千手観音
9、、
そして、紅玉(女皇様)と決戦の日がやって来た、、、
江皇女様が率いるサガ軍は、重臣や貴族たちの私兵を加え2万の兵となっていた。
宮廷の東門にサガ軍は進軍して行く、、
東門を守っている禁門軍は、其れを見て動揺していた。
禁門軍のウコン隊長は、サガ軍率いる江皇女様を見て、、、
「これより禁門軍は、江皇女様に組する、、門を開けよ、、、」
、、東門は軋む音を立ててゆっくりと開いていく、、、
江皇女様が率いるサガ軍は、東門を潜り前進して行く、、、
ウコン隊長は、赤い甲冑を纏い馬に乗って江皇女様が銀髪を靡かせているのを見て、、
「是非とも、、勝ってください、皇女様、、」
、、とウコン隊長は敬礼していた。
サガ軍が前進していたら、青龍軍が立ちはだかるのであった。
9〜サガ軍のゴウシ隊長が、、攻撃せよ、、、わぁぁぁ、、、
青龍軍と激しく戦闘になって行く、、両軍ともほぼ互角であった。
サガ隊長が江皇女様に、、
「此処は我らに任せて、寒明宮殿にお進みください、ゴウシ、皇女様を頼んだぞ、」
「はい、分かっています、サガ隊長、、」
青龍軍との戦いは、サガ隊長に任せて、、、
江皇女様とゴウシ隊長と千鄭たち数十人は、寒明宮殿に突進して行く、、、
寒明宮殿の門に来て、ゴウシ隊長の剣を振り下ろして門を開けていた。
珊皇女様が監禁されている部屋の前に来て、、、
悪魔黒蝶女によって封印されている錠を見て、、、
「兄様、、お願いします、、」江皇女は、矢に手をあて霊性の気をおくる、、
「あぁ、任せておけ、、」
金光は、弓を部屋の錠に向けて、、矢を射ると、見事に命中する。
それによって、封印が解かれたのである。
早速部屋の中に入って見ると、、珊皇女様が居ない!!
ゴウシ隊長が部屋から出てきて、、
「珊皇女様が居ません、、」
珊皇女様は、悪魔黒蝶女によってすでに連れ去られていた。
「しまった!見破られていたか、、」
すると、中庭の植木に人影が見えて、、、
「何者だぁ、出てまいれ、、」
恐る恐るこの宮殿の宮女が姿を見せて、、
「此処の宮女か?名を申せ、、」
「はい、此処に仕える、ミンジョンと申します、」
「ソチは、珊皇女が何処に行ったか、分かるか?」
「はい、赤帝軍に連れて行かれました、、」
「どっちの方角に行ったか分かるか?」
「はい、神殿の方だと思います、、」
其れを聞いて、江皇女様たちは神殿に向かったのである。
江皇女様たちは、神殿に着くとすでに赤帝軍が待ち構えていた。
また赤帝軍と激しく交戦になる。
女皇様がいる巌瞞殿では、、、
「何故こんなときに、重臣たちは来ないのだぁ、、」
「其れは、きっと、、サガ軍に恐れを成したかと、、」
紅玉(女皇様)は、呆れていたのである。
神殿の広場では、サガ軍と赤帝軍が激しく戦っていた。
そのときに江皇女様は、腕を斬られるのであった。
江皇女は、首に掛けたレピドクロサイトクォーツのペンダントを握りしめていたら、、
レピドクロサイトクォーツが光り輝いてくる、、、
すると、江皇女様の身体が宙に浮いていく、、、
そして、ゆっくりと降りてくると、、甲高い声を上げて鳳炎鳥が江皇女の上を飛んでいた。
その光景を兵士たちが見ていた、、、千鄭が大きな声で、、
「この国の正統な王位は、江皇女様で御座るぞ、、頭が高い、、」
赤帝軍の兵士たちは、膝を折り右腕を胸にして頭を垂れて、、
、、女皇女様、、女皇女様、、、と皆忠誠を誓うのであった。
悪魔たちも、その奇妙な現象を見ていた。
「そうか、、封印を解くカギは、皇女の血だったのか!!」
珊皇女様は、すでに悪魔に操られていた。
悪魔黒蝶女は、珊皇女の手を切りアナンダライトクォーツを握らせる、、
すると、、アナンダライトクォーツが光り輝き、、珊皇女様の身体が宙に浮いて、、
、、甲高い声を上げて鳳氷鳥が珊皇女の上を飛んで旋回していた。
「江皇女を殺せ、、、」と悪魔が言う、、、
珊皇女様は、鳳氷鳥を連れて、江皇女様の何処に向かったのである。
江皇女様は、神殿の広場で千鄭に傷の手当てしていた。
其処に突然、、剣を持った珊皇女が向かってくる、、
その剣を千鄭が跳ね返していく、、、
珊皇女様と江皇女様は、王族の紋章を模った石壁で激しく戦っている、、と、
空の上では、鳳炎鳥と鳳氷鳥も甲高い声を上げて戦っていたのである。
千鄭は、炎と氷の打つかり合い、、その光景を見て、、、
「ダメだぁぁ、、姉妹で戦っては、、殺し合っては、、ダメだぁぁ、、」
、、と千鄭が叫んでいた。
それでも止めようとしないので、クンツァイトのペンダントを握り締め泣いていた。
クンツァイトはライラックの花を思わせる淡いパープルピンクが可憐な石で、、、
流れ落ちる滝を見るような清々しいエネルギーの流れが心のなかに入り込んでくるようなクンツァイト。
すると、、クンツァイトのペンダントが強い光を発して、、
鳳炎鳥と鳳氷鳥の間に強い光が割って入っていく、、、
強い光がオオラとなり、中から千手観音が姿を見せていた。
千手観音が優しく語りかけて、、、
愛という手がいつでも差し伸べられていることをあなたに教え、、、
すべての感情や体験を愛へと昇華し、心の痛みや孤独から解放してくれる高い霊性と、
この星を楽に覆い尽くせるほどの広大な愛をもち、はかり知れないほどの慈悲深さで、全ての者に救いの手を差し伸べています。
その愛は、あらゆる場所、時間、眼差し、そして隣人の手の中に潜んでいます。
あなたが曇りなき眼で世界を見るならば、すぐ様そのことに気がつき、自分は常に愛の手によって助けられ、育てられていたのだと理解できるでしょう。それは孤独との決別です。
千の愛情表現と救いの手立てを用いり、人々を高みへと誘っていきます。
優しく、時に厳しく、あらゆる体験によって悟りの道を歩ませ、あなたが日々向上していくのを喜びとしています。
その名を呼べば目の前に現れますが、常に全範囲を感知しており、また遥か遠くで光を放ち続けてもいます。
その光は導きであり、千手観音の慈悲の表れでもあります。
自ら全ての業に触れ、自身で味わった後に愛で焼き尽くし、昇華できた存在です。
そのゆえ人々の心の痛みや悲しみを誰よりも理解しており、放っておくことなど考えにも及びません。
愛を伝達し、人々の霊性を高めたいと思うのは、そうした苦しみから万人を解放し、その幸福を願うからなのです。
ですので、、貴女方二人は、双子の姉妹です。
憎しみあってはいけません、なにも言わずただ抱き合うことで全てが解決します。