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鳳炎鳥伝説(&鳳氷鳥)  作者: 亜井下茶女
6/16

戦友

6、、


次の日も江は、千鄭の何処に行く、、、


「おはようございます、どう腕の方は、センテイ様、」


「はい、今まで痛くて眠れなかったけど、昨日はゆっくり眠れました、ありがとうございます、江様、」


「それは良かったですね、センテイ様、」


江皇女は、また千鄭の腕に手を翳していく、、、


「まだ、完全に治って無いですから、、」


「はい、ありがとうございます、江様、」


千鄭は、江皇女にこのようにされると、腕の痛みより、心が穏やかになってくる。


不思議な気持ちになっていた。


まるで、母親に優しくされているようで、、、暖かい、、


なんだか、、、母親の胸の中で抱かれてるようだ、、、あったかい、、


なんでだろう、、、涙が出てくる、、、母さん、、、、逢いたいよぅぅ、、、


千鄭は、眠ってしまった。


つられて、江皇女もベットの上に頭を乗せて寝てしまう。


サガ様のところに伝書鳩が飛んでくる。


密偵からの知らせであった。「 閉、、案、、」


これは密偵との暗号である。


珊皇女様は、紅玉(女皇陛下)によって牢に閉じ込められて、身体は無事とのこと、、


サガは、「地下牢なら、厄介だな、、」と思っていた。


珊皇女様を救い出す手立てを考えていた。


そして、別の密偵からの伝書鳩の文には、「 寒明、、閉、、」


なるほど、、「寒明宮に幽閉されているのだな、これが確実であろう、、」


サガは、この文から、別の手段を考えていたのである。


サガは、机に宮廷周辺の地図を拡げて考えていた。


其処へ、江皇女が入ってくる。


「妹は、見つかりましたか?サガ様、」


「はい、叟璽燬国に捕まっています、江様、」


「そうですか、妹は無事なんですね、サガ様、」


「はい、寒明宮に幽閉されていますので、救い出す手立てを考えてるところです、」


「寒明宮? どんなところですか?」


「はい、宮廷内の一番奥にある寒明宮殿と言うところです、江様、」


「そうなのですか、、宮廷内にお味方はいないのですか?」


「はい、それは、、禁門軍ならなんとか説得できると思いますが、、」


「禁門軍ですか、、わたしがその隊長を説得しましょうか?サガ様、」


「えっ!江様自らですか?」


「はい、わたし自ら参ります、どうでしょうか?サガ様、」


「でも、、皇女様を危険なところには、、、」


「多少の危険は承知しています、ダメですか、サガ様、」


二人の話しを聞いていた千鄭が入って来て、、


「わたしも皇女様の意見に賛成です、、」


「えっ!センテイ様、なぜ?」


「わたしが着いて行きますから、大丈夫ですよ、」


江とサガは、驚いていた。


「しかし、その身体では、、」


「オレたちもいるぜよ、なぁ、シヨウ、、」


「お姉ちゃん、ボクも行くよ、、」


「しかしだな、、」


「大丈夫ですよ、金光なら安心して任せられます、サガ様、」


「其処まで言うのであれば、、コチラから五人付けましょう、江様、」


「はい、お願いします、、サガ様、」


サガは、城下町の密偵に会う段取りを付けてもらうのであった。


其処は、繁華街の妓楼である。


そして、三日後、、


千鄭は、妓楼「 舞華 」に来て待っていた。


其処へ、、禁門軍の隊長・鬱金うこんが入ってくる。


「おぅ、久しぶりだな、センテイ、、」


「ほんと久しぶりだよ、ウコン、」


「ところで、、その腕はどうした?」


「あぁ、これね、、事情があって賊にやられてしまった、、」


「えっ!何処の賊だぁ、、センテイ、」


「其れはいいとして、ウコンに合わせたい人がいるんだけど、」


「オレに合わせたい人って、、ダレ?」


「入ってください、皇女様、、」


江皇女は、千鄭に呼ばれて部屋に入ってくる。


「えぇ、、皇女様って、何処の?」


「ウコン、頭が高い、、コチラは、女皇様の妹君の娘、江皇女様である、、」


ウコンは、慌てて膝を折り頭を下げていた。


「これは失礼しました、、皇女様、、」


「まぁ、座って話しましょうか、ウコンさん、」


そう言われて、元の席に座り直すウコンであった。


「江皇女様って、、15年前に行方知れずになっていた!」


「そのようですね、ウコンさん、」


「今までどうなさっていたのですか?」


「そのことは後ほど、今日お越しいただいのはお願いがあって、」


「はい、なんなりと、皇女様、」


「実はですね、今の女皇様に妹珊が捕まっているので、協力して欲しいのですが、どうでしょう、」


「それは、、妹って、珊皇女様だったのですか!」


「はい、そうなんですよ、どうでしょうか?」


「そうですね、、少し時間をください、江皇女様、」


「はい、分かりました、、1日待ちましょう、ウコンさん、」


ウコンは、妓楼を出て行く、、、


「どうでした、ウコンを説得できましたか?江皇女様、」


「今の女皇様に忠誠を誓っているだけに迷っているようですよ、センテイ様、」


「そうでしょうね、、ウコンは真面目だから、、」


そして、次の日、、


ウコン隊長から連絡があって、協力してくれるとのことであった。


早速サガは、作戦内容を伝えて、二日後の夜に実行することにした。


作戦とは、サガ軍が東門を攻めてる間に、西南門から侵入し寒明宮にいる珊皇女を救い出す。


「珊皇女を救い出す者は、誰にするのですか?サガ様、」


「それは、ゴウシを呼んである、彼なら成功するであろう、」


「しかし、西南門に行くには、断崖絶壁を越えなければならないのでは?できますかね、」


「あぁ、それも承知している、凧を使って越えるようである、」


「そうですか、、凧なら成功しそうですね、隊長、」


その凧とは、竹で組んだ骨組みに布を貼ったハングライダーである。


ゴウシ隊は、すでに西南に向かっているのであった。


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