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◆プロローグ

(;^_^A 初めましての人、久方ぶりの人、閲覧ありがとうございます。ひっそりこっそりお恥ずかしいですが、ご興味のある人は読んでいただけたら嬉しいです。


 ◆プロローグ


 ── なーろっぱ世界のタウゼント王国。


 庶民で空のような爽やかな水色の髪と紫水晶のような澄んだ瞳のシルヴィア(実は没落した中位貴族のフィルティヒ伯爵令嬢)だったはずの母親が、国王陛下のお手付きになった。


 その後、母親と同じ髪色と海のような碧眼のクリスタルと名付けられた少女が生まれた。






 王都から少し離れた周囲が広い草原、簡素だがそこそこの貴族が建てたらしい邸宅があった。


 母と、乳母だった元乳母と執事の年おいた老夫婦と、少女。4人だけで静かに平穏に暮らしていた。


 月に1度、将軍みたいな軍服を着た格好で身形もいい男が、母親の様子を訪ねてくるだけ。


 少女は男の軍服姿から、勝手に将軍様と名付け、たまに声を掛け合う時もそう呼んだ。


 彼女は男が父親だと勘違いしているが、国王陛下に密かに命令を受けて母子のために陛下からの援助資金を手渡しに訪問したり、息災か様子を見にきていただけだった。


 しかし、その様子を、本当に将軍だった男の嫉妬深い妻が訝しみ、暗部の男に依頼して後を付けさせた。






 *****






 ある日、将軍の使いだと名乗る全身黒づくめの得体の知れない妖しい使者から


「将軍が病気になったのですぐきてほしい」


 と、嵐の激しい中にも関わらず黒塗りのどこの家名もわからない馬車を出してもらって、将軍宅へ向かうことになった。


 雨が激しく打ち付ける嵐の夜、黒塗りの馬車が崖道を疾走していた。中には、水色の髪をした美しい母と、その娘であるクリスタルがいた。将軍からの急な呼び出しだ。しかし、それは罠だった。


 突然、馬車は襲撃を受け、崖から転落。大破した車体の中、母はクリスタルをかばい、絶命した。クリスタルも深い傷を負い、意識が遠のいていく。


 その時、崖下まで全身黒づくめの男が絶命したか母子の様子を確認しに近づくと、黒づくめの男は母子の珍しい水色髪を切り取り、馬に乗って去った。






 *****






 暫くして母親の遺体の下から無念で成仏できない少女が


(神でも……いえ今すぐ自分たちを助けてくれるというのなら悪魔でも構わない……私たちを助けて!)


 クリスタルが最後の力を振り絞って祈ると、森の中の闇の中に、銀色の髪、右目が赤、左目が金の異色瞳を持つ、半透明の美しい存在が現れた。


 それは美少年? それとも美少女? かとも見える。しかし体全体が透き通る半透明で得体の知れない何者かだった。


 "お前か?……神でも悪魔でもいいからと助けを求めたのは。


 ああ……だが残念だったな。母親は絶命している。もう手を尽くしても生き返らせてあげれない。それにお前の命の火も消えそうだが……これならなんとかなりそうだ。


 お前がどうしてもと望むのなら姿と身体を媒体にして引き替えに願いを叶えてやろうか? 望みがあるなら我の名を呼び我と契約せよ。我が名はデュー。運命を司る者"


 デューと名乗った得体の知れない何者かは、母親がもう戻らないことを残酷にもただ事実だとばかりに淡々と告げた。しかし、クリスタルの消えかけた命の火は、かろうじて繋ぎ止めることができたようだ。


(デュー様?……


 ……いいわ。貴方の要求をのみます……私が差し出せるものがまだあると言うのなら全て貴方に差し出すわ……だから、どうか、私と母が何故このような目に合い殺されなければならないのか。誰かに何か悪いことをした覚えもないはずなのに……慎ましくただ静かに暮らしていたはずなのに……


 原因を知りたい、真相を知りたい……)


 "へえ? 原因を探るだけでそれがわかっただけで満足するのか、お前は?"


(……いいえ……もしもできるなら……叶うのなら、このような理不尽な目に合わされた私たちの無念を晴らしてほしい……


 それと。何かあった時にこれを持って将軍家の門を叩けと。母が将軍から渡された家紋のブローチだそうです。これも何かの役に立ちますか?……


 ……ありがとう……お願い……)


 デューは、クリスタルが母親と出かける前に渡された将軍家の紋章入りブローチを、虫の息になりながらも握りしめていた手の中から見つけた。


 "そうか、わかった。言質は取ったぞ。契約はここになった。お前の望みを叶えねばなるまい"


 デューは馬車と母親の体と下敷きになっていた少女をふわりと浮かび上がらせると、クリスタルの頭に手を当て記憶と情報を取り込んだ。そして、傷がない以外は彼女そっくりの姿に変わった。


「お前の望みが成就するまで我が其方に力と知恵を貸そう。しかし成就した暁には……」


(あ……わかったわ……構いません……私の望みが叶った暁にはきっと私の魂も成仏が叶うことでしょう……


 ……ありがとう……ほんとうに、ありがとう……)


「……それは、本当の望みが叶った時まで取って置け」


 それから母親の遺体にも手をあてて記憶と情報を入手した。


 周囲の様子を伺いながら、少女の体が消えた以外は、破壊された馬車と母親の体を黒づくめの男が去った時と同じ状態にする。


 少女そっくりの姿になったデューは、空中から何かを取り出すような仕草をすると、何もない空間から外套を取り出して自身を頭からすっぽりと覆い隠した。


 それから崖の周囲の気配を確認して、誰にも見つからないようにふわりと身体を浮かべ、通常の人間とは思えない高さの崖上に浮かび上がると、高速疾走で彼女たちが住んでいた邸宅に向かった。






 *****






 しかし黒づくめたちによって邸宅に火がつけられていて、一切合財燃やし尽くされていた。


 仕方ないので少女はマントを深くかぶり直すと、急いで燃え盛る屋敷から離れた。


 母親のシルヴィアの記憶から、彼女が心配した老夫婦セバスとチェンたちは、嵐で自分たちの息子夫婦の家族の身を案じて邸宅から離れていたため、難を逃れて一命を救われていた。それと、彼らは恐らく本当の父親から忠誠心を買われて雇用されたとも推測された。


 少女は、火事が起きて心配で様子を見に来ようとしていた老夫婦が黒づくめたちに目を付けられないように、先回りして老夫婦たちがいる息子の家を訪ねて接触した。


 外套を深くかぶり、馬車の事故を発見した赤の他人を装った。崩れた崖の下に、潰れた馬車と水色の髪の人の頭らしきものを見ただけだがと。但し、お二人が雇用主に相談しに行くことは構わないが、邸跡には決して近づかない方がいいとも警告した。


 その後、馬車が落とされた崖下の近くの森の中まで再度戻ると、雨を避けるために一先ずその森の奥で見つけた、少女一人がやっと何とか潜り込める程度の小さな洞窟で一晩過ごした。


 先住民になりそうな熊には小さすぎるし、キツネや小動物などの巣痕は見られない。光が入りやすい形なので、コウモリなどの姿も見えなかった。






 翌朝。


 昨晩、雨の中、大破した馬車の爆音でそろそろと集まっていた付近の農民たちが、雨のために崖で地滑りが起きて落ちた『崖崩れによる事故』だと推測。気の毒にと祈りながら、後から駆けつけた老夫婦だけでなく、人々の手で母親の遺体が回収され、土に埋めて石を乗せて埋葬された。


 こうして、クリスタルの復讐が、デューと言う何者かによって動き始めた ──






 *****


いつもなら導入部の序話や、まとめの終話は200~長くても3000文字くらい。

最近の作品では5000文字より長くなるまで千切らないようにしてたのですが…

orz 今回の第1話と第3話の過去話以外、構成が下手なせいで今回3500~4500文字前後で区切ることになりそう…

リアル生活の都合で週1の日付が変わる金曜の0時に投稿できるように頑張ります(汗…


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