転生
「で、お前には希望とかあるか?あるなら言ってみて。」
お?今度こそおきまりのパターンか?自分で能力を選べる的な感じ?
「それなら、魔法が使えるのがいいです。」
「却下だ。」
「じゃあ、美人で優しい姉が欲しいです。」
「却下。」
「ゆるく生きたいです。」
「却下。」
「かわいいお嫁さんをもら・・・」
「却下。」
「カッコいいおう・・」
「却下だ!」
「じゃあ、何だったらいいんですか。全部却下じゃないですか!」
人に希望を聞くなら、全部否定するのではなく、少しくらい願いを聞いてくれてもいいのではないだろうか。
「あのさ、そもそもこの世界に魔法なんてない。もともと生きていたところでもなかったでしょ。ここはマンガなんかの異世界じゃないの。お前が生きていたところと条件は同じ。ただ知識に違いがあるだけでさ。」
なんだ。魔法があるのかと期待していたのに。だったらさっきの抽選も、ただの神頼みってことか。つまらないなあ。
「それに、ゆるく生きるとかかわいいお嫁さんとかそんなのは勝手にしろ!」
『勝手にしろ』と言うが、実際、そんなのは無理だ。生きるためには仕事をしなければならないし、可愛いお嫁さんをもらうには、モテなければならない。このことばっかりは、自分ではどうにもできないのだ。人生の経験上、いやというほど知ってしまっているのである。
「そんなこと言って、本当は何にもできないんじゃないんですか?」
ちょっと挑発してみた。希望を聞いたのだから、何かしらできるはずだ。これで本当にできないのであればもうしょうがないが。
「・・・・・へえ、そんなこと言うんだ。今まででやっとまともな人だったから、せっかく聞いてあげたのに。それなら私が勝手に決めてあげる。それとも放置したほうがいいかな?どんな不細工になってもしょうがないよね?」
すごくいい笑顔である。そう、先ほどの自己紹介の時とは違う、とても楽しそうな笑みである。
「スミマセンデシタ・・・・」
「いいよ、言ってみただけだし。まあ、お前の性格は大体わかってるし、好きそうなの言うからそこから適当に選んで。」
「ありがとう。」
「この1番と10番、12番でお願いします。」
「はーい。それにしても、ここら辺選ぶかなーとは思ってたけど、ほんとにそれを選ぶとはねー。まあ、頑張ってとは言ってあげる。」
そう、僕が選んだもの、それは確かに厄介な能力かもしれない。けれど、面白そうなので、それを選んだ。まあ、第一王子に転生するのだから、変わらないだろう。
「アティー、5番目の人も転生させる準備できたよ~。」
「ありがとう。準備大変だったでしょ?この間も仕事任せっぱなしにしちゃったし、しばらく休んで。後は私がやっとくから。」
「オッケー。そういえば、5番目の人ってどんなのえらんだの?」
「えっとねー
カードを使うことが出来る(その国の仁神として崇められる)
※カードを作ることは出来ない
記憶することが出来る(前世の記憶を忘れない)
※本人の記憶のみ
ちょっとしたことでケガをしない(誰かに力を貸すことも出来る)
※大けがの場合通用しない
だって。」
「あら、それじゃあ人の世界では生きずらいんじゃない?」
「そうかもしれないね。でも、私はあの人にこっち側にきてもらいたいな。」
らいらです!
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