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鳳炎鳥伝説(&鳳氷鳥)  作者: 亜井下茶女
12/16

捕鯨船

12、、

次の朝、、


「おはよう、、どうです書けましたか?」


珊皇女様は、アクビしながら聞いていた。


「はい、なんとか書けました、皇女様、、」


ゴウシ隊長は、眠そうな声で応えていた。仮眠をとってる者もいる。


「ゴウシ様も、少しお休みになってくださいね、」


「はい、そうします、、皇女様、」


珊皇女様は、気晴らしに外に出て散歩していた。


すると、女人たちが楽器を鳴らして楽しそうにしていたので、、


珊皇女様が其処に行くと、、、


「あっ!女皇様、、」


「はい、挨拶は良いですから、続けてください、、」


その楽器の音色を聞いていたら、なんだろう?前にも聞いたことがあると思った。


「なんですか、その楽器は?」


「はい、ビッキヨという弦楽器でございます、女皇様、」


「その楽器は、なんで出来ているのですか?」


「はい、コレは、鯨のヒゲで作ったものです、女皇様、」


「えっ!鯨にもヒゲがあるのですか!!」


「はい、ございますよ、、」笑


そして、昼ちょっと前にゴウシ隊長たちが起きてくる。


「さてと、、皇女様、帰りましょうか?」


「皆様、船をお貸しますから、船で帰ったら如何でしょう、女皇様、」


「えっ、船ですか、それはありがたいことです、」


「えぇ、、船ですか!歩いて帰りましょうよ、皇女様、」


「こちらの熟練船大工を連れて行ってください、、」


「何故ですか、部落長、、」


「はい、それは、設計図だけでは船を造れないと思います、女皇様、」


「それもそうですね、船大工も一緒に船に乗って帰りましょうか?」


「はい、そうしてください、準備させていますので、、」


ゴウシ隊長は、、船は苦手だなぁ、、と小声で言っていた。


それから、珊皇女様たちは、船着場に向かったのである。


その船は、旧式ではあるが建造の見本にもなるとのことであった。


数人の男たちが出航の準備をしていた。


珊皇女様たちは、その船に乗り込んでいく、、

その船は、三角の帆を張り出航して行く、、


「今日は、良い風が吹いている、これなら思ったより速く行けそうですね、」


「えっ、そうなんですか、よろしくお願いします、、」


珊皇女様たちを乗せた船が岸から離れて行く、、


すると、大勢の部族の者たちが手を振っていた。


其れに応えるように、、珊皇女様も手を振っていた。


その船は、順調に進んで行く、、


「わぁ、見て見て、ゴウシ隊長、美しい海ですね、、」


「うっ、、海なんて見たくありません、、うっ、、」


ゴウシ隊長は、甲板でうずくまっている。船酔いであろうか!!


他の兵士たちも、甲板でうずくまっていたのである。


「あはは、女皇様だけ元気ですね、、」


「はい、わたくしは大丈夫みたいですね、」笑


空は晴天で風は少し強いようである。


高波でも順調に船は進んで行く、、、カモメたちが船に寄って来ていた。


船の男たちは、二枚の三角帆を自在に操り巧みに進めていた。


「わぁ、、あの鳥はなんですか?」


「はい、アレはカモメという鳥でございます、女皇様、」


「へぇ、、カモメが飛んだ、、、」


我々が苦しんでいるのに、皇女様は気楽なものだぁ、、、


、、とゴウシ隊長たちは言ってるようである。


そして、荒波も過ぎて、穏やかな波へと変わってくる。


これで少しは、船酔いも治まってくることでしょう、、と船長は思っていた。


「あの魚は、、なんですか?」


「はい、アレはイルカというものです、女皇様、」


「イルカですか!群れをなしていますね、なんだか可愛い、、」


「はい、愛くるしい顔してますね、好きですか?女皇様、」


「はい、好きになりました、飼いたくなりましたね、」


「いやいや、飼うことはできませんですよ、女皇様、」


「なんだぁぁ、、飼えないのか、残念です、、」


船長は、女皇様はとんでもないことを言う、、と呆れている。


船は、しばらく進むと船着場に叟璽煌国の旗が見えてくる。


「あっ、着いたようですね、女皇様、」


「えっ、もう着いたのか? ザンネン、、」


珊皇女様だけ船を楽しんでいたようである。


ゴウシ隊長たちは、それを聞いてやっとかぁ、と安堵する。


ちょうど其処は、サガ将軍が海軍用に作った船着場であった。


「将軍、アレを見てください、何処の船でしょうか?」


「あぁ、そうだな、船を着けたら調べてこい、、」


「はい、分かりました、将軍、、」


珊皇女様を乗せた船が船着場に着けると、、、


数十人の兵士たちがやってくる。


「おいおい、なんのつもりだぁ、皇女様の船だぞ、、」


「えっ!皇女様の船、、、」


其処に珊皇女様が降りてくる。


「失礼しました、、皇女様、」


兵士たちは敬礼していると、サガ将軍がやってくる。


「どうしたのです、この船は?皇女様、」


「あっ、サガ隊長ではありませんか、別の所でお話ししましょう、」


サガ将軍は、珊皇女様を軍の宿舎に案内する。


「まぁ、狭いですがどうぞ、皇女様、」


珊皇女様は、椅子に座って、、


「実はマハカウ族から船大工を連れて来てるのですが、、」


「えっ、船大工ですか、それは願ったりですね、此処の入江に造船所を造る計画でして、」


「それなら、ちょうど良かったですね、マハカウ族の技術を盗むといいですよ、」


「でも、、変わった船ですね、皇女様、」


「はい、かなり変わってると思いますが、とても速いんですよ、」


「三角の帆がそうさせているのでしょうか?」


「まぁ、それは後ほどゴウシ隊長が設計図を見せてくれますから、、」


「それは、女皇様の指示で行ったのですか?」


「いいえ、わたくしの独断ですが、いけませんか?」


「いいえ、そう言うわけじゃありません、でも、かなり助けになりそうですね、皇女様、」


そして、この入江を攻㒵こうぼうこうと名付けた。


造船所を設置する場所をマハカウ族の船も建造されるのである。


サガ将軍は、船の設計図を見て、、


「かなり変わってる船の構造ですね、マヒ殿(船大工)」


「はい、これが我が部族の代々受け継げられた捕鯨船であります、」


「なるほど、、捕鯨船でしたか、コレを軍艦用に改造してくれますか?」


「はい、そのように部族長から頼まれていますので、お任せください、将軍、」


サガ将軍は、この船を使って攻撃方法を考えていた。


我が国の軍艦と改良型捕鯨船で連携して、敵国の軍艦を撃破する計画を練るのである。


そして、用事も済んだことで、珊皇女様は帰ることにした。


ゴウシ隊長だけ残り、マハカウ族の者を造船所の一画に住まわせてやる。


マハカウ族の船大工たちとしばらくは、此処で暮して行くのであった。




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