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第4話、忘れられない過去(前編)

筑矢はそのあと少しぼーっとしていると気づけば夜になり、異世界に戻る前にやりたいことリストを作ることにした。


筑矢「オシャレな洋服が欲しいな。たくさん外出て友達がほしい。あとは何か趣味とか見つけたいな。」


やりたいことを箇条書きしているうちに眠気が来たのでその日は寝ることにした。


異世界での朝。。。


摘希「おはよう。やっと起きたか。」


筑矢「おはよう。今日も魔物退治か?」


摘希「いや今日は休暇にする。少し近くの公園で話そうか。たまにはのんびり過ごしたい。」


筑矢「ああ、分かった。」


公園に向かいながら2人はたわいもない話をした。


摘希「なあ、この世界はどうだ?なかなか悪くないだろ?」


筑矢「ああ、でも今は早く冒険者になりたくてそのことばかりだわ。」


摘希「やっぱりそうなんだな。。。」


そして公園に着いた。


摘希「そこのベンチに座ろう。話したいことがある。」


筑矢「話したいこと?分かった聞かせてくれ。」


春野ハルノ 摘希ツミキ22歳。元の世界では高校卒業後に介護の仕事始める。しかし3年前事故に遭い病院に搬送された。手術を受け命は助かったが下半身付随で歩けない身体になった。精神的ダメージも大きかったため現在は精神科での治療もしている。


その後、筑矢と同じように寝ている間に異世界に飛ばされてしまう。異世界では最初はレストランでウェイトレスを1年ほどしていたが、途中で元の身体の持ち主である戦士の記憶が摘希の中に入り込み、戦士として覚醒し冒険者を夢見るようになる。そのことをレストランのオーナーに相談すると何とオーナーも同じ経験があり鍛冶屋だった時の記憶が入り込んできたということだった。そしてオーナーはレストランの経営をしながら摘希の装備を整えるため鍛冶屋の仕事にも取り組む決意をした。


摘希はオーナーの助けもあり駆け出しの冒険者となった。それから半年くらい経った頃だろうか。冒険者の仕事も軌道に乗り始めいつものように魔物を討伐しに行く道中のことであった。


摘希「おーい。そこに誰かいるのか?」


転移者「ちょっと待って!気づいたらここにいたんだって!命


だけは助けて!」


摘希「そうか私と同じで転移してきたわけか。。。」


転移者「寝ていたらここに飛ばされたんだ!」


摘希「お前名前は?」


転移者「西谷ニシタニ 真也シンヤです。。。」


こうして摘希は真也の面倒を見ることとなった。

しばらく真也はやりたい仕事を模索しつつ時より町に出て考えごとをしながら過ごしていた。


そんな生活が続いていたが、ある日のこと真也は冒険者になりたいと摘希に伝えた。

ずっと考えていてもやはり恩人の役に立ちたいという想いが大きくなるばかりだったからである。


冒険者はとても危険なので摘希もやらせたくはなかったが、最後は真也の気持ちを尊重し受け入れることにした。


次の日から真也にまず基礎体力をつけさせるため、町のトレーニングジムに行くよう勧めた。その間に摘希はいつものように魔物を討伐し、夕方から剣の稽古をつけた。


それから真也は毎日特訓を欠かさず行い、3ヶ月が経過した。


真也「そろそろ俺を冒険に連れてってくれよ。」


摘希「いやまだ早いだろ。そんな甘い世界じゃないんだ。」


真也「頼むよ。毎日待ってるだけじゃ嫌なんだ。」


摘希「分かった。その代わり私から離れるな。」


真也は魔物と戦う摘希の剣術を観察し、動きを目で見ただけで吸収していった。それを機に驚くほどの成長を遂げ、1年も経たないうちに1人の戦士として立派に成長していった。


摘希「もう真也になら完全に背中を預けられそうだ。」


真也「俺だいぶ強くなっただろ?今度いつもの洞窟を最後まで攻略しないか?」


摘希「いやまだ危険すぎる。やめておこう。」


真也「危なくなったらすぐ戻ればいいだろ?」


摘希「仕方ない。。。分かった。無茶はしないと約束しろ。」


押しに負けた摘希は真也と共に洞窟の奥まで進んで行った。


真也「そろそろ最奥部じゃないの?楽勝だったなー。」


摘希「油断するな。何が出るか分からないからな。」


真也「大丈夫だってー。心配しすぎだから。」


摘希「おい待て!」


真矢は1人で洞窟の奥まで走って行った。


そして次の瞬間。大きな金切り声のような音が洞窟に響いてきた。


つづく






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