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「ステータス割り振り終わったよー」
ニコニコしながらいびつな円に帰ってきた勇者様。
「ステータスオープン」
騎士様がそう唱えればまたピロリーンと音が聞こえる。
「お、お前、殆ど力に割り振ったのかよ、、、
もう少し魔力寄りにしてくれれば転移とダンジョンから抜け出れる魔法覚えたはずなのに、、、
勇者しか使えないんだぞ、ソレ、、、」
がっくりうな垂れながらそう話す騎士様。
「えー、だってマッチョになりたかったんだから仕方ないだろー
でも、ほら!攻撃は最大の防御っていうだろ!
これなら魔物ガンガン倒してレベルアップもしやすいってモンだから!」
「この周辺の魔物は素早さがモノを言いますね。
また、経験値を1番有している魔物は素早さが高くて中々仕留められない、とコーリャクサイトという書物に記されています。」
僧侶様がそうおっしゃれば、頭を抱えてがっくりうな垂れる騎士様。
「宿屋で寝るわ」
背中を丸めて去って行かれた。
「じゃあ私達は武器屋と防具屋に行きましょうか。」
僧侶様と魔術師様は武器屋の方向へ向かわれた。
後に残された勇者様はと言うと、
「誰もマッチョに興味を示さない、、、
俺も宿屋で寝るか。」
こちらも宿屋の方向へ向かわれた。
私達モブに一切関わらず。
あ、あれ?
〜・〜・〜・
「まさか、ここまで高いとは、、、!
今まで使ってきた武器や防具もそろそろ使用回数の上限がきます。
このままでは魔物を倒すどころではなくなります!
薬草いくつか買っただけでジリ貧になるほどの貧乏パーティだったなんて。
勇者様御一行とは一体、、、」
嘆きながらこちらに戻ってくる僧侶様と魔術師様。
「んー、コーリャクサイトにはそこで詰むヒト続出だから気をつけろ。って書いてあるねー。
困ったねー。」
全く困っていない表情で魔術師様はそう話す。
「仕方ありません。
勇者と私達の魔法で魔物を倒しつつ小銭を稼ぎましょう。
騎士には極力武器使用は控えてもらって、当面道具使用係と盾係ですね。
拠点はこの村の宿屋にしましょう。
幸いな事に宿代は安いので1日1匹魔物を倒せば宿屋には泊まれます。
時間は果てしなくかかりますが、仕方ありません。
背に腹は代えられませんからね。」
僧侶様が聞き捨てならない事を話してる。
拠点?
時間がかかる?
しかも果てしないだと?
え、じゃぁ私達の解放は?
え、、、?
ちょっと、、、?
え?
お読みくださりありがとうございます( ´ ▽ ` )ノ
今日1日アップ、頑張りました!