1/1
出会い
「何、してるの?」
「え?」
こちらに振り向いた瞬間長い髪がふわりと揺れた。話したこともないのに思わず声を掛けてしまった。いや、この状況で彼女に声をかけない人が居るのだろうか
4階の屋上、目の前にはフェンスによじ登っている同級生。そして朝顔が咲くようににこりと笑って口を開いた。
「あれ、隣のクラスの牧野くんだよね!どうしてこんなところに?」
「いやこっちの台詞だよ、そんなことより質問に答えて」
「ああ!ごめんごめん、実は私ね ────」
──── 死のうとしてたんだ。
これが君と僕との奇妙な出会い。