表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鳳炎鳥伝説(&鳳氷鳥)  作者: 亜井下茶女
5/16

センテイ

5、、

翌日、、


江たちは、刺客が言ってた宮古、チヨウツ街に向かったのであります。


二十里とは結構な道のりで、ロバも休み休み歩いて行きました。


やっとのことで、チヨウツ街に着いた江たちは、まずは宿屋を探して行く、、


シヨウは、あざとく肉の満頭店の隣に宿屋を見つけていた。


「此処にすれば、お姉ちゃん、」


「えぇ、シヨウくんの大好きな満頭店の隣かぁ、、」


「ほかに無さそうだから、いいんじゃない、コウちゃん、」


「でもねぇ、、、」


「良いじゃん、、此処にしようよ、お姉ちゃん、」


江は、シヨウくんが毎日満頭を買ってきそうなので、嫌がったのであります。


毎日は、飽きてしまうでしょう、、と、、

そして、荷物を宿屋に置いて、、


ゴウシが言ってた古書店に向かったのである。


江たちは、古書店に入って、、


「餅をください、、」


紋章の刻んだ木の札を見せながら言う、、と、


「餅など扱ってませんけど、お客さん、、」


「星の数だけ欲しいのですが、、」


すると、店主は、「さぁ、コチラへ、、」


、、と、奥の部屋へと案内される。


江たちは、椅子に座って、、、


「何をお探しですか?」


そのように店主に言われて、、、


「サガ様に会わせていただきませんか?」


「サガ様ですか、、、」


店主は、しばらく考え込んでいた、、、


「そうですか、それなら、日没にベクビャンの木の下で待っててください、」


「えっ!ベクビャンの木ですか?何処にあるのですか?」


「あぁ、ベクビャンと言えば、誰でも知ってるので聞くと良いですよ、」


「そうなのですか、分かりました、そうします、、」


江たちは、店主にお礼を言って古書店を出て行く、、、


古書店を出て、、、


「日没まで、まだ時間があるな、どうしようか?」


「それなら、満頭を買おうや、お姉ちゃん、」


「えぇ、、あんたは、、、」汗


「良いじゃん、オレもお腹空いていたから、コウちゃん、」


「あのねぇ、アンタたちは食べることばかり言って、、」


「そう言うお姉ちゃんは、棗飴がいいんでしょう、」


「えっ、棗飴、売ってるのか?」


「探せば、あるんじゃない、、」笑


江たちは、日没まで時間があるので、、、


街で買い物などして、待ち合い時間まで、暇をつぶしたのである。


それから、陽が落ち出したので、、、


江たちは、ベクビャンの木に向かった。


ベクビャンの木の枝には、さまざまな色の帯が吊るされていた。


まるで神を祀るような場所にも思えた。


そして、江たちは、肉の満頭を食べながら待ったのであります。


陽が落ちて辺りが暗くなってきます。


金光は、ランタンに火を灯していた。


待てど暮らせど、一向にサガ様と言う人物は現れないのであります。


「遅いねぇ、、お姉ちゃん、」


「あぁ、そうだなぁ、騙されたか?」


「あと少し待って、来なければ帰るとしようか?」


「アンタたちは、、少しは我慢しなさいよ、、」


遠くの方で男たちは、、、


「オレに会いたいと言うのは、あの三人か?」


「はい、そのようですね、、」


「なんだ、、まだ子供じゃないか、、」


そして、サガは手で合図をする、、と、


黒服の男たちは、剣を抜いて身構えている。


「わぁわぁ、、どうしよう、お姉ちゃん、」


「あぁ、大丈夫だ、オレの後ろにいろっ、、」


江は、サガ様は警戒して後ろにいると思い、、、


帽子を取り、、すると、銀髪がはらりと垂れて風に靡いていた。


「あっ!あの方は、珊様ですか!!」


「いやっ、違う、、、」


黒服の男たちの頭、サガが前に出て、、、


「あなたが、サガ様でしょうか?」


「そうだが、もしかして君は、江殿ですか?」


「そうだけど、、わたしのこと知ってるのか?」


まずは、サガは手で合図をして、黒服の男たちに剣を下させる。


江の前に出て、、膝を折り頭を下げていた。


「それは、失礼しました、皇女様、、」


「えぇ!!皇女様だって、、、」


金光と蕭は、驚いていた!!!


其れを見ていた黒服の男たちも、膝を折り頭を下げていた。


「皇女様、、、」


黒服の男たちが、そうやって頭を下げているので、面食らった江は言葉が出てこない、、


「皇女様、妹君の珊様を探しに参ったのでしょうか?」


「あぁ、そうだけど、妹は何処に居るのか?」


「それが、、その、詳しいことは後ほど、参りましょう、皇女様、」


そして江たちは、繁華街から少し離れたサガの根倉に案内されて行く、、、


其処は、倉庫を改造したと思われる館の二階に案内される。


そこで、江皇女と金光たちは別々の部屋に入って行く、、


江皇女には、侍女が二人付いていた。


侍女たちのされるままに江皇女は着替えをしていた。


江皇女が着替えを済ませた頃、、、


サガ殿が入って、膝を折り頭を下げていた。


「あのぅぅ、立ってください、」汗


「はい、皇女様、、」


「座って話しましょう、サガ殿、」


江皇女が先に座るのを見て、サガ様も座っていた。


「妹の珊に何かしらの事情があると思われますが?」


「はい、実を申しますと、現在行方不明になっていまして、探している最中なのです、皇女様、」


「えっ!行方不明って、いつからでしょうか?」


「はい、ほんの10日前になります、皇女様、私が至らないばかりにすいませんです、、」


「いやっ、、サガ殿が謝ることは無いでしょう、、」


「配下の者で探させていますから、時期に分かるでしょう、皇女様、」


「そうですか、、無事なら良いけど、、」


「腕利きの護衛兵が付いているので大丈夫と思いますが、、」


「それなら良いけど、、、」


「今夜は此処でゆっくりお休みください、宿屋の荷物はココに運んで参りますので、皇女様、」


「そうなのか、、なら安心して休めるな、サガ殿、」


「はい、ごゆっくりしていてくださいませ、皇女様、」


「なんかその呼び方に慣れなくて、江と呼んでください、サガ殿、」


「そうですか、、江様でよろしいでしょうか?」


「はい、その方がいいですねぇ、、」


「では、江様、失礼します、、」


サガ様は、頭を下げながら下がって行く、、、


そして、三日後、、


サガ殿の配下の者が、珊皇女の護衛をしていた「千鄭せんてい」を連れてくる。


なんと驚きである、、片腕を斬られて重傷であった。


千鄭の治療をしていた医師を下がらせて、サガ殿は隣りに座り事情を聞く、、


「すいませんです、皇女様を守りきれなくて、サガ様、」


「相手はそんなに強いのか?千鄭、」


「はい、それがですね、紅玉(女王様)は魔神と手を組んでいるようで、その魔神に腕ごと連れて行かれました、」


「千鄭の腕を斬ってか!」


「片手に剣を持っていたので、左手で抱えて皇女様を守っていたのですが、、」


「なんと強引な魔神だなぁ、、、」


「すいませんでした、、サガ様、」


「あぁ、仕方ないさ、、腕は痛むか?」


「はい、少しばかり、、、」


サガ殿は、千鄭を寝かせて出て行く、、、


千鄭は、あぁ言ってるが、少しばかりじゃないだろうかなり痛いだろうに、、


そう思いながら、サガ殿は出て行く、、、


サガ殿の前に江皇女がやって来て、、


「サガ様、護衛兵に会わせてください、お願いします、」


「えーと、、良いですよ、江様、」


江皇女を千鄭の部屋に案内することに、、、


「大丈夫ですか?痛みますよね、、」


「えーと、、貴女は?」


「紹介するよ、、この方は、珊皇女の双子の姉、江皇女様だよ、、」


「えぇ、、そうなんですか!」


「オレは、出てるから、千鄭、、」


「ところで、妹は何処に連れて行かれたのですか?」


「はい、ごめんなさい、わたしが不甲斐無いばかりに、皇女様、」


「それでも、、腕をそんなになるまで、妹を守ってくれていたんでしょ、謝らないで、、」


「はい、ほんとうにすいませんでした、皇女様、」


「えーと、、貴方のお名前は?」


「はい、千鄭せんていと申します、皇女様、」


「あぁ、その皇女様は、やめてください、江で良いですから、千鄭様、」


「それでは、、江様、わたしのことは、センテイでいいですよ、」


江皇女は、千鄭の怪我した腕にそっと触れる。


「痛っ、、、」


「あっ!ごめんなさい、センテイ様、そのままじっとしてて、、」


江皇女は、千鄭の怪我した腕に手を翳していた。


千鄭の腕がだんだんと暖かくなって、、熱くなり、、、


「どうしたんだろう?なんか痛みが消えていくみたい、江皇女様、」


「もう少し我慢してて、センテイ様、」


しばらくすると、、完全に痛みが消えていた!!


流石に江の聖霊でも、無くなった腕は、生えてこないのであります。


「ありがとうございます、不思議な力ですね、江様、」


「まだ、これぐらいしか出来なくて、、センテイ様、」


「いえいえ、さっきまで痛くて、眠れそうに無かったのに、今日は眠れそうです、ありがとうございます、江様、」


「そうですか、、それは良かったです、、センテイ様、」


「はい、、ほんとうにありがとうございます、、」


「それじゃ、行くね、ゆっくり休んでいてください、センテイ様、」


そう言って、江はその部屋から出て行く、、、





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ