表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
モブの日常  作者: おとめ
4/13

4

それからの私達は常にフルスロットルでモブに徹していた。

そりゃもう指揮官が感動するくらいに。


でもねー、毎日のように防災キャッスルが流れるけど一向に95パーセント以上にならない。

一回83パーセントまで下がった時のみんなのガッカリ感はすごかったなー。


そろそろまたダレそうになった7日目の昼間、そろそろこっそり昼ごはんにでもしようかと思っていた、その時。


「やっと、やっと!村に着いたわ!」

村の入り口から涼やかな女性の声が聞こえた。

まさかの勇者様御一行!

防災キャッスル、役に立ってない!

そんな事を思いつつ入り口の方へ目線だけ向けると、

なんだ、ありゃ、、、

男女4人だっていうのは分かった。

多分先頭で歩いている金髪と思わしき男性が勇者様だと思う。

勇者様の後ろを歩く方は、、、鎧らしきモノを着ていらっしゃるようで騎士様か戦士様なのかも、多分

更にその後ろの黒髪?の膝下まである長い髪の方は、んーと、魔術師?

でまた更にその後ろの方は、まぁこのメンツから言えば癒し系の方なんでしょう。

いや、キャラが癒し系じゃなくて、役割が癒し系。


なんで縦一列に並んで歩いているのか謎だったし、それよりそれより!

きったない、、、

鎧など着ているモノやご本人達の元のお顔が判然としない程にきたない。

多分魔物達の返り血とか体液とかなんだろうけど(うぇ)、砂埃も混ざって更に何日入浴していないのか、異臭も凄まじかった。


「まずは風呂だ」

誰かがそう言いながら宿屋の方へ向かっていった。

縦一列で。



勇者様御一行は周りに目をやる事なく宿屋に消えて行った。

それを見届けた私達は安堵の溜息をついた。

こっそりと。

それから数時間、ようやく勇者様御一行が宿屋から出てきた。

縦一列で。


「おい、勇者!そろそろ散開のワード唱えてくれないかな。これじゃぁやり難くて仕方ない。」

勇者様御一行は装備一式は身につけておられなくて、シャツやパンツなどのラフな服装だった。

散開のワードと仰った方は位置的に騎士様か戦士様の方。

それより、それより!

な、なんて美形な方々なんでしょう!

身体を動かす訳にはいかないので目線だけでうっとりする。

まだ異臭は大分残ってるけど、髪やお顔などは綺麗に洗われて本来の美しさが丸見えである。


思わずニヤけそうになりながらやっぱり目線だけで勇者様御一行を眺めていると、どこからともなく、

「ピコ、ピコ、キュイ、キュイ、ピロリーン」という音が聞こえた。

「散開」

そう勇者様がおっしゃると縦一列に並んでいた方々の隊列が乱れた。

「おい、勇者!ショートカットに登録しとけっていつも言ってるだろう。これじゃぁ面倒でかなわん」

「騎士、そんな事言わないで、ボタン登録するなら地図開く方がもっと頻度は高いでしょうし」

そりゃそうかもしれんけど。

騎士と呼ばれた方は燃えるような真っ赤な髪をガシガシかきあげながらぼやく。

お読みくださりありがとうございます( ´ ▽ ` )ノ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ