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◆エピローグ

 ◆エピローグ


 ── 全ての真相は暴かれ、復讐も果たした、しかしデューは?……






 第二王子ゼクスは、兄アハトールの前にひざまずいた。


「義兄上、私は王位を望みません。これからも、義兄上を支える臣下として仕えさせてください」


 アハトールは義弟の肩を叩いた。


「お前の気持ちはわかっている。これからも、私の右腕として力を貸してくれ」


「……義兄上」


「ただ……」


「?」


「お互いに婚約者候補を1から選別しなおさないだけどな……はあ」


 すると久方ぶりに懐かしい男たちの足音が近づく。


「自分なら、パワーバランスの数合わせだったが、フィルツェイン辺境伯令嬢を推すな。


 近衛騎士団全員で調べた結果だ。優秀で人柄も良い上に、騎士家系だ。危険に身を置く夫となる殿下を守るには一石二鳥だろ?」


「私からは、貴族派でも野心のない研究が好きなご両親を持つ、エルフェン伯爵令嬢を推挙しよう。


 商人たちからの情報だ。ご両親も、領地の経営でもいい商売相手だと評判だ。性格も悪くない。ただ探求心が強いので、周辺諸国の言語だけでなく、マイナーな言語まで使いこなす学者肌だ。第二王子の伴侶としてなら申し分ないと思うが?」


「俺もギルドで集めた情報では、二人以上の令嬢を見つけるには、爵位と年齢を下げるか、周辺国の姫君たちまで手を伸ばさないと見つからんぞ。王太子殿下。ゼクス」


「おお、アインスにツヴァイに、ドライもか」


「お久しぶりです。従兄さんたちに、ドライ」


「貴卿らが確約するなら間違いないだろう。早速打診してみるか」


 彼らの未来は明るくなりそうだ。






 *****





 それから全てがやっと落ち着き、その数日後。


 デューは暫しの間だけ、本来のこの身体の持ち主の魂に国王陛下と娘との時間を作ることにした。


 宮廷の一室で、五体満足な姿のままのクリスタルが、国王と将軍とノイン伯爵の前に立った。


『陛下、伯父様、約束の時が来たようです』


 クリスタルの身体は光に包まれて、クリスタルの魂が顕現していた。


『ありがとうございました、銀竜の巫女様。


 母と私を暗殺した真相も判明し、復讐も果たせることができました。それだけでなく、いまここに、こうして本当の父親に会うことも叶いました。これ以上を望めばバチが当たりそうです。もう十分です。お約束通り、貴方様に与えられた仮の命をお返しし昇天することができます』


 デュー —— クリスタルを表に出したので、彼女の内から銀龍の巫女の声が答えた。


 "ああー ……、そのことなんだがな。申し訳ない。


 実は其方の母親が、神でも悪魔でも何物でも良いから、自分の全てと引き替えに娘の命だけでもなんとか蘇らせてくれないか? 人としての喜びと生を与えてくれまいか? それと、其方と同じ暗殺の真相と主犯への復讐をしてほしいという望みも其方と同じだったものでな。


 だから私は最初に私と契約を交わした者の祈りの通りに、其方の母親の残留思念と現身である影とを引き替えに望みを叶えた。だからその契約を反故にするわけにはいかないだろう? これで寸分違えず成就させたぞ? 


 其方の母親の現身の影を契約通りに返却し、其方と共有していた精神は元の身体に無事に返しておく。


 そうそう、其方の伯父が以前いた同じ病院に、長いこと植物状態だった患者が一人いるそうなんだがな。其方を戻したら老医師がびっくりするかもなあ"


『え?!』


 すると少女……クリスタルは何処かへ意識が飛ばされた感覚があり ──


 国王陛下も将軍も伯父も、少女の身体から光が立ち上り何処かへ導かれるように消え去った後に、銀竜の巫女が本来の姿を現したのを見たことと、契約の会話の内容を理解すると、銀竜の巫女に礼をした。


 "いいから、さっさと行ってやれ"


 と銀竜の巫女が厳しい顔つきで顎で指し示すと、陛下と伯父は慌てて馬車を出すのももどかしく、将軍が冷静に用意して連れてきた馬にそれぞれ飛び乗り、陛下を治療した後にさっさと村に帰った老医師がいる病院へと向かった……


 二人が慌てて去り、その後に護衛として続く将軍を見て、デューは


 "ははは"


 と愉快そうに笑った。






 *****






 —— 気が付くと、クリスタルは村の病院のベッドの上にいた。


 王都から帰ったばかりの老医師フォンフも、患者の面倒を長い事見ていた看護師も驚きの声を上げた。


「奇跡だ!」


「 目を覚ましたわ!」


 そして扉の外には、慌てたように駆けつけた国王と、ノイン伯爵、そして長年母の邸を尋ねてきて世話になった将軍の姿が。


 国王は泣きながら娘を抱きしめた。


「クリスタル……わが娘よ……」


 ノイン伯爵も涙を拭った。


「ようやく……よかった……」


 将軍も無言で、感極まった表情をしていた。






 *****






 全ての因縁が解かれ、真実が明らかになったタウゼント王国は、新たな平和の時代を迎えようとしていた。


 それらすべてを確認したデューは、一筋の光の柱と共に、人の立ち寄れぬ聖地へと消えていった。


 この世界の守護、銀竜の巫女としての務めを果たすために。姿を消したのだ。


 人が世を乱し、どこか遠くから誰かが、神でも悪魔でもないものに再び祈りを捧げるその日まで。


 銀の髪をなびかせた巫女は待ち続けるのだろう ──



 END


このラストシーンも、暗殺者のラストと同じくらい早く見せたくてうずうずしてました。

デューの言葉の端々に、母親のシルヴィアは確かに亡くなったけど、クリスタルだけは実は…匂わせる感じを含めたかったのですが、あまり露骨にネタバレ出し過ぎても面白くないし、中々難しいものですね。

ん?それより、老医師はでデューが植物状態で寝たきりの患者クリスタルにそっくりだと気付いたのではって?それと、街の病院に出入りしていた伯父のノインは気付かんかったのかって?

重病患者は奥の部屋に隔離されてたことで伯父は気付かず、老医師は

「患者について他言は守秘気味なので話せんかったんじゃ」

m(_ _)m 拙い架空話を最期までお読みいただき本当にありがとうございました。


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