表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
経済財政愚問放談  作者: 日本再生委員会
年功序列制が、格差の拡大を防いでいた
2/79

年功序列制が、格差の拡大を防いでいた

まず、本章に入る前に軽く論じておきたい事が有ります


それは、共産主義と社会主義です


キチンとした学術的論考はおくとして、共産主義や社会主義とは、有る意味どうしても避けようがない人間社会における格差の拡大を、経済面において平準化する事によって防ごうとする試みであった側面が有るように思います


しかし、実際には現存する共産主義国家である中国や北朝鮮を見てもおわかりのように、特権階級とその他国民とでは生活水準に雲泥の差が生じております


中国に関しては、社会性資本主義などという意味不明な抗弁で、グローバリズム経済の恩恵を一部特権階級が牛耳る状態にあり、とても共産主義とは言えなくなりましたがw


この様に資本主義であれ共産主義・社会主義であれ人間社会には格差がどうしても生じます


それは、支配する人(人の集団を纏められる人)と支配される人(能力的に平均的な人)が人間集団を社会として運営していく為にはどうしても必要なシステムであり、格差でもあります


しかし、この構造を格差と考える人は、少ないと思います


生まれ持った能力やその後の生き方によって違いが出ることは、致し方のないことです


では、民主主義体制や資本主義経済において格差是正とはどういう事なのか?


どうやっても避けようがない、能力差によって生じる収入や生活の格差を如何にして最小限度に納めるか?


それがこれから論じる、日本が生み出し世界が羨んだ『年功序列』の本質です


年功序列・・・有る一定の世代にとっては懐かしい響きの言葉です


年功序列とは書いて字の如く、企業等で年月を重ねて働けば、その貢献度に応じて昇級なり昇進なりする制度です


では、実際はどうでしたでしょうか?


幾ら年功序列とは言え実績が無い者は昇進出来た訳ではありません


わかりやすい例として、営業職をみてみましょう


同期に入社した営業職社員が10名居たとしましょう


ある能力の高い営業社員が業績を挙げていきます、すると彼は歩合給や特別手当やボーナスで他の社員よりも高い収入を得るようになります


更に好成績を挙げていけば、彼はやがて次長→課長→係長→部長と出世して行き他の平均的成績の社員をどんどん収入で引き離していきます


こうして同期入社の社員同士に格差が生じ拡大を続けていきます


成績の悪い、若しくは平均的な営業社員は下手をすれば万年平社員です


人間の集団が存在する以上、こうした能力差はどうしても発生してしまいます


全員が高い業績を挙げる何て現実には中々有りませんし、有ったとしてもその中で更に序列が生まれるだけでしょう


こうした避けようがない格差の拡大を最小限に押さえる役割を担っていたのが『年功序列』と言うわけです


今でこそ難しいですが、高度成長期やバブルの頃は、業績が平凡でもキチンと真面目に長年勤めていれば、それなりに定時昇給して行きました


勤め続ければ、誰でも毎年一定額昇給する『年功序列』と言う世界にも稀な制度によって、日本人は国民総中流と言わしめた社会構造を作る事が出来ました


年功序列によって、入社から結婚→出産→子育て(学費)→老後と必要な収入を確実に得ることが出来ていました


そのためアメリカからは、昔「日本は最も成功した社会主義国家だ」などと言われていた時期も有りました


日本人の相互互助的民族性が生んだ画期的な制度と言えたと思います


しかし、資本主義的理論や、企業経営における論理には年功序列はそぐわない制度でも有りました


次回では何故年功序列が崩壊したのかを論じて見たいと思います

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ