悪徳令嬢って私の事?2話
クッキーをつまみ、紅茶を飲んで少し落ち着きを取り戻したメリッサ・・・
執事「お嬢様・・人の考えを勝手に決め付けるのは、お辞めになるべきですな・・・もし妄想が暴走しでもしたら、大変な事になり兼ねない・・・」
メリッサ「妄想が暴走ですって!私は妄想するほど暇じゃないし、あの女にハッキリと言ってやったわ!」
執事「何をおっしゃったのです?」
メリッサ「あの女・・カトリーヌの本性よ!」
その時の事を思い出したメリッサの表情には、怒りが沸き起こり、手にしたカップを投げ付けようとしていた!
執事「お嬢様!そのティーカップはお嬢様のお気に入り・・」
メリッサ「だったら何!」
押さえ切れない怒りが込み上がるメリッサは、肩を震わせティーカップを握り締め、カトリーヌの言葉を思い出していた・・・
カトリーヌ「これは、これは、名家の家柄のお嬢様に私の誕生日を祝って貰えるなんて嬉しい限りですわ」
メリッサ「喜んで貰えて何よりですけど、本当に心から祝ってよろしいのかしら?」
カトリーヌ「え?どういう事・・」
メリッサ「だって、あなた今日で40歳になるんでしょ」
カトリーヌ「えぇ、そうよ!」
メリッサ「40で結婚出来無かった女の誕生日がおめでたいとは思えないわ・・・」
カトリーヌ「あら!そんなこと気にせず、パーティーを楽しんで貰って結構ですわ!」
メリッサ「楽しめない!痛々しいのよ!結婚出来なかった女が派手なドレスではしゃいでいるのを見るのは!」
メリッサの声が響き渡り、周りの視線が2人に注がれる・・・
カトリーヌ「メリッサ・・・あなた若いのに考え方が古いのね・・まるで、結婚していない女が不幸みたいな言い方・・」
メリッサ「40歳を過ぎた独身の女が幸せだとは思えないわ!」
カトリーヌ「生き方は人それぞれなの・・・それに幸せか不幸かは他人が決める事じゃない自分で感じるものよ・・そして、もし不幸だと感じたなら幸せになれるように努力するだけ・・・」
メリッサ「あなたは、自分が幸せだとでも言いたい訳」
カトリーヌ「当然!私は幸せだわ!こんなに多く人に誕生日を祝って貰ってるんですから。それに、私はあなたと違ってモテるの。結婚は出来なかったんじゃなくて、しなかっただけよ!毎日が自由だし、刺激的で楽しく過ごしてるわ、結婚しなくて良かったと思ってる。」
メリッサ「自分が幸せだと思うのは勝手だけど、いま私がモテない様に聞こえたんだけど、確かかしら・・・」
カトリーヌ「えぇ、そう・・あなたモテないでしょ。早く結婚したいみたいだけど、一生出来ないんじゃないかと心配してるのよ・・」
メリッサ「私が一生結婚出来ないですって!」
カトリーヌ「そうよ。あなた、みんなから何て呼ばれてるか知ってる?あなたは悪徳令嬢って呼ばれてるのよ。」
メリッサ「悪徳令嬢ですって!嘘おっしゃい!」
カトリーヌ「本当のことよ!あなたに直接言う人がいないだけ、陰ではみんなそう呼んでるわ・・・」
メリッサは、静かに周りの人を見回すとカトリーヌを睨み付け
メリッサ「いい加減な人・・あなたは自分勝手でわがまま、攻撃的な嘘付きババァよ!」
そう言うと、カトリーヌに背を向け出口に向かった・・・
カトリーヌ「嘘じゃないわよ!帰って執事やメイド達に聞いて見るといいわ!」
「ガシャーン!」
怒りを押さえていたメリッサだったが、カップを壁に投げ付けていた・・・