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鳳炎鳥伝説(&鳳氷鳥)  作者: 亜井下茶女
11/16

マハカウ族

11、、

女皇様を乗せた輿が寒明宮殿の前に止まる。


寒明宮殿には、氷の王に仕える者と女皇様しか門を潜れないのである。


珊皇女様は、門の前で女皇様を出迎えていた。


「家族の者も中に入って良いかな、珊皇女様、」


「はい、家族なら構いませんよ、女皇様、」


珊皇女様の許可を得て、金光と蕭も一緒に入って行く、、


部屋に入るとすでに膳の支度が整っていた。


各自それぞれの席に座って、、


「わぁ!凄いね、コレが夕食と思えない、、」


「そう興奮しない、、シヨウくん、」笑


「さぁ、皆様、遠慮なく召し上がってください、」


「はーい、いただきます、、」「いただきます、、」


「それじゃ、紹介するね、兄様の金光、そして弟のシヨウ、、」


「えっ!ほんとうの兄弟ではなくて、、」


「そうです、カウ族の部落で一緒に育ったので、家族と言っても良いのです、」


「そうなんですか、、良いな、姉上に家族が居て、わたくしは家族が居ないので、、」


「えっ、それじゃ、誰が育ててくれたの?」


「はい、サガ様に育ててもらいました、、」


「そうだったのか!」


「それじゃ、ボクたちと家族になろうよ、珊お姉さん、」


「あはは、お姉さんか、、それも良いですね、シヨウくん、」


「わぁ〜い、お姉さんが二人になった、、」


11〜そして、珊皇女は、女皇様と別の部屋へと案内する。


「二人だけで話をしたくて、女皇様、」


「何か、他のものに聞かれてはいけないこと?」


「はい、昨日夢を見たのです、、」


「どんな夢を見たのです?」


「はい、それが、、外国の船が我が国を攻めてる夢でして、、」


「えっ!サンも見たのですか同じ夢を、、」


「そのあと、、鳳氷鳥が言うのです、迎え撃つ手立てを考えなさい、と、」


「そうですか、わたくしも鳳炎鳥が言うのです、海軍を創りなさい、と、」


「それじゃ、何年か先に外国の船が襲って来るのでしょうか?」


「きっと、そうでしょうね、その為の準備をしなさいと言うことでしょう、」


「其処で、女皇様にお願いがあるのです、ゴウシ様をお貸しください、」


「ゴウシ隊長を連れて、何処かに行くのですか?」


「はい、南の国に行こうと思っています、二日後には、どうでしょう、、」


「はい、良いですよ、サンに考えがあるのでしょうから、、」


「ありがとうございます、女皇様、」


「わたくしも、やれる事はやろうと思っています、」


復活と新生を司る鼓動が聴こえてきそうな、双子の姉妹であった。


珊皇女様とゴウシ隊長は完全装備で出発しました。


南の国、マハカウ族の部落に向かっていたのであった。


マハカウ族は、海豹や鯨を摂って暮らしている。


其れには、船が必要になる、造船の技術を教えてもらうつもりであった。


「その白狐を襟巻きは、どうしたのですか?」


「あぁ、コレね、姉上様に借りてきたのですよ、」


「えっ!姉上様って、女皇様ですよね、」


「勿論ですとも、狩猟民族の部落で育ったので、養父の形見だそうです、」


「それは良いことです、、暖かそうですね、皇女様、」


「ゴウシ様も借りてくれば良かったのに、、」


「そうですね、、あと毛皮の一枚でも、、」


珊皇女たちが先に進むにつれて寒さも厳しくなってくる。


その頃、巌瞞殿では、、、


三日前に即位式を済ませた女皇様の初の朝議であった。


全ての重臣たちが集まっているところで、、、


「国法を見直そうと思っている、、」


、、えっ、国法、、見直す?、、どうして、、、


「まず、拷問は廃止して、三回の審議で判決する、それによって罪状を決定する、」


「えぇ、、拷問は無し!」


「それと、、若年者には、更生の機会を与える、異論はあるかな?」


……………


「無いようなので、次に、海軍を設立することにした、、」


「えっ!海軍ですか?」「何故?」「今になって、、」


「コレは、わたくしの決定事項である、反論は受け付けない、、」


「……… 」、、、、


「その海軍の将軍にサガ隊長を任命する、、受けてくれるかな、サガ様、」


「はい、女皇様の命令とあらば、、期待に応えるよう努力します、」


「ありがとう、サガ将軍、、」


サガ隊長は、、将軍の証、、金の剣を受け取っていた。


女皇様は、執務室に戻り、千鄭とサガ将軍を呼んでおいた。


其処で、これからの大事業のための相談をするのであった。


まず先に、造船所の建設、国中の船大工を集めての建造である。


「これから、根気のいる事業になるな、、」


「はい、任せてください、女皇様、」


「外国の船の設計図を集めてきます、女皇様、」


「そうしてくれるか、千鄭様、、」


「はい、早急に集めて参ります、、」


「あっそうだ、、千鄭様の官職を、、天体学史官はどうでしょうか?」


「あはは、、星を見ているだけでいいのですか? 女皇様、」


「まぁ、そんなとこさ、わたくしの側に居てくれるだけでいいのです、千鄭様、」


「はい、わたしは女皇様の側で補佐しますので、、」


「サガ将軍には、王室から資金を全面的にバックアップしますので、、」


「はい、よろしくお願いします、女皇様、」


珊皇女様は、ゴウシ隊長が選んだ精鋭兵三人を連れていた。


大勢で行くと部族たちの敵対心を煽ることになるからである。


「そろそろ、部落に入るころだが、、」


「そうですね、部落の者に会っても良いはずですが、、」


すると、物音がして、、


「皇女様、気を付けてください、、」


ゴウシ隊長が身構えていたら、、マハカウ族の者たちに囲まれていた。


今にも襲ってきそうな気配だった!!


珊皇女様は、アナンダライトクォーツのペンダントを握り締めて祈る。


すると、、ペンダントが光り甲高い鳴き声がして、天空で鳳氷鳥が飛んで旋回していた。


その光景をマハカウ族たちが見ていた!!


部族長らしき者が珊皇女様の前に来て、、、


「氷の王でございますか?」「はい、そうですが、、」


すると、、マハカウ族たちが膝を折り頭を下げていた。


「 女皇様、、、」


マハカウ族は、先祖代々から、氷の王に仕える者たちであった。


「珊皇女様、どういうことですか?」


「わたくしも分かりませんけど、、、」


そして、部族長が珊皇女様たちを屋敷に案内します。


屋敷に招き入れられた珊皇女様たちに汁の入ったお碗を渡す。


「えっ!なんでしょうか?」


「此処まで来るのに寒かったと思いまして、温かい肉汁でございます、召し上がってください、」


「そうですか、それではいただきましょう、」


珊皇女様は、皆にも勧めていた。角肉を見て、、、


「なんですか、この肉は?」


「はい、鯨の肉でございます、女皇様、」


珊皇女様は、今まで食べたことの無い肉を口にする、、と、、


「うっ、、美味しい、、」


「ほんとうに美味しいですね、、」


珊皇女様を含め皆の者は、お代わりするほど美味しくいただいたのである。


「村長にお願いがあるのですが、、」


「はい、なんでしょうか?女皇様、」


「鯨を捕る船を見せてもらいたいのですが、、」


「はい、構いませんよ、女皇様、」


それから、部族長に案内されて、捕鯨船を見せて貰った。


「へぇ、、コレが船ですか、意外と小さいんですね!」


「はい、この船を五隻で仕止めるのですよ、女皇様、」


「へぇ、、たった五隻で、あの鯨を、、」


「はい、そうです、お見せしてもいいのですが、女皇様に危険な事はさせられませんので、、」


「このモリで狩るのですか?」「はい、そうです、、」


ゴウシ隊長がモリを持ってみるとかなり重い、、、


「コレだとかなりの腕力がないといけませんね、、」


「そうですね、鯨を捕るときは、体力と根気が必要になります、、」


「船を操る人もかなりの技術がないとダメでしょうね、、」


「はい、それも経験と五感の持ち主がとても重要です、、」


「それじゃ、我々には操ることは難しいということですかね?」


「はい、そうかもしれません、、」


「この船の設計図を写させてもらえませんかね?」


「はい、良いですとも、、」


「皇女様、、取り敢えず設計図を写させてもらいましょう、」


「そうですね、ゴウシ隊長お願いできますか、、」


「はい、分かりました、早速、、」


ゴウシ隊長は、部下と一緒に船の設計図を写していた。


部下が設計図を写していたときに気づいて、、


「隊長、、この帆は三角ですし、船底も変わっていますね、、」


「そうだな、我々が想像してた船とは全く違うな、、」


「それにこちらは、、密閉した部分が二ヶ所あります、」


「疑問に思うことはさておき、とにかく早く書いてしまおう、」


珊皇女様は、別の部屋で部族長に酒を勧められる。


「それが、、わたくしお酒は飲めないのです、」


「そうでしたか、、それなら何か温かい物でも、、」


女人が熱々の汁物を持ってくる。


「どうぞ、召し上がってください、女皇様、」


「はい、ありがとうございます、、」


「設計図の写しは、まだまだかかる思いますので、今夜は此処にお泊まりください、」


「はい、そうしますね、、」


船の設計図の写しは、一昼夜かかってしまった。


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