氷の王
8、、
ある日の夜、、、
チヨウツ街の隠れ家にいた江皇女のところに刺客が襲ってくる、、
サガ軍の兵士たちと格闘していた。
ゴウシ隊長は、江皇女様の部屋に慌てて向かう、、
「皇女様、、大丈夫ですか?」
「はい、わたくしは大丈夫ですが、部屋が荒らされていますね、、」
江皇女は、もしかして?と思い、宝石箱を調べると、、
アナンダライトクォーツのペンダントが無い!!
「刺客たちは、コレが目的だったのでは?」
「はい、そうかもしれませんね、皇女様、、」
レピドクロサイトクォーツのペンダントは、江皇女の首に掛けてあったので無事であった。
アナンダライトクォーツのペンダントは、本来なら珊皇女の物である。
其れを奪って行ったということは、、、
珊皇女様を女皇様(紅玉)が利用しているのでは?、、と、、
悪魔の手先祈祷師が紅玉に悪知恵を与えていたのであった。
この叟璽燬国には、謎が多すぎると思い、、
江皇女は、調べることにしたのである。
禁門軍のウコン隊長の手引きで、江と千鄭は宮廷内の書庫に忍び込む、、
書庫殿を古くから管理している老司書官を尋ねる。
「この方は、江皇女様でおわせる、、」
老司書官は、膝を折り頭を下げていた。
「まぁ、立ってください、聞きたいことがあって来ました、」
「はい、なんなりと皇女様、、」
「この国の歴史を知りたいのですが、、」
「国の歴史と申しますと、どのようなことでしょう、皇女様、」
江皇女は、史書を取り、、
「此処にある紋章が少しばかり違うのですが、分かりますか?」
「はい、そちらのは、炎の王の紋章で、こちらのは、氷の王の紋章でございます、」
江皇女は、クォーツのペンダントにある紋章を見せて、、
「それでは、コレが炎の王の紋章ですか?」
老司書官は、クォーツのペンダントの紋章を見て、、
「はい、炎の王の紋章でございますね、江皇女様は炎の王族になりますか、、」
「すると、妹の珊皇女は、氷の王族ということですね、、」
「はい、15年前に産まれた双子の姉妹の物ですか!!」
老司書官は、一冊の古い史書を持ってきて椅子に座る。
江と千鄭も椅子に座って話を聞く、、、
「それでは、お話ししましょう、、およそ1000年前の出来事ですが、、
、魔王が寒明宮殿にいる鳳氷鳥を利用して、人間界の全ての物を氷の世界にしてしまったのです、、
、其れを良しとしない、鳳炎鳥が魔王共々鳳氷鳥を封印してしまったのです、、、
、その封印した物は、アナンダライトクォーツだったのです。」
「すると、、妹の珊皇女のクォーツに?」
「はい、そう言うことになりますか、、まだつづきが、、、
、本来なら、炎の王と氷の王が互いに助け合い、できた王国だったのです、、
、氷の王は、寒明宮殿でひっそりと暮らしていたのです。其処に仕える者たちもおったのですが今は息を潜めています。」
「それでは、今もこの宮廷内の何処かにおると、、、」
「はい、その中の一人が私の従兄弟でして、皇女様、」
「へぇ、、そうなのですか、、」
「そろそろ、皇女様、、」と千鄭が促がす、、、
「それでは、また分からないことがあったら、また来ますので、、」
「はい、いつでもお越しください、皇女様、」
江と千鄭は、急ぎ書庫殿から出て行く、、、
ある日、、、
江皇女は、夢を見ていた、、、
「コウや、、コウや、、貴女の身を守る剣を持ちなさい、、」
江皇女は、直ぐに目を覚ますと、、ゴウシ隊長がいた。
「どうされました、皇女様、、」
「なにが? 」
「なにがって、大声でわたしを呼んでいたではありませんか、悪い夢でも、、」
「悪い夢?違う、、あれは母上の夢を見ていたんだ、、」
「えっ、、母上様、、」
「あっ、そうだ、、ゴウシ様、剣を貸してくださいませ、」
「なににお使いに、、皇女様、」
ゴウシ隊長は、言われるまま剣を江皇女に手渡す。
其れを両手に持ち、、剣に念を送っている、と剣は光を帯びてくる。
その光が収まると、、、
「はい、コレでよし、、ゴウシ様、この剣で魔物を退治できますから、、」
「えっ!魔物を退治できるのですか!!」
「はい、この剣でわたくしを守ってくれますか?」
「はい、勿論です、皇女様、、」
江皇女は、夢に出ていた母上様の言い付けに従ったのである。