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第7話、覚醒の日

それから3ヶ月ほど経った頃、異世界での筑矢は基礎トレーニングをしながら剣術の稽古をしていたがあまり成果を得られずにいた。元の世界ではすっかり配信にハマって自分で配信をしたり人の配信を見て楽しんでいた。


そんなある日の異世界でのこと、いつものように摘希が魔物狩りに行こうとしていたが1人で連日頑張っていたせいかとても疲れているように見えた。


筑矢「おい摘希大丈夫か?顔色悪いよ?」


摘希「大丈夫だ。いってくる。」


心配になった筑矢は摘希のあとをついて行くことにした。そして前に話していた通り洞窟へそのまま入って行った。


筑矢「さすがに中までついて行くのはやめておこう。」


しばらく筑矢は洞窟の外で待機していた。しかしなかなか洞窟から出てこない摘希を心配し始めていた。


筑矢「あれ?遅くないか?」


気づけばそのまま夕方になりこのままでは本当にまずいと思い始めた頃、腕を押さえながら摘希が戻ってきた。


筑矢「摘希!大丈夫か!?怪我したのか?」


摘希「おい!何でついて来たんだ!」


筑矢「心配だったから。。。とりあえず早く帰ろう。夜は危ないんだろ?」


摘希「そうだな。。。すまんやはり筑矢の言う通り無理するべきではなかった。。。」


筑矢「もう何も言わなくていいから。」


そう言うと筑矢と摘希は足早に町まで歩き始めた。


歩き続けて2時間ほど経った頃、太陽が沈みそのまま森の中で夜を迎えた。


摘希「何か気配を感じる。。。」


筑矢「え?。。。」


そのまましばらく数分経った、、、


少し油断し始めたその瞬間!草むらの影から突然何かが襲いかかって来た!!!


摘希「早い!」


どうにか摘希は攻撃を片腕のみで剣で受け止めたが、剣は半分に折られてしまいその衝撃で剣も手放してしまった。


姿を見せた魔物はオオカミのような見た目をしているが体格はオスのライオンぐらいあり大きく鋭い牙があった。


摘希を助けるため筑矢は魔物に石をぶつけて気をそらしたあと急いで折れた剣を取った。


その時、、、


筑矢は何かを思い出したかのように折れた剣を逆手に持って構えた。


魔物は筑矢に向かって襲いかかってきた。魔物の攻撃を身体をそらしながら回避しバク宙しながら魔物のあごに蹴りを入れ、着地した後すぐにまた上空に高く飛び上がり護身用に持っていたナイフを魔物の片目に突き刺した。


摘希「何だこの戦い方は、、、」


もう1度魔物が突進してきた。今度は魔物が大きく口を開けた瞬間落ちていた太い木の枝を口に投げ入れた。魔物は少し怯みなかなか口も閉じられずにいた。そしてその隙をついて折れた剣を喉の奥に突き刺した。


魔物は大量の血を流し動かなくなった。


摘希「やったのか?。。。」


摘希が近くで魔物の様子を確認してみたところまったく息をしてないように見えた。それと同時に筑矢の様子がおかしいように見えた。


摘希「もしかして頭が痛むのか?」


筑矢「痛い。。。何なんだこれは。。。」


摘希「大丈夫だ。私も同じだった。元の身体の持ち主のことを思い出したんだな。しばらく休んでれば良くなるからじっとしていろ。」


2人はしばらくその場で焚き火をしながら休息を取ることにした。


摘希「この場所にずっと留まるのは危険だ。落ち着いたらまた行くぞ。」


筑矢「そうだな。。。」


摘希「それにもし1日でも夜寝なかったら元の世界に戻れなくなるかもだしな。。。」


筑矢「確かに元の世界に帰れなくなるのは困る。。。」


30分後、、、


筑矢「落ち着いたから出発しよう。」


摘希「分かった。」


もう1度歩き始めて1時間、、、


摘希「ようやく町が見えてきた。」


筑矢「やっとか。。。」


宿屋に無事辿り着きそのまま部屋でまた2人だけになった。


無言が10分ほど続いた後、、、


摘希「今日はすまなかった。。。あと助けられてしまったな。。。」


筑矢「たまたまもらった力で何とかなっだだけだよ。」


摘希「しかし筑矢ずいぶん変わった戦い方してたな。」


筑矢「俺はどうやら短剣の戦士だったみたいだ。しかも二刀流の。」


摘希「やはり元の身体の持ち主の記憶が目覚めたのだな。」


筑矢「でも摘希のような戦士になりたかったから。。。」


摘希「まあそれはこれからゆっくり考えればいいさ。剣の稽古ならいつでも付き合うぞ。そもそも私の剣の技術も元の身体の持ち主のものだしな。」


筑矢「ありがとう。摘希の剣の技術の方が何となく基礎に忠実な気がするからこれからも特訓頼むよ。」


摘希「分かった。それじゃあ今日は遅いしもう寝よう。」


摘希はいつものように1人部屋に戻ったあと自分を責めていた。


摘希「私ってやつはまた誰かを危険な目に遭わせてしまった。人ってやつはなかなか変わらないものだな。ちゃんとした人間になりたい。これじゃ真也にした約束だって。。。」


そこでドアをノックする音が聞こえた。


筑矢「入っていいか?」


摘希は起きていたが何も返事しなかった。数秒したあと筑矢が部屋に入ってきた。そして寝ているふりをしている摘希の前で喋り始めた。


筑矢「最近頑張りすぎじゃないか?何でも1人で背負わないでほしい。俺も摘希に何かあったらすごく悲しいから。おやすみゆっくり休んでな。」


そう言い残し筑矢は去って行った。


摘希は嬉しさのあまり涙を流していた。泣き疲れたあとすぐに眠りについた。


つづく




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