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第8話、地下の楽園

突然だが覚えているだろうか?哲平の配信で地下アイドルが自分を売り込みにやってきたことを、、、


春風はるかぜ 樹里じゅりは年齢18歳で職業はアイドルである。彼女はまだまだ駆け出しのアイドルであったが配信アプリの中では一般女性に比べ目を引く存在であった。


筑矢もまた彼女の存在が気になって配信を見に行っていた。その際にライブにも誘われて月1回ペースぐらいでライブを見に行くようになった。配信内で知り合ったオタク仲間もできて少しずつ外出して人と関わるようになっていった。


初めてアイドルのライブを見に行った時、右も左も分からない筑矢だったがオタク仲間はそんな筑矢をすぐに歓迎した。特に樹里のファン第1号らしいノリくんというオタクが親切にアイドルのライブについて教えてくれた。ちなみにノリくんという名前は配信アプリでのユーザーネームである。


オタクの男「樹里にゃーん!世界で1番かわちいよー!」


筑矢「前配信で絡んだノリくんってピンクのTシャツでピンクのペンライト2本振ってるって言ってけどあれかな?」


オタクの男「樹里にゃーん!アイラブユー!」


しばらくしてライブが終わったので筑矢はそのオタクの男に話しかけてみた。


筑矢「あのーノリくんですか?俺はツミツミです。」


オタクの男「あ!そうですノリくんです!ツミツミさんってあの配信の?ようやく会えましたね。」


筑矢「良かったやっぱりノリくんだった。初めてでよく分からなくてこの後のチェキ会ってどこでやるんですか?」


ノリくん「初めてだと戸惑いますよねー。このあと2階でやるので行きましょうか。」


とりあえずノリくんについて行きチェキ会の会場に到着した。


ノリくん「しばらく待ってればアイドルのみなさんが来ると思いますので。」


待つこと15分、、、


アイドル全員揃ったところでチェキ会が始まった。すぐにオタク達が列を並べて順番に推しのアイドルを指名しながらツーショットでチェキ撮影したり、アイドルと会話をしたり短い時間ではあるがオタク達は幸せそうな顔をして楽しんでいるようだった。


そしていよいよ筑矢の出番である、、、


筑矢「秋風 樹里さん指名でお願いします。」


スタッフ「樹里ー!出番だよー!」


すると樹里が筑矢のすぐ隣まで来た。


筑矢「いつも配信見てたツミツミです。ライブすごく良かったですよ。」


樹里「あ!本当に来てくれたんですね!嬉しい!じゃあ早速チェキ撮りましょー。」


チェキ撮影後、、、


筑矢「何かすいません。俺どうも写真が苦手で。」


樹里「いやいやツミツミさん顔イケメンじゃないですかー自信持ってください。」


アイドルに容姿を褒められ少し舞い上がりそれからアイドルによりハマっていった筑矢だった。


それを機に筑矢自身も服装や髪型に気を使うようになり、見た目が向上していったが精神病の方は簡単には良くならなかった。外出をすれば手の震えが止まらなくなったり、周りの目を気にしたり苦しい日々が続いていた。


そんな日々が続いてる中で筑矢は同窓会に誘われた。行こうか迷った筑矢であったが参加することにした。


そして同窓会当日、、、


筑矢は思いのほか同級生の女子からチヤホヤされていたが、本人は恋愛にも娯楽にも興味をなくしていたため2次会もあったが参加せずにすぐに帰ることにした。


電車に乗って帰ろうと駅に着いたその時、、、


見覚えのある女性が中年男性と歩いていた。


筑矢「まさかあれ樹里さんじゃないの?」


いつもの清楚な雰囲気とは違って濃いめの化粧をしていたが心配になった筑矢は後をつけることにした。


すると2人はオシャレなレストランに入っていった。しばらくすると店内から出てきて今度はアパレルショップに向かって行った。


そのまま待つこと1時間、、、


大きな買い物袋を持って店内から出てくるとそのまま2人は別れて帰って行った。そのタイミングで筑矢は樹里だと思われる女性に声をかけた。


筑矢「あのー樹里さんだよね?」


樹里「あれ?ツミツミさん?」


筑矢「そうだよ。ごめん実は後をつけてた。あのおじさん誰?」


樹里「いやそれは、、、」


筑矢「それ全部あのおじさんに買ってもらったの?」


樹里「ツミツミさんには関係ないよ。。。」


筑矢「もしかしてパパ活じゃないよね?」


樹里「いや別に、、、そんなんじゃ、、、」


筑矢「余計なお世話かもしれないけど、もしそういうことしてるならやめてほしい。せっかくアイドルになって今まで頑張ってるのに全部無駄になっちゃうよ?」


樹里「うるさい!ほっといて!」


そう言うと樹里は走ってその場を去って行った。


筑波「樹里さん。。。」


そのまま筑矢も帰ることにした。


自宅に着くと同窓会のことは全部頭から飛んでいて樹里のことばかり考えていた。今応援してる人が道を外そうとしている可能性があると思っただけで胸が苦しくなった。無力な自分に嫌気がさしてまたいつものように天井を見ながらぼーっとしてその日は終わった。


つづく

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