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第3話、似て非なる世界

筑也は摘希に対して冷たい視線を送っていた。


摘希「やつらは昼間は洞窟に隠れてるのさ。明るい場所が嫌なんだろう。」


筑矢「じゃあ昼間は洞窟や暗い場所以外は安全ってことだな?」


摘希「ああ多分な。」


筑矢「いやいや多分て。」


摘希「私には魔物の気持ちは分からないし絶対などないぞ。」


筑矢「そりゃそうだが。。。摘希は冒険者ギルドとかに登録して報酬をもらっているわけだ?」


摘希「いや冒険者なんて仕事は需要ないしギルドなんてものはないな。一般的な職業の人間の方が多いぞ。クリーニング屋に飲食店や雑貨屋とか。」


筑矢「確かに元の世界でも危険な職業にわざわざ就く人もいないもんな。」


摘希「まあ現実こんな異世界でも大半の人が安全に暮らしたいと思ってるのさ。」


筑矢「じゃあ何で摘希は冒険者になりたいと思ったんだ?」


摘希「元の世界でいろいろあってな。ストレス発散に暴れ回りたいと思っただけさ。」


筑矢「そうか。そういや俺も仕事とか探さなきゃだよな。。。」


摘希「まあそう慌てなくていい。まずはこの土地に慣れるようにゆっくり散歩でもするといいさ。金は渡しておくから腹減ったら何か食べろ。」


筑矢「あ、ありがとう。。。」


摘希「それじゃあ私は出かけるぞ。」


こうして筑矢は今日1日言われた通り町を探索することにした。


筑矢「本当に元の世界とあまり変わらないな。オシャレなカフェやレストランもあるのかー。え?銀行まであるの?。。。これなら何不自由なく暮らしていけそうだ。」


とりあえずひと通り探索が終わったあと、まだまだ時間が余っていたので途中で見つけた図書館に寄ることにした。


筑矢「とりあえずできるだけ情報収集しておこう。」


図書館に入ったのはいいけどまさか異世界語の本しかないかも?と思った筑矢だったが、受付に本の言語について尋ねてみるとすべて日本語で書かれているとのことだった。


筑矢「何なんだこの世界は。。。元の住人とかいないのかよ。。。」


奇妙な世界だなと思いながら本棚を見ていたが子供向きの絵本や小説ばかりだった。この世界に関する資料がないかそのあとも探してみたが見当たらなかった。


筑矢「この世界をもっと知りたい。。。知るためには自分の足を使うしかないってことか。。。」


筑矢は摘希と共に外の世界を冒険したいと夢見始めていた。


そして夕方になり摘希が町に帰ってきた。そして摘希が帰ってくるなり筑矢は正直に自分の気持ちを伝えた。


筑矢「あのさ、俺も冒険者やりたくなったわ!」


摘希「いきなりどうした?」


筑矢「外の世界を俺も見たい!」


摘希「まだ来たばかりだし仕事は少し考えてからでもいいんだぞ?」


筑矢「もう決めたから!魔物退治俺にも手伝わせてくれ!」


摘希「はぁ。。。やれやれ考えておこう。」


そして夜になり寝るまで2人はまた宿屋の同じ部屋で過ごしていた。


筑矢「そういえばさ、魔物倒したあとどうやって報酬もらってるの?」


摘希「あー討伐ボックスってのがあってな。魔物の死体とボックスの横にある紙に名前と口座番号書いて入れるとすぐに全部消えてなくなってな。そのあと金が振り込まれてるぞ。」


筑矢「何それ超怪しいな。。。消えてなくなるとかそれ魔法の箱と紙なんじゃないか!?」


摘希「魔法ねー。。。確かに最初その光景を見た時はさすがに私も驚いたけども。」


筑矢「魔法がもしあれば魔物退治だって楽になるんじゃないか?いつも冒険してて何か気になったこととかないの?」


摘希「そういえば森の中で見つけた空き家に入ったら見たことない文字で書かれた本があったぞ。」


筑矢「それどこやったの!?」


摘希「どうせ読めないからそのままにしておこうと思ったが、持って帰って町のコインロッカーに入れてあるな。」


筑矢「なるほど。。。なら他の人の手に渡ることはないか。。。今まで見つけた本はすべて回収してるのか?」


摘希「回収してるがまだ2冊しかないぞ。」


そんな会話をしているうちに時間はあっという間に過ぎた。

そんな中で筑矢は本に魔法のことが記載されているのではないかと期待を膨らませていた。

それからまたお互いそれぞれの部屋で眠りにつくのだった。


そしてまた朝起きると元の世界へ、、、


筑矢「あれ、、、今日も親父いないなー。昨日もいなかったし。毎日飲んだくれの無職の親父が真面目に働き出したなら良いけど。。。」


いつもの筑矢ならその日もそのまま何もせずに寝ているだけだっただろう。今は近所を散歩したり図書館で本を読んだり外に出かけるようになり始めた。少しずつだが筑矢は元の世界でも変わろうとしていた。


つづく






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