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03-01.元連隊長、先輩と話す

プラッド魔導学院に入学してから1年が経過していた。

乙種学級でカディール語を特訓していたヴィーツも半年ほどで無事に甲種学級に移動して、イルマ、タモツ、ヴィーツはそれぞれ座学や実技の訓練を進めていた。

イルマは得意の<見えざる盾>で魔導の才能を「開眼」させ、ヴィーツも火炎術の訓練で魔導に「開眼」した。

トラホルンから来た三人が立て続けに開眼しては怪しまれるかもしれないと考え、タモツはもう少し様子を見ることにしていた。


イルマとヴィーツは魔導の開眼により第4学期に進級していたが、タモツはアストランが踏みとどまっている第三学期にいた。

アストランは相変わらず学生食堂ではいつも一人でテーブルについており、タモツは他の友達に誘われていた時以外には、ときどきアストランと食事を共にしていた。

同情心もあったが、それ以上にアストランは様々な知識を持っていて、話し相手として良い相手だったからでもある。


「タモツ、君はまだ幼いのに随分と大人びているんだね」

「あー、それはよく言われます。可愛げのない子供ですみません」

転生者であるということはイルマとヴィーツ以外には伏せていたので、タモツは自分では極力子供っぽくふるまっているつもりであったが、なにしろ中身はすでに68年を生きている。言葉選びやものの考え方などに、どうしても子供らしくない部分が出てしまった。

「ジエイタイっていうのはトラホルンの魔導士たちによって召喚された傭兵なんだろ?」

「トラホルンの魔導士たちによって召喚された、のでしょうか?」

「カディールの魔導士たち、ことに僕の父はそう考えているよ。トラホルンの領内にだけそのような現象が起こって、トラホルン国にだけ利益があるんだから」

「確かに、そうなのかもしれない。別世界から何らかの目的で呼び出され、今も呼ばれ続けている……」


「バルゴサとトラホルンは近いうちに戦争になると父が言っていた」

「アストラン先輩のお父上はどのような方なんですか?」

「この国の魔導執政官だよ。とはいえ、僕は魔導の才能がないから跡を継ぐことは無いだろう。入学当初には僕と仲良くしようとしていた連中もみんな離れていったさ」

「魔導執政官? 政治をなさる役職ですか?」

「そう。この国の権力者の一人だよ。父の名はダヤール。魔導士にして歴史学者でもあるんだ」

「偉大なお方なんですね」

「そうだね。僕は父の後を継ぎたいと願っていたんだが、それはかなわないようだ。せめて歴史学の分野では父の後を追いたいが」

アストランは遠い目をした。

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