筋トレグッズ
同じ考えの人がいたんだろうなぁ。
職場にダンベルがある。
2キロ
5キロ
10キロ
「ご自由にどうぞ」
ガチかよ。
こんな場所占領して…良いのかよ…。
握力付けるやつもあんじゃん。
カッシャンカッシャン
あっちは懸垂するやつ。
ぶら下がるだけが精一杯のやつな。
いやいや、これ誰だ?誰がやった?
8個上のあいつか?
静寂を打ち破る優しい声がフロアに響き渡る。
神先輩「おはよう。いつも早いね。」
「!?」
「おはようございます」
あまりにビックリして小声になっちゃった。
朝は元気よくいくって決めてるのに。
この前リコちゃんが変なこと言うから、変に意識しちゃって駄目だ。
顔見るの恥ずかしい。見られるのも恥ずかしい。
神先輩「この前アオイさんがおやつ断ってから、このフロアはお菓子回らなくなったね。お客さんからの差し入れだけだよ。健康診断の為って言ってたから全然関係ないんだけど、僕は断る機会が減ってとても助かったよ。ありがとう。」
「あ、はい、そんな…ありがとうって言ってもらうことなんて何も…。」
神先輩「食べられないお菓子もいつも引き受けてくれてありがとう。ありがとうの気持ちをここに込めるのもおかしいんだけど…部長に相談して、運動出来る物を置いたんだ。仕事の合間にちょっとでも出来たら違うかなと思って。目の前にあったらやってみようって思うでしょ?ジムに通うのもお金も時間もかかるし、家に帰ってからは休みたい気持ちが勝っちゃうし。僕の場合だけかもしれないけど(笑)」
神先輩だったのかよ!神先輩がわざわざ筋トレグッズを置いてくれたの!?
部長の許可を得て!?
ひえ〜マジ神じゃん。まじゴッドじゃん。
筋トレして少しでも筋肉を付けよう。
先輩の気持ちに応えて、健康診断オールAを目指す!
「ありがとうございます!頑張ります!」
神先輩がニコニコしてるのを見るとほんわか心が温かくなる。
安心感〜
神先輩「仕事も運動も一緒に頑張ろうね。…聞こえてないかな。」
朝早くのフロアで先輩と2人きりだったが、私は筋トレグッズに意識がいっていたからどうも思わなかった。
神先輩(このまますんなり仕事に取り掛かるのも…いやでも何話す?う〜ん早速筋トレする?ど、どうすれば良いんだ!?)
8個上の先輩「おはよ〜っす。って、え!?何これ!?」
チッ。今日に限ってもう来たのかよ。
あ!私今マスクしてない!早く早く!
神先輩「おはよう。今日は早いんだね。運動出来るように部長に許可取って置いてみたんだ。使ってみてよ。アオイさんまたね(小声)」
!?
どういう…どう…?
また?何が?
みるみる赤面していくのを感じながら、大き目のマスクで本当に良かったと安堵した。




