グローバリズムは必ず飽和する
グローバリズムに限らず、資本主義経済は必ず飽和します
例えば日本国内で考えて見ましょう
昔は日本にも沢山の自動車製造会社が有りました
日産・トヨタ・三菱・マツダ・ホンダ・スズキ・ダイハツ・スバルと現存する会社以外に、日野・いすゞは乗用車も作っていましたし、マイナーな所だと日本軽自動車・オオタ・プリンス・たま・ホープスター・くろがね・アキツ・オリエント等々大小合わせて物凄い数有りました
これ等自動車製造会社が日本国内市場で激しい競争を繰り広げ、市場を拡大して行きました
そして市場拡大が頂点に達した時、販売数が伸び悩み始めました
製品が市場に行き渡り、購買力が限界に達したのです
これが資本主義経済の飽和現象です
市場のパイがある程度決まっている以上、必ず購買力が限界に達し市場が飽和状態に成ります
買い換え需要は勿論有りますが、一度限界に達した段階で景気が後退局面に入る為、市場が縮小して行きます
ここで市場原理に乗っ取り、体力の無い会社が淘汰されて行きます
そして更に購買力を失った失業者が増える為、市場はもっと縮小します
売れなくなった商品を売る為、企業が価格をさげて来ます
するとコスト削減が始まります
そしてその企業に納入していた企業も収益が減ります
そうすると当然労働者の収入が減ります
はい、デフレスパイラルの誕生です
此処まで行く前に、政府が財政出動を増やしたり、公共投資で需要創出したりして、少なくても1997年代迄は日本は何とかデフレスパイラルには陥りませんでした
そう、消費税増税が行われた為にデフレスパイラルが深刻化したのです
あの当時は小渕内閣の所得税減税で景気が回復局面に入り掛けて居ましたが、次の橋本龍太郎内閣で今だ道中場の景気回復を消費税増税で台無しにしたのです
はて?2014年にも似たような事が?
まぁ、それはさて置き、資本主義経済は市場の飽和から景気後退、其処からの景気回復を繰り返す構造に有る訳です
では、もう少し突っ込んだ論考を致しましょう
国内で市場の飽和が始まった資本主義国家が何を始めるか?
勿論対外輸出です
初めは国内工場で生産した商品を、海外市場に輸出します
しかし、海外市場もいずれ限界に達します
何せ輸出相手国にも、自国の産業が有る訳ですから
其処で「帝国主義」と呼ばれた時代には、輸出相手の産業を植民地化して叩き潰し、自国で生産した食料品や工業製品を無理矢理購入させて市場化した挙げ句、植民地化した国の国民を人種差別的考えから奴隷化したりしました
これも一種のグローバリズムと言えなくも有りません
武力や謀略による侵略行為では有りますが
そして、その市場さえも限界に達した時何が起きたか?
世界大恐慌です
発生のメカニズムは諸説有りますが、世界市場の飽和も原因の一つと考えられます
そして、世界大恐慌が発生した後何が起きたか?
第2次世界大戦です
そう、恐ろしい事に資本主義経済やグローバリズムの行き着く究極の結論は戦争なのです
だから、グローバリズムは危険だと考えるのです
現代のグローバリズムは、輸出相手国との軋轢が発生し易い為、現地に進出して現地に工場を建設し、現地の国民を雇用して行われています
進出相手国も自国民の雇用や輸入国から輸出国に成れる事から歓迎されますし、何より経済発展出来ます
さて、此所で問題が発生します
進出した企業は市場規模が拡がる上に、人件費削減出来て万々歳ですが、進出企業が元々居た国や地域が空洞化します
しかも海外進出した国から、逆に輸入するはめになってしまいます
しかも、海外進出した企業は、○○ホールディングス等の持ち株会社化し、グループ企業の配当金を集めます
結果、タックスへイブンを求めて無国籍化します
そして各国の国益や経済情勢を無視して、蝗の大群の様に、市場が飽和した地域を捨てて移動を繰り返します
こんな事を繰り返せば、早晩市場の飽和が発生するのは当たり前でしょう
そして最後は、世界中が全くの経済的均衡を迎えます
しかし実際には、タックスへイブンを実行した国に無国籍企業や投資家、金融業が集まるでしょうから、完全無欠の勝ち組国家一つと、その他貧乏国家に完全に別れるでしょう
更に実際にはそうなる前に、絶望的な貧富の格差が発生しますから、間違いなく戦争に突入します
第三次世界大戦です
其処まで飛躍する前に、グローバリズム事態が崩壊する可能性の方が高いですが・・・
何せ貧富の格差が拡大しますし、その様な経営戦略では、市場の飽和が早まるだけで、比較的安定した市場を作り上げる事が出来ません
キチンと労働者に雇用や収入の安定と成長を担保しない限り、単なる焼畑農業的な市場に過ぎません
結局其々の国家が、市場が飽和した段階(景気後退期)に入った時に、プライマリーバランスの黒字化だの、国の借金を減らすだの言って、緊縮財政をするのではなく、キチンと財政出動して実態経済に需要を創出しない限り、不毛な景気停滞が続くだけです・・・
日本は飽きもせず、20年もやりましたから
それで未だに、緊縮財政をデフレ期にやる愚を繰り返そうとしているのです
更に其処へ持ってきて、無駄な構造改革だのグローバリズムだの持ち込んで、貧富の格差を拡大させようとしている様にしか、私には見えません・・・
正直、此の何処が「瑞穂の国の経済」かと?
終身雇用や年功序列の日本式資本主義経済を回復してくれる物と思っていた時期が私にも有りました・・・(泣)
話しが逸れましたが、グローバリズムは必ず飽和し、しかも飽和へ向かう速度が早いと言う事です
皆様、本当に何時までこんな馬鹿げた経済政策が続くのでしょうか?
更に10%消費税増税が待っております
如何でしたでしょうか?
グローバリズムは必ず飽和します
その証拠がヨーロッパに有ります
EU【欧州諸国連合】です
ギリシャ危機やスペイン・イタリアの景気後退に始まったEUの軋轢が、今や難民問題で決定的な亀裂に成りつつ有ります
アメリカもグローバリズムを推し進めた結果、バブルが崩壊し『リーマン・ショック』が発生しました
この様に実際の証拠が有る訳で有ります
今の日本政府は、周回遅れのグローバリズムを推し進めようとしております
大変危険な状況だと個人的には思います




