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10-12.元連隊長、救助する

ライフェルの後宮には20名ほどの女性たちが囚われていた。

カディール語も通じなかったので、女性の一人に吸血鬼を倒したことを念話で告げると、その女性が全員に伝え、彼女たちは涙を流して喜んだ。

ゾンビたちを警戒しながら転送門を開き、とりあえず新日本国の首都イズモに転送ルートを開いた。


(ハジメ、聞こえているか? 詳しいことは後で話すが、ライフェル人の女性たち20人ほどを保護してくれ)

(んあー? カナデに何とかさせるわ)

ハジメはしのごの言わなかった。タモツはハジメの話の早さに感謝した。


(これから安全なところに運びます。この門をくぐって)

先ほどの女性に念話を送ると、女性が他の女性たちをうながした。


「ラール大陸広しといえど、戦車を転送したり、小隊レベルの人数を一気に送り込める転送術士はタモツだけだろうな」

ヴィーツは、タモツが開いた転送門の大きさを見て感嘆した。

「ああ、そうだな。いずれ自分が行ったことのない場所にも門を開けるようになったら、世界中のどこへでも好きに軍隊や戦車を送り込むことができる……。タモツが悪しき心の持ち主じゃなかったことを神に感謝するよ僕は」

アストランはヴィーツのほうを見て、恐ろしげに言った。


「何を言っているんだ。大げさだよ」

タモツはアストランのほうを見て笑った。

「いや、全然大げさじゃないよ。君はもう究極の魔導士の一人だ。くれぐれも力の行使には気を付けてくれよ」

「ああ、アストラン。心にとどめておくよ」


女性たちが全員転送門をくぐったのを確認し、タモツは状況説明のためにアストランも行くようにうながした。

「残念だけど、僕は魔導戦闘の役には立たないしね。分かった、説明は僕の方からしておく」

日本語で話されていた内容については、タモツが念話で概略をアストランとヴィーツにも送っていた。

アストランが門をくぐった後、タモツは転送門を閉じた。


「さあて、いきますかっ!」

「頼りにしてるぞヴィーツ!」

これからライフェルの全てのゾンビを倒すのだ。一体たりとも外に流出させるわけにはいかなかった。

「この爆炎の魔導士トヨトミ・ヴィーツ様の、本気の本気を見せつけるときがきたかあーっ!」

王宮にはいるときにはあんなにゾンビを怖がっていたはずのヴィーツだったが、もうそれは吹っ切れてしまったらしい。


「いくぞ、ヴィーツ!」

「おっしゃあっ! 突撃ぃいいいっ!」

タモツとヴィーツは王宮を飛び出して、城塞都市の中に躍り出た。

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