江の冒険
3、、
あれから1ヶ月、、、
養母、白瓷の病が一向に治らなかったのである。
医者の話しでは、元々の持病か?蓄積されていた毒が回ったのか?
養父が居ないので、江はどうしたらいいのか、、と、、
養父は、1年前に海獣大事に出て行ったっきりで、未だ帰って来ない、、、
白瓷は、死期を悟ったのか、江を呼びほんとうのことを話し始めた、、、
江が産まれた所、叟璽燬國であると、、しかも皇女様であると、、
肩のアザは、アザでは無くて刺青で、王族の紋章鳳凰であった。
江には、双子の妹・珊がいること、、、
二人には、生まれ持った宿命が、、江が興す数々の不思議なことは聖霊によるものだと、、
叟璽燬國から逃げた時に間違ってクォーツのペンダントを持たせたこと、、、
江の正式なペンダントは、レピドクロサイトクォーツであると、、、
そのレピドクロサイトクォーツは、双子の妹・珊が持っていると、、、
白瓷、、そして最後に、、どうするかは、江に任せるとのことであった。
☆☆から
それから、二日後、、
江の看病も虚しく、白瓷は息を引き取ったのであった。
養母・白瓷を村の仕来たりに則って葬儀を行なった。
江は、白瓷のお墓の前で誓うのであった。
必ず妹・珊を探し当てると、、、養母白瓷に誓ったのである。
そして、家に帰ると江は、荷物を纏めて旅支度をしていた。
義弟の蕭は、遊びに行ったのであろう?姿が見え無い、、、
江は、養父宛てに置き手紙を、、、
弟の蕭にも置き手紙を机の上に置いていた。
それから、江は外に出て、此処で育った家を見て思い出を振り返っている。
名残惜しい気もするが、、江には抗えない宿命があり前を向いて行くことにした。
そして、江は村外れに差し掛かると、、、、
背後から呼び止める声がする、、、
「姉さん、、待ってぇぇ、、」
義弟の蕭と幼なじみの金光であった!!
「ボクも一緒に連れてって、姉さん、」
「えっ!シヨウくんには、関係無いから、辛い旅だよ、、」
「オレも一緒に行く、、コウちゃん、良いだろう、」
「でも、、、」
「だいたいのことは、シヨウくんに聞いてるから、大丈夫さぁ、、」笑
弟の蕭は、養母・白瓷と江の会話を聞いていたのであった。
それで、金光と相談したのである。
「兄様の親は、放って置いて大丈夫なんですか?」
「あぁ、平気さ、、コウちゃん、」
それから、三人は冒険の旅が始まった。
金光が寄って行きたいところがあると言うので、其処へ向かった。
「あぁ、此処だよ、ちょっと待ってな、」
金光が先に入って行く、、しばらくして、、
「コウちゃんたち、入りなよ、」
江とシヨウは、中に入って行くと、、、
「この子だよ、さっき話した、、」
「それじゃ、其処に座って、、」
「何するの、兄様、、」
「双子の妹を探すんだろう、似顔絵を描くのさ、コウちゃん、」
「そう、手分けして探せるようにね、、姉さん、」
「なるほど、それで、分かったよ、、」
江は、椅子に座って、似顔絵を描いてもらったのである。
養母の白瓷によると守護兵と妹珊は、東側に逃げたと言っていた。
すると、ウカカ国なのだろう、、と、、
江たちは、ウカカ国の国境近くまで歩いて来たのであった。
「いやぁ、、この辺に来ると暑いですね、コウちゃん、」
「ほんと、そうだね、兄様、」
「街に入ったら、この毛皮を売って金にしようか?」
「そうしよう、、アニキ、、」
江たちは、ウカカ国の繁華街に向かったのであります。
其処で、毛皮を見せて買手を探していた。
貴重な毛皮だけに直ぐに買手が付く、かなりの金額になったのであります。
これで、しばらくは金子に困らないようである。
それと、自分の身を守るようにと江とシヨウに短銃を与えた。
そして、店主に聞いてみる、、、
「こんな者を見たことがあるかな?」
、、と、似顔絵を見せて聞いていた。
「さぁ、、見ないですねぇ、、」
「それじゃ、14年前に赤子を連れた兵士は来なかったかな?」
「さぁ、、14年前でしょうか、、そんな昔覚えてませんね、」
「そうか、、邪魔したな、店主、」
「ちょっと待ってください、兵士って、叟爾魏國の者でしょうか?」
「知ってるのか?」
「いやっ、、叟璽燬國からなら、此処の街には来ませんよ、来るとしたら、マキマキ街でしょうね、」
「そのマキマキ街とは、どう行ったら良いのかい?」
「そうですねぇ、、ここから北西に十里行ったところにありますよ、お客さん、」
「そうか、ありがとう、店主、」
江は、きっと妹の消息が掴めると、、良いことを聞いたと思った。
江たちは、店を出ようとしたら店主が、、、
「お客さん、馬車も借りられますが、紹介しましょうか?」
「いやっ、いい歩いて行くから、、」
そう言って金光は、江とシヨウを見せから連れ出す。
「えぇ、馬車も借りても良かったのでわ?」
「バカだなぁ、知らない土地に来たら、人を信じちゃいけないよ、」
「なんでよう、兄様、、」
「馬車で別の場所に連れて行かれるかもしれないだろう、コウちゃん、」
「そうなのか?」
「ボク、歩くより馬車が良いな、ラクダも良いかも?」
「ラクダ!!砂漠に行けばいるだろうけど、」笑
「それじゃ、、馬はどうかなぁ、、アニキ、」
「そうだなぁ、、ロバを一頭買っても良いね、荷物もあるしね、、」
「あっ、それ良い、、、」
江たちは、ロバを一頭買って荷物を載せて、マキマキ街に向かったのであります。
ロバを引きながら、江たちはマキマキ街に向かったのであります。
「お姉さん、ボク疲れたぁ、、、」
「しょうがないねぇ、、ロバに乗っても良いよ、シヨウくん、」
「ほんとうに良いの?お姉さん、、」
「あぁ、良いよ、此処で休んでる暇ないからね、シヨウくん、」
「あと、どのぐらいだろう?」
「そうだなぁ、、あそこに何か見えないか?」
「うん、、なんだろう?」
「あれっ、、旗じゃないかなぁ、、」
「それじゃ、、もう少しでマキマキ街に着きそうだな、、」
「うん、急ごうか、暗くなる前に着きたいからね、、」
江たちは、急ぎ足で旗の見えるところまで歩くのであった。