第二話
休日。嫌なことが起こるかも、と悪い方向に想像を働かせれば、休みの日とは思えない絵図が浮かんでくる。月曜日のように起きるのがきつい。遅刻とかそういうものがあるわけではない。ここは二度寝をして少しでも時間を稼ごう。そう思ったのだけど、目が覚めたのがばればれで「ほら起きて」と体を揺さぶられる。ねだったところで駄目だとわかっているのだが「後五分」と定番の台詞を述べてみる。「はいはい、駄目だよ」布団をはがしてくる。休日はよく布団を干すのを理由にしてくる。天井があるここでは雨が降ってこない。だから休日はいつも干す。太陽光も無いということでもあるのだが美咲はいつもベランダに干していた。意味があるのかわからないが、そうした方がそれっぽくはある。「仕方ないな」美咲がギャルゲエロゲの定番に走らないうちに体を起こす。時刻は八時。朝日と同じように点けられる天井からの明かりを身に受けながら体を伸ばす。爽やかなものはあまり感じない。彼女が布団をベランダで干すのと一緒だ。なんとなくそうした方が気分がいい。
朝食をどれだけ食べるのか。食べる人もいれば食べない人もいるということを僕らが知っているように、明確な差が出やすい。僕らの朝食事情も美咲が家事を何でもするようになってから急変した。「出来たよ」呼ばれて携帯ゲーム機から目を移すと小さなテーブルを皿が埋め尽くしているいつもの光景と再会する。一人暮らしをしていた頃はトーストとヨーグルトだけだったのが、彼女の部屋に住むようになってからはこうだ。美咲は朝も昼も夜も全力で満腹にしてくる。過去に猛威を振るったヤンデレという萌え要素をベースに考えれば、そうやって自分の作った物しか口に入れさせない狙いがあるのだと解釈できるが、僕は好意的に捉えて、料理の楽しさに目覚めた結果としている。どうせ彼女の料理以外を口に入れる機会なんて無い。彼女の瞳孔が黒い炎になるまではそう思っていていいんじゃないかと思っている。すぐに携帯ゲーム機はスリープモードにさせて、手を合わせる。「いただきます」美咲も同時に声を出して、ぴったりと重なった。
おいしい朝食をよく噛んで食べる。その方が健康にいいとよく耳にする。健康はあまり気にしていないけれど、次から次へと飲み込んでいってしまえばこの幸福な食事の時間がそれだけ早く終わってしまう。それが嫌で一口一口よく噛むように自然となった。ずっと食べていたいのに、皿の上にあった物は喉を通っていってしまう。何色もあった朝食が真っ白になってしまったのを見ると切ない。
美咲が家事をしている間、ゲームくらいしかすることが無い。全て美咲がやってしまうから疎外感がある。分業必要。その訴えは何度しても通らない。しかし家事を終えた美咲がこちらに来ても、その後複雑な気分にさせられてしまうのは明らかで。今の彼女がやっていることは、僕の好みをなぞっているだけなんだよな。前にエロ関係の物品を全て回収されたことがあった。それらを捨てずに、僕が大学に行っている最中に見て勉強をしているようだ。行為中に見覚えのあることを彼女はしてくる。聞き覚えのある台詞もちらほら。そう例えばこの前の。ああ、駄目だ。紛らわさないと。ゲームをしている時だけは彼女のことから頭を離すことができるのだから、ちゃんとゲームに集中しないと。
皿洗いを終えた美咲が近付いてくる。そろそろか。セーブしてゲームをやめる準備をする。諦めていた僕に向けられた美咲の明るい言葉は日光のようだった。「ねえ、デートしよ」デート。二人で外出。それはいい。美咲はまだ外で変態行為をするのに目覚めていない。安心安全だ。不純なものはこの部屋の中でお留守番していてもらおう。
着替えた。上下共に黒い服。それから小さな鎖が格好を付けているつもりらしい。ゲームなら、孤独な感じでうろつきながらも主人公のパーティにちょっかいを出して闇属性の攻撃を使ってくるようなキャラがこんな服を着るのだろう。自覚が無いだけで実際にそういうキャラと被っているかもしれない。そうだったら嫌だな、と思う。頃合を見計らって、着替えている最中に襲われないために勝ち得た聖地洗面所から出る。すると美咲が「おお」と声を上げる。「いいねえ、何度見てもいいねえ」とにやにやしながら触ってくる。こやつがこの服を選んだのだ。頬が持ち上がってにやにやしているのは、素直に格好いいと思っているのかはたまた面白がっているのか、わからなくて反応に窮する。まあどちらだとしても、それはそれで困る。その一方で「また面妖な服を手に入れましたね」とコメントするしかなかった美咲の服はおそらくゴスロリというやつだ。黒が基調の物で、とてもふわふわとした印象を受ける。それからひらひらとした箇所が多い。「どう?」と聞かれる。お人形さんみたい、という台詞が浮かんだがそれは褒め言葉にしてはテンプレートすぎるんだろうな、と考え直す。「可愛いあまり抱き締めたくなるね」本当に可愛く見える。彼女の体のラインを消すのと一緒に憎憎しさを取り払ってくれているからだろう。抱き締めたくなると言ったからには、じゃあ抱き締めて、と甘えてくる彼女に応えなくてならなくなるのだが、どうにか軽く抱き締めるだけで済んだ。この程度の接触は少し貴重な気がして感動がある。
ここ最近デートをしても行く場所はほとんど一緒だ。美咲はこの天井の下でしか活動しない。僕が美咲と住むようになってからの数ヶ月間、彼女は空を見ていない。彼女が自分にとっての世界をこの引きこもりの街だけにしてしまってからもうすぐ一年が経つ。どうにかしないと。一年後もこうやって天井の下でデートしながら、どうにかしないと、と思っている自分がいそうで怖い。でももしかしたら彼女が柔和な顔つきでいられるようにするにはどんなに頑張っても一年では足りないのかもしれない。何年も何年も今の彼女のまま。それを考えると頭が痛くなる。そんな未来のことなんて考えられない。
僕の着ていて恥ずかしい服も美咲の周りから浮いてしまいそうな服もまるで流行りものの服であるかのように雑踏の中に自然と混ざってしまう。今や店員だけでなく客までもがメイド服を着ている。天井や壁によって他者からの冷たい視線がカットされているように思えること。それがこんな文化が生まれた要因となっているのは明らかだった。高い壁と、天井。それは僕らが生まれる前に起きた殺人事件の影響なのだと言われている。外部から来る害を妨げるための天井。例えばここでは雨とは無縁だ。でもあの天井を見る度に複雑な気分になる。この街でコスプレをしている人たちの中には、コスプレが大好きでそれを楽しむためにやっている人たちもいるけれど、平常時の自分に納得できなくてここで自分のキャラクターを演じている人だっている。それが悪いこととは思わないけれど、そういう面があることを見透かされているから、ここ一帯は引きこもりの街とも呼ばれてしまっているのだろう。そして美咲はその印象にぴったり当てはまってしまっている。本当に着たいと思って着ているならいいけど、ふわふわとしたその服は美咲が現実から逃れようとしていることの象徴のようにも見えてしまう。
本屋をうろつく。置いてあるのは漫画や同人誌。人気の漫画の最新刊が山積みになっていて、その漫画のキャラクターの格好をした人がそこから一冊取っていた。それを美咲も見つけたようで「あ、あの人凄い」とフリルの付いた袖から覗いている白い手がそのコスプレイヤーを指差していた。そして美咲の視線がまた別の凄い人を捉えた。「あの人も凄い。あんなのもありなんだねえ」と感心している目の先ではバンダナを巻いたチェックのシャツの男がリュックサックを背負っていた。リュックサックには丸めたポスターが刺さっている。定番となっているメイドや、流行のキャラクターのコスプレをする人が多い中で、周囲とは異なるオーラを出している。驚いて思わず「あれは伝説のステレオタイプなオタクじゃないか」と漫画のように解説してしまう。
「本当にああいう人いたのかな」珍しいコスプレに美咲も僕も興奮気味になる。「でもあんな格好の人ばかりだったらそれはそれで大変な光景だと思うんだけど」想像してしまったのか美咲はぷっと吹き出した。「確かにちょっと怖い」ここに壁も天井も無かった頃に非現実に夢中になっていた人たちはああいう格好をしているのだというイメージが根付いている。今のコスプレ街にメイドの格好をしている人が多いのは、その時期にオタクにはメイドというイメージが生まれたかららしい。昔から変だったんだな、と思った。美咲にそれを言うと、いいことだねえ、と言ってきた。まるで気持ちのいい昼間にいい天気だねと言うように。
彼女にとってアニメやコスプレは太陽に近い物なのかもしれない。それらに囲まれている時の表情は生き生きとしている。けれどもここではあまりにも空想が溢れてすぎていて、現実と空想の境界線が曖昧になってしまいそうで怖くなる瞬間がある。売っているものはフィクションばかり、そしてそれを売っている人も買っている人も空想から抽出した服を着ている。そんな中にいるとまるで気付かぬうちに色々なアニメやゲームをごちゃ混ぜにした演劇に参加してしまっているような気分になってくるのだ。視線を上に逃がしても空は見えない。夢物語であるはずのこの劇はどこか現実よりも窮屈な気がしてしまう。楽しむための空想ではないから、押しのけられているはずの現実が脳裏にちらつく。僕の考えすぎなのだろうか。美咲は壁の外で漫画を購入する人と同じような所作で漫画を購入していた。「これ楽しみにしてたんだ」とにこにこしている美咲。どうやらおかしいのは僕の方だったようだ。彼女の笑顔を起爆剤にしてもやもやとしたものを吹き飛ばす。でもこのままでいいとは思わない。
美咲と歩きながら色々なコスプレを見ていると、数日前に見た悪魔の格好をした女性をまた見つけた。羽は邪魔にならないように畳まれている。尻尾の方はちょろちょろ自己主張をしていた。「あれ凄いよ。尻尾が動いてる」と美咲に教えてやると「あ、亜紀さん」と大きな声を出して「亜紀さん」と呼びかけながら手を振り出した。すると亜紀さんと呼ばれた悪魔の女性がこちらに気付いて近寄ってきた。「美咲ちゃん、やっほ」お互いに名前を知っているということは知り合いなのだろうか。美咲に聞くと、そうだよ、と言って「亜紀さん、最近こっちに来たみたい」と紹介した。「よろしくね」と悪魔が友好的に言う。「もしかして美咲ちゃんの彼氏?」と聞かれて美咲は満面の笑みで「はい、そうです」と返す。こんなこと全然無かったから何か恥ずかしい。
そのままずるりと喫茶店でお茶することになってしまった。美咲が悪魔と知り合いだなんて。コスプレ街は狭い。通りと違って余裕がある。亜紀さんは文字通り羽を伸ばしていた。こうもりのような黒い羽がぴんと伸びる。亜紀さんは前に見かけた時と同じで露出度の高い服を着ているのだが、羽の動きが面白い分苦手意識もそこまで生まれなかった。「そういやその羽と尻尾ってどういう仕組みで動いているんですか?」脳波で動く猫耳のようなものだろうか。しかし頭に何か着けているようには見えない。「それはね。私が本物の悪魔だから動かせるんだよ」悪戯好きの笑みでそんな冗談を言う。美咲が「またそんなこと言って。本当のところどうなんですか?」と聞く。どうやら前にも冗談を言って誤魔化したことがあったようだ。「この前はね、可愛い子を見つけると動くとか言ってたんだよ」と教えてくれる。「なるほど。口説かれたわけだ」と言っていると「君もなかなか面白いんじゃないかな。私の尻尾も、ほら、こんなになってる」と亜紀さんが自分の尻尾を指差した。蛙のおもちゃのように尻尾がぴょんぴょん跳ねていた。本当にどうやって動かしているのやら。どうにかして空気を送り込んでいるのだろうか。それか魔法で制御しているか。でもこの街でそんな目立つことしないよな、とも思う。
「でも本当に面白そうな気配があるなあ。誘惑しちゃおうかな」冗談で済みそうにない亜紀さんの台詞。勘弁してください、と僕が言い終わるや否や「ふざけたことを言っていると殺しますよ」と本気と冗談のカクテルに殺気を添えて美咲が笑顔で言い放った。こちらに向けられた言葉ではないけれど怖かった。亜紀さんに動じた様子は無く「ごめんごめん。本命は美咲ちゃんだから安心して」と手を合わせた。今度はこっちが嫉妬を覚える番だった。「美咲を取ったら殺しますよ」と美咲の真似をしてみる。「あらら、怖い怖い」同じような反応を見せるがやけに美咲のことが気に入っているようだった。今度は「でも隙があったら奪っちゃうもんね」と言う。にやりとした表情を作っている目が眼鏡の理知的な印象と重なる。その瞬間油断ならない人間に見えた。謎の多い悪魔の格好と含めて、何をやらかすかわからない印象が残った。悪いことをしようとしても加担しないよう美咲に注意しておいた方がいいのかも。そそのかされて犯罪とかしてはいけないよ、と悪魔のいる前では言えないが。
「それに今日の美咲ちゃん、すっごく可愛いんだもん。その服凄く似合ってる。お持ち帰りしたい」と褒めちぎられて美咲は満更でもない様子。「そうですか?ありがとうございます」と言って深々と頭を下げた。「いやいや」と眼鏡の悪魔も頭を下げていた。僕と二人でいる時には全然見ることのできない美咲の動作に、こういうのも面白いなあ、と感じた。「色もいいね。黒はいい色だよ。白もいいアクセントになってるね」そう言う亜紀さんも着ている物は全部黒い。思えばこのメンバー真っ黒すぎる。「これで羽と尻尾があったら完璧だよ」やっぱり悪魔がいいのか。美咲も苦笑いしている。彼女は悪魔には向いていない。
亜紀さんと別れて、服を見に行く。中にあるのはメイド服やアニメに出てきた衣装。コスチュームとしての色合いが強いがこのコスプレ街では通用する格好なので、美咲にとっては十分に服なのだ。アニメのキャラクターが着る服なので露出度の高い物も多い。美咲との過剰な回数の性交によってセクシーな物はトラウマになりつつある。今彼女の着ている服が本当にありがたいくらい。どうか興味を持たないでおくれと願いながら見ていく。祈りが通じたのか美咲は興味を持つことなく通り過ぎていく。店の奥の方にある魔法少女系のコーナーにはあまり近付かない。徹底している。
彼女が足を止めた所にあったのはメイド服だった。種類が多くて一つのコーナーになっている。いよいよ美咲もコスプレに手を出すのか。これが症状の悪化の表れでなければいいのだが。「どれがいいと思う?」と聞かれたので迷わず「これ」と長袖でスカート丈も長いやつを指した。色も黒と白で派手ではない。落ち着きのあるメイド服には清楚な印象があるので美咲にはぜひこれを着てもらいたい。「こういうのはどう?」美咲が選んだのも白黒で同じような色合いだったが、露出度の高い物だった。「それは駄目」きっぱりと即答したのだが、どうして、と聞かれて困ってしまう。エロ方向に走られるのはちょっと、とそのまま言うのには抵抗があった。しかし嘘をつこうにも他に適当な理由が見当たらない。「目のやり場に困るから」とどうにか改変した。「へええ」美咲の口の端がにたりと上がった。そして悪いことを考えている目。「じゃあこっちにしちゃおっかな」と言う天邪鬼を止めようと言葉を出すが「別にじろじろ見ていいんだよ?」と小悪魔の笑みが深くなるばかり。「そんな格好して外出られたら困るかなって」と言っても、じゃあ家の中でだけ着る、とますます劣勢になっていく。エロを避けようとする態度を怪しまれているかもしれない。冷や汗が出てくる。効果的な言葉を出せなくなって困っていると「ま、どうしてもこっちがいいって言うなら考えないでもないけど」と天邪鬼モードを解除してくれた。「お願いします」頭を下げて機嫌を取った。
アパートに帰ったのは四時頃だった。今日の戦果は漫画とメイド服。メイド服は結構思い切った買い物だったと思う。彼女が服を買うことは少ない。僕の方の事情により流行を追っかけて新しいアニメのコスチュームを季節毎に購入しても全く痛手にならないのだが、彼女はあくまで自分の財産でやりくりしているようだった。僕のお金か彼女の親の金かという差なのだけれども、結構大きな差のようで、こちらのお金は生活費にしか使われない。魔法少女の夢を完全には諦めてはいないことに似た、越えきれない一線があるみたいだった。
その買ったばかりのメイド服を着てみたりするのかな、と思ったのだが美咲は買った物に目もくれずに抱き付いてきて、キスしながらベッドに押し倒してきた。美咲は唇を離すと「ねえ、亜紀さんどうだった?」と聞いてくる。「どうだった、って何が」質問の意図がよくわからない。「私より亜紀さんの方がいいとか思ってない?」ああ、そういうことか。「全然」やましいことを考えていなかったから率直な返答ができたはずだった。なのに「本当かな」と疑ってくる。「健太の目、輝いてたよ」何を根拠に。もしそうだとしてもそれはコスプレの完成度に輝かせただけで。しかし正直に言ったところで鎮火させられるのかどうか。言葉を選んで「だって羽とか尻尾が動いたら気になるじゃん」とできる限り屈託無く言う。ふうん、と美咲。真っ黒な瞳が夜の森を思わせる。「私も悪魔になっちゃおうかなあ」と無表情に近い声で言ってくる。本音なのか冗談なのか。とりあえず「ならない方がいいよ」と言って、どうにかしてさっきまでの美咲に戻そうと思った。しかし美咲は「大丈夫だよ。酷いことはしないから」と微笑んだ。顔を見つめたままベルトを外してくる。「でも私のことが忘れられないくらいにしてあげるね」と天使のような声色で言って彼女はいつもより激しく自分の肉体を交わらせてきた。
一度や二度で終わらなかった行為が夕食のおかげで中断された。夕飯の準備を始めた美咲の格好は裸エプロンというとんでもないもので、美咲のことを忘れられないようにする行為がまだ続くということを理解させられた。こういう時でも彼女はしっかりと料理する。量もいつも通り。いつもと同じなのに感じるものが少し違う。丹精込めて作られテーブルを埋める夕食がそのまま性行為の活力になるのだろう。今日寝る頃になってもいくらか残っていてくれと祈りながら噛んで小さくしていく。
食後に裸にエプロンだけという格好をアピールしてきて、入浴する時も泡まみれにしてきた。回数を重ねる度にこちらの性欲は大人しくなっていったのだが、彼女は辛抱強く愛撫してきて必ず僕の性欲を、井戸から水をくみ上げるようにして、引き出してくるのだった。そうやって肉欲の水位を上げるためのキスや抱擁をしては彼女の肉体に溺れさせられる。美咲は凄く頑張って十一時まで性交を続けた。そんなに必死にならなくても、僕は美咲のことばかり見ているというのにそのことに彼女は気付いていない。手探りしている子どものようで、可愛い美咲。彼女のために僕も頑張って彼女を求め続けた。そして美咲が疲れ果ててから優しく抱擁してやって、二人でぐったりと眠った。