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10-05.大統領、タモツと念話する2

翌日にもタモツからハジメのもとに念話が届いた。

(ハジメ、たびたびすまないっ! 伝えたいことがあって連絡した)

(……? どうしたタモツ)

(バルゴサで動きがあった。サルヴァ女王陛下づきの白魔導士からシーリン女王陛下に、そして僕あてに念話通信が来たんだが)

タモツは一気に言った。

(望星教団のバルゴサ支部に怪しい動きがあったので、女王の命でバルゴサ軍が踏み込んだ。王都ヌーン・バルグで行方不明になっている人たちを捜索していたら望星教団にたどり着いたらしい)

(怪しげな教団だとは聞いていたが、しっぽを出したか。で、どうなった?)

(人間を蘇らせる儀式と称して、いけにえとして他の誰かを殺すということをしていたということをつきとめたそうだ)

(なんだって? ますますカルトな教団じゃねえか)


タモツは少し間をおいて言った。

(それからバルゴサ軍の将校が望星教団の幹部を尋問し、さらには拷問をして洗いざらい吐かせたそうだが、ギスリム王を殺したパバールも望星教団に洗脳されていたようだ)

(!! なんてこった。正直、そんな可能性も考えちゃいたが……)

(バルゴサ王国は望星教団を禁教として、信者たちに国外追放を命じた。信者たちはカディールに逃げたようだが、いずれカディールでも望星教団を禁教に指定するだろうと思う。指導者のヌワージという老人は北の果てにあるライフェル王国に逃げ去っていたらしい)

(ライフェル? 名前は耳にしたことがあるが、遠すぎてトラホルンとは特に国交がないな)

(カディールと細々と交易をしてはいるみたいだけれどね。そこは望星教団が国王を洗脳して、望星教を国境に定めたらしいんだ)

(……おいおい、まじか)

(いずれ信者たちはカディールからライフェルに移動するだろうと思われる)


(そいつらは、なんだってギスリム国王を暗殺した?)

(魂の器というものを取り出す、と言っていたらしい。特定の殺し方で人を殺すことで、魂の器というものを取り出すことができると望星教団の幹部たちは信じているらしい。末端信者たちはそんな恐ろしい儀式のことは知らず、ただ一心に生まれ変わりを信じて祈っているだけみたいだけど)

(もしかして、昔に刈谷の野郎がサエちゃんを狙ったのもその目的か?)

(ああ、僕はそう睨んでいる。僕はいずれ望星教団を叩き潰すためにライフェルに踏み込むつもりだ。行ったことのない場所に自由に転送というわけにはいかないから、カディールからは徒歩か馬でライフェルを目指そうと思うけれども)


(それで、現地に踏み込んだらどうするつもりだ?)

(ことによったら、いったんトラホルンに戻って魔導戦車と共にライフェルに舞い戻るっ!)

(……まじかよ。それこそ本当にライフェルを教団ごとぶっ潰すつもりなのか)

(サエちゃんに及ぶかもしれない危険の芽は完全につぶしておきたい。それに、刈谷くんやパバールさんに道を誤らせた報いを受けさせるよ)

タモツは強く念じてきた。

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