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藤の葉に咲く僕等の青春  作者: 兎月 鏡花
第一章 俺と藤咲とゲームと友情
4/4

第一話 始まりの春,1

「なぁ…」

「…なに?」

「今日って何の日か分かるか?」

「……特にこれと言った日じゃなくない?」

「うん、俺が悪かった。質問の仕方を変えよう。今日は何の為に登校したのかな?」

「……そんなの、入学式に出席する為でしょ…」

「だよな?」

「……うん」

「………それじゃあさ」

「………うん」


「…………何で俺等、立たされてんの?」




〜数時間前〜



青い空、白い雲。鮮やかな色をした桜が宙を舞い、地面は桜色のカーペットを敷いたようだ。

前を歩く生徒の中には、真新しい制服に身を包んだ新入生の姿も見える。


「はぁ〜…春だなぁ」


そんな事をポツリと呟く俺、天寺アマデラ マモルは今年進級して高校2年生になる。

これと言って楽しみな事もなければ、これと言って不安な事もない。ただ、しいていうなら…アイツとまた同じクラスになれれば嬉しいかもな。と思うぐらい。

それにしても俺は今、今朝に地域の人から掃除をしていた事を褒められ上機嫌なのだ。昨日、お気に入りのCDが割れてしまい、(そんな事は俺の不幸レベルの中の中級に過ぎないのだが)ショックであった。しかし今朝、褒められた事によって、それすら忘れられた。それ程嬉しかったのだ。

だから、何だか今日は悪い事が起こる気なんて、さらさら感じていない。

もしかすると、今日はとても幸運な一日になるかもしれないと思うぐらい……は、言い過ぎだった。


そんな事を考えながら歩いていると、あっという間に学校へ着いた。

俺の通う学校は、家から徒歩で約40分という、決して遠くない所にある星乃瀬学園…通称、星学。

高くも低くもないといった偏差値の高校で、俺はその学園で高校生活を送っていた。


正門をくぐると、いつもと少し雰囲気が変わっていて胸が高鳴る。そして、この位置から見える紙には…これからの高校生活の2年間を左右すると言ってもいい程の重大な事が書かれている。…そう!!

_____クラス表である。

これを見る瞬間は、誰だってドキドキするだろう。

あの子と一緒かなー、とか

あいつは嫌いだから同じクラスはヤダなー、とか

知ってる人何人いるかなー、とか

人それぞれ色々な事を考えてしまう。そしてこの星学は、クラス替えが2年生に進級する時にしかない。つまり、今回決まったクラスがこれからの2年間共にする大切なクラスという事!


「あぁー…。やっぱドキドキする…」


そういいつつも目は懸命に自分の名前を大きな紙から探している。そして______


【2ーC 天寺 護】


「げっ…出席番号1番…?」


自分でも驚く第一歓声だった。

まあ…あ行なので、いつも3番目ぐらいには入ってしまうんだけど…。

あっ、そうだ。アイツは…………


「………っ!…っし!同じクラス!!」


素直に嬉しかった。また…また、同じクラス!

他の奴の確認なんて忘れて、指定されたクラスに早足で歩く。

いつも登校するのが遅いアイツだが、今日は早めに着いているかもしれない。そんな期待を胸に、俺は校舎の中へ入った。

新しい下駄箱に自分の名前が書いてある札を入れ靴をしまい、階段を一段飛ばしして駆け上がる。

ガラガラッ

教室のドアを開け、周りを見渡す。

やっぱり……まだ来てないか。

少しガッカリしたが、それでも嬉しかった。




この時俺は気付かなかった。

まさか、こんな日に罰を受けるだなんて…。










護「まさかの続く!」

優「そして一話目にして出番が少ない主役…ッ!」

護「……ドンマイ」

優 「まあ、出番が少ないのは楽で嬉しい」

護 「おい主役」

優 「………てへ」

護 「棒読みで『てへ』と言われても…。まあ、この物語って俺の視点から描く事が基本らしいからな」

優「ふーん。じゃあ、出番までゲーm…」

護「やめろ」



次回《第二話 始まりの春,2》


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