表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
モブの日常  作者: おとめ
11/13

11

カッキィィィィィィーーーィィィン


それは高い金属のような音をさせて弾け飛んで行った。

私に跳ね返って。



さすが、ヒロイン補正。

全くビクともしなかったわ。

私独自のか弱さポイントがなくなったみたいだけど。


「ひ、姫、、!

大丈夫か?

ケガはないか?」

呆然としている勇者様御一行と将軍を無視して姫様の元に転移して(歩いて数歩なのに)

ケガなんかしていない姫様に回復魔法をかけながら、そう問う魔王。

あ、またこの香り。

あんまり香りには詳しくないんだけど、この香りは魔王に合ってる気がした。


一生懸命姫様、、私へ手のひらを翳して回復魔法をかけ続ける。

ケガしていない私にかけても効果がない事は今の動揺している魔王は気づかない。


魔王の手に私の手を重ねる。

魔王の手は私達となんら変わらない様相を呈していた。

若干爪が長くて若干爪がトンガっているけど。

その手を両手で包み込みながら、ふと魔王を見上げると、その瞳は金と黒を溶かせ合わせたような不思議な色をしていた。


思わず魅入る私に

「姫、いや、コーラルよ誓おう。

コーラルが我が元へ来てくれるのなら、勇者やその他の者、人間世界の者には手を出さないと。

私は、お前だけ傍にいてくれればよいのだ、、、。」


そう言ってふわりと私を抱きしめる。

私に触れるか触れないかの強さで。


「魔王、貴方の名前を教えて?」

そう問えば耳元で名前を告げる。

耳元で囁かれるその声がくすぐったくて思わず身をよじっちゃったけど。


「ええ、連れて行って!

×××、貴方の世界へ」

魔王の名前はこの世界では認識されない音だったようで、みんなの耳へは届かなかった。


「後悔はないか?

今更何を言ってももうお前を手放す事はできやしないのだか。」

そう言いながら転移するための術式を展開していった。

大勢の下っ端の分の広さの展開魔法を。

こんな広さの術式を展開できちゃう魔王に勝てる訳なかったんだよねー。

やっぱり。

よかった、ヒトジニ出る前に止められて。


「行くぞ。」

そう言われれば、魔王の首に両手を絡ませる。



そのまま私は転移した。

魔王の世界へ。







〜・〜・〜






なんだ、この展開は。

確かに魔王に挑むにはレベルが足りなすぎた。

1度撤退して再挑戦を考えていたところにいきなり姫様がやってきて、そのままメロドラマが繰り広げられて、そのまま消えていった。

魔王と配下の者達と。

完全にこちらは無視だった。


どうすりゃ、いいんだ?



混乱しているところに

「1度城に帰って王達に報告するか。」

そう肩をたたかれた。


勇者の魔力が大分削られていたので、魔力回復薬を使って魔力を回復させた。

そのまま城へ転移する。

おい、勇者よ、息切れしすぎだ。



それからの私達は王や宰相などに事の顛末を報告した。

王の傍には最初に囚われた姫様だと思っていた女性が立っていた。

姫様の影武者だとの事。


王は、今後の事はこれから考えるので、ひとまずお疲れ。と軽い感じで労られた。

そのまま宴になだれ込む。


延々と終わらない宴をどうしたものかと眺めていたら、後ろから

「そろそろ行こうか。」

と、声をかけられた。


ああ、そういう事かと私は席を立つ。

また4人でここを旅立つのだ。


この4人で。

お読みくださりありがとうございます( ´ ▽ ` )ノ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ