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ゴースト
体から意識が無理やり引き剥がされ、視界は自分の首から吹き出す赤に染まっていく。
取り留めのない記憶が頭の下から上まで行き渡ると私の命はあっけなく息絶えた。
私は誰に殺されたのだろう。
名前を呼ばれて振り返るとそこにはマスクをつけた大柄な人間がいて、男か女かすら分からないうちに包丁を首に突きつけられて、次の瞬間には…
私は私が死んだことじたいはあまり問題にしていなかった。
そんなことよりも死んだ私はこれから何処に向かえばいいのだろうか。
それだけが唯一の疑問であり希望でもあり、また不安でもあった。
そのうち迎えが来るだろうと思ったが、死んだあとの私は街を徘徊しつづけたた。
ポロネ博士と出会う日まで…