい。
二階に上がって、
亡くなった祖母の部屋に行ったら、
戸棚という戸棚に蛇の抜け殻が入っていた。
お前は悪い子だから、という祖母の口癖を思い出した。