女神様?
【送信完了】
やっと今日の仕事が終わった。ああ、違う。昨日の分の仕事だ。
うちの会社はブッラック企業というわけではないのだが、忙しい時期とそうでない時期の差が激しいのだ。忙しい時期は大抵6時に出社、25時に仕事が終わる。1日の睡眠時間は最長2時間30分。家に帰ることの出来る割合はおよそ2%。けれど、そうではない時期は9時に出社、7時に終わる。
「ああ、子供に戻りたい。」
「何言ってるんですか先輩、無理に決まってるじゃないですか。」
「いや、そんなのわかっているよ?えっっ、僕のことなんだと思ってるの。さすがにそんなのわかってーーーー」
「ぐう〜、があ〜〜」
寝ている。まあ、かわいい後輩だ。たまには寝かせておいてあげよう。で、どのくらい残っているのかな?
「・・・・・・」
よし!徹夜だ!あれ?そういえばこの間寝たのはいつだったか。確か・・・・。いや、そんなことを考えていないでさっさと終わらせて寝てしまおう。
「パチパチパチパチ」
???? 起きるとそこには、真っ白い世界が広がっていた。壁も天井もなく、空すらない、ただ、真っ白く明るい世界。
「おっめでとーございまーす!第5回、抽選会の一等賞は貴方ででーす!」
何が起きた?もしかして僕、亡くなってしまった感じですか。そういうことなら、この声は綺麗な女神様の声?『異世界へ行きませんか』なんて言われちゃったり?そして勇者様になれちゃったり?それともーーーーー
「おい、何をほうけているんだ。もう、目が覚めたのだろう?早く起きないか!」
「へっ、あ、はい。」
「おい、その顔をどうにかしろ。」
そう言って、僕の前に鏡を差し出してきた。そこには、目尻がヤバいくらいに下がり、鼻の穴をこれでもかというほどに開き、・・・・・ とにかく、とてもとても気持ち悪い顔が映っていた。
「すみません。ええと、あなたは?」
なぜか睨まれてしまった。そして、大きなため息をついた後、
「私はセンスチア王国の第一王女、アティルラ・サン・センシアですわ。以後お見知りおきを。我が国は貴殿を歓迎いたします。」
スカートの裾を持ち上げ、綺麗な角度でお辞儀をしながら挨拶をして来た。
「あ、ありがとうございます。」
「えーと、お前が知りたいのは、
1、自分は死んだのか
2、ここはどこなのか、そしてなぜここにいるのか
3、これからどうなるのか
ってところかな?合ってる?合ってるよね。」
ん?なんか切り替え早くない?というか、さっきは『貴殿』なんて言っていたのに、今僕のこと『お前』て言ったよね。ちょっと失礼じゃないかなぁ。一応あの子、お姫様なんだよね?しかも、僕より20歳は絶対年下だよね。別に気にしているわけではないんだよ。『お前』って言われたの初めてじゃないし。でもさ、なんかムカつくよね。
初めまして!らいらです。誤字脱字がありましたら、報告よろしくお願いします。