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経済財政愚問放談  作者: 日本再生委員会
年功序列制が、格差の拡大を防いでいた
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フリーアナウンサー『鈴木史朗』氏の体験談 中国引き揚げ

フリーアナウンサーの『鈴木史朗』氏の少年時代の中国での出来事と中国引き揚げ体験談が2015年7月号のWiLLに掲載されました


その貴重な体験談の一部を転載いたします


文字起こしは『ぼやきくっくり』様です



総力大特集~戦後70年、私はこう考える

【こんなにもきれいな国、天国みたいだ】


 鈴木史朗フリーアナウンサー

 1938年、京都生まれ。62年、早稲田大学法学部卒業後、TBSに入社し、アナウンス部へ配属。『さんまのスーパーからくりTV』ご長寿クイズの司会や『水戸黄門』のナレーションも務める。



〈壮絶な引き揚げ体験〉


 私の一家は戦前、父が中国で日中貿易や軍需関係の事業をしており、北京、天津に会社を持っていました。当時の中国は実に穏やかで、子供が一人で遊んでいても何の問題もなく、もちろんデモも暴動もありませんでした。


 現在、中国では年間十万件から十五万件のデモや暴動が起きていると言われています。戦中の中国はいまよりも治安がよく、平和だったのです。日本の統治に、中国市民としては何の不満もなかったのでしょう。


 日本の軍人たちは実に模範的な兵隊さんで、むしろ日本兵は拍手で迎えられていたほどです。それは南京でも同じでした。当時、南京大虐殺などはなく、幼かった私は南京陥落から四~五年後の南京市内にも行きましたが、中国人は日本人を恨むどころか、私を抱き上げて頬ずりしてくれたのです 。


戦中の中国というと、何かそこかしこで戦争ばかりやっていたようなイメージですが、実際はそうではない。ともすれば、中国は内地よりも穏やかだったと言っていいでしょう。


 戦闘が起こっている最中も、中国人の少年が一生懸命、河を泳いで渡ろうとして溺れたところを、日本の軍人さんがさっと軍服を脱いで飛び込み、少年を助け上げて中国の陣地に届けたという話を、軍人さん本人から聞いたこともあります。


 こういう話は中国にたくさんあったはずで、私の記憶にも「どこへ行っても拍手で迎えられる日本軍」のイメージしかありません。


ところがそんな中国での日々は、敗戦によって一変しました。父は事業が事業だったため「スパイ容疑」で抑留され、裁判にかけられて死刑になるのではないかというところ、社員だった中国人たちが動いてくれました。「中国に貢献した鈴木大人リンムータイレンを死なせたら子孫から恨まれる」と言ってかばってくれ、なんとか処刑されずに済んだのです。


しかし、父が汗水たらして手に入れた会社の社屋、わが家の不動産や貯金、家財一切、およそ数億円単位の財産は、すべて没収されました。


 引き揚げ者全体でみても、国家予算に匹敵する十九兆円もの財産が没収されました。これは国際法違反だと思いますが、戦後、日本で中国に対して「財産を返せ」という声は上がらずじまいでした。


〈七年ぶりの帰国〉


 当時、八歳だった私も、戦争が終わってしばらく経ってから着の身着のまま、下着など身の回りのわずかな荷物だけを背負って、北京からタンクーまで向かいました。途中、軍のトラックや、石炭運搬用の列車にも乗りました。


 列車は乗るというよりも、体の大きな男性が一番下に横たわり、その上に女性や子供が詰め込まれるという劣悪な状態で、さらにそこへ中国の軍が砲撃してくる。当然、命を落とした方もいました。これこそ、何の罪もない民間人を虐殺した国際法違反ではないでしょうか。


 あとの道のりのほとんどの部分は徒歩でした。私は、母と妹たちと一緒に中国の荒野を歩いたのです。男である自分が父の代わりに頑張らなければと思いましたが、道中で一歳の妹が死に、泣いてむずかる四歳と三歳の妹の手を必死に引いて歩いた体験は壮絶で、七十歳を超えたいまでも夢に見るほどです。


 大人も子供も区別なく、産まれたばかりの幼子を抱いている人や妊娠している女性も、何の区別もなく大陸を彷徨さまよったのです。途中で餓死する人、力尽きて命を落とす人たちもたくさんいました。


 よくやくタンクーについた時、裁判を免れて車でやってきた父と、奇跡的に合流することができました。そこからはアメリカの軍用フリゲート艦に乗ったのですが、当然、客室などはなく、甲板の上の戦車を載せるスペースに、むしろを敷いて寝ていました。


 私は船倉でじっとしていられず、よく甲板に出ましたが、吹きさらす雨風に打たれて見渡す限りの海を見ていると、子供ながらに「本当に日本に着くのか」と絶望感にさいなまれたものでした。


 しばらくしてようやく、佐世保に着きました。ちょうど桜の季節で、「こんなにもきれいな国があるのか。天国みたいだ」と思ったことを覚えています。中国は乾燥していて、黄砂で空も空気も黄色く濁っていますから、非常に対照的に思えたものです。


 一歳で祖国・日本を離れてから七年ぶりの帰国でした。


 『忘却のための記録』という本によれば、引揚者は三百十九万人。そのうち、私と同じように中国から引き揚げて来た人たちが五十万人。その他、軍人・軍属が三百十一万人いますから、計六百三十万人が戦後、壮絶な引き揚げを体験したのです。


〈この七十年を評価せよ〉


 なぜ、このような引き揚げの事実が戦後の日本でほとんど顧みられなかったのか。朝鮮半島からの引き揚げ体験を書いたヨーコ・カワシマ・ワトキンズさんの『竹林はるか遠く』がアメリカで発刊されると、在米韓国人らが猛反発して出版停止に追い込んだということもありました。


 朝鮮半島で日本人たちが暴行や強姦、略奪に遭っていたという、韓国人らにとっては「不都合な真実」がつづられていたからでしょう。


 日本でも戦中の加害行為ばかりが取り沙汰され、一般市民である我々のような立場の人たちが一切合財いっさいがっさい、財産を没収されたことについて、中国への非難どころか、ほとんど話題にすら上らなかったのはどうしてでしょうか。


 中国や韓国の世論工作や「敗戦国である」との負い目から、日本政府自身が封印してしまったのかもしれません。しかし戦後七十年を迎え、引き揚げ経験者たちもこの世を去るか、残っていても高齢の方ばかりです。幼少期に引き揚げを経験した私たちの世代が辛うじて残っているくらいでしょう。


 私たちの財産を取り上げた中国が、いまも謝罪や賠償を求めてくるのはとても許せない。歴史の事実として、引き揚げ体験者がどのような目に遭ったのかを是非、多くの人に忘れないでいただきたいのです。


 戦後七十年、日本はよく頑張りました。世界の平和と安寧、繁栄のために力を尽くしたと思います。


安倍総理が米議会演説で言ったように、戦後の日本ほど痛切な反省のもと、世界平和と民主主義のためにここまで模範的に努力した国は、他にはないのではないかと思います。


 世界は「戦後七十年」を評価すべきであり、七十年より前のことばかりを騒ぎたてるのはおかしい。ならば他国はこの七十年、一体何をしてきたか。なかでも日本を「軍事的に台頭しようとしている」「歴史を忘れるな」などと折に触れて批判してきた中国はこの七十年、戦争や他民族の弾圧ばかりを行ってきたではないですか。


 日本統治の穏やかな間は文句を言わなかったにもかかわらず、日本が負けた途端に足元を見て市民の財産まで奪い、なおも「謝罪がない。賠償せよ」と騒ぎたてる中国は卑怯者と言わざるを得ない。その尻馬に乗って騒いでいる韓国はなおのことです。


〈日本は胸を張っていい〉


 日本人は戦後、一貫して「反省」と「謝罪」の姿勢を取ってきました。しかし、いつまでもウジウジと過去ばかり振り返るのではなく、この戦後七十年の間に民主主義と平和を重んじる国に成長し、国際社会に貢献している日本は立派だ、と自らを肯定してもいいのではないでしょうか。


 東南アジアへの援助を惜しまず、中国に対してすら、ODAで莫大な資金と技術を提供してきた。お礼を言われてもいいくらいで、謝罪を求められる筋合いはありません。


 黄文雄さんが「中国は謝罪しろという前に感謝しろ」と仰っていましたが、中国、韓国以外のアジアの国々も内心、そう思っているのではないでしょうか。


 アメリカ一極支配が弱まり、今後は日本がアメリカを支えなければならなくなってきました。かつての敵同士が手を組み、世界の平和と民主主義のために手を携える。そして世界に民主主義と平和と法の支配を実現した国として、日本は世界のお手本にならなければならない。未来志向でいきましょう。


 戦後も七十年、もう胸を張ってもいい頃です。これからも頑張ろう、日本!

(以上、wiLL2015年7月号より抜粋)



鈴木史朗氏の壮絶な体験談如何でしたでしょうか?


中国引き揚げ者もこの様な悲惨な目に会っているのです


鈴木史朗氏の仰有る通り、中国・韓国に日本に対して賠償だの謝罪だの求める権利は有りません


どうか皆様、真実に目を向けて頂きたいと思います

今回は引用文が長い為、後書きは割愛致しますが、この様に有名な方が体験をご披露して頂けた事が大変貴重で有ると思います


日本の近代史は何かと『偏向』されております


今後とも拙著等を通して、近代史の真実をご理解頂けると幸いです

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